光のピラミッド(遊戯王OCG)

登録日:2015/02/12 (金) 00:22:40
更新日:2023/09/30 Sat 11:30:32
所要時間:約 12 分で読めます






闇の王は既に蘇りたり。
光の王を探し、光を以って闇を消し去らせる。
この世に光を満たさん……!


光のピラミッドとは、劇場版遊戯王「光のピラミッド」に登場したカードである。


概要

武藤遊戯海馬瀬人
両者は拮抗した実力により凌ぎを削り合う、誰もが認める最強のデュエリストであった。
しかし海馬は遊戯が所有する、絶大な力を秘めた「神のカード」―――“三幻神”の前に苦杯を舐めさせられていた。

海馬が誇る最強のしもべ《青眼の究極竜》さえも、無限の力を持つ《オベリスクの巨神兵》に軽々と粉砕される。
仮想シミュレーション段階でこれなのだから、直に戦ってどうなるかなど言うに及ばず。

海馬は神のカードへの対抗手段を求め、デュエルモンスターズの創造主ペガサスの元へと赴く。
あの男なら神をも超えるカードを新たに作り出していないはずがない、と。(ちなみにRでは構想とはいえ対三幻神用のカード三邪神が存在していた)

「海馬ボーイ。Youは力のみを欲していマース。それはとてもDangerous……」
「オレにデュエリストとしての心がないというのなら……デュエルで確かめてみろ!」

二人は「3枚の青眼」と「神を越えるカード」を賭けたアンティルールでのデュエルを行った。
次々と展開されるトゥーンモンスターの軍勢を前に、海馬は除外を絡めたXYZの高速召喚からペガサスを一蹴。
ペガサスが用意したアンティカードは、新たにデザインされていた「最強のブルーアイズ」こと《青眼の光龍》。

「アンティルールだ。―――確かに。この二枚のカード、貰っていくぞ」
「二枚のカード!? そんなはずは……! 待ちなさい、海馬ボーイ!」

……しかし、ペガサスが用意した覚えもないイレギュラーカードが、トランクの中に1枚紛れ込んでいた。
目ざとい海馬は行きがけの駄賃とばかりに、そのカードもアンティとして徴収していく。

カードの名は《光のピラミッド》
まるで誂えたかの如く都合の良い効果を持ったそのカードは、当然海馬の対遊戯用デッキに投入される。
それが最終的にどのような事態を招くかなど、微塵も想像せず……。


映画原作における効果

「フィールドに三幻神が揃った今、神封じの《光のピラミッド》を発動する!!」
「神封じ……!? そんなことができるのか!?」

永続罠
All God Cards on the field are removed from play.
(フィールドに存在する神のカードは全てゲームから除外される

対三幻神用のメタカードであり、場の神を根こそぎ除外するという効果を備えている。(ちなみに日本語版のテキストにこれがない)
一見神に罠は効かないため無意味に思えるが、耐性があるはずのオシリスを除外できているので効果は有効の様子。
あるいはルール介入により、プレイヤーへ「神を除外しなけれならない」誓約を課すカードなのかもしれない。

作中では海馬の通常魔法《強制召喚》によって、3体の神全てをフィールドへと引きずり出し、
このカードでまとめて除外する、という方法で運用された。
神を封じられた闇遊戯に対し《青眼の光龍》の力も相まって、以後のデュエルを優勢に進めていく海馬だったが……?

「このピラミッドのカードはペガサスが作ったものじゃない!
    誰かが海馬くんを利用して、闇のゲームを仕掛けてるのよ!」

「このデュエルはオレだけじゃない。お前の命も……。
    いや、全てを滅ぼそうとする邪悪な力に支配されている。お前は利用されているんだ!」

「兄様、デュエルをやめてくれ! 昔の兄様に戻ってよ!」
『そうだ。海馬瀬人よ……戦うのだ。闇のファラオを倒せば、汝の望みは全て叶えられる……!』
「黙れぇッ! 認めないぞ、俺が闇の力で操られていたなどというオカルト話は!
    光のピラミッド! 消え去るがいい!」

《光のピラミッド》は闇のゲームにより、 デュエル中の二人はおろか、周囲の人間の命さえ脅かす闇のカード であった。
海馬は完全な勝利のため、ただの障害と化したこのカードを自ら《青眼の光龍》の絶対破壊能力で除去しようとする。
耐性もないただの永続罠が効果破壊を無効にできるはずもなく、黒幕の野望は打ち砕かれた……




































『光の王に為さんと来たが。―――所詮その程度の小物であったか』



……かに見えた。

しかしピラミッドは何故か破壊されない。隠された効果? 遊戯王ではよくあること
それどころか全ての黒幕「アヌビス」は計画通りに復活を遂げ、用済みとなった海馬を排除しデュエルを続行。
さらにピラミッドの力でデッキから召喚される二体のスフィンクス。

《アンドロ・スフィンクス》
星10/光属性/獣族/攻3000/守2500
You can Special Summon this card from your deck when "Pyramid of Light" is on the field.
This card cannot attack during the turn it is Normal Summoned or Special Summoned.
This card cannot be Special Summoned from the Graveyard.
If this card destroys a Defense Position monster as a result of battle,
inflict damage to your opponent's Life Points equal to half the ATK of the destroyed monster.
(「光のピラミッド」がフィールド上に存在する時、このカードは自分のデッキから特殊召喚できる。
 このカードは召喚・特殊召喚したターンに攻撃をする事ができない。
 このカードは墓地からの特殊召喚はできない。
 このカードが守備表示モンスターを戦闘によって破壊した場合、
 破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。)

《スフィンクス・テーレイア》
星10/光属性/獣族/攻2500/守3000
You can Special Summon this card from your deck when "Pyramid of Light" is on the field.
This card cannot attack during the turn it is Normal Summoned or Special Summoned.
This card cannot be Special Summoned from the Graveyard.
When this card battles 1 of your opponent's monsters, negate its effects.
(「光のピラミッド」がフィールド上に存在する時、このカードは自分のデッキから特殊召喚できる。
 このカードは召喚・特殊召喚したターンに攻撃をする事ができない。
 このカードは墓地からの特殊召喚はできない。
 このカードが相手モンスター1体と戦闘を行う時、その効果を無効にする。)

テーレイアの効果無効能力によって《翻弄するエルフの剣士》は破壊され、
アンドロの追加バーンでライフは風前の灯火。再び闇遊戯は窮地に立たされた。

「やっぱりそうだ……あの祭壇のピラミッドをどうにかしなきゃ!」

一方、ピラミッドに魂を取り込まれた遊戯達は、迷宮最深部の祭壇で「光のピラミッド」の本体を発見する。
デュエルフィールドのピラミッドが破壊されないからくりは、本体のこちらが無事だったからというもの。
2004年時点でドン千の遥か先を行く冥界の王さんマジパネェッス

最終的には内部から遊戯に本体を正真正銘のダイレクトアタックされ、俺ルールによるイカサマ耐性が消失。
それを見て取った闇遊戯は《二重魔法》からの《死者蘇生》で《青眼の光龍》を蘇生し、再度絶対破壊能力を発動。
今度こそはインチキ効果で回避することもできず、2体のスフィンクスごとまとめて破壊された。

「これで光のピラミッドは崩壊した。予言は崩れたぜ……!」
「まだ儀式は終わってはおらぬ……! 出でよ、《スフィンクス・アンドロジュネス》!」

《スフィンクス・アンドロジュネス》
星10/光属性/獣族/攻3500/守3000
When both "Androsphinx" and "Teleiasphinx" are destroyed at the same time,
pay 1000 Life Points to Special Summon this card.
Also, when this card is Special Summoned,
you can pay 1000 Life Points to increase the ATK of this card
by an amount equal to the ATK of all monsters in your Graveyard.
This effect lasts until the end of your next turn.
(「アンドロ・スフィンクス」と「スフィンクス・テーレイア」が同時に破壊された時、
 1000ライフを支払うことでこのカードは特殊召喚できる。
 また、このカードが特殊召喚に成功した時、1000ライフを支払うことで
 このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在するモンスター全ての合計攻撃力分だけアップする。
 この効果は次の自分のターンの終わりまで続く。

墓地のモンスター全ての攻撃力を吸収して、アヌビス最後の切り札はその攻撃力を35000まで上昇させる。

しかし海馬の「遊戯から三幻神のコントロールを奪って逆襲する」思考を読んでいた闇遊戯は、
それを逆手に取って《リバース・オブ・リバース》で、リタイア前に海馬が残した最後のセットカード《異次元からの帰還》を発動。
その効果によって三幻神を帰還させオベリスクの「ソウル・エナジーMAX」能力を起動する。

2体の神を生贄に捧げ攻撃力∞に強化されたオベリスクの反撃で、アンドロジュネスは粉砕された。

デュエルそのものはここで終了となるが、往生際の悪いアヌビスは
物理的な実力行使で遊戯と海馬を葬り去ろうとした。そういえば5D'sでもお前リアルアタックに訴えてたな
《フォール・アウト》《ヘル・テンペスト》のコンボで、二人のモンスターを尽く使用不能に追い込み……。



OCGにおける効果

永続罠
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードがフィールド上から離れた場合、
自分フィールド上に存在する「アンドロ・スフィンクス」、
スフィンクス・テーレイア」を破壊しゲームから除外する。

映画版の光嫁が「シャイニング・ノヴァ」で複数枚同時に破壊対象を選択できたことから、
このカードがフィールドを離れた時に、2種のスフィンクスを道連れに自壊させる効果になった。
神除外と謎耐性は当然の如く削除されている。
(そもそもこのカードが出た当時は、公式に使用できる神のカードはまだ出ていなかった)

破壊は同時なので、後述のアンドロジュネスの特殊召喚トリガーを引くのに重宝。
問題は永続罠のためサーチが面倒なこと。《ファラオニック・アドベント》や《天獄の王》、《不幸を呼ぶ黒猫》や《闇の仮面》などを活用したい。
スフィンクス1体を特殊召喚した時に《サイクロン》撃たれても泣かない。

これ単体では置物なので、《王宮のお触れ》等で無効にされても
2種のスフィンクスの召喚に関してはまったく問題が無いというメリット(?)が一応ある。
無効のまま破壊された場合は、2種のスフィンクスの破壊は無くなり《スフィンクス・アンドロジュネス》の召喚条件を満たせなくなるため、まったく影響が無いわけではない。



関連OCGカード

《アンドロ・スフィンクス》
星10/光属性/獣族/攻3000/守2500
フィールド上に「光のピラミッド」が存在する場合、
500ライフポイントを払う事でこのカードを手札から特殊召喚する事ができる。
このカードは召喚・特殊召喚したターンに攻撃をする事ができない。
このカードは墓地からの特殊召喚はできない。
このカードが守備表示モンスターを戦闘によって破壊した場合、
破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。

ライフコストが追加され、特殊召喚は手札から限定になった。
墓地からの蘇生はできないが、《光の招集》《救援光》など手札に回収する手段は豊富。
ファントム・オブ・カオス》等でカード名を複製してから《ブラック・ホール》《つり天井》に巻き込み、
後述のアンドロジュネスに繋げる手もある。

比較的出しやすいレベル10なので、エクシーズ素材に使ってしまうのもありか。
手札消費は激しくなるが、カオスあたりのコストで除外してから《D・D・R》で帰還させることも可能。


《スフィンクス・テーレイア》
星10/光属性/獣族/攻2500/守3000
フィールド上に「光のピラミッド」が存在する場合、
500ライフポイントを払う事でこのカードを手札から特殊召喚する事ができる。
このカードは召喚・特殊召喚したターンに攻撃をする事ができない。
このカードは墓地からの特殊召喚はできない。
このカードが守備表示モンスターを戦闘によって破壊した場合、
破壊したモンスターの守備力の半分のダメージを相手ライフに与える。

アンドロとはバーンが守備力参照になっているのが相違点。効果無効能力は削除された。
レベルなら破壊できるがホープ師匠過労死などの2500組には相討ちを取られる微妙なライン。
守備力の高さを生かせる《野性解放》《月の書》《悪夢の迷宮》あたりをうまく使っていきたい。
《つまずき》でも一応守備表示の相手を狙いやすくなるが、今度はアンドロジュネスとの相性が悪くなってしまう。


《スフィンクス・アンドロジュネス》
星10/光属性/獣族/攻3500/守3000
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上の「アンドロ・スフィンクス」と「スフィンクス・テーレイア」が
同時に破壊された時、500ライフポイントを払う事でのみ
手札またはデッキから特殊召喚する事ができる。
このカードが特殊召喚に成功した時、500ライフポイントを払う事で、
エンドフェイズ終了時までこのカードの攻撃力は3000ポイントアップする。

映画版に比べ爆発力は大幅に低下しているものの、ライフコストが半減しデッキからも特殊召喚可能になった。
とりわけデッキからの効果発動は「強制発動以外の効果ではチェーンできない」という耐性裁定により阻害が困難。
該当するのは《死霊騎士デスカリバー・ナイト》《光と闇の竜》《CNo.106 溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド》ぐらいのもので、いずれも採用・遭遇率は低い。

ただし特殊召喚時に《奈落の落とし穴》《激流葬》などを撃たれる可能性はあるので過信は禁物。
また状況は限定されるが、ダメージステップ中にも特殊召喚効果は発動できない。
更にランク10のカードプールが増加したため、スフィンクス2体で《超弩級砲塔列車グスタフ・マックス》を出して2000バーン→《超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ》を重ねて攻撃力6000の2回攻撃、と言った具合に消費を抑えつつより瞬間火力の高いコンボが可能になっているのも逆風。

下位のスフィンクス二種と異なり、一度正規手順で特殊召喚できれば蘇生・帰還が可能。
ただし《キャトルミューティレーション》は一度手札に戻してしまうので、このカード自体を特殊召喚できないのが惜しい所。
コストは嵩むが、パンプアップ効果は「特殊召喚」でさえあれば方法を問わず起動できるので、奇襲性は高い。
《神秘の中華鍋》などでサクリファイスエスケープし、《リビングデッドの呼び声》で追撃するというのも面白い。
運用する際には下位のスフィンクス二種をまとめてサーチ出来る《ネムレリアの寝姫楼》はほぼ必須。自身も対応してるが、デッキから特殊召喚出来るのであくまでもサーチ先がなくなった際の保険と捉えよう。



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最終更新:2023年09月30日 11:30