スリの銀次

登録日:2018/06/20 (水) 19:07:47
更新日:2024/04/18 Thu 23:38:07
所要時間:約 25 分で読んでくんな





キーン デレッテレッデレン♪

「みなさん キップを拝見…」


なんと 車掌はスリの銀次の変装だった!

「へっへっへ! 社長さんがそんなにお金をもちあるいちゃいけねえよ!」





スリの銀次とは、ハドソンから発売されているゲーム『桃太郎伝説シリーズ』及び、『桃太郎電鉄シリーズ』に登場するお邪魔キャラクター。


人物


角刈りの髪形に着流しを来たダンディーな風貌の男性。口調は渡世人風であることが多い。
一人称は主に「オレ」「あっし」、たまに「おれさま」「銀次さま」。
二人称は「あんた」、あるいは相手の名前や役職に「さん」付け。

変装(?)の名人で、作品ごとに様々な姿に扮して悪事を働く。



活躍

桃太郎伝説シリーズ

桃太郎伝説

初登場作品。
氷の塔をクリアし、橋の上で寝ている寝太郎をどかして先に進むと男が道を塞いでおり、話しかけると……。

おっ!! あんたはももたろうさん リュウのくびかざりをもってますね?

へっへっへ!! おれさまがゆうめいなスリのぎんじだよ!! リュウのくびかざりはたしかにいただいたぜ!!

何と、宝物の一つであるリュウのくびかざりを盗まれてしまう。

それから、さるかにの村の易者に変装している所を見つけてほうひの術を使うと

やっぱりわるいことはできねえな! オレがわるかった ゆるしてくれ ももたろうさん!!

リュウのくびかざりはかえすぜ!! もう スリから あしをあらって りょうていを つぐことにするよ

あんたもがんばってくれ!! かぐやひめに あったら ぎんじは いまも スキだと つたえてくれ!!

と、固有のグラフィック付きで謝罪して改心し、実家の「料亭い志ゐ」の後を継ぐために去っていく。

ちなみに、悪事に手を染めていたのはかぐや姫に惚れて言い寄ったものの、フラれてしまったためで、そのために宝物を持っている者に嫌がらせをしていたから。

このゲームにおける易者は、金額によってヒントを教えてくれる「ヒント屋」である。
しかし、銀次が化けている易者は何を聞いても
「ひとりでもせんにんはたかいかねをとってつまらないじゅつをおしえるだいあくとうだ」としか言わない、怪しさ満点な奴なのですぐに判別できるだろう。
なお、「ひとりでもせんにん」は銀次の正体を暴くのに必要な「ほうひのじゅつ」を教えてくれる仙人である。

リメイク版の『桃太郎伝説ターボ』でも同じ役回りだが、易者ではなく女性に化けている。
ちなみにノベライズ版では、料亭ではなく政治家の息子ということになっている。


桃太郎伝説Ⅱ

『桃伝ターボ』からの続編となる『桃太郎伝説Ⅱ』では、まず希望の都にて料亭を継いだ姿を見ることができる。ここで話しかけると料理でもてなしてくれるほか、ほうひの術を使うとちょっとした反応を返してくる。
都を出て先に進み「風神の谷」に差し掛かると、風神に襲われて仲間たちとはぐれてしまうのだが、そのさらに先で倒れている夜叉姫を見つけたところに銀次が駆け付けてきて、しばらく旅のお供になってくれる。

こんな あっしでも いないより ましでやしょう!

しばらくの あいだ おてつだい させてくだせい!

銀次が同行してくれるのは「ウサカメの村」で風神と決着を付け、仲間たちを全員取り戻すまで。扱いとしてはイヌサルキジに近く、たまに自動で敵を攻撃する。

余談だが、銀次が仲間になる前のパーティは、桃太郎、キジ、並び地蔵10体で合わせて12人のRPG史上最大のパーティ*1
銀次加入で13、でか太郎加入で14、夜叉姫加入で15、イヌサル加入で合計17人という行列パーティになり、ひえんの術を覚えずにウンチ3体もいた場合は合計20人の大所帯となる。


新桃太郎伝説

ファミコン版からの続編である『新桃太郎伝説』でも、仲間として登場。
オープニングでダイダ王子に敗れて全ての力を失った桃太郎の元に駆け付け、最初の仲間になってくれる。

桃太郎さんは まだ 無理の きかねえ 体だ!

しばらくの あいだ あっしも ごいっしょさせて いただきやす!

専用武器は包丁、専用防具は着流し。専用の包丁のほか、も装備できる。
また天気が日本晴れだと体力が回復する。

最大の特徴は同時に四本装備できる専用武器の包丁で、種類ごとに様々な効果が発生する。
例えば、初期装備では攻撃後に一定確率で体力が回復する「出刃包丁」、
攻撃力は低いが2回連続で攻撃する「小出刃包丁」、攻撃後に一定確率で敵の防御力を下げる「薄刃包丁」、特殊効果はないが攻撃力が2倍近くある「牛切り包丁」という具合である。
包丁は兵具屋ではなく、刃物屋という専用の店で取り扱っている。

また、レベルが10段になると正義のために再び盗みの技を使用できるようになる。

ストーリー上では、最初に仲間になった後、松葉山をクリアすると一旦パーティーを離れる。
その後は金太郎の村、浦島の村、氷の塔で救援に現れてスポット的に仲間に加わった後、城を建てると正式に加入して自由に入れ換えができるようになる。

序盤はかなり頼りになる仲間で、専用の包丁などシステム的にも優遇されている。
しかし、あしゅらやえんま様などの最主力キャラに比べるとさすがに力不足。専用武器の包丁が非常に高価というのもネックか。要するに小出刃以外の武器売った上で盗みまくる金策キャラということ。
ただし、決して弱くはないので最後まで連れていく事は充分可能である。


桃太郎電鉄シリーズ

恐らく最も馴染みのあるほう。第一作から登場しており、シリーズ皆勤賞。何と貧乏神よりも登場は先
原案のさくまあきら氏曰く、キングボンビーとスリの銀次は強者と弱者の差を縮める存在」とのこと。

マイナス駅かカード駅に止まると出現し、持ち金の内4分の1、半額、全額をランダムで奪っていく。毎回何千万や何億もの大金をどうやって盗んでいくんだ、という突っこみは野暮である。
登場時のBGMのタイトルは『シルバーダンディ』。『III』までは『台風小僧だぜっ!』*2
『桃鉄』経験者にとっては冒頭のイントロ=銀次の襲来で大体合っている。

現れる時は毎回変装している。これらの元ネタは発売当時に流行っていたタレントや物事などにちなんだ時事ネタやご当地ネタが多く、後になってから見直すと懐かしく感じるだろう。
レパートリーは、『USA』までは主に車掌と新規のもの3つという組合せだったが、同作以降は全国編と地方編で内容が変わるなどして、今では相当な数になっている。
ちなみに近年の作品では盗む前にちょっとした雑学を披露してくれるので割とためになる。授業料は高いが。

初期の頃は顔が銀次のままだという特徴からまだ判りやすかった。
……が、シリーズを重ねるごとに悪ノリグレードアップしていき、物や動物になったり大人数のグループになったり、果てはそもそも姿を現さなかったりと、もはや何のための変装なんだと言いたくなるレベルになっている。
(実際、秘書が「それでいいのか」とか「無理があるぞ!」など、突っこみを入れる時もある)

しかし、コミカルに見えるそんな銀次の恐ろしいというか厄介な特徴は主に二点。
まず、防ぐ手段が原則「パトカード」のみ*3と、非常に限られている点。しかも「パトカード」の類が販売されるようになるのは長期戦の後半からで、おまけに扱う売り場はごく少ないことが多い。安定して手に入るようになるまでは、カードマスで引き当てるか、自分が独占した物件駅や港マスに止まるか、あるいは目的地に一定回数連続で一番乗りした副賞として運良く貰えるのを願うほかはない。記念仙人が登場する作品では、銀次に遭遇してしまい初めて一定以上の額を盗られたあとに貰えることもある。先に欲しかった……。

加えて、出現がランダムという点も対策がしづらい。ちなみに対策しても逮捕されないことから、実は政府の手先なのではという説も囁かれるほど
挙句の果てには銀河鉄道や月面といった場所にさえ、あるいは他のプレイヤーとの距離が遠く離れていても同じ月に連続で現れることがある。
ゲームが後半になって持ち金の半額や全額を奪われたら、一気に逆転されてしまうことにもなりかねない。特に桃太郎ランドの獲得を目指している人にとっては最大の障壁となる。
駅に止まってウインドウが開いて音楽が流れた瞬間、ついリセットに手が伸びた人もいるのではないだろうか(対人戦ではリアルファイトになりかねないので絶対にしないでください)。

『11』からは、銀次の出現率が何と70%に跳ね上がる「スリの銀次の当たり年」というイベントが発生するようになり、これに当たってしまうと毎月誰かが大金を奪われる光景も珍しくはない。
しかも、その年の間は普段出現しないプラス駅やカード売場にまで現れるようになる。
ここまで来るともはや「パトカード」なんて何枚あっても足りないため、急行系カードを駆使して貴重な安全地帯である物件駅に止まりまくるしかない*4
……と言いたいところだが、『令和』からは当たり年に限りかつては安全地帯だった物件駅にまで現れるようになったため、逃げ場がほとんど無くなってしまった。「パトカード」が無いまま当たり年を迎えたら、港マスや周マスに止まってやり過ごすのも手かもしれない。

作品によっては「スリの銀次カード」を使って任意のプレイヤーのもとに送り込むことも可能。
ただし、この時に派遣されたプレイヤーの持ち金がゼロやマイナスの場合は、お金を恵んだり借金を半分返済してくれたりと、根っからの悪人ではないことがうかがえる一面も見せる。
























余談

  • モデルは、主に明治時代に暗躍したスリ組織の大親分「仕立屋銀次」。

  • 『スーパー桃太郎電鉄Ⅲ』のテレビCMでは、荒井注氏が演じた。



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最終更新:2024年04月18日 23:38

*1 ゲーム中で表示される。

*2 台風の曲としては近年の作品でも使われている。

*3 作品によっては「保険カード」「損害保険カード」が防ぐ手段になっていることがある。また、歴史ヒーローのうち『2017』『令和』では水戸黄門、『ワールド』ではエリザベス一世が仲間になっていれば遭遇時に撃退してくれることがあるものの、初回以外は確定ではないのでやはり「パトカード」は一枚でも持っておくのが無難。

*4 ナイスカード駅などの特殊なカード駅に出現しない作品とか、マイナス駅で損失を受けない「へっちゃらカード」を使った状態でマイナス駅へ止まることで「通常のマイナス駅イベントごと出現条件を省略する」という大胆な回避方法が存在する作品もある。