パワーレンジャー・ニンジャストーム

登録日:2015/01/27 (火) 04:35:21
更新日:2023/03/09 Thu 17:00:51
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Power ranger Go!

Ninja Storm!

Let's Go!



<概要>

『パワーレンジャー・ニンジャストーム』は、日本のスーパー戦隊シリーズを海外でアレンジしたパワーレンジャーシリーズの9作目。
ベースとなったのは忍風戦隊ハリケンジャー

本作から正式にディズニー体制による制作となった*1が、
その影響か、前作のキャラ達との共演も無く、劇中で歴代の作品との繋がりに言及されることもほぼなかった。
それらの要素が尾を引いたのか、アメリカでは玩具の売り上げ、視聴率共に歴代最低の数字を記録してしまった。
結局自作『ダイノサンダー』ではニンジャストームレンジャーが客演し、世界観は今まで通り繋がっていることが明らかになった。
ただし、作品自体の完成度は悪くなく、イギリスでは玩具が大ヒットしたらしい。
ディズニーのパワレンの特徴として、ある程度原典の設定を残しつつも、ストーリーはほぼオリジナルの展開になっている。

本作からはロケ地がアメリカから、物価が安く法規制も緩いニュージーランドに移行している。
ニュージーランドではかつてパワーレンジャーが暴力番組として打ち切られてしまった過去があったため、共同制作総指揮を務めた坂本浩一氏は「戦隊とはなんぞやということを現地のスタッフに伝えるという、アメリカで10年かけてしてきたことをまたイチからやらねばならなかった」と苦労を語っている。
プロデューサーの意向からバイクアクションがふんだんに盛り込まれている他、本作からは変身者全員が特殊能力を持っているのが恒例となだた。

また、この作品以降はメンバーの性別が原作準拠となっており、イエローが性転換することもなくなった。
スーツの関係で不自然だったからか?*2


<登場人物>

◆ウィンドレンジャー

ウインドニンジャアカデミーのおちこぼれ3人組。
周囲からの評価は低かったが、ローサー軍にアカデミーが襲われた際に、偶然車の故障で困り果てていた老夫婦を助けて遅刻したため辛くも難を逃れたことから、消去法でパワーレンジャーに選ばれることになった。
学校が壊滅してからはスポーツショップ「ストーム・チャージャーズ」で働いて生計を立てている。
原典での移動手段だったハリケンウインガーに加え、専用バイク「ツナミサイクル(バリサンダーのリカラー)」も所持している。

  • シェイン・クラーク/レッドウィンドレンジャー(ハリケンレッド)
ウインドレンジャーのリーダー。空の力を持ち、足元の空気を固形化し、空中を移動する能力を持つ。
性格はクールでありながら内面は熱い、典型的なレッドの性格。
趣味はスケートボードでかなりの腕前。ポーターという優秀な兄がおり、おちこぼれの自分と比較してしまい、コンプレックスに感じている。
その兄に32話で、自分がパワーレンジャーである事がばれるという、シリーズのなかでも前代未聞の事態に遭遇している。
他にも、心を通わせた宇宙人の女性・スカイラを殺される悲劇展開と彼女から託された力でバトライズドアーマーを得るイベントが同時進行するなど、バトル場面だけでなくドラマパートもしっかりと魅せてくれる主人公。
専用武器はホークブラスター。専用ゾードはホークゾード。

  • トリ・ハンソン/ブルーウィンドレンジャー(ハリケンブルー)
ウィンドレンジャーの紅一点(ただし色はブルー)。青いカブが愛車で、よく他のレンジャーの移動に用いられる。
水の力を用いて戦い、趣味のサーフィンもその一環である。
後の『オペレーションオーバードライブ』で唯一ゲスト出演を果たしている。
専用武器はソニックフィン。専用ゾードはドルフィンゾード。

  • ウォールドー・ブルークス/イエローウィンドレンジャー(ハリケンイエロー)
大地の力を用いて戦うレンジャー。通称はダスティン。趣味はモトクロス。
本作のムードメーカーで、いわゆる「ギーク」。
正体がサンダーレンジャーと分かる前にブラッドリー兄弟と打ち解けたり、
マラーが根っからの悪人ではないことを察したりと、やたら敵サイドだった連中と打ち解けのが早い。
なお、パワレンシリーズで男性の黄戦士はイエローエイリアンレンジャーことディデウス以来2人目。また、あちらはゲストに近い立ち位置のキャラクターだったため、主役メンバーとしてはシリーズ初のイエローとなる。
固有武器はライオンハンマー。専用ゾードはライオンゾード。


◆サンダーレンジャー

サンダーニンジャアカデミー出身の義兄弟。
校長の養子であるため血のつながりはないが、兄弟としての絆は本物。
ローサーに養父を殺害したのはカノイ・ワタナベと吹きこまれたため、ウィンドレンジャーと敵対。
友人を装ってウィンドレンジャーから技術を盗み出し、複製したツナミサイクルや強奪したパワースフィアで危機に陥れる。
しかし、ニンジャの聖地でセンセイを処刑しようとした際に両親の霊体から真相を教えられたためローサー軍を離反し、ウィンドレンジャーの仲間になった。

  • ハンター・ブラッドリー/クリムゾンサンダーレンジャー(カブトライジャー)
パワーレンジャーでは初のクリムゾンのレンジャー。特技はモトクロス。
仲間入りしてからはチームのサブリーダー的な存在となって活躍する。
専用武器はクリムゾンブラスター。専用ゾードはクリムゾンインセクトゾード。

  • ブレイク・ブラッドリー/ネイビーサンダーレンジャー(クワガライジャー)
パワーレンジャーでは初のネイビーry。兄と同じくモトクロスが得意。
幼い頃より人里離れた里で育ったため世間知らず。
専用武器はネイビーアントラー。専用ゾードはネイビービートルゾード。


◆サムライレンジャー

  • キャメロン・ワタナベ/グリーンサムライレンジャー(シュリケンジャー)
パワーレンジャーシリーズでは非常に珍しい日系の変身者。
ニンジャの頭領であるカノイと、侍の血を継ぐ母ミコの間に生まれたサラブレッドであり、通称は「キャム」。
日向おぼろとシュリケンジャーを足して2で割ったようなキャラ。
当初は変身者では無かったが、シェーン達の力が敵に奪われオーブに封印された際、その解放のためにもう1人分のレンジャーの力が必要になり、「時空の巻物」を使って飛んだ過去でサムライ・アミュレットに選ばれ変身能力を手に入れた。
正座して変身するというインパクトのあるバンクシーンはしばしばネタにされる
優秀なメカニックでもあり、ゾードや武器も彼が管理している。
専用ゾードはサムライスターチョッパー。単体でサムライスターメガゾードに変形できるほか、ストームメガゾードやサンダーメガゾードとの合体も可能。
『パワーレンジャー・サムライ』とは無関係…のはず。


◆パワーレンジャーの協力者

  • カノイ・ワタナベ
原典は日向無限斎。
ウインドニンジャアカデミーの指導者であり、通称「センセイ」。どう見ても格好がニンジャには見えないが、指揮官なので問題ないのだろう…多分。
厳格な指導者である一方、キャムに対してはやや過保護な面が見られる。
1話でローサーに襲われるが、モルモットに変身して難を逃れる。しかし、戻り方を忘れていたため、最終話付近まで元に戻れなかった。
小動物の姿ででも、アクロバティックな動きで戦え、割と強い。


  • サイバーキャム
キャムが自信を模して作ったホログラム分身。
インドア派なオリジナルのキャムとは反対にスポーツを好み、口調もチャラい。
レンジャーとして前線に出るキャムに代わってバックアップを担当した。


◆その他人類サイドの人物

  • ケリー
ストーム・チャージャーズの店長。町のスポーツイベントにも積極的に携わっている。
レンジャーの使命のためによく仕事をすっぽかす3人に頭を痛める苦労人。

  • ミコ・ワタナベ
キャムの母。本編時点では既に故人であり、キャムが過去に飛んだ際に登場。
ウインドニンジャアカデミー初の女性ニンジャにして、サムライ・アミュレットを受け継ぐ侍一族の末裔という傑物であり、剣の腕は当時のカノイを圧倒する程だった。
ローサーの策略により、一時は「キャムがサムライ・アミュレットを奪おうとした」と誤解するも、カノイの活躍によって真相を知る。
そしてローサーとの決闘の際にアミュレットがキャムを新たな持ち主として選ぶのを見届け、返却しようとしたキャムにアミュレットを託した。
その後カノイと結婚してキャムを授かるが、息子をニンジャにして危険な目に遭わせることには反対していた模様。


◆ローサー軍

  • ローサー
本名はキヤ・ワタナベ。カノイの双子の兄弟だったが、悪のニンジャパワーに手を染めたため、当時のセンセイの術で宇宙の彼方に追放された。
しかし長い年月を経て多くの宇宙人を従え、復讐のために地球へと再び舞い戻って来た。
主な武器は手から放つ光弾。生身でもレンジャー5人同時に相手にできるくらい強い。
目的のためなら手段を選ばない冷酷な性格だが、クセの強い部下に振り回されたり、モテるためだけに怪人をけしかけたり、医者の指示を守ってプロテインを欠かさず飲んだりと、コミカルな側面もある憎めない人物。

なお、純粋な地球人のラスボスというパワーレンジャーシリーズどころか、スーパー戦隊シリーズ全体からみても異色の存在。
人間がラスボスだった例は複数存在するが、大抵自分を改造したり何かに取りつかれて強力なパワーを得る場合ばかり。
しかし、ローサーは地球人としては唯一自分の実力のみで悪の組織の総帥となった存在であり、
おそらくパワーレンジャーシリーズではレンジャーを差し置いて最強の地球人と思われる。
専用ゾードとしてローサーゾード(タウ・ザント究極体)を使う。あのロボットに見えそうにない造形のキャラをロボットとしてこじつけてしまうのがパワレンクオリティ。

  • カプリ
原典はウェンディーヌ。
ローサーの姪で、マラーの姉。専用ゾードはカプリゾード(メガタガメセクシー)。
ゾードの操縦は最もうまいらしく、ゾードの総力戦の際は最後まで生き残った。
その後は、レンジャー達と和解し、ニンジャアカデミーに身を置いた。

  • マラー
原典はフラビージョ。
ローサーの姪で、カプリの妹。専用ゾードはマーラーゾード(フラビジェンヌロボ)。
カプリと同じくレンジャー達と和解し、ニンジャアカデミーに身を置いた。

  • チューボー
原典はチュウズーボ。
敵キャラのコメディリリーフだが、ザーゲインの度重なる失態を受けたローサーによって将軍に抜擢された際は悪辣な戦法でレンジャーを苦しめる有能さを見せた。

  • ザーゲイン
名前の通り、原典はサーガイン。
科学者でもありザーゲインゾード(メガタガメシリーズ)というゾードをいくつも開発した。
ローサーへの忠誠心は本物だが将軍としての手腕は今ひとつ。

  • モトドローン
原典はマンマルバ。
オートバイの修理屋ペリーがモンスターに乗っ取られた姿(後に分離)。
ちなみに暴走体もモトドローン配下のモンスターとして登場している。

  • シマズ
原典はサタラクラ。
日本の邪悪な武将が神霊化した存在。専用ゾードはシマズゾード(ジャイアントムササビスタル)。
カプリやベクサカスにいいように使われる苦労人。

  • ベクサカス
原典はサンダール。
宇宙からやって来た賞金稼ぎ。ローサーのスカウトを受けて軍団に加入したが、密かにローサーを倒し、組織の指揮権を掌握しようと目論む。

  • ケルザック
原典はマゲラッパ。
同じく戦闘員。


<用語>

  • ブルーベイ・ハーバー
舞台となる街。その名の通り海辺にある模様。
スポーツが盛んらしく、しきりにイベントや競技会が開催されている。

  • ニンジャ
本作のニンジャは、史実における忍者とは異なり、超能力者のことを指す、
ぶっちゃけ、原作もそんな感じ。というか、原作再現。
ニンジャの資質を持つものは、密かにニンジャアカデミーという養成所からスカウトを受け、密かに力の使い方を教わっている。
そのため、アカデミーの学生の親族ですら、自分の家族がニンジャだと知らないこともある。
因みに、次作「ダイノサンダー」のレッドに選ばれたコナーの双子の兄、エリックもニンジャである模様。




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最終更新:2023年03月09日 17:00

*1 前作『パワーレンジャー・ワイルドフォース』も版権自体はディズニーが持っていたが、制作体制はサバンのそれを踏襲していた

*2 まあハリケンジャーの場合初期メンバーが3人しかいないので流石に男1人というのはできないし、マジレンジャーやニンニンジャーはもともと女性が2人いるので変える必要がなかったと言われればそれまでなのだが。