かそく(ポケモン)

登録日: 2018/01/12 Fri 15:12:37
更新日:2024/03/01 Fri 15:02:30
所要時間:約 7 分で読めます





「かそく」はポケットモンスターに登場するとくせい/特性である。


がいようは かそくで すばやさが あがった!

加速」という名前の通り、ターン終了時にすばやさが1段階上昇する特性。
技消費無しでSを上げられるこの特性が弱いはずもなく、しばしば強い特性として扱われることが多い。

初登場世代は第三世代で、この当時の所有者はテッカニンヤンヤンマ
この時点では両者ともにアタッカーとしてのスペックを持ち合わせていないことから、
主にテッカニンが「つるぎのまい」や「みがわり」などからの「バトンタッチ」を行うという『加速バトン』が有名であった。
一方ヤンヤンマは、バトンタッチを覚えず、素の能力は貧弱であることから、主にもうひとつの特性であるふくがんを優先していた。

第四世代ではヤンヤンマがメガヤンマに進化したことで、加速アタッカーという道を得た。
特にバトレボ環境では「さいみんじゅつ」の命中率が70%で、なおかつねむり状態が3~7ターン継続する仕様だったため、かそくによってあらゆる相手の上から催眠術を放つことができるメガヤンマは強力なポケモンとして大活躍することになった。

第五世代では隠れ特性の実装に伴い、
なんとあのバシャーモアチャモ・ワカシャモ共々かそくを得る。これによりゴウカザルとの差別化を図ることができるように。
ただし入手方法が攻略本のIDを入力して得るというもの(それも、「かるわざ」キモリと「しめりけ」ミズゴロウとのランダム)であり、
はっきり言って金は掛かる上に苦行。当時は♂の隠れ特性が遺伝しないのに♂しかゲットできないのも問題であった。
「買い占めた攻略本が全部しめりけミズゴロウだったんだけど!」
なおこの当時バシャーモの育成論は当然かそく前提なのだが、そのせいで考察Wikiが「もうか型はネタポケWikiでいいよね」としたところ、
ネタポケWikiサイドが「いや手に入れられない人が基本型を作ろうって時にネタポケWikiで、ってのはおかしいのでは」と疑義を呈したことで
もうか型もしっかり考察Wikiに載るようになった(第六世代以降はかそくアチャモの入手は難しくないため、ネタに戻ったが)。
他にもサメハダーもかそくを得ている。

第六世代ではメガバシャーモの特性としてかそくが実装された上、
仕様変更によって♂からもかそく遺伝が解禁され、バシャーモファンは歓喜した。
このころはもうゴウカザルのほうがむしろバシャーモとの差別化を意識しないといけなくなっていた。
更にバシャーモはなんとかそくとバトンタッチの両立まで可能に。
ゴウカザルどころかテッカニンの枠まで奪いにかかった。
更にフシデ・ホイーガ・ペンドラーの隠れ特性が「はやあし」からかそくに変更。
バシャーモとペンドラーはアタッカーとしてもサポーターとしても使えるため、型が読まれやすいテッカニンの採用率が減少する。

かそくの欠点

かそく最大の欠点はなんといっても「1ターンは場に居座らなければ発動しない」という点だろう。
そのため、基本的に「まもる」「みきり」などを搭載することになるが、
読まれてみがわりなどを積まれたり無償降臨を狙われるリスクが付きまとう。ダブルバトルではまもるを貫通するフェイントも怖い。
既にSを一段階以上積んでしまった相手と対面したときや、素の状態でSが負けている相手にS積みの余地を与えると、完全に1ターン無駄にする。
あえてそこで殴ってみるというのも読みとして面白いが、リスキーである。
第七世代ではまもるすら貫通するZワザの登場で、更に厳しくなっている。

またあくまで素のSしか上がらないので、優先度が高い技には無力。
とくに「はやてのつばさ」ファイアローや「しんそく」カイリューなどは厳しい。
かそく使いはサメハダーを除き、ひこうタイプに弱いため注意したいところ。

トリックルーム」下では素早さが遅い順からになるので完全に逆効果。トリパにも注意が必要。
「ジャイロボール」も自分が速く相手が遅いほど威力が上がるため、積めば積むほど大ダメージを受けてしまう。


しかしそれら欠点を考慮してもS上昇が弱いはずもなく、
しかも第七世代ではやてのつばさが弱体化したことで、かそく使いの立場はますます向上。
テッカニンにしろサメハダーにしろバシャーモにしろペンドラーにしろ、他に特性は存在しているのだが、
かそくのほうが圧倒的に優秀すぎて他の特性を選択するメリットがほぼ皆無になるレベルで非常に多く使われる特性である。
他の特性が微妙すぎるということもあるが。


各ポケモンの特徴

テッカニン

第三世代〜第五世代までの唯一の加速バトン使い。
♀の加速アチャモがいなかったので第五世代でも加速バトンで活躍していた。
このため、かつては加速バトンは「鉄火バトン」と呼ばれていた。

デオキシスSFに次ぐS種族値を誇るテッカニンはかそくを1回発動させれば相手に抜かれることはまずあり得ないため、
あとは「みがわり」「まもる」「つるぎのまい」を駆使してSとAを上げ、バトンタッチでアタッカーに繋げるのが基本。
ほかにも「にほんばれ」なんかも覚える。

…なのだが、つるぎのまいもにほんばれもみがわりも使え、「ビルドアップ」すらできるバシャーモが
第六世代の仕様変更によって加速バトン使いに浮上したため現在は厳しい状況に。
ペンドラーが虫パ加速枠として浮上したのも痛すぎる。向こうは必中どくどくとどくびし回収まで出来るため、
テッカニンの立場が…

だが逆に裏をかいて、「すりぬけ」テッカニンを加速バトンに偽装させるというプレイヤーも。
まあ素の火力も耐久も貧弱だけどね…

第七世代では加速前でもゲッコウガフェローチェを一致技で、カプ・コケコメガゲンガーをZ「あなをほる」で落とせるアタッカーとしても活用可能。

バシャーモ

第五世代から登場。ところで攻略本何冊買いましたか?
もうひとつの特性が発動に苦慮するもうかであることから、かそくバシャーモがメイン。
1ターン目を守るや見切りでしのぎ、高いAから「フレアドライブ」「じしん」「ストーンエッジ」などをぶちかます。
かくとう技も第五世代で強化された「とびひざげり」を覚えるようになったため、ゴウカザルに対抗できるように。

更に第六世代ではメガシンカが登場したが、なんとメガシンカしても『かそく』という、明らかに公式が理解した仕様になっている。
かそくアチャモも早期購入特典で配信されたため、かそく型持ちバシャーモを持っているプレイヤーも非常に多い。

また物理ばかりがクローズアップされるが、メガ型を採用しないならCも高水準であるため、
「オーバーヒート」「だいもんじ」「きあいだま」を活かした特殊アタッカーとしての採用も可能。
その他、テッカニンのやりたいことをテッカニン以上のスペックでできるのでバトン枠にも採用できる。
最悪バトンせずにそこから飛び膝やフレドラにつなげてもおいしい。

第七世代では天敵のファイアローが環境から消え、カプ・テテフサイコフィールド効果で先制技も受けないという追い風を受け、上位クラスの採用率を誇る。

第8世代ではメガシンカが没収。
とはいえ変化技さえあればダイウォールが使えること、インファイトの習得など強化点も多い。
問題なのは物理炎アタッカーの役割をエースバーンに食われかけていることか…

サメハダー

バシャーモ同様にかそくを得て強化されたアタッカー。
低耐久故にもうひとつの特性である「さめはだ」をどこぞのスナザメより活かしにくいためにかそくが優先される。

「アクアジェット」「たきのぼり」「かみくだく」「じしん」「こおりのキバ」「しねんのずつき」などがあるため、物理攻撃範囲には余り困らない。

バシャーモと違い、メガシンカすると「がんじょうあご」になる。
その為メガシンカ前にある程度加速しておくのが基本戦術。
「まもる」で凌ぐのも手だがバレやすい為、思い切って弱った相手を美味しくいただいた流れで加速してしまうのも手。

なお、たとえメガシンカをしても耐久値には不安が残るため、メガシンカせずにきあいのタスキを持って殴り合う型も多い。
かそくによって多くの相手の上を取れる点や、先制技のアクアジェットを持つ点、「みちづれ」を覚える点などからタスキとの相性は上々。
タスキを持つ場合はこおり技の性能の関係で特殊技をメインに採用することが多い。

第8世代ではメガシンカ喪失により途中で加速が切れなくなってしまった。

メガヤンマ

第三世代時点でのヤンヤンマは活躍しにくかったが、メガシンカ…じゃねえこれは通常の進化だ、メガヤンマになることで、
強力な特殊アタッカーになれる。

攻撃技は「むしのさざめき」「エアスラッシュ」「サイコキネシス」「シャドーボール」「ギガドレイン」など。
他にめざや岩技をよく所有するを対処することも可能。

但し他の加速要員と違い活かせるのは自分だけの上途中で切れない。
また、むしひこうと言う悩ましすぎる攻撃範囲をフォローできる「いろめがね」も優秀な特性である点が痛し痒し。

ペンドラー

第六世代でまさかの加速使いに。しかもこっちもバトンタッチを覚える。
第五世代のポケモンドリームワールドで手に入る隠れ特性ははやあしだったが、これをポケムーバーで転送してくるとかそくに変更される。

テッカニンとの差別点は、必中「どくどく」と「どくびし」回収であろう。耐久もテッカニンに比べれば幾分マシ。
また「かげぶんしん」や「てっぺき」「こうそくいどう」を覚えるほか、まきびし・どくびしをこっちから撒いていくのもできる。
ペンドラー独自の動きにはどくどくからの「ベノムトラップ」、その後加速からのバトンタッチというものだろうか。

ただしいくら優秀といえど序盤虫。耐久性能には不安を抱えていることには留意したい。

クエスパトラ

第9世代初登場のポケモン。隠れ特性でかそくを持つ。
ダチョウみたいな見た目だが単エスパータイプ。
種族値は全体的に控えめだがエスパータイプらしく補助技に優れ、バトンタッチも習得可能。
SVは他のかそく持ちが全滅しているので、半ば専用特性状態になっている。
また、「スキルスワップ」を習得可能。かそくとスキルスワップを両立できる唯一のポケモンでもある。ダブルバトルでの活躍も期待できる。

専用技「ルミナコリジョン」は相手の特防を必ず2段階下げるエスパー技。強化版「アシッドボム」といった技で、下手すると素早さを上げまくられた挙句ルミナコリジョンでゴリ押しされかねない。
耐久面はそこまで硬くないので弱点の技で攻撃すればあっさりやられてしまう。特に「かげうち」や「ふいうち」のような弱点を突かれる先制技は大の苦手。

ただ、積み技の牽制になる専用特性「びんじょう」もあるのが痛し痒しか。


ついきが せっそくで しゅうせいひっすかしょが ふえた!

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最終更新:2024年03月01日 15:02