浮遊大陸

登録日:2018/10/12 Fri 13:09:59
更新日:2023/11/27 Mon 13:39:11
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浮遊大陸とは、空に浮かぶ大陸・島のこと。
「空中大陸」「浮遊島」など、作品によって呼び方は様々だが、ここでは基本的に「浮遊大陸」とする。
ファンタジーにおける伝統的なオブジェクトの一つであり、登場頻度は非常に高い。


概要

「雲の上に存在する誰も見たことのない大陸」というロマンあふれる存在。
とはいえ、浮かぶ原理についてはあまり説明されない事も多い。

「大陸」と呼称されてはいるが、実際にアフリカ大陸やオーストラリア大陸級の陸地である事は稀で、多くは「島」程度のサイズに留まっている。
本当に大陸サイズの島を浮かべた場合、広大すぎる上に内陸部では空に浮いている実感も無くなるという事情からかもしれない。

人工物かつ軍事目的で建造されたモノの場合空中幼彩空中要塞などと呼ばれることが多い。

大抵はストーリー中盤以降に登場する、物語の要となる存在である。
当初は文献で存在を知るか、はるか上空にかすかに見える程度であり、実際に乗り込むのはだいぶ先になる。
そして行く手段があっても暴風雨や、飛びかう魔物の存在等で侵入を拒んでいる。


浮遊大陸の登場する作品

ガリバー旅行記

空に浮かぶ城、ラピュータが登場する。
底面にアダマントが張られた人工島で、磁力で浮かんでいる。
「高慢で高い科学力を持つ天空の島の住人」という後の作品におけるテンプレを作り上げた作品。

天空の城ラピュタ

前述のラピュータにモデルを取った作品。高度な科学力で作られた巨大な城だが、現在は住人は誰も残っていない。
普段は「龍の巣」という巨大な積乱雲に覆われており、通常の航空機でたどり着くのは不可能。
飛行石という特異な技術を活用し、非常に強力な兵器や、多数のロボット兵等を搭載している。
ちなみにオープニング等を見る限り、最初期のラピュタはプロペラ等で飛んでいた模様。
上記のラピュータともども、ラピュタの項目も参照。

ドラゴンクエストX

Ver.3の舞台である「ナドラガンド」は、本来はアストルティアの上空に浮かぶ浮遊大陸だったが、神々の戦いの末に異空間に封印された経緯を持つ。
今でも構造自体はそのままであり、5つある領界のそれぞれが過酷な環境に浮かぶ孤島となっている。

FINAL FANTASY Ⅲ

ストーリーが進むと、自分達の暮らしていた世界が実は狭い浮遊大陸に過ぎなかった事に気付き、飛空挺に乗って大陸を脱出する所から更に物語は広がりを見せることになる。
それまでの作品なら「最終目標」である事が多かった浮遊大陸をあえてスタート地点に持ってきた、斬新な作品。

FINAL FANTASY Ⅵ

三闘神(FF6)の力を復活させたことにより、封魔壁周辺の大地が浮上し魔大陸が出現する。このゲームのターニングポイントであり、魔大陸出現を中心に崩壊前と崩壊後に分けて語られる。
実際にマップを見ると大陸がひとつ無くなっており、魔大陸の下に位置するアルブルグの街は昼でも暗くなっている。
ただ、三闘神あるいはガストラ皇帝がなぜ大陸を空に浮かばせたのかは謎。ゲーム中の魔大陸には街もなければ帝国兵もいないため、そんな場所にケフカと二人きりでどうやって暮らしていくつもりだったのだろうか。

バハムートラグーン

物語に登場する大地のすべてが見渡す限りの空に浮かぶ「ラグーン」と呼ばれる浮遊大陸になっており、異世界である「アルタイル」も例外ではない。
各ラグーンごとに位置関係による特色の変化も見られ、ステージマップや背景に反映されている。
主人公たちの母艦になる「ファーレンハイト」も小さな浮遊大陸ライクな構造。

クロノ・トリガー

1万2千年前の古代王国「ジール」が浮遊大陸の技術を保持している。
1万2千年前の世界は氷河期真っただ中であり、地上はとても人間の暮らせる世界ではなかったため、
魔力を持った人間は大地を切り離して空に浮かべ、浮遊大陸で豊かな生活を送っている。
その一方で魔力を持たない人間は「地の民」と呼ばれ地上に追いやられて貧しい暮らしを強いられている。
また、雲の上というほど高くはないが、流刑地である「嘆きの山」という巨大な山はなぜか空中に浮かんでおり、地上からは鎖で無理矢理固定されている。
後にラヴォス復活に伴いジールは完全に崩壊。全ての人間は地上で暮らすことになった。

ONE PIECE

雲の上に存在する「空島」という土地がある。
基本的には特殊な雲である「島雲」「海雲」が大陸を形作っているのだが、ごく一部にのみ地上と同じ大地が存在しており、空島の住人からは神の土地として珍重されている。
「偉大なる航路」前半部分の人々からは「夢物語」扱いされているが、「偉大なる航路」後半部分ではその存在はほとんど常識扱いであり、
場所によって認知度には大きな差がある。
住人はなぜか背中に天使の羽のようなものがある(特に空を飛べたりはしない)。

ちなみに「スカイピア」は空島に存在する最も大きな国家を指す名称であり、空島そのものを指す呼称ではない。
スカイピアに属さない空島も少数ながら登場している。

また映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』に登場する「メルヴィユ」は元々は雲にも届く塔のような場所だったが、金獅子のシキの能力によって、宙に浮く複数の島々になっている。


封神演義(漫画)

漫画版における仙人界はいずれも空中に浮かぶ「島」に存在している。
その中でも最大の浮遊島である「金鰲島」は直径15kmにも達する。また、主人公たちの所属する崑崙山も、金鰲島よりはるかに小さいとはいえ直径3kmとやはり大きい。
そのほかの島や山には大した大きさのものは無いが、「崑崙山脈」「金鰲列島」という表記が示すように、群小の浮遊島を含めた「仙人界」が一つの「浮遊大陸」ともいえる。

この空中に浮かぶ仙人界と地上の人間界のいずれもがストーリーの舞台として遺憾なく駆使されており、
中盤には金鰲島と崑崙山の双方が移動し、ミサイルや艦載機、バリアや大口径ビーム砲、そして崑崙山そのものを質量弾とした体当たりと言った激戦ののち、
物欲に乏しい軍師プッツン状態の司令官によって動力炉を破壊され、もろともに墜落した
しかしその後も、残骸から再建した 直径わずか3mの 崑崙山Ⅱや、厳密には島ではなかったが「蓬莱島」などが登場している。
なお、同作に登場した「桃源郷」はテーブル状の山であって浮遊はしていない。

ドラえもん のび太と雲の王国

作中では二つの浮遊大陸が登場。
ドラえもんが物語冒頭で「雲固めガス」を使って作り上げた「雲の王国」とそれ以前から存在していた「天上連邦」である。
天上連邦に暮らす天上人たちは、環境破壊を繰り返す地上人を敵視しており、
全ての生物を回収した上で一度大洪水によってすべてをリセットする「ノア計画」を実行に移そうとしていた。
一応、地上人を無為に傷つけるつもりはなかったので高慢ではあっても多少の配慮は見られたものの、
当然ドラえもんたちからすれば許せる行動ではなかったため、雲の王国と天上連邦による一触即発の戦争状態に陥ることに。
雲の王国は規模こそ小さいが、あらゆる雲を元に戻してしまう「雲戻しガス」という最終兵器を保持していたため、天上連邦に対する最大の脅威となっている。
ドラえもんはあくまで威嚇のために使うつもりだったが、終盤にはそれが裏目に出てしまい…。

ゼルダの伝説

トワイライトプリンセス」では、「天空都市」というダンジョンが登場。なんと 大砲 で侵入することになる。
名前の通りかつては都市だったが、現在は崩落が進んでおりまともな足場が少ないため主にクローショットを駆使して移動することになる。
ダンジョン中盤で二つ目のクローショットが手に入り、移動範囲が一気に広がる。
物語も終盤に挑むことになるので、難易度は総じて高い。
ボスは「覚醒炎翼竜 ナルドブレア」。実は「おばちゃん」の故郷であり、おばちゃんと同じ見た目の天空人が多数住んでいる。

スカイウォードソード」では物語のスタート地点が浮島「スカイロフト」である。
タイトル通り今作の主な舞台は「空」であり、拠点として活用されることになる。
スカイロフトにおける主な移動手段は「ロフトバード」という巨鳥。

新・光神話パルテナの鏡

主人公ピットのパルテナ軍とハデス率いる冥府軍、ナチュレ率いる自然軍の三つ巴の戦いの最中。
突如宇宙からの侵略者として浮遊大陸群オーラムが登場。

「大事なことなので二度言うぞ、浮遊大陸群オーラムだ!」

と現れた自称太陽神ラーズが加わり、全軍休戦。オーラムに対処することに。

オーラムは無数の巨大浮遊大陸と戦艦を持つ謎の軍で、SFサイバーチックな無機質な存在。大地を削り吸い上げ、増殖を繰り広げる。
正体は最後まで謎だが、ただ増え続けるだけの存在であり、コンピューターのバグが昆虫並みの知能を得たという説が有力。

オーラムは3章にわたって戦うが浮遊大陸の登場は1回のみ。
しかし神々の世界観に宇宙から浮遊大陸が現れるインパクトは抜群。
一応パルテナ達のエンジェランドも浮遊大陸といえるが、天界や神々の地は別系統だろう。

ゼロの使い魔

浮遊大陸「アルビオン王国」が作中におけるキーポイントとして度々登場する。
飛空船でないと移動はできず、またアルビオン王国自体も特定のポイントにとどまっているわけではなく一定のルートで周遊しているため、移動するにはタイミングが重要。

一見優雅な大陸であるが、その内実は王権とそれに反抗する市民との対立による非常に血生臭い。
作中だけでも何度も統治者が変わっており、政情は不安定。

ギルティギア

浮遊大陸「ツェップ」が該当。使用キャラであるポチョムキンの故郷。大陸と言っているが要するに巨大な飛行戦艦
聖戦時代には軍部が過激化し奴隷制度まで容認する最悪の独裁国家になっていた。
ガブリエルとポチョムキンにより独裁政権は打倒され、現在は「科学王国」として皆が平和に暮らしている。
漫画『ギルティギアXTRA』ではジーナに寄生された「星舟」破壊のために、強力なビーム砲を発射しバリアをぶち抜いた。

天色*アイルノーツ

2013年にゆずソフトが発売したアダルトゲーム。
世界観的には現代だが、物語が始まる数十年前に日本近海の上空に突如現れた浮遊島「ライゼルク」が舞台となる作品。
魔法の他、獣人やエルフ、そのハーフなども存在するが、特にバトル展開はなく、学園を舞台に教師である主人公が生徒であるヒロインと過ごすシナリオとなっている。
発売前に「浮遊島は落下しますか?」「ライゼルクは崩壊しますか?」という問い合わせが多かったため、公式で「墜ちません(笑)」と回答している

宇宙戦艦ヤマト

ファンタジー作品ではないが、その名も『浮遊大陸』が登場。
木星のガスの海に浮かんでいるオーストラリア大陸ほどの大陸であり、正確には木星の非常に狭い軌道を回る衛星と言える。
落ちないのは衛星としての公転速度を維持しているからで、大陸の形をしているのは木星に近すぎて高重力の影響で平たくつぶされてしまったためと、ゲーム版や解説書では説明されている。
エンジン不調を起こしたヤマトが不時着したが、すでにここもガミラスの前線基地が築かれており、ヤマトへミサイル攻撃をかけてくる。
間一髪で脱出したヤマトはテストもかねて決戦兵器波動砲の試射を大陸に対しておこなうが、その威力は想像をはるかに超えており、浮遊大陸は跡形も残さず消滅してしまうのであった。
リメイク版でも登場するが、ガミラス星の外殻を移植した文字通りの浮遊大陸へと設定が変更されており、惑星改造の試験場として運用されていた。
また、完結編では水惑星アクエリアスの海上に浮かぶ浮遊大陸が登場。こちらが浮かんでいる理由は不明。

バトルスピリッツ

アルティメットバトルの背景ストーリーではグラン・ロロの上空に突如謎の大陸「逆転大陸」が出現する。
この逆転大陸にはスピリットではない謎の生命体「アルティメット(Battle Spirits)」が生息しており、グランロロのスピリット達と対立することとなった。
大陸はグラン・ロロへと徐々に近づいてきており、この激突を回避する方法を探すストーリーを中心に話が進む。
大陸の正体は異界見聞録時代に虚神達が侵攻拠点としていた世界「虚空」であり、本来の名は「トゥルース・エデン」であることが判明する。

星のカービィ トリプルデラックス

元々雲の上を駆け回るステージも登場するシリーズだが、本作はプププランドの上空に位置する『浮遊大陸フロラルド』が全ステージの舞台となる。
原理などは特に設定されていない模様。まああからさまにメルヘンで非科学的な世界観ですし。
OPにて立派に生えたワールドツリーを登りながら各大陸を周り、フロラルドからやってきた謎の男タランザを追いかける……という筋書き。
「なんでワープスターを使わないんだ」というツッコミは野暮だろう。また、ボス戦のサンストーン取得時にワールドツリーが伸びて雲が晴れるあたり、そうしないと雲に阻まれて入らないのかもしれない。

Sa・Ga3【完結編】 時空の覇者

世界を創り異次元の神々を追い返したソール神が眠る浮遊大陸が登場。
主人公たちはロケットベルトを使って飛んでいくことになる。
なお、浮遊大陸は異次元と同じく世界の時間から独立している時の流れがない領域であるため、仮に別の時代に移動してから行ったとしても浮遊大陸の時間はそのまま。

ウルトラセブン

『散歩する惑星』と呼ばれる島のような形をした巨大な物体が宇宙からやってくる。
しかしその実はどこかの宇宙人が地球防衛軍基地を破壊するために送ってきた島の形をした巨大爆弾である。
近づくものに対しては牽引ビームを発射して捕獲して人質にし、ダンがセブンに変身することを妨害する電磁波が張り巡らされている。
おまけに表層には警備役として怪獣リッガーが配置されているという完璧ぶりだが、このリッガーが島のコントロール装置もかねているのが唯一の弱点となっている。

境界線上のホライゾン

作中世界の英国が該当。
かつて海底だった土地を流体技術によって沿岸海域ごと高空に浮かせた浮遊島であり、過去に「重奏統合争乱」で大破壊が起こった際も浮いていたため最小限の被害で済んでいる。

グランブルーファンタジー

バハムートラグーンのように、物語に登場する大地全てが空を飛ぶ島である。
空の下は「赤き大地」と呼ばれているが、謎に包まれておりどうなってるか不明と言う扱い。
島同士の移動は空飛ぶ船「騎空艇」で行い、主人公たちは「グランサイファー」であちこちの世界に訪れている設定である。
勿論島にも様々な物があり、特に海がありグラブル屈指のリゾート地「アウギュステ列島」、士官学校があり生徒の育成の為に町中にモンスターが放たれている「城砦都市アルビオン」、定期的に強力なモンスターが現れ、そこに腕利きの騎空士を集めて祭りを楽しむ「古戦場」等盛りだくさん。
コラボ等でこちらの世界にやってきたキャラクターが「島が空に浮かんでいる!」と驚くのは恒例行事である。

蒼空のフロンティア

パラミタと呼ばれる浮遊大陸が該当しており、タイトルに『蒼空のフロンティア』とあるように主な舞台でもある。
劇中世界の西暦2009年において日本近海の上空へと突如現れ、
地球由来の物は生物・物品問わず一切が拒絶されるというトンでもない浮遊大陸である。
だったのだが物語の開始時点である西暦2019年の時点では『契約者』と呼ばれる超人達の存在もあり、
機械が使用可能になったりと幾分か入植が進んでいる状態なのでプレイヤーキャラが拒絶で困ることは(基本的に)ない。
クリエイティブRPGもとい三千界のアバターにおけるリブート版であるReでもこの辺りの設定は変わっていないが、
パラミタの歴史に関しては若干変化していたりもする。

アバター(2009年の映画)

ハレルヤ・マウンテンと呼ばれる浮かぶ島々が該当。
SF作品でありながら、浮遊島が存在するだけでなくその浮遊の原理まで設定されている珍しい例で、
舞台である衛星パンドラ(人工衛星ではなく、ガス惑星ポリフェマスの天然衛星)を覆う強い地磁気が特に強くなる地域に存在し、
その強い磁場と、地層に大量に含まれる室温超伝導物質「アンオブタニウム」が反応することによって浮遊しているとされる。
この地域にはヘリコプターでしか到達できない基地があるが、前述の磁場が強すぎて計器類がまともに機能しないため、濃い霧の中を目視で飛行することを強いられる難所である。

プロップサイクル

足こぎ飛行機を操縦するアーケードゲーム。
本作の最終目的「ソリター(孤島)」は、とある機械により大地の一部が切り取られ空高く舞い上がってしまったもの。
人工的に切り取られた為か、幾何学的な形状の島となっている(太陽・三日月・星)。
詳細は該当項目参照。




追記・修正は浮遊大陸に降り立ってからお願いします。

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最終更新:2023年11月27日 13:39