魔女と百騎兵

登録日:2014/06/11(水) 03:19:00
更新日:2023/12/29 Fri 12:07:43
所要時間:約 6 分で読めます





どこかにある、少し幻想的な世界でのお話。

大国に隣接した小さな森には、
醜く悪しき「森の魔女」と、
容姿端麗天才的な才能をもった「沼の魔女」がいました。

二人は互いの魔力を競うように
100年ものあいだ争っていましたが
沼の魔女が伝説の兵士を、
深淵の闇の中で見つけたことでその均衡は崩れます。

……キヒヒ。





2013年7月25日に日本一ソフトウェアより発売されたPS3用の3Dアクションソフト。
ジャンルは「ダークファンタジー・アクションRPG」
キャラクターデザインは日本一お馴染み原田たけひと。
開発から「CERO-Zも想定していた」とも言われるポップでダークでエグい世界観と、
強烈な展開に加えて様々な伏線が練りこまれたストーリーが魅力。
日本一ソフトウェアの代表作であるディスガイアシリーズと似たようなものと思い購入したユーザーを絶望に叩き込んだ。
ちなみに実際のCEROはC。



【登場人物】

◆メタリカ

(CV.伊瀬茉莉也)
本作の主人公である「沼の魔女」。傍若無人な性格といかにも悪の魔女みたいな言動、「キヒヒ」という笑い方が特徴。
ニブルヘンネの毒沼に住み「偉大なる沼の魔女メタリカ」を自称するが、
ずっと沼に引きこもっているため世間で認知はされておらず、その若さ(100歳ちょっと)もあって舐められることもしばしば。
だが実力は本物で、強大な魔力と多種多様な魔法を使いこなし思いつきでマジックアイテムをポンポン作るなど相当なもの。
しかしその知識のほとんどは本による独学であり、普通の魔女にとって当たり前の知識や常識が欠如している。
はっきり言って『魔女としての人格、思想』を除けば純真で不器用ながらも思いやりのある少女であり、
他の登場人物と比較され「あれ?かなりマトモじゃね?」と思うプレイヤーも多い。
沼がある場所でしか生きられない為、百騎兵を使って世界に沼を広げ自由を謳歌するのが彼女の目的。
メタリカの昔を知る人物からはリカと呼ばれる事が多いが、本人はこう呼ばれることを嫌っている。

裏花=トーラス?理花?誰のことかな?


◆百騎兵

(CV.水原薫)
メタリカが召喚した使い魔。プレイヤーの分身であり作中では彼を操作して進めていくことになる。
古の記述に残る伝説の魔神であり、山程もある巨体に13の禍々しい瞳、そして恐ろしき4本の腕を振るい、
口と股間から火を吹き怪鳥の如く大翼を羽ばたかせ、世界を渡り歩き破壊の限りを尽くす伝説の大帝。
……とあるが、実際に召喚されたのは似ても似つかぬチンチクリンの魔法生物(マナニア)だった。
主であるメタリカからして「何を考えているか分からない」と言われるが、
食べ物に喜んだり叱られて落ち込んだり、割りと表情豊か。
また会話は出来ないが命令を理解する知能はあり、肯定や否定など簡単な意思疎通は可能。ヴァイ!
体内は異次元空間となっており、武器や道具、果てには人間の体まであらゆる物を収納できる。

戦闘スタイルは各種武器に加えて百騎兵の名の如く、残りの九十九体分の魔力「トーチカ」を自在に変化させて戦う。
その力の応用性は高く、分身、爆破、投擲、支援など多岐にわたる。
分身であるチビへイは本作のマスコット的な扱い。かわいい。


◆ビスコ

(CV.藤村歩)
犬化の呪いをかけられ半獣化した女騎士。フルネームは「ビスコール=ドートリッシュ」。
魔女が国にとって有益かを審査し、必要なら誅伐する異端審問官であり、物語の舞台であるアマタイア王国の第二王女でもある。
その容姿から「犬姫」と陰口を叩かれまくっており、人前では顔を隠すようにフードを被っている。
なんとか呪いを解こうと、魔女であるメタリカを頼ろうとしたところから彼女の人生に転機が訪れる。
好物は魔女達が好んで食べる「碧ノ実の砂糖漬け」。
ちなみに本来完全に犬化する筈だった呪いが中途半端になったり、
常人では死に至る沼の瘴気も平気だったりと色々不可解な点も多い。
あと作中で全裸を披露した。流石に大事な所は隠されてるが。
実は女王の娘ではなく妾の娘であり、その母親が魔女。つまり彼女は魔女の血を受け継いでおり、
沼の瘴気が平気だったり魔女が好む碧ノ実が好物だったりする体質もそれが理由である可能性が高い。


◆アルレッキーノ

(CV.遊佐浩二)
メタリカの忠実なるしもべ、執事にしてお目付け役を自称する魔法生物。
その言葉通り基本的には従順だが、皮肉屋でメタリカに対しても無礼な発言が度々見受けられる。
メタリカを殺そうとしたことさえある。まあメタリカは基本不死身だが。
100年以上仕えておりメタリカから乱暴な扱いを受けている為か体は結構ボロボロ。首とかもげる。
趣味はフィールドワークで、百騎兵の行く先々に唐突に現れる。
また同時に記憶も飛ぶことがままあるらしい。


◆マーニィ

(CV.松嵜麗)
いつから居るかわからない沼の妖精。外見は毒々しい緑色の蝶。
沼に常駐しているわけではなく時折フラっと現れて、いつの間にか居なくなる神出鬼没な妖精。
ハイテンションな性格とメタリカに劣らない物騒かつ傍若無人な言動が特徴で、
そのたちの悪さからメタリカでさえ「アテにしたくない」と言われる。
メタリカの不調時には代わりに百騎兵のサポートを担当したりもする。
モットーは「当たって砕けろ、世界を滅ぼせ」。


◆ルッキーニィ

(CV.たみやすともえ)
砂漠に住む獣人の少女(少年?)。フルネームは「ラナ・ニア・ルッキーニィ」。
「星読み」と呼ばれる占星術師の一族出身であるが、地元の砂漠であっさり迷ったり本人も得意ではないと自評している。
魔女オタクを自称しメタリカに弟子入りを志願、色々あって許可されたメタリカ初の弟子。
しかしもっぱらパシリと太鼓持ち的な扱いで実際に修行を受けている場面は皆無。
何事もやる前から「無駄」と諦めてしまうことを嫌い、なんとかしようとする努力家でもある。



【その他の魔女達】
基本的には各々自らの領地で活動しているが、定期的に魔女のお祭りである「ヴァルブルギスの夜会」と呼ばれるものが開かれ、
そこで有力魔女達によって新しい魔女の任命や異端魔女の処遇、ガチレズ魔女被害の対処など様々な会議が行われる。
一般的には国と夜会に認められて初めて一端の魔女を名乗ることが出来る。

◆マーリカ

(CV.生天目仁美)
穏やかで人格的な「森の魔女」。メタリカの住む沼の隣の森を管理している。メタリカ曰く「ゲロクソ女」。
魔女としての優れた才能とそれを驕らない性格から国民のみならず他の魔女の評価も高い。
反面メタリカからは目の敵にされており、彼女に会えば放送禁止用語を連発し問答無用で襲い掛かる。
彼女のネズミ版しあわせ家族計画でこのゲームがどういう物であるか理解してしまうプレイヤーは多い。
なお昔は短気で喧嘩っ早くてガラが悪かった……というかまんま今のメタリカみたいな性格だった。


◆ネザリア・ネザーランド

(CV.水橋かおり)
ロリで日本一お馴染み中の人の「霧の魔女」。
最年少でヴァルブルギスの夜会の議長を務め、現時点で無敗、最強とも噂される魔女。
しかし人前に出てくることが殆ど無く様々な噂だけが独り歩きしており、実態は謎に包まれた闇の魔女とも評される。霧っ
無口な本人に代わり声を発する大杖(CV.石田大祐)で会話することが多い。
杖の名前はデルヒテ。魔法生物っぽいが、杖の先端に生きた首が入っているんじゃないかとも言われる。


◆ヴァレンティーヌ・ジェラート

(CV.中根久美子)
高飛車でお姫様気質な「華の魔女」。別名「華の大公爵」。メタリカ曰く「ゲロチョコ女」。
公爵という位の通り自治領を認められており、その一帯は歓楽街となっている。
ジェラートの名の如くチョコみたいな甘い匂いと禁断の味がするらしい。もぐもぐ。


◆ベルダ

(CV.松嵜麗)
眼鏡で腹黒な「灰汁の魔女」。大人しそうな雰囲気を持つがやはり魔女らしく黒い面を度々覗かせる。
体の所々にGやらムカデやら虫っぽいのが付いているが……まさか本物?


◆パープルピール

(CV.松井菜桜子)
恰幅がよく腕っ節の強い「砂塵の魔女」。パープルピールという名は一族の当主が代々継承しているもの。
弟子に「焔の魔女」が居るが、既に自分より強くやや扱いに困っている模様。


◆ラビリ・ラルラ・ラー

(CV.藤田咲)
気性が荒く毒舌家な「焔の魔女」。通称はラビィ。魔女というより魔法少女っぽい格好。
声に出して読むと中々リズミカルな名前をしている。
まだ見習いながら強力な魔女であり、とっくに師匠であるパープルピールを超えているが、
魔女としての契約もありパープルピールに従っている。
目つきが悪くて喋るウサギの人形「ウサマール先生」を連れている。


◆リューベンス

(CV.水原薫)
継ぎ接ぎだらけで寡黙な「南瓜の魔女」。
常に自動筆記で何かが書き込まれ続けている本を持ち歩いている。
彼女の著書「リューベンス魔獣図鑑」などはメタリカも読んでいる様子。


◆リリアーヌ

(CV.たみやすともえ)
色黒スレンダーでボーイッシュな「薄氷の魔女」。一人称もボク。
終盤の彼女のイベントは色んな意味で衝撃。


◆ウルカ

(CV.水田わさび)
邪神を打ち倒し1000年前の建国に協力したと言われる伝説の大魔女。
メタリカは彼女を心の師匠として考えており、魔女のあれこれが記された著書「魔女ドクトリン」を愛読している。




【システム面】
百騎兵を操作してマップ毎にピラーと呼ばれる拠点を築きながら制圧していく俯瞰型の3Dアクション。
ライフ、行動毎に消費し一定時間で自動回復するスタミナの他に「ギガカロリー」という特殊な体力があり、
これを常に消費しつつ探索を進めていく。
これが0になると体力自動減少、そのまま死ぬとゲームオーバーとなる。
逆に言えばこれが尽きない限り百騎兵は無限に復活することが可能。
またギガカロリーを急速に消費する代わりに戦闘力が大幅に上昇する「カオスリバレーション」という奥の手も存在する。
RPGらしくレベルやステータスと言った成長要素もある。
フィールドにはマップごとに「踏破率」と呼ばれるマップ埋め要素があるが、予めコンプリートによる恩恵はないと公言されている。実際ない。

基本的なアクションは様々な武器による攻撃、ガード、回避というシンプルなもので、
これに百騎兵の「戦術トーチカ」を加えて様々な敵を撃破していく。
また「ファセット」と呼ばれる百騎兵の衣装をチェンジする事により、様々な補助効果を得ることもできる。
武器は5つまで装備でき、装備した数=連続攻撃回数となるが、攻撃する順番はそのまま装備した順番になる。
武器は個体ごとに1~5の賽の目が設定されておりこれが順番どおり並ぶとダメージに倍率補正が得られる。
これらによって繋がりやすいコンボの順番を考えたり、ドロップの厳選といった要素に繋がるようになっている。

ちなみに結構ゲーム全体の難易度が高く(特に終盤辺り)、後にパッチによって従来の難易度である「ノーマルモード」と
やや難易度を落とした「カジュアルモード」がいつでも切り替えられるようになった。
ノーマルモードがどんくらいムズイかと言うと、終盤の雑魚の攻撃でヘタすれば即死。ボスも即死or瀕死が当たり前
その為レベルを上げるか、頑張ってステータスを強化するのがほぼ必須といった具合。







ストーリーではマルチエンディング形式を採用しており、数パターンのEDが存在する。
一周目のトゥルーエンドはその展開に誰もが目を疑い、なんとか未来を変えようと努力することになる。


【余談】
日本一のゲームではあまり使われなかった3Dの技術をふんだんに使ったり、
最初の構想ではシームレスのオープンワールドにしようとしていたり
開発的には手探り感も強かったようで、もし売れても次回作は作らないといったコメントも残していた。
しかしそんな企業側に対して売上は良い数字を記録し、当時やや怪しかった業績もこのゲームのお陰で持ち直したといった噂もあったりする。

またゲーム発表当時、「主人公であるメタリカは操作できないんですか?」という質問が公式に多数寄せられるという事があった。

と、そうこうしているうちに2015年、突如PS4へのパワーアップ移植が発表され、さらにそのPV中でしれっと続編「2」の製作が発表された。
要望が多かったのか、メタリカを操作するモードも新規に追加されているそうな。


【さらに余談】
本作を語る上で外すことが出来ない存在がある。
下着とラブジュースである。

システムで触れた戦術トーチカの中には弱った敵を捕えてアイテムを奪う(敵は消滅する)ものがあり、これをごく一部の女性エネミーに使った場合手に入るのが
下着とラブジュースである。
まあ野郎から手に入る嬉しくないパンツも存在するのだが、そんなものはどうでもいい。

これらの下着類は装備可能で、それなりの額で換金も可能。
というか説明文に「売ってよし、かぶってよし」とか書いてある。種類はこども用、大人用、勝負下着の3種。
百騎兵のグラフィックに反映されないのが残念でならない。

一方ラブジュースに関しては完全な換金アイテム。同マップで入手できるアイテムと比べると異様に値段が高い。
エロいラブジュースとしか書かれておらず具体的になんなのかは触れられていないので理由は謎に包まれている。
説明文によれば煮詰めてジャムにするらしいが、そんな利用法が確立する程度には流通しているようだ。
いったいなんなんだろうなあ。


「さあ、ワタシと楽しい追記、修正をしようじゃないか」

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最終更新:2023年12月29日 12:07