ベイビィポケモン

登録日:2018/11/30 (金) 02:22:22
更新日:2023/12/25 Mon 14:04:04
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ベイビィポケモンとは、タマゴから生まれるタマゴ未発見グループのポケモンの通称。
「ベイビィポケモン」という名称はポケモンカードゲームでつけられた名前に過ぎず、原作ゲームシリーズ内ではこう呼称されることはない。ただし、原作ゲーム以外の媒体には稀に流用されており、例えばPokémon GO中で2019年3月末頃、一時期この通称が用いられたことがある。


●目次

◆概要

基本的な定義は、タマゴから生まれうるが、タマゴを作れないポケモン
親となるポケモンの進化前だが、未成熟であるため生まれたポケモンは育て屋に預けてもタマゴが発見されない。一段階以上進化させることでタマゴが発見されるようになる。
第二世代で初登場し、その後第三世代、第四世代でも登場した。
しかしその後の増加は非常に控えめであり、第五世代から第七世代では追加されず、第八世代の剣盾でようやく1種類登場したのみである。


金・銀』にてウツギ博士が「ピカチュウは既に進化したポケモンである」と発表したように、既に登場したポケモンの進化前が後発で登場するパターンが多くを占める。
初めてタマゴシステムが登場した第二世代では、タマゴから生まれるポケモンは生息地が不明であり、タマゴというものが知られていなかったため、進化前が見つからなかったということになっている。

ルビー・サファイア』以降は、特定のおこうを持たせることにより、それまでタマゴから生まれていた一部のポケモンの進化前が生まれるようになった。
過去のシリーズで野生での出現例がなく、おこうもなかったため発見されることがなかった、という形で設定上の矛盾が起こらないようにされている。
おこうを持たせなければ従来通り、ベイビィポケモンから一段階進化したポケモンが生まれる。

第二世代、第三世代ではベイビィポケモンが野生で出現せず、基本的には進化後のポケモンが野生で出現する。
ベイビィポケモンが欲しい場合、まず進化後のポケモンを野生で捕まえ、それを育て屋にあずけてタマゴを作る事で入手する形となる。
第四世代以降は徐々にベイビィポケモンが野生で出現する事が増えている。
ベイビィポケモンの能力は軒並み低い。
技も途中から覚えなくなってしまうものが多いので、旅の仲間として連れ歩くならさっさと進化させてあげよう。

また、タマゴから生まれるわけではないがその立ち位置・生態等からコスモッグも広義のベイビィポケモンに数えられることがある。
(コスモッグ自体は性別不明かつタマゴ未発見グループ)



◆育成・対戦におけるベイビィポケモン

はっきり言って厳選を行うプレイヤーにとっては極めて厄介な存在である。
個体値のポケモンを手に入れるためには、良個体値のポケモンを何度も掛け合わせて高い個体値を少しずつ引き継いでいく必要がある。
ところが、ベイビィポケモンはそのままではタマゴを産まない。
したがってベイビィポケモンが生まれてしまうポケモンを厳選する場合、いちいち進化させてからまた掛け合わせて…という作業を強いられるのである。

ただし、第六世代以降は一定の条件付きで野生産の高個体値ポケモンを手に入れる機会も増えたため、厳選難易度は多少下がっている。
『あかいいと』を持たせれば高個体値も比較的簡単に引き継げるようになったので、もう片方の親個体に『かわらずのいし』を持たせれば理想の性格と高個体値を粘りやすい。
特にXYは野生出現するベイビィポケモンが確定3Vになっているため、進化させて掛け合わせることで高個体値の親個体を用意しやすくなった。
もっとも、おこうを持たせて孵化させるポケモンは、親個体に『かわらずのいし』か『あかいいと』のどちらかを持たせることができないため、理想の性格の高個体値を粘ることが難しくなっている。
性格ガチャは(あかいいとが出る以前の)個体値ガチャよりはずっと当たりやすい1/25とはいえ、性格も固定できる普通のポケモンを厳選するのに比べると格段に厳選ハードルが高い。
なお、この「『おこう』を持つと『あかいいと』か『かわらずの石』が持てない問題」はあかいいとが出る以前から既に「パワー系」と「かわらずの石」を同時に持たせられない問題になっていたのだが、HGSSは乱数調整全盛期だったこともあり、乱数調整が一応解決してくれていた。

難儀すぎる仕様だらけではあるが、それでも対戦を行うプレイヤーにとってベイビィポケモンの孵化は意外と重要な問題である。
一部の種族はベイビィポケモンのときにしか覚えられない技があり、その技の中には対戦で有用なものも少なくないからである。
石で進化するポケモンの多くが進化すると技を覚えなくなることはよく知られているが、ベイビィポケモンも進化すると覚えられなくなる技があるのだ。

なお、どういうわけか教え技の「さわぐ」はベイビィポケモンでしか覚えられないケースが非常に多い。
赤ん坊が泣き喚くイメージなのだろうか?

さすがに育成の難易度が高いことが問題視されたのか第9世代のスカーレット・バイオレットではおこうが廃止され、ベイビィポケモンがそのままタマゴから生まれてくるようになり野生での出現率も上がった。また、おとしものの表記も「(ベイビィポケモン)の○○」といったものになっているなど、ベイビィという括り自体が撤廃されているものと思われる。


◆ベイビィポケモンに分類されるポケモン


◇第2世代初出

ピチュー(→ピカチュウライチュウ

世界一有名なポケモン…の進化前。十分になつかせてレベルアップさせるとピカチュウに進化、ピカチュウにかみなりのいしを使うとライチュウに進化する。
第七世代からは進化後の姿が通常形態とリージョンフォームへ分岐進化するように。

「あまえる」と「わるだくみ」はピチュー時のみレベルアップで覚えられるほか、いずれかの親に『でんきだま』を持たせることでピカチュウ系最強の電気攻撃「ボルテッカー」をタマゴ技として覚えられる形態でもある。
このため、かつては「一方の親にかわらずのいし、一方の親に個体値を遺伝しやすくするアイテムを持たせつつ、ボルテッカーも覚えさせる」事ができず、厳選には多大な苦労を要した。
サン・ムーン』では教え技で「ボルテッカー」を覚えられるようになり、『ソード・シールド』では教え技がない代わりに性格補正と低個体値を後天的にフォローできるようになったため厳選難易度は大きく改善された。

リトルでは「ボルテッカー」があっても他の技や種族値が貧弱で『でんきだま』も効果がないので使いづらい。

前述の通りウツギ博士が発見したポケモンであるらしく、この学説の発表でポケモン学会に衝撃を与えたらしい。

アニメ版サトシのピカチュウのピチュー時代(劇中設定で本編開始4年前)が描写された際は、しれっと新しい設定を最初からあったことにすることも多いとはいえ、一応上記の設定への配慮からか人間キャラと接触していない。

ピィ(→ピッピ→ピクシー

十分になつかせてレベルアップさせるとピッピに進化、ピッピにつきのいしでピクシーに進化。

第七世代まで進化前限定技としてレベル技で「あまえる」「てんしのキッス」「まねっこ」「マジカルリーフ」、教え技で「さわぐ」を覚えた。

リトルでは一致攻撃技がないのでピチュー以上に辛い。

ププリン(→プリンプクリン

十分になつかせてレベルアップさせるとプリンに進化、プリンにつきのいしでプクリンに進化する。

第七世代まで進化前限定技としてレベル技で「あまえる」「てんしのキッス」「まねっこ」、教え技で「さわぐ」を覚える。

ピィ同様にフェアリータイプの一致技を覚えないが、ノーマルタイプ複合なので「ハイパーボイス」や「とっておき」が強力なメインウェポンになる。
ついでにベイビィポケモンお馴染みの「さわぐ」も使い勝手はさておき、タイプ一致補正も含めた威力は十分に実用レベルである。
ダブルなら隠れ特性『フレンドガード』を活かして補助役としても使える。

トゲピー(→トゲチック→トゲキッス

十分になつかせてレベルアップさせるとトゲチックに進化、DPt以降はトゲチックにひかりのいしでトゲキッスに進化する。

トゲピーはタマゴから頭と手足が生えただけという容姿であり、タマゴシステムの権化とも言える存在。
トゲピー時代にしか覚えられない技は教え技の「さわぐ」のみ。
むしろ「マジカルリーフ」や「すてみタックル」などトゲチック時代にしか覚えられない技のほうが多かった。
ついでにいうと最終形態のトゲキッスにならないと覚えない技もいくつかある。

リトルでは攻撃技こそ恵まれているものの種族値が低すぎるので使いづらい。

バルキー(→サワムラーorエビワラーorカポエラー

Lv.20以上で進化できるようになり、レベルアップ時点で防御より攻撃が高いとサワムラー、攻撃より防御が高いとエビワラー、攻撃と防御が同値だとカポエラーに進化する。
初代でサワムラーとエビワラーは二者択一で手に入るポケモンだったが、第二世代で共通の進化前が追加されたという唯一のケース。

レベルアップで覚える技がなく、タマゴ技を除けば自力で覚えられるのは初期技4つのみだが、初期技のうち「ねこだまし」と「みやぶる」は対戦でも使える技である。
♂しかいない種族なので他種族から遺伝する技はなし。その代わり、「マッハパンチ」「カウンター」「とびひざげり」「こうそくスピン」など、進化後にレベルアップで覚えられる技のいくつかをタマゴ技として覚えられる。
このため、例えばキックが得意なサワムラーの象徴である「とびひざげり」をエビワラーに覚えさせたり、逆にパンチが得意なエビワラーの象徴とも言える「マッハパンチ」をサワムラーに覚えさせることができる。
あと特攻は低いがやっぱり「さわぐ」を覚えられた。

バルキーの種族値はオール35と平坦かつ低めで、リトルではヒマナッツと大差ない能力なので使えない。

ムチュール(→ルージュラ

まさこの名前で有名な女性型ポケモンの進化前。Lv.30でルージュラに進化する。

レベル技で「てんしのキッス」「うたう」「おまじない」「まねっこ」、教え技で「さわぐ」を覚える。
ムチュールの隠れ特性が『うるおいボディ』なのに対してルージュラは『かんそうはだ』だったり、ムチュールが「てんしのキッス」を覚えるのに対してルージュラは「あくまのキッス」を覚えたり、進化すると一気にBBA扱いされる、とてもかわいそうなポケモン。
しかし第七世代までのムチュール限定技には全体的に有用なものが多い上、同時期に登場したブビィやエレキッドに比べれば遥かに自力技が充実している。
XYでは先述のように確定3Vである上、群れバトルで野生出現するため、高個体値の隠れ特性持ち個体の入手難易度が極めて低い。

リトルでも霰パでの運用が基本だが、特性を活かして雨パにも投入できるかもしれない。

エレキッド(→エレブー→エレキブル

Lv.30でエレブーに進化、DPt以降はエレブーに『エレキブースター』を持たせて通信交換でエレキブルに進化する。

進化前のみ覚えられる技が旧教え技の「さわぐ」以外に一切なく、進化前の技レパートリーが進化後のほぼ完全互換になっている。
メタ的に言えばタマゴシステムをトレーナーに知らしめるため、前作で無進化だったエレブーに進化前を追加したと言ったところか。

リトルではでんきタイプの中でも種族値や技が優秀なので人気が高い。
ぶっちゃけ進化後よりもよほど存在感がある。

ブビィ(→ブーバー→ブーバーン

Lv.30でブーバーに進化、DPt以降はブーバーに『マグマブースター』を持たせて通信交換でブーバーンに進化する。

エレキッド同様、進化前のみ覚えられる技が旧教え技のry
メタ的に言えばry

エレキッド共々、進化後の下位互換ということもあり、進化前でもレベル技自体は充実している。
リトルでは物理寄りの能力で「はらだいこ」積み型がメジャー、素早さがトップクラスに高いなど進化後と大きく異なる。


◇第3世代初出

ルリリ(→マリル→マリルリ

ルリリはマリルかマリルリに『うしおのおこう』を持たせてタマゴを作ると生まれる。
十分になつかせてレベルアップさせるとマリルに進化、マリルがLv.18でマリルリに進化する。

「アンコール」「あまえる」「まねっこ」などはルリリのタマゴ技、「はらだいこ」「ほろびのうた」「アクアジェット」などはマリルのタマゴ技となっており、これらの技は両立が不可能だった。
第八世代では「はねる」以外の技がマリル、ルリリのどちらでも覚えられるようになった。
攻撃技主体であればマリルを生ませれば良いので比較的楽だが、変化技による搦め手主体の型を育成する場合、少々厳選がめんどくさい。

マリルリの項にもあるが、第五世代までの特徴として、ルリリからマリルへの進化時に♀が♂に性転換してしまうことがある。
マリルは性別比が50:50なのに対し、進化前のルリリは25:75に設定されており、全ポケモン中で唯一性別比が進化前後で異なる。
このためルリリの頃は♀扱いされる範囲のパラメータを持つ個体の一部が、進化後は♂扱いの範囲に入ってしまいこのような現象が起こるのである。
性別判定で参照される隠しパラメータであるいわゆる性格値は変更できないため、かつてはこの現象は回避不可能だった。
第六世代からは判定基準となるパラメータが変更され性別判定も1度だけしか行われない仕様になり、この性転換は起こらなくなった。
第五世代以前産のルリリも第六世代以降に連れてくれば性転換しない。

水色の体色と、みずたまポケモンという分類名から忘れられがちだが、実はみずタイプではない
第五世代まではノーマルタイプ、第六世代からはノーマル/フェアリータイプであり、進化するとノーマルがとれてみずタイプがつく。
この性質上、ノーマル技「すてみタックル」のダメージはマリルリよりルリリの方が高い。

リトルでは鈍足だが『ちからもち』によりストライクを超える高火力アタッカー。
トリックルーム」下では鈍足という弱点がカバーされるのでさらに強力。

ソーナノ(→ソーナンス

ソーナンスに『のんきのおこう』を持たせてタマゴを作るとタマゴから生まれる。
Lv.15でソーナンスに進化する。

第七世代までソーナノ時にのみ覚えられる技が「はねる」「あまえる」「アンコール」、ソーナンス時でも覚えられる技が「カウンター」「ミラーコート」「しんぴのまもり」「みちづれ」の合計7種類しかないので、「あまえる」や「アンコール」を使いたい場合は必然的にソーナノの孵化厳選が必要になっていた。
もっとも、ソーナンスはHPと防御と特防さえ粘ればあとはある程度妥協できるので、厳選は難しくない。
超ドMなポケモンなので、他のベイビィポケモンと違って「さわぐ」も覚えない。

リトルでは技こそ進化後と変わらないが、耐久力で大幅に劣る上にLv.5固定なので受け切れる相手が少なくなる。


第4世代初出

スボミー(→ロゼリア→ロズレイド

ロゼリアかロズレイドに『おはなのおこう』を持たせてタマゴを作るとスボミーが生まれる。
十分になつかせて昼の時間帯にレベルアップさせるとロゼリアに進化、DPt以降はロゼリアにひかりのいしでロズレイドに進化する。
進化前と進化後が同時に追加された唯一のポケモン。

スボミーのときにしか覚えられなかった技はレベル技の「なやみのタネ」、タマゴ技の「じんつうりき」、教え技の「さわぐ」。
ロゼリアしか覚えられない技はタマゴ技の「タネマシンガン」と「パワーウィップ」のみだった。
ロズレイドは攻撃よりも特攻のほうが高いため、ロゼリア限定のタマゴ技は需要が低く、
逆にスボミーのタマゴ技の「じんつうりき」は草技と毒技の相性補完として非常に優秀だったため需要が高かった。

その代わり「じんつうりき」と合わせて相性を補完できる「めざめるパワー(炎)」の両立が難しく、ここに隠れ特性の『テクニシャン』まで厳選しようとすると凄まじい難易度になってしまう*1ため、長らくプレイヤー泣かせのポケモンであった。
更に第六世代はXYの野生個体が高個体値だが通常特性のスボミーか、群れバトルで隠れ特性は出るが低個体値のロゼリア、ORASの野生ロゼリアは連鎖で高個体値の隠れ特性を狙えるが出現場所のマップが連鎖に不向きで失敗しやすい…と、更にプレイヤーを苦しませる仕様に。
厳選でさえ大変なのに、元手となる高個体値ロゼリアを捕まえるのすら一苦労であった。
第八世代では個体値厳選の悩みから解放されたが、「めざめるパワー」自体が使えなくなってしまった。

リトルでは同タイプでも高めの特防と素早さを誇るが、モンジャラマダツボミなどの影に隠れがち。

リーシャン(→チリーン

チリーンに『きよめのおこう』を持たせてタマゴを作ると生まれる。
十分になつかせて夜の時間帯にレベルアップさせるとチリーンに進化する。

リーシャンのみが覚えられる技はレベル技の「なかまづくり」、チリーンのみが覚えられる技はタマゴ技の「ほろびのうた」「トリックガード」。なお、「さわぐ」は覚えない。
リーシャン限定の技はひとつしかないが、特性『ふゆう』を「なかまづくり」で分け与えられるのはこの系統しかいない上、弱点がじめんのみという種族も少なくないため、これだけでも十分に価値がある。

リトルでは進化後と違い、周囲との種族値差が小さい。
特攻・耐久が高めで攻撃技・変化技共に豊富なので普通に強い。

ウソハチ(→ウソッキー

ウソッキーに『がんせきおこう』を持たせてタマゴを作ると生まれる。
「ものまね」を覚えてレベルアップするとウソッキーに進化する。

ウソハチ時に覚えられた技は「うそなき」と「さわぐ」のみ。
前者は敵の特防を下げる技、後者は特殊技であり、特攻種族値30のウソッキーには全くといっていいほど使いみちがない。

ウソッキーを育成する上では殆ど必要のないウソハチだが、ウソハチ単体で見れば特性『がんじょう』と「ふいうち」「イカサマ」「がむしゃら」といった便利な技があるため、レベル1がんじょう型で戦える。

リトルでは相対的な火力が進化後よりも高いが、技が豊富で電気などに強いイシツブテがライバル。

マネネ(→バリヤードバリコオル

バリヤードに『あやしいおこう』を持たせてタマゴを作ると生まれる。
「ものまね」を覚えてレベルアップするとバリヤードに進化する。
ガラル地方ではリージョンフォームのバリヤードに進化、バリヤード(ガラルのすがた)がLv.42でバリコオルに進化する。

マネネ時のみ覚えられた技はタマゴ技の「あまえる」「いやしのねがい」。
現状、バリヤードでしか覚えられないタマゴ技がないため、厳選の手間を考慮しなければマネネから育てることにデメリットはない。

リトルではカプ・テテフがおらずラルトスも種族値が低くアタッカーに不向きなため存在感がかなり増している。

ピンプク(→ラッキー→ハピナス

ラッキーかハピナスに『こううんのおこう』を持たせてタマゴを作ると生まれる。
ピンプクに『まんまるいし』を持たせて日中にレベルアップさせるとラッキー、ラッキーをなつき度を上げてレベルアップさせるとハピナスに進化する。
なお、『まんまるいし』は進化の際に消費されるが、なぜか野生のラッキーは『まんまるいし』をよく持っているという不思議。

「あまえる」「まねっこ」「てんしのキッス」はピンプク時代のみレベルアップで覚えられるが、「ちきゅうなげ」はラッキーのみのタマゴ技になっているため、ピンプクのレベル技と両立できないという状態だった。
第八世代ではタマゴ技が共通化されたが、その代わりにラッキーのタマゴ技から「カウンター」がなくなってしまった。

特性が『フレンドガード』かつ「フェイント」対策の「こらえる」を覚えるのでダブルならリトルでなくとも使えるかもしれない。

ゴンベ(→カビゴン

カビゴンに『まんぷくおこう』を持たせてタマゴを作るとゴンベが生まれる。
十分になつかせてレベルアップさせるとカビゴンに進化する。

第七世代までのゴンベ限定レベル技は「ゆびをふる」「しぜんのめぐみ」「かぎわける」、タマゴ技は「じばく」「しねんのずつき」といったものがあった。あとやっぱり教え技で「さわぐ」。
逆にカビゴン限定だったタマゴ技は「じわれ」「グロウパンチ」。

カビゴンは攻撃力が高めな上、「じばく」はタイプ一致補正込みで300という威力になるため実用性も高い。
「だいばくはつ」は覚えないため爆発技は「じばく」一択。
しかし、「じばく」は他種族からの遺伝経路がなく、「何らかの方法で『じばく』を既に覚えたカビゴン」から遺伝するしかない。
ところが、カビゴンに「じばく」を覚えさせる方法は、第三世代のXDの教え技か、HGSSのポケウォーカーの配信コース(現在入手不可)に出てくるゴンベが低確率で覚えているものを狙うかしかなく、長らく超レア技として扱われていた。

2016年に発売されたVC版赤・緑でカビゴンにわざマシンで「じばく」を教える事が可能となり、第八世代では「じばく」がわざマシンのラインナップに復帰した事でほぼレアとは言えなくなった。

リトルでは進化後とほぼ同じ感覚で使える。

リオル(→ルカリオ

十分になつかせて日中にレベルアップさせるとルカリオに進化する。
おこうなしで生まれるベイビィポケモン。

第七世代までリオル時代にしか覚えられない技が多く、「こらえる」「まねっこ」「いやなおと」「きしかいせい」「いのちがけ」など対戦でも一定の需要がある技ばかり。
特にリオルの終盤のレベルアップ技に設定されている「わるだくみ」は特殊型では必須なので忘れないようにしておきたい。
更にリオルの隠れ特性はルカリオと違い『いたずらごころ』なので、『しんかのきせき』を持たせてルカリオと違う型で立ち回ることができる。
「このゆびとまれ」をほぼ確実に先制で繰り出し、「ねこだまし」を引き付けて味方への妨害を阻止するのは他のポケモンにはできない芸当である。

リトルではサポート型でもアタッカー型でも使えるし、アタッカー型でも『いたずらごころ』を活かせるので通常のバトルよりも対策しづらい。

タマンタ(→マンタイン

マンタインに『さざなみおこう』を持たせてタマゴを作るとタマンタが生まれる。
テッポウオを手持ちに入れてレベルアップさせるとマンタインに進化する。

第七世代までのタマンタ限定タマゴ技は「おいかぜ」と「シグナルビーム」。
教え技のない環境であれば「おいかぜ」が多少は役に立つ程度か。

リトルでは未進化形態にもかかわらず特防が120と恐ろしく高いため、特殊受けとして活躍できる。


第8世代初出

エレズン(→ストリンダー

DP発売からおよそ13年振りと久方ぶりに剣盾にて登場したベイビィポケモン。
「あかごポケモン」という分類、オムツのような尻のパーツ、ぐずるような動き、移動モーションのハイハイ等他に類を見ないほど「ベイビィ」度が高い。
トゲピーやリオルと同様進化後と同時に登場したため、おこうは必要ない。

Lv.30でストリンダーに進化するが、エレズンの性格によって進化したストリンダーのすがたが変わる。
能力に大きな違いはなく、キョダイマックスのすがたも共通だが、進化後の特性や覚える技に多少の違いがある。
基本技以外にレベルアップで習得する技がないので、旅パ運用なら早めに進化させてしまおう。


意外なことにゾロアはベイビィポケモンとしては扱われない。
なのでメタモンなどともタマゴを作れる。


◆没になったベイビィポケモン

以下の9種類のポケモンは、『体験版 ポケットモンスター 金・銀』にはデータが入っていたが、製品版では不採用となったベイビィポケモン達である。
製品版のベイビィポケモンは進化後と同時に登場したトゲピーを除くと7種類であり、実に過半数が没になったことになる。
初登場ポケ100種類のうち16種類がベイビィになるとシナリオで出会える純粋な新ポケも減るため、没になったのもやむを得ないところだろう。何ならユーザーからも上述の厳選難易度から「英断だ」とまで言われている。

  • ミコン
Lv.13でロコンに進化する予定だった。

  • モンジャ
Lv.22でモンジャラに進化する予定だった。
そのモンジャラもLv.44で更にジャランラに進化する予定だった。

  • ギョピン
Lv.16でトサキントに進化する予定だった。

  • パラ
Lv.12でパラスに進化する予定だった。

  • ヒナーズ
Lv.16でドードーに進化する予定だった。

  • コーニャ
Lv.14でニャースに進化する予定だった。

  • プチコーン
Lv.20でポニータに進化する予定だった。

  • ベトベビー
Lv.19でベトベターに進化する予定だった。

  • プディ
Lv.13でガーディに進化する予定だった。

  • バリリーナ
Lv.15でバリヤードに進化する予定だった。
後のマネネとは全くデザインが違う。



◆ポケモンGOにおけるベイビィポケモン

第二世代ポケモンが追加されたタイミングで実装。
野生やレイドバトル、フィールドリサーチ等では出現せず、タマゴ孵化でのみ入手できるという特徴を持つ。
タマゴの種類は各種まちまちだが、フレンドから送られたギフトの中に入っている7kmタマゴからはベイビィポケモンが孵りやすくなっていた。
毎年春に行われる「イースターイベント」中ではベイビィポケモンが生まれる特別な2kmタマゴが入手でき、期間中は必要距離も半減するので図鑑埋めや飴稼ぎでは狙い目となる。
野生出現しないという特徴故に1進化ポケモンがかなり入手し辛くなっており、特にリオルは孵化に必要な距離も多ければ*2進化系も野生で一切出ないので『リオル難民』という言葉が生まれてしまった。
しかし、数度にわたるタマゴから孵るポケモンの変更により2020年11月現在では10kmタマゴのみから孵るリオルとヨーロッパ限定5kmタマゴから孵るマネネを除けば恒常的に入試可能なベイビィポケモンが存在しないという状況になってしまっている。
そのため図鑑埋めなどをする場合は上記のイースターイベントなどのイベントやたまに行われるタマゴの中身変更でラインナップにベイビィポケモンが追加されるのを待たなければならない。
相変わらず野生で出現しないルカリオ(と地域限定のバリヤード)を除けば進化後が一応野生で出現するのがせめてもの救いか。
ちなみに、ベイビィポケモンが孵りやすいとされていた7kmタマゴは現在リージョンフォームが孵るタマゴになっている。



ポケモンカードゲームにおけるベイビィポケモン


先述の通り、ベイビィポケモンという分類を作ったのはこちらのほうが先である。
ポケモンカードは、そのポケモンが進化のどの段階にあるのかがカードに明記されており、ゲームシステムと密着に関わっている。
例えばピカチュウのカードは、いずれも「たねポケモン」(一度も進化していないポケモン)とカードに明記されている。
このシステム上、「ピカチュウのカードAはたねポケモン、ピカチュウのカードBは1進化ポケモン」というような扱いをすると、ライチュウの扱いなど何かと面倒なことになる。
そんな訳で、後付けで登場した進化前ポケモンは「ベイビィポケモン」という独自の分類を作らざるを得なかったのである。

なお、ポケカではこの出自上「既に存在するポケモンの進化前が後から登場したものがベイビィポケモン」という扱いであり、トゲピーとリオルはこの定義に当てはまらないためベイビィポケモンとして扱われていない。

金銀時代(ポケモンカード★Neo)



かわいい悪魔。


HP30で抵抗力無しと一見弱そうに見えるが…
この当時のベイビィポケモンは以下の「ベイビィポケモンのルール」を有していた。

ベイビィポケモンがバトル場にいるかぎり、
相手プレイヤーは、ワザを使うときにコインを1回投げ、
「うら」なら、そのワザは失敗します。」

遊☆戯☆王のようなモンスターを大量に並べられるカードゲームをやっている人だと、「なーんだ、ただ1/2の確率で攻撃が無効になるだけじゃないか!」と思われるかもしれないが、
1ターンに1匹のポケモンでしか殴れないポケモンカードにおいてこれは猛烈な硬さである。加えて弱点も無し。
しかも対象が「ワザ」全般であり、手札補充などの攻撃以外の「ワザ」にも適用されるため、出てくるだけでまともにゲームが進まなくなること請け合いであった。
しかも同じ効果を持つカードが何枚も存在したため、当然のようにベイビィポケモン全員が殿堂入り*3にぶち込まれた。

ルビー・サファイア~ダイヤモンド・パール時代


ベイビィポケモンが最も「進化前」としてのアイデンティティを有していた時代。
ベイビィポケモンという分類は廃され、ベイビィポケモンに該当するポケモンには以下のポケパワーが与えられた。

ポケパワー ベイビィしんか
 自分の番に1回使える。
 自分の手札の「○○」を1枚、このポケモンの上にのせ、進化させる。
 そのとき、このポケモンのダメージカウンターをすべてとる。

ポケモンカードは基本的に場に出したポケモンをそのターン中に進化させる事はできないのだが、この能力を使えば即座に進化できる。
それだけでなく、ベイビィポケモンからの進化を前提とする能力を持つカードも登場した。

ピカチュウLv15
ポケパワー エレリサイクル
 このポケモンの進化前に「ピチュー」のカードがあるなら、
 自分の番に1回使える。自分のトラッシュの[雷]エネルギーを1枚、
 相手プレイヤーに見せてから、手札に加える。
 このパワーは、このポケモンが特殊状態なら使えない。

ハートゴールド・ソウルシルバー時代(ポケモンカードゲームLEGEND)




進化などしない。



驚くべきことに、この時代のベイビィポケモンは進化できない
(ベイビィポケモンの進化をゲームシステムに落とし込むのが)こんなに難しいのなら…苦しいのなら…進化などいらぬ!!とフッ切れてしまい、全てのベイビィポケモンから「進化できる」という概念自体がオミットされてしまった。

ユンゲラーを出さない件などもそうだが、ポケモンカードは時々思い切りが良すぎる事をする。

この時代のベイビィポケモン(最早進化できないので何がベイビィなのかも定かではない)は、共通して以下のポケボディーを持っている。


てんしのねがお
 このポケモンは、ねむりならワザのダメージを受けない。

また、いずれも自身を眠り状態にするワザを持っており、自発的に「てんしのねがお」を発動する事ができる。
ただし眠りはターン終了時に1/2の確率で解除されてしまうので、自身をねむりにしても次の相手の攻撃時に「てんしのねがお」が適用されている確率は50%である。
概ねかつての「ベイビィポケモンのルール」に近い性能を取り戻したと言えるが、自身がダメージを受けないだけなので、ダメージ以外の効果やベンチへのダメージは防げなくなった。

BW以降

長らくそんな人いません状態であり、ベイビィポケモンはポケモンカードゲーム界から消滅していた。
すなわち「ベイビィポケモン」というシステムがなくなったとかではなく、ベイビィポケモンに該当するポケモンの大半が、ポケモンカードとして一切登場しなくなっていた

思い切り良すぎだろポケカ開発チーム…
なお元から普通のたねポケモンとして扱われてきたトゲピーとリオルのみ、現在まで特に支障もなく登場し続けている。

のち2019年3月1日、バルキー、ピィ、ピンプクの3種が新規収録。
約10年もの歳月を経た復活となった。
ゲームシステム上では「ベイビィポケモン」という属性は持たないが、プレイヤーからは依然この呼称が用いられているようである。
いずれも弱点・抵抗力を持たず、特徴的な特性を有している。ただし進化する手段は依然として持たない。

そして同10月には、まさかのTAG TEAM GX*4として登場。その名も『トゲピー&ピィ&ププリンGX』。

妖妖無 ころがりパニック 120+
ウラが出るまでコインを投げ、オモテの数×30ダメージ追加。

妖妖+ シュープリームGX  
この番が終わったら、もう1回自分の番を始める。
追加で妖エネルギーが14個ついているなら、相手のベンチポケモン全員と、そのポケモンについているすべてのカードを、相手の山札にもどして切る。
[対戦中、自分はGXワザを1回しか使えない。]

シュープリームGXをうまく決められれば、相手のポケモンを1匹にしてもう1回自分の番となるため、その番で最後の1匹を仕留められれば勝ちというとんでもないトリオとなった。



追記・修正はタマゴを生んでからお願いします。

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最終更新:2023年12月25日 14:04

*1 隠れ特性は5世代以降のため、4世代以前でのフォローが効かない。5世代の場合は♀しか隠れ特性の遺伝が出来ず、個体値厳選は母親のロゼリアの段階から困難、あかいいとのある6世代環境でもスボミーに「おこう」が必要なためにかわらずの石が無い状態での性格厳選を余儀なくされるため、大半のポケモンとは比較にならない厳選難易度。

*2 7kmと10km

*3 1つのデッキに入れられる枚数が制限される事

*4 複数のポケモンが描かれているカードで、倒されるとサイドを3枚取られる