るくるく(漫画)

登録日:2018/04/21 Sat 14:10:29
更新日:2024/01/22 Mon 15:33:19
所要時間:約 22 分で読めます




『るくるく』とは『月刊アフタヌーン』にて2001年12月から2009年5月まで連載されたコメディ漫画の事。全十巻で作者は「あさりよしとお」

作品の大まかな内容は以下の通り。

特に取り柄のない男子学生である「鈴木六文」の家に突如悪魔を名乗るお姫様「瑠玖羽」が押しかけてきた。

曰く、地獄にこれ以上人間を入れない為に人々を救いたい。だからここでお世話になるのだとの事。

最初は困惑したものの、不器用ながらも甲斐甲斐しく尽くそうとする彼女にまんざらでもないご様子の六文。

しかしそこに六文を独り占めしたい幼馴染や、瑠玖羽にちょっかいをかける天使が出てきてさあ大変。

今日も今日とて鈴木家では六文を巡る女の闘いや、ささやかなハルマゲドンで大騒ぎ。

こんな調子で瑠玖羽は人々を救えるのか?六文と瑠玖羽の関係はどうなってしまうのか?

本作はそんな鈴木家の平々凡々ながらもちょっとヘンな日常を描いたハートフルコメディである。

丸みがあって可愛らしい絵柄をベースに、あさり氏お得意の「ちょいエロ描写」や「雑学ネタ」「パロディ要素」がふんだんに盛り込まれているのが大きな特徴。
これらスパイスとなって、一見ありきたりな内容に程よい刺激を与えてくれている。
「奇をてらわず、かといって普通でもない」という、絶妙さが心地よい一作である。

追記・修正お願いします。























とでも思っていたのか?


確かに上記の内容は間違ってはいない。
但し本作はこれに加えて、「微グロ表現」「痛烈な皮肉」「ブラックジョーク」「宗教ネタ」といった『毒々しさ』も盛大に盛り込まれている。
絵面のお陰でコマと台詞だけでは大したことない様に見えても、改めて言葉にしてるとかなりエグかったり、突然重い話をぶち込んできたりするから油断が出来ない。
なのでお世辞にも万人向けな漫画とは言えないが、その強烈なアクの強さを甘みで包み隠し豊富な雑学・パロディで整えたカクテルの味は、気に入る人はとことん気に入るだろう。

「てるてる坊主相手に"やはうえさま、お元気ですか?それではまたおたよりします。"なんてイッちゃってる小坊主の格好をした天使。」

なんてシチュエーションにクスリと出来るようなら、間違いなく本作は"買い"である。


主な登場人物

  • 鈴木六文
「"欲さず・目立たず・主張せず"が俺の処世術だしな。」

主人公。
名前の由来は恐らく三途の川の渡り賃である「六文銭」。
放蕩三昧の親父のせいで、電気・ガス・水道の基本的なライフラインすらままならない極貧生活を強いられている。
そんな生活を続けてきたせいか、かなり達観した性格をしており、いきなり悪魔が押しかけてくるというとんでもない状況にも割とすんなり適応した。
しかしそんな彼でも奴らがやらかすアレコレはさすがに見逃せないらしく、自身が知識豊富で勘が鋭い事も相まって、
悪魔共のアヤシイ素振りを見かけては苦労を重ねる日々を送っている。早い話が悪魔にとってのツッコミ役。
ただお年頃のせいか悪魔と関わりすぎたせいか、途中からはやや助平な性格へシフトしていき、自ら醜態を晒す事も増えていった。
まあ、どちらにしろ彼の苦労が絶えないことに変わりはない。主にエロ本の隠し場所で。
なぜか幼少時の記憶がすっぽりと抜け落ちており、時折それについて苦悩する描写が見受けられる。
それが何を意味するのかはいつまでもわからないまま悪魔と過ごす時間だけが過ぎていくのだが…







  • 瑠玖羽
「おふくろの味!?おかあさんのシチュー!!」

「地獄はもうこれ以上受け入れられない位一杯になってしまったから人々を救いに来た」という名分で鈴木家に転がり込んできた地獄の姫君。通称「るく」
黒髪ロングで前髪ぱっつん、片目隠れの少女という外見をしている。なお黒髪は「翼」・「副腕(ないし触手)」でもあり、髪で飛んだりおさんどん作ったりしている。
もし貴方が提督業を営んだ事があるなら「早霜をまんまデフォルメした感じ」を想像していただければ99%それであってる。
鈴木家のおさんどんを務め懸命に家事をこなすが、いかんせん現世に疎い箱入り娘の為、毎回何らかの形で暴走する。上の台詞を例に挙げると

1.六文に「おふくろ"の"味は好きか?」と尋ねる。
2.六文は「よそのお母さんの味でも嫌いじゃない」と答える。
3.「…わかった、がんばる。」と覚悟を決めてシャベル(大型)を担ぎ出す。

おふくろの味ってそーいう意味じゃねーから!!

一見仏頂面で無口に見えるが、その実感情的で表情も豊か。
人間の娯楽には並々ならぬ興味を示し、カメラに夢中になったり、映画にオーバーすぎるリアクションを取ったり、音楽を聴けば思わず踊りだしちゃったりする。カワイイ。
しかし彼女はアクマでも悪魔。
「誰でも触れられたくない事はある」といって全力で六文のエロ本を捜索したり、
彼の女装姿を見たい一心で立ちふさがる天使を全力でボコボコにしたり、
自分の趣味に熱中しすぎて鈴木家の経済を圧迫したりと欲望に正直な所も。やっぱり六文は苦労が絶えない。

彼女が司る悪魔は恐らく傲慢の罪をもつ「ルシファー
タイトルが"RuKu RuKu"ではなく"LuCu LuCu"である事や、彼女の得物がモーニングスター(=明けの明星)である事からもそれを窺える。
劇中でも「自分の罪は傲慢だ」って言っちゃってるし。
実は彼女は六文にある秘密を隠し続けている。物語終盤でそれが明らかになるのだが…。

「人間も我々同様二種類に分かれるとはな…己だけを知る者と、己を越えて真理を知る者…」






  • ブブ
「その気にだけさせて見放したら、そりゃ神だ。その辺中途半端にフォローしてこその悪魔よ。」

るくと一緒に鈴木家に転がり込んできた悪魔で彼女の腹心。
案山子の姿をしているが、これは"六文から見てそう見えるだけであって"他の人間には他の姿に見えているらしい。
曰く人間が見ているのは彼らの影の様なモノとの事。え?じゃあるくも…いや、言うまい。
現世の風俗に明るいので、世間知らずなるくをサポートするのだが、そこはやはり彼も悪魔。
るくが「無知ゆえに暴走する」のに対して、彼は「全て理解した上で暴走する」からタチが悪い。
何かが余計か、肝心な所がが足りなてい言動でるくに恥をかかせては、彼女のモーニングスターで制裁される。というのが毎度のお約束。
というか、るくのモーニングスターは九分九厘コイツをぶちのめす為に存在している。
まあ、こんな感じで普段はおちゃらけているのだが、たまに含蓄のある言葉を吐いたりするから侮れない。
理性的で常識を弁えている六文とのやり取りはなかなか味わい深いものがある。
彼が司る悪魔は名前やるくの腹心という立場、「位で言うと上級一位」という彼の発言から察するに大食の罪を持つ「ベルゼブブ」だと思われる。

「思えば家族だ。考えてみろ。もともと家族なんて一番身近な他人の事だぞ。望まなければ血がつながっていてもそれは赤の他人と同じことだ。」






  • 鈴木三文
「なんで俺にはヒドイ事言っても負い目に感じないんだよう。」

七つの大罪をコンプリートした罰を受け、物語開始早々死体と化した六文の父親。
その後ブブが彼の一部をかき集め、黒猫として復活。引き続き鈴木家の一員として生活する。
甲斐性無しで趣味に生きている人(?)。しかもその趣味がかなり偏っている。
ただ、そのおかげか(極端だが)物持ちはよく知識も豊富。鈴木家の物置からは毎度色んな物が出てきて、るくの興味を引いている。
六文が雑学に長けているのも、そんな三文の影響があったからかもしれない。
しかし息子にとってそんな人間が良い親な筈がなく、実際六文は親絡みでは碌な思い出がない。
たま~に良いことも言うが生前の行いが伴っていない為、彼には常に呆れられている。
実は彼の正体は…いや、やめておこう。

「俺はお前の親父のつもりだよ。」






  • タンちゃん
「全ては人間の仕業さ。俺は背中を押しているだけさ。」

ブブ達とは違いるくからは離れて独自に活動をしている悪魔。
るく達は世直しの為に積極的に余計なお世話を焼いているのに対して、
彼は「アクマで人間の欲望に答える形で、彼らが自ら破滅に進むのを後押しする」のが悪魔の本分だと考えている。
よって地獄の姫君であるるくにはその行動を"正して"欲しいらしく、度々彼女にちょっかいをかける。
そして時には悪魔同士で争うのだが、それが人間を巡っての闘いである以上、常に割を食うのは人間であることに変わりはない。
そりゃ悪魔と悪魔の葛藤なんぞ碌なもんではないだろう。では天使と悪魔の葛藤ならマシなのか?と言われても困ってしまうが。
彼が司る悪魔は恐らく憤怒の罪を持つ「サタン」。

「不安や孤独で人間は悪魔を望んだりはしないよ。そういう心にすり寄っていくのは寧ろ……」






  • ルミエル
「聞いて驚け。仏道に帰依する神の使徒…天使であり小坊主のルミエルだ!」

悪魔と敵対する天界の尖兵として地上に降り立った天使。
しかし天使と言っても、ブブの言う「その気にだけさせて見放したら、そりゃ神だ。」を身をもって証明する為にいるような存在で、

「悪魔の監視と殲滅」という崇高な任務を授かるも先立つ物が無く浮浪者となり、
「正義の刃」を振りかざしては警察に取っ捕まり、
和尚の庇護を受ければ「小坊主の天使」というわけのわからない存在になり、
心身共に衰弱してはアヤシイ新興宗教に洗脳されかけたり、
食うに困ってバイトをすればそれを上司に窘められたり

と、今日も彼は正義の名の下に苦難の道を邁進している。
因みに彼の位は天使の9階級でいうと力天使。
それなりの力はあるはずなのだがいかんせん相手が悪すぎる為、その力を活かせたことは只の一度として無い。
どこまでいっても可哀そうなヤツである。

「悪魔いやだ!神もいやだ!天使も人間もいやだ!」






  • ヨフィエル
「今度こそ絶対入定するぞ!入滅するぞ!入寂するぞ!」

ルミエルの上司。
一向に悪魔の殲滅が進まないルミエルの不甲斐なさに業を煮やして地上に降臨…したのだが、
憑依先である六文の友人南足は煩悩が強すぎて肉体が拒絶反応を起こし、それならばと和尚である凌貫に憑依したら今度はもっと煩悩が強かった為に、意識を封じ込められ肉体から脱出出来なくなった。
以後はルミエルが開発したヘンテコなヘルメットを被っていないと意識が保てないという難儀な生活を強いられる。
位は智天使と、かな~り高い身分なのだがいかんせん相手が(略)。
お察しの通り日常の扱いはルミエルの延長線上といってほぼ差し支えない。
てゆーか古今東西の漫画を漁ったとしても

"エクソシスト"に"聖水"を浣腸され、"悪魔"の立会いの下、

「無理ッ そんなの入んな…あッ!! ああッ!!」
「ああッ 出るッ 出ちゃうッ!!」

といって(本来の意味で)昇天する"和尚"の"ジジイ"の"天使"

なんてシロモノが拝めるのは、間違いなく本作だけであろう。え?どんな状況かって?作品を読みなさい。

悪魔に対して数々の妨害を試みていたが、途中から自分の為す事に疑問を持ち始め、一度天界に帰った。
再び戻ってきてからは、今まで以上に天使の所業に迷いを見せるようになっている。
どうやら天界であるものを見てきた、いや、正確には"見てこなかった"らしいのだが…。

「貴様のやり方にも限界はある。絶対を求めなければ、必ず綻びは生まれる。」






  • ペロ

本作のエロ担当。
ヨフィエルが天界に援軍を要請して間もなく、生まれたままの姿で天から降ってきた。
暫くは天使側の人物(?)として、多分たまに見えちゃってる一休さんスタイルお寺の厄介になるのだが、ヨフィエルが一度天界に帰った折に寺を離れる。
今度は神社に住み着き、、後ろが丸見えのびんぼっちゃまスタイルで小学生相手におっぱいを見せたり触らせたりしながら食べ物を恵んでもらっていた。
最終的には神社にやってきた六文についていき、鈴木家で悪魔に養ってもらう事になる。おまえ神々を冒涜しすぎだろ。
カラダだけでなく歯にも衣を着せない性格らしく、いつも「それを言っちゃアカンだろ」な発言をしては周りを困惑させている。いや、言ってる事は間違っちゃいないのだが…。
後に彼女は天使ではなく悪魔である事が判明する。司っている悪魔は恐らく「色欲」の罪をもつアスモデウス。
るくやブブの様に名前繋がりではないが、日頃の行いを鑑みるに……え?そんなん皆まで言わんでもわかるって?

「邪心を持てば悪魔の仕業、清き心で行えば神の御業よ。」






  • 大家数
「クリスマスになれば六文のハートは私のもの!!また昔みたいに私だけのオモチャよ!!」

鈴木家の住まいの大家の娘。読みは「おおやかずえ」
六文の幼なじみであり、彼に対して好意を寄せている。
しかし本人の独占欲が非常に強いことに、数の親の好意で家賃なしで住まわせてもらっているという鈴木家の負い目も手伝って、彼女は常に六文に高圧的な態度をとっている。
何かと目障りなるくを追い出したいらしく、利害の一致からか何かと天使側に縁がある。ヨフィエルの第二の憑依先も彼女。
…要するに彼女も碌な目に合わない人間の一人ということである。「必然があれば脱げる!!」とかいって天使にひん剥かれたりとか、自分の恥ずかしい趣味を暴露されたりとか…。
余談だが当時はともかく今はこれらに対しての世間の目はそれほど冷たくない気がする。神の秩序の失墜は止まるところを知らない様だ。

「ねえ、こんな時神様は何をしてくれるの?なにもしてくれないなら悪魔の所にいくわ。」






  • 凌貫
「弱った時には宗教じゃ。」

本作のエセ宗教家其の一。ヨフィエルの第一の憑依先になった和尚。
既に述べたように、聖職者でありながら智天使を封じ込める程の煩悩の持ち主で超がつくほどの生臭坊主。
肉料理であるすきやきについて熱く語りだし、エロ本に仏性を見いだしたといっては堂々と眺め、開祖の木乃伊を「パンチが弱い」とキリストの様に磔にしたりとやりたい放題。
信仰自体も怪しさ満点で、一応仏教を謳ってはいるが、
寺の名前は「金漠山煩提寺(緊縛 ボンデージ)
流派の名前は「古すぎて人間には発音できない」
極めつけに古のご本尊とやらは完全にいあいあなアレ。*1

天使であるルミエルに「そんなちゃんぽんな宗教をやられるとこっちまで怪しく見られるんだよ。」と言われる様は正に滑稽としか言いようがない。勿論お互いに、である。
しかし、神の使徒ですら辛酸を嘗めまくっているのがこの世界。そんな舐めまくった宗教がイイ思いばかりできるはずがなく、彼は後にこのご本尊が原因でSAN値を削る思いをする羽目になる。
天使もだけど。

「心はいつも現役じゃ!!」






  • 逸窮
「アフリカ大陸にはアフリカ大陸の釈迦が、南米には南米の釈迦がいるのだ!!」

本作のエセ宗教家其の二。
若い頃、同じ仏教の徒(!?)であった凌貫の道を正すため、(物理的に)彼と対立するも(物理的に)敵わず逃走。
その後世界を巡り南米で最強の仏教に出会い、改めて凌貫を亡き者にするために煩提寺にやって来た。え、なにそれは…。
彼の流派は自力本願がモットーで、自らハイになる術や、自らを慰める術には長けている。これぞ神の右手!!
しかしペロの半裸を見たときの反応から察するに、実戦経験には恵まれていない様だ。
十二分に変人と言えるのだが、これでも他の面々に比べるとまだまだマトモにみえるあたり、この作品は恐ろしい。

「悟りに至る手段が修行であって、修行したから悟りに至れるなど本末転倒…うむ、来た来た、エンドルフィンが出て幸せになってきた。」






  • 莊司しげみ
「私も…小さい頃は色々ありました…。」

修道服に身を包んだ眼鏡ロリっこで本作のエセ宗教家其の三。
↑の様に何かと昔の自分を語り出す癖がある。アンタどう見ても十歳そこそこなんですがそれは…。
ただ、その内容は智天使すらドン引きする凄惨なモノで、彼女が自分を語り出すともれなく周囲の空気が真っ黒に染まる。具体的なセリフがないのだけが救いか。
そんな苦難の半生を救ってくれたのが神様らしく、その教えを広める為彼女は昭和三十五年初版の聖書を振りかざしては、信仰で得たコネで異教徒を爆撃する毎日を送っている。
本作最大の暴力を振りかざすのが天使でも悪魔でもなく、人間の子供だというのは何とも皮肉なお話である。
しかし、やはり暴力だけで驀進出来るほど神の道は甘くないのだろう、彼女は数と出会い「邪悪な文化の存在」を知ってからは色々と目覚めてしまったようだ。
因みに所属している組織の名は「日本奇特教団マゾヒスト教会」。
例の聖書によると金漠山煩提寺は本来神の聖地だとか。あれ?ここだけ聞くと強ちインチキでもないような気が…。

「こ…これはあくまで宗教上の…そうよ…研究、研究資料なのよ。」






  • 南足
「クラス対抗など口実に決まっとろうが。」

六文の友人で写真部部員。読みは「きたまくら」
前述の通り、ヨフィエルが拒絶反応を起こすほど煩悩にまみれている人物。
るくを溺愛しており、あの手この手を使ってはるくにスク水を着せたりメイド服を着せたりしている。部室には彼女の写真(と、ついでにエロ本)が一杯。
純粋に変態なのだが、彼の凄い所は「己の行動に一切の後ろめたさが無い」事。しかも欲望を満たす為の意志も頭も舌も備えているから始末が悪い。
目的の為ならクラスの女子共に白い目で見られることを厭わず、教師ですら力強い言葉で言いくるめる。
基本的にヒドイ目にしか合わないこの世界の住人の中でワリとオイシイ思いをしている稀有な野郎である。

「人間の記憶なんてあてにならんもんだよ。だから俺は"今"にしか生きない。」



  • ベル・レヴィ
るくの腹心その2とその3。役回りも大体ブブと同じ。
但し、劇中では台詞を交えた大立ち回りは専らブブの役目なので、正直彼らは影が薄い。
ぶっちゃけ怠惰の枠と、嫉妬の枠を確定させる為だけにいる奴ら。


  • 佐池
六文の友人その2。変態2号。
台詞を交えた大立ち回りは専ら南足の(略)


  • 西念
梵提寺に住み込んでいる小坊主。
台詞はなく、話にも絡んでこない何のためにいるのかわからない存在。
どのコマでも扱いが小さく、顔も黒丸の目口のみで雑に書かれているのだが、後にこれが簡易表現でないことが発覚した。きっとこいつは既にSAN値0なのだろう。
そんな彼だが雪合戦でいつの間にか勝利をもぎ取っていたり、ペロの観音様を拝んで手を合わせていたりと、コイツも要所要所でオイシイ思いをしている。










以下ネタバレにつき注意。























  • ミカエル
「選んだんじゃない。六文、あなたは私が造ったのよ。」

本作最後の天使。階級は最上位の熾天使。
表舞台に出てくるのは物語終盤だが、実はかなり前から西念に憑依しており*2、ずっと事の成り行きを見守っていた。よって天使の所業に疑問を持ち始めているヨフィエルを信用していない。
ここまで読んだ方なら天使と聞いて「今度はどんな芸人さんが来るんだ?」と思われたかもしれない。
悪かった。今までの天使さんはホントーにイロモノで悪かった。
まあ彼女も完成度の高いご神体に敗北してたりするけど。
閑話休題。
悪魔の企みを挫くべく、るくと全く同じ外見で六文に近づき*3「六文自身も含め、鈴木家は悪魔が造った偽りの家庭」である事を告げる。*4
六文は本物のるくに問いただすも彼女もそれを否定しなかったため、彼は自分が何者かわからなくなり、自分が自分であるという証明を探して奔走する事となる。

「瑠玖羽!!貴様…本気で神に成り代わるつもりか!?そんなことが出来ると思っているのか!?」




このミカエル登場から先の展開と結末はかなり衝撃的なので必見…と言いたいところだが、実はそれらが意味するモノは何かという答えは劇中で用意されていない。
そしてそれが本作の賛否を大きく分けるポイントとなっている。
読者の中には
「成程!!そういう事だったのか!!」と自ら答えを導き出す者もいれば、
「なんじゃこりゃ!!まるで意味が判らないぞ!!」と明確な答えを求める者もいるだろう。
ただ、正解こそ用意されていないものの、それについて考える材料は作品の色んな所に転がっている。
なので結末を知った後、改めて最初から読み返すと色々と発見があるかもしれない。


Wiki籠りも我々同様二種類に分かれるとはな…。
項目を眺める者と、見る事を越えて追記・修正する者…。

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最終更新:2024年01月22日 15:33

*1 連載初期はヤギを供物とするカーリーっぽい千手観音(自己申告)だったが逸窮に壊され、後に「もっと古いモノに遡った」といってこれになった。

*2 ペロが悪魔であった事から、ヨフィエルが要請して降りてきた援軍は彼女だと思われる。

*3 ミカエルとルシファーが双子であったという俗説をキャラに落とし込んでいるものと思われる。但し、この説を裏付ける典拠は存在しないらしい。

*4 六文は0から造られた存在という意味ではなく、鈴木六文という人物はきちんと実在する。しかし劇中の彼は外見・性格は同じものの、実在の彼とは記憶が食い違っており、自分は三文の息子だと思い込まされていた。