登録日:2019/08/08(木) 23:52:58
更新日:2022/01/26 Wed 01:22:53
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「VSミュウ」とは、漫画
ポケットモンスターSPECIALの記念すべき
第1章の第1話。
のちに20年以上、累計600話以上を紡ぐことになる長い長い物語の幕開けを飾った。
単行本では第1巻に収録。雑誌での初出は「小学六年生」1997年4月号。
あらすじ
「ハハハ、そんなんじゃダメだよ。ポケモンを捕まえたけりゃ、もっと弱らせてからボールを投げるもんだぜ。」
そんなところに現れた少年は、モンスターボールからニョロゾを繰り出した。
そして「みずでっぽう」で相手を弱らせると、あっさり捕獲してしまう。
その少年…レッドはマサラタウンで最強を自負していたが、同じ街に暮らす
オーキド博士については軽く見ており、そこに訪ねる意欲もわいていなかった。
更にその孫が留学から帰ってきたという知らせを聞いても、自分の敵ではないと露骨に見くびっていた。
しかし、平穏な田舎町に突如として現れる黒ずくめの集団。彼らが「幻のポケモン」を探していることを知ったレッドは、先に捕まえようと画策し森へと先回りしたが、そこには先客がいた。
ヒトカゲを繰り出し、「幻のポケモン」…ミュウとの激戦を繰り広げる少年グリーン。
そのハイレベルな戦闘に感心するレッドであったが、その眼にはヒトカゲが優勢なように見えたものの…。
「もういい!戻れヒトカゲ!」
「~~~!え”ーーー!?」
なんとグリーンはヒトカゲを戻してしまった。その光景に不満を覚えたレッドは文句を言うものの、グリーンは動じない。
しびれを切らしたレッドはニョロゾを繰り出し、ミュウを攻撃したものの一撃でやられてしまう。
そしてミュウは去っていき、残されたのは撤退に成功したトレーナーと無様に敗れたトレーナーであった。
「おい…おまえ!オレとあいつの戦いを見ていて、何も感じなかったのか?」
「オレは2回の攻撃で力量の差を見切った。だから勝負から手を引いたんだ。」
「自分の実力以上に思い上がる奴は自滅する。覚えておいた方がいいぜ。」
「オ…オレが負けた…?」
去っていくグリーンに反論する気力もなくうなだれるレッド。
あとから現れた黒ずくめの男たちもミュウを追って去っていき、一人取り残されたレッドは「今よりも強くなる方法」を求めてオーキド博士の研究所の扉を叩くのであった…。
「くやしいけど、オレが今よりも強くなる方法がわかるのは、ココだけみたいだ。」
登場人物
本章の主人公。
「(マサラタウンのトレーナーで)オレに敵うやつはいない」「どんな奴が相手だってオレ様の敵じゃない」などと豪語していた。ポケモンジムすらないマサラタウン内での「最強」という「井の中の蛙」状態で、天狗になっていた。
見たことがないポケモンの強さを見切れず、グリーンとの力量の差を思い知らされたことで、
トレーナーとして強くなる方法を模索することになる。
第1話の時点では未熟さが強調されており、「戦う者」と称される現在とはかなり印象が異なる。
ただし、その根の部分である「ポケモンバトルが好き」という部分はこのころから変わっていない。
レッドの終生のライバルとなる男。しかし、ゲームとは異なり幼なじみではない。
そしてその性格も全くゲームとは異なり、終始クールである。
実はこの話では名前が出てこない。
突然町に現れ、ミュウを捜索していた。その目的については後になって語られる。
なぜかモンスターボールではなくスーパーボールを使用していたが、その理由とは…。
登場ポケモン
実はこの作品において一番初めに登場したポケモン。その理由は…ゲームをプレイした人ならすぐわかるであろう。
なお、この時捕獲されたニドリーノはその後も
レッドの手持ちに居続けている。2019年現在、一度も繰り出したことはないのだが…。
レッドの幼なじみポケモン。本作において最初に技を使ったポケモンでもある。
そして第1話にしてやられ役としての扱いが始まってしまった。
グリーンの手持ち。
ゲームでは主人公が
御三家を選んだあとライバルが御三家を選ぶことになるが、本作では逆にライバルであるグリーンが先に御三家を使用している。
ご存知幻のポケモン。
「なぜゲームでは全く関係のないマサラタウンにミュウが現れたのか」という謎については、後々語られることになる。
そして、本作におけるミュウの立ち位置はこの話から始まったといえる。
あれこれ
「最初から主人公に御三家以外の手持ちポケモンがいる」
「上半分が透明になっている
モンスターボール」
「モンスターボールの種類に意味がある」
など、現在のポケスペを形作る世界観は第1話の時点で示されている。
実は「マサラタウンの住民は生来ポケモンと気持ちが通じる素養があり、過去のリーグ優勝者は全員ここ出身である」という設定がある。
だが、第1話の段階ではとてもそうは見えない。
ただし隣にある
トキワシティではジムが機能していなかったせいで、住民のポケモン使役能力が低かったことが明かされている。
もしかしたらマサラの住民も、トキワジムが機能不全だった影響を受けていたのかもしれない。
あくまで「素養」であって、トレーニングをしなければそれを伸ばすことはできないのだろう。
第1話なので、雑誌の掲載順でも最初…というわけではない。
実は同時に発売された各学年誌に別の話が掲載されているので、同時並行で掲載順第1話なのである。
この時、同じ号の「小学四年生」に「VSピカチュウ」、「小学五年生」に「VSギャラドス」がそれぞれ掲載されていた。
さらにシナリオ作者の日下先生によると、執筆順では最初に書いた話ではないらしい。
「下の学年誌の方が、締切が早かったので先に書いた」らしいので、執筆順の第1話は「VSピカチュウ」ということになる。
この話の冒頭の構図は、後に
第5章の連載第1話(269話「姿なき攻撃者」、「小学二年生」2004年3月号掲載)にて踏襲される。
ただし、この時はレッドに促された少年が
ゲンガーを繰り出し、ゲームのOPをしっかり再現する構図となっている。
なお、ポケSpediaによると作中で最初にモンスターボールを投げたのはレッドということになっているが、実は4コマ目の少女が最初。コマの中にボールとキャラが描かれているという条件にも合致している。
ちなみに、ポケスペはすべての技を登場させることを作劇上の縛りとしているが、第1話で使われた技は「みずでっぽう」のみである。
くやしいけど、オレが今よりも追記・修正する方法がわかるのは、ココだけみたいだ。
- ああっニョロ!(お約束) -- 名無しさん (2019-08-09 10:35:39)
最終更新:2022年01月26日 01:22