ボルメテウス・レッド・ドラグーン

登録日:2015/02/06 Fri 21:30:16
更新日:2023/02/05 Sun 00:07:49
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歴史はヒーローを求め、栄光はヒーローの元へ。


世代が変わり、龍の姿を失っても。それでも、ボルメテウスの名は輝き続ける。
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ボルメテウス・レッド・ドラグーン》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
『EX・ギャラクシー・テルセット』の付属カードとして収録された。
2008年11月の公式大会ギャラクシーマスターでも、斬撃三連勝バトルで二勝以上することでも入手できた。

ドラゴンという珍しいボルメテウス。通称『ボル赤』。
強力なスペックでありながらも、長らく入手が困難だったカードでもある。


スペック

ボルメテウス・レッド・ドラグーン P 火文明 (8)
クリーチャー:ティラノ・ドレイク 9000
W・ブレイカー
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに墓地に置く。

ボルメテウスの名を冠した1体。
シールド焼却はそのままだが、変更点がいくつかある。

まずはコストとパワー面だろう。
本家よりもコストが1向上しており、種族的な面から見ても踏み倒しにくい。
単純に本家よりも攻撃までに必要なターン数が増えるため、シールドへのブレイクが最大のポイントのボルメテウスとしてはマイナスな点か。

しかし、コストが上がったことに応じて、パワーが2000ほど向上してパワー9000となった。
パワーが9000になった事は、単純に除去耐性やバトルに関する性能が上がっている訳でメリットは非常に大きい。
偽りの名 ゾルゲ》などの除去にも耐えしのぎ、 本家とは違い《光牙王機ゼロカゲ》などのブロッカーにも一方的に殴り勝てる。
タップインで悪名高い《永遠のリュウセイ・カイザー》にも殴り倒されない。光文明の補正で500の差が出る《聖霊王エルフェウス》にはギリギリ負けてしまうが。

種族も本家から変化しており、アーマード・ドラゴンからティラノ・ドレイクに変更。

ドラゴンでないことから、本家や他のボルメテウスよりも受けれる種族サポートは大幅に低下してしまった。
ただし、ティラノ・ドレイクも今では不遇種族ではあるが、サポート自体は決して少なくない。
そのため、ドラゴンとは違うサポートを生かすという方向性も考えられる。それでもドラゴンのサポートの広さには劣ってしまうが。

むしろ、環境次第ではドラゴンではないことが生かされる場面も多い。
エピソード2からは強力なドラゴンやコマンド持ちをロックする性能を持つ《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》が登場。
しかしこのカードはドラゴンを持っていないため他のボルメテウスとは違い、ロック能力を避けられる利点が生まれた。

上述した高いパワーやVAN・ベートーベンを避けられるという部分は魅力的。
エピソード2環境におけるボルメテウスコントロールでは、本家よりも優先して採用が検討されるパターンも少なからず見当たった。

ただし、レッド・ドラグーンも久々に再録されたDMD-24では本家ボルメテウスに《希望と勝利の伝説》という専用サポートが登場したことにより、場に出すまでのスピードの格差は広がってしまった。
さらに後に同コストながら非常に強力な効果を持つ《ボルメテウス・ブラック・ドラゴン》や《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》などのボルメテウスが出現し、レッド・ドラグーンは一気に立場が苦しくなった。
一応、ライバルのブラックや蒼炎は多色であることやドラゴンなので《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》などに抵抗不可能という面はあるため、辛うじてレッド・ドラグーンにも立場はある。
しかし、その点だけでブラックや蒼炎を退けて採用されるには少し厳しい事は否めない。

このようにボルメテウスにもインフレの波で強力なライバルが出現したことにより、近年は【ボルメテウスコントロール】での採用率も以前より減りつつある。
一方でインフレが続く現在でも非ドラゴンのボルメテウスである点は珍しい立場であることは変わっていないので、個性が死んでいる訳ではない。
採用率に関しても、今後VAN・ベートベンのような超強力な環境クラスのドラゴンメタが現れた場合には再び上がる可能性はある。

また、ボルメテウスの名前がある以上は【ボルメテウスコントロール】での立場に注目が集まりがちだが、上述したようにティラノ・ドレイクであることを活かして種族デッキのフィニッシャーとして運用もできる。
ただし、ティラノ・ドレイク自身に大幅な強化が来ない事情もあり、種族デッキでの運用はどこか閉塞感を感じるかもしれないという一面もあるが…。

関連カード

ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン SR 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 7000
W・ブレイカー
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに持ち主の墓地に置く。

デュエリストなら知らない人間はいないであろう本家。

しかし、本家とレッド・ドラグーンの使い勝手は結構異なる。
好みに合った方を使うとよいだろう。

レッドドラグーンとは違い、本家は再録の機会には恵まれている。

真実の名 ボルメテウス・ゼロ・ドラゴン P 無色 (8)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アンノウン 8000
このクリーチャーが相手のシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに自身の山札の一番下に置く。
W・ブレイカー

DMX-13で登場した無色版ボルメテウス。

本家がゼロ文明へと変貌したボルメテウスなのだが、実際には本家よりもレッド・ドラグーンにスペックが近い。
両者ともに、文明・種族・シールド焼却先 と違いは多いので、好きな方を使おう。

レッド・ドラグーン同様に、このボルメテウス・ゼロもボルメテウスコントロールの多様化に貢献していると言える。

ボルメテウス・ブラック・ドラゴン P 闇/火文明 (8)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/デーモン・コマンド 8000
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを1体破壊する。
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを自身の手札に加えるかわりに墓地に置く。

ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン SR 水/火文明 (8)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/サイバー・コマンド 9000
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーはブロックされない。
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを自身の手札に加えるかわりに墓地に置く。

上述したように、レッド・ドラグーンの立場を脅かしている8コストのボルメテウス達。

正直なことを言うと、単純なカードパワーだけで見ればレッド・ドラグーンを大きく上回っている。
レッド・ドラグーンの登場からかなり先の時代に登場したカードなのだから当たり前の話でもあるが。

入手に関して

上記でも述べているが、このカードの入手難易度は下手な高レアのカードを大きく上回る時期があった。

初収録はEX(エグゼグティブ)ギャラクシー・テルセットであり、収録内容はデッキケース+DMC-32+スリーブやDVDなどを詰め合わせた物である。
それに一枚だけプロモーション・カードとして付属していた。
そして、このセットの値段は当時の価格で3,990円(税込)。

価格がなかなか高いので、レッド・ドラグーン一枚の為に結構な出費をすることとなる。
ましてや、複数枚入手しようとするものならば、消費する金額は万を超える。

しかもこのセットに入っているDMC-32「マーズ・フラッシュデッキ」と組み合わせて使うことは難しいという始末。
一応言っておくと、DMC-32は当時の構築デッキとしては完成度は高い方だったのだが、デッキの性質が速攻デッキという事情があってレッド・ドラグーンとは殆ど噛み合わない。

テルセット以外にも入手するルートはあり、2008年11月の公式大会ギャラクシーマスターでも入手可能だった…が、簡単に入手できたわけでもない。
斬撃三連勝バトルで二勝以上する必要があったため、欲しい人はデュエルに一定の実力がある人ではないといけなかったのだった。

そしてこれ以降、レッド・ドラグーンの新品を入手することは困難となっていた。
レッド・ドラグーンの所持種族であるティラノ・ドレイクもプッシュが終了して以降は不遇種族の座に落ちぶれた事情もあり、再録の可能性を低くしている要員と指摘されていた。
それでも【ボルメテウスコントロール】のパーツとしての需要はあり、再録を求める声は多かった。

しかし、時は2015年。
かつてDMを遊んでいた元プレイヤーを取り込む目的の構築済みデッキである『マスターズ・クロニクル・デッキ』が世に出ることになった。
そして、ボルメテウスコントロールデッキとしてDMD-24「マスターズ・クロニクル・デッキ ボルメテウス・リターンズ」の発売が決定。

このDMD-24において、レッド・ドラグーンもちゃっかり再録されることが決定した。
非ドラゴンのボルメテを望んでいた人や、単純にティラノ・ドレイクを久々に見たかった人には嬉しい朗報と言える。
ただし、このDMD-24は一部のカードを除いて一枚しか収録されていないという構成なので、一枚のみの収録となってはいるが。
ともかく、この再録によって入手難易度はやや低下したとみて良いだろう。

フレーバーテキストも新規の物に。その文章はこれ。


世代は変わり、龍の姿を失っても。
それでも、ボルメテウスの名は輝き続ける。


従来の種族の大半が死滅した不死鳥編の時期になってもボルメテウスの名前は輝いているということを表した文章。
その世代交代も今見るともうずいぶん前の話になるが、不死鳥編を経験した古参プレイヤーにはなかなか感慨深い文章と言える。
そういえば、不死鳥編環境下でも《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》がハイブリッド種族を差し置いて暴れてましたね…
まあ結局ボルメテウスは輝いていてもティラノ・ドレイクが今のところ輝いていない状態なのは悲しい。再び輝いて欲しいが…。

DMD-24以降も、DMEX-04「夢の最&強!!ツインパクト超No.1パック」にて再録された。
このようにかつての放置状態からすると扱いは改善されており、レッド・ドラグーンを投入した【ボルメテウスコントロール】の構築の難易度は一時期と比較すると下がっている。

デュエル・マスターズ プレイス

DMPP-18「ゴールデン・ビクトリー -天頂開戦-」にて収録。DMRP-18はTCG版におけるエピソード2相当のパックであるため、不死鳥編出身のカードと考えるとかなり遅れての登場と言える。
性能に調整は加えられていないが、レアリティがアンコモンに設定された。
低レアに設定されたのはDMRP-18時点のカードパワーのインフレとTCG版を見るにティラノ・ドレイクの強化が今後デュエプレでも長期間起こらないことがほぼ確定しているが故の判断だろう。
一応デュエプレでもレッド・ドラグーンの【ボルメテウスコントロール】を作ることが出来るようになり、低レアリティなので資産が少ないユーザーでも組めるという点は面白いかもしれない。

余談だが、DMRP-18版《執拗なる鎧亜の牢獄》のイラストではレッド・ドラグーンが描かれている。




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最終更新:2023年02月05日 00:07

*1 画像出典:Twitter イラストレーターhippo氏 @handstandhippo 2021年11月16日投稿 https://twitter.com/handstandhippo/status/1460444655573614592?s=20&t=KlWTUtYkQ-BseweOS50Abw ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids