シザー・アイ(デュエル・マスターズ)

登録日:2014/04/03 Thu 21:47:00
更新日:2024/04/17 Wed 19:55:31
所要時間:約 4 分で読めます




火の領域の海岸線は、上陸した水の軍勢で真っ青に染まった。

シザー・アイ 
水文明 コスト4
クリーチャー:ゲル・フィッシュ 
P3000

シザー・アイとは、デュエル・マスターズのクリーチャーである。

初出はDM-02 第2弾「進化獣降臨(マスター・オブ・エボリューション)」。その後、初心者向け再録パックDM-18 「ベスト・チャレンジャー」とそのスターターデッキ、DMS-05 「ベスト・チャレンジャースターターセット」に再録される。

…見ての通りバニラである。何の能力もなく、ゲル・フィッシュなので現在のカードプールでは進化もできない。種族カテゴリ「フィッシュ」には属すがそれがどうした。しかも初期のカードだけあって、完全上位互換がいくらでも出てくる。

完全上位互換一例

  • 《スプラッシュ・ゼブラフィッシュ》《イリュージョン・フィッシュ》《インスペクト・シード》《ノスタルジア・フィッシュ》《ハリセン・フィッシュ》
同種族持ちのコスト4能力持ちP3000。《ハリセン・フィッシュ》に至ってはオリジンを併せ持つので、進化先がある。

  • 《フォーチュン・ボール》《氷結カッチ・コチーン》
異種族持ちのコスト4能力持ちP3000。《フォーチュン・ボール》は相手のシールドが3枚以下ならカードを2枚ドローでき、《氷結カッチ・コチーン》は相手のクリーチャーをフリーズさせられる。

  • 《蒼狼アクア・ブレイド》《海賊の祈祷師 レディ・パーロック》《球体マンマル・カブト》《アセンブラ》《ランボー・マンボー》
3コストバニラでP3000。しかもいずれも「サイバー」「リキッド・ピープル」「グレートメカオー」のいずれかに属す。水文明の優秀種族に属す彼らに《シザー・アイ》が勝てる道理がない。

  • 《ミセス・アクア》《シースピン・クロウラー》
デメリット無し能力持ち3コストP3000。やめてくれよ…。

かつては水文明・闇文明のクリーチャーのパワーは他の文明より低いという設定があった。しかし10年以上続くTCGである。次第にそんな(インフレに不都合な)設定は形骸化し、今では水文明にも標準スペックバニラが登場している。
これほどまでに弱いため、「デュエル・マスターズ七英雄」の一角を担っている。

おまけに種族もゲル・フィッシュなのであまり優秀とも言えず、居場所となりえるデッキがない。こんなクリーチャーでも再録機会に恵まれているのは初期のカードだから故か。




アニヲタの領域の海岸線は、追記・修正で真っ青に染まった。





















「それで終わりか、アニヲタ!」







居場所がないなら作ればいいじゃないか!ということで《シザー・アイ》をこよなく愛する者達が作ったデッキタイプがある。「シザー・アイへの愛」、まさに【シザー・愛】というデッキタイプである。

【シザー・愛】

シザー・アイが能力もなくパワーも非力だというのならば、能力とパワーを与えればいい、という考えのもと、ひたすら「クロスギア」をつけてやるデッキ。
ただし、クロスギアを節操無く積み込んでも、重いだけのデッキになってしまうため、ある程度絞って作らねばならない。

まず、クロスギアのサポートが潤沢にあるのはシザー・アイの属す「水文明」、そして光と火である。
それから肝心のシザー・アイは4コストなのである程度マナが伸びないといけない。よって自然も入れてやる必要がある。
このため、この中から水・光・自然を中心にタッチで火文明を混ぜるか混ぜないかしたタイプが主となる。

水文明の候補カード

《シザー・アイ》 クリーチャー コンセプト。これがなければ始まらない。
《インビジブル・スーツ》 クロスギア シザー・アイをアンブロッカブル化する。
《スパイラル・オーラ》 クロスギア シザー・アイがやられても手札に戻ってくるようになる。
《ノーブル・エンフォーサー》 クロスギア 雑魚にチャンプブロックされなくなる。
《アクア・ツバメガエシ》 クリーチャー 高コストクロスギアをジェネレートしてやりたい。またタッチで火や闇を持つクロスギアを入れる場合でも役立つ。
上記の他にも水文明なのでせっかくだからドローやサーチも用意しておきたい。《クリスタル・メモリー》や《サブマリン・レイバー》などが候補に上がる。

光文明の候補カード

《光器ペトローバ》 クリーチャー ゲル・フィッシュを宣言してパンプアップ。
《聖装ネビュラ・ウイング》 クロスギア シザー・アイを擬似《ボルベルグ・クロス・ドラゴン》化する。クロスギアを一気につけて畳み掛けよう。
《ペトリアル・フレーム》 クロスギア シザー・アイアンタッチャブル化。
《シャイニング・ディフェンス》 クロスギア シザー・アイブロッカー化。除去されやすくもなるのでペトリアル・フレームと併用しよう。
他にも《ロード・オブ・レジェンドソード》とシナジーする《クイーン・オブ・プロテクション》を採用するのもあり。あとスパーク系呪文を入れるのもありか。

自然文明の候補カード

《フェアリー・ギフト》 呪文 2tシザー・アイ降臨。…はおまけ。本命はむしろクロスギアを並べた後にシザー・アイを低コストで降臨させること。
《アクテリオン・フォース》 クロスギア S・トリガーXで出たらすぐクロスできる。
《チェーン・ヘリックス》 クロスギア 並んでいるシザー・アイ全てがパンプアップされる。
《ネオ・スレッジハンマー》 クロスギア トランプル化。
他にも《クイーン・オブ・プロテクション》とシナジーする《ロード・オブ・レジェンドソード》を採用するのもあり。

上記三色の多色の候補カード

《流牙 シシマイ・ドスファング》 クロスギア 水・自然でジェネレートすると並ぶ。
《グランドクロス・カタストロフィー》 クロスギア 進化クロスギア。シザー・アイが文字通り無敵になる。

他の色の候補カード

《バジュラズ・ソウル》 クロスギア 火。もはや伝説のクロスギア。ランデスしながら殴りかかるのは恐怖。
《至宝 オール・イエス》 クロスギア 光・闇。マッドネスを無効化しながらのハンデスで追撃を止めよう。
《イモータル・ブレード》 クロスギア シザー・アイをスレイヤー化する。上記のクロスギアで無敵になった状態のシザー・アイで相手を殲滅しよう。
《インフェルノ・サイン》 呪文 闇。シザー・アイを復活させよう。トリガーがついてる。
他の色を入れる場合、基本的にはクロスギアを入れることになる。あまり入れ過ぎるとデッキコンセプトが破壊されるので数枚にとどめておこう。

このようなカードを投入し、クロスギアを並べて全てシザー・アイに装着、相手を圧倒的なパワーで殴りつけるというわかりやすいデッキである。

メリット

  • クロスギア除去はマイナー。そのためハマってしまうと相手は何もできない。
クロスギア除去はマイナー。環境にのぼっているクロスギアが《至宝 オール・イエス》しかないのでクロスギアの除去札が腐りやすいためである。そのため豪快にクロスギアを使うこのようなデッキ相手に対応できるプレイヤーは少ない。
  • シザー・アイはそこそこ軽量なので立て直しがしやすく、また4コストなので《斬隠テンサイ・ジャニット》など一部の除去に引っかかりづらい。
コスト3ではなく4のために一部の除去に引っかかりづらい。このため相手も対処が遅れる。
  • 自分の愛を再確認でき、相手に屈辱を味わわせることができる。

デメリット

  • クロスギアを並べた後、クロスするのもコストがいる。
《聖装 ネビュラ・ウイング》などで解決したい。
  • シザー・アイを引けないと殴り手に困る。
コンセプトの都合上クリーチャーをあまり搭載しないので殴り手に困る。
  • クロスギアはクロスしないと効果が発動しないものが多い。
《インパクト・アブソーバー》や《イモータル・ブレード》などを除くとクロスしている間しか発動しないので、シザー・アイを早く用意しないとならない。しかし早過ぎると除去されてしまうジレンマ。

そして。




  • 《シザー・アイ》でなければならない理由がない。
別に4コスト5000の《氷菓の超人》《氷河妖精アイス》や6000の《ノウメン》でも問題がない。クリーチャーの色は変わるが、パワーだけなら上である。
というか、能力無しにこだわる必要性すらない。
勿論、《シザー・アイ》でなければ【シザー・愛】ではないが、シザー・アイ以外はガチカードばかりを搭載するので、シザー・アイでなければ普通に強いグッドスタッフ足りえるのだ。たとえそれが《スプラッシュ・ゼブラフィッシュ》であっても。

「だからなんだ」と思える人。
あなたの愛は本物である。
愛さえあればどんなガチデッキともまともに戦えるであろう。とにかく愛を注げば良い。







それにしても何でこいつが愛されたんだろう…と思ったあなた。
それはこのフレーバーテキストにある。

「火の領域の海岸線は、上陸した水の軍勢で真っ青に染まった。」

こいつのフレーバーテキストに、当時のDM背景世界での戦争の様子が示されているのだ。

こんなに弱い《シザー・アイ》が海岸線を染めた…というのが最大のネタである(無論、シザー・アイだけで軍勢を組んだわけではなかろうが)。
なので【シザー・愛】でもできればシザー・アイを4体並べることに挑戦していただきたい。



関連カード

《シザー・ラヴ》
新章にて登場したカード。見ての通り、シザー・愛。
シザー・アイと完全に同一種族で、シザー・アイよりもパワーが1000高い完全上位互換。
もっとも、結局のところ上位互換の多いスペックである上にオリジナルのシザー・アイでは無いという点であまり人気は振るわない。完全上位互換であるにもかかわらず、5枚目のシザー・アイという悲しい扱いである。

《シザー・アイGR》
GRクリーチャー化したシザー・アイ。
スペックはオリジナルと完全に同一。ただし、GR化したことで「4コスのバニラ」というのが彼だけの個性となっている。やったね!
また、同弾で収録されたオレガ・オーラ化したクロスギアや、クロスギアでは無いがそれまでに出たオレガ・オーラと合わせることで、往年のシザー・愛のような動きが可能となっている。


改めて―――

アニヲタの領域の海岸線は、追記・修正で真っ青に染まった。

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最終更新:2024年04月17日 19:55