ランコア

登録日:2020/01/25 Sat 00:40:00
更新日:2023/08/29 Tue 17:10:02
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ランコアとは、スターウォーズシリーズに登場するクリーチャーである。
英語表記はRancor
翻訳によってはランコアではなくランカーと表記することもある。
後述する通りジャバ・ザ・ハットのペットとして有名なクリーチャーである。

●目次

概要

長い腕と牙だらけの口を備えた巨大な頭部、それに反して細い下半身というアンバランスな体型が特徴の爬虫類型クリーチャーである。

原産地はダソミアという惑星だが、ランコア自体がアクレイやバンサ同様にたいていの環境への適応力と、後述するように劣悪な環境でもある程度は生きていける程の生命力を備えている様子。
設定では悪質なハンターや犯罪者に持ち出されたものが逃げ出したり放逐されたりした結果、ダソミア以外の惑星にも定着。
しかもダソミアと異なる環境に適応し、原種とは異なる形質に変化しているという。
ちなみに主な定着先として知られているのはフェルーシアとタトゥイーンであるとのこと。

クリーチャーの中でも特に強い力を持っており、ジャバの飼育していたランコアの印象もあってか凶暴な生物だと思われがちであるが、実はレジェンズ・カノン共に本来はそれほど凶暴ではなく、調教師や飼い主の教育次第な面も大きい。
本来はクリーチャーとしては高度な知能を持ち合わせているようで、ダソミアでは道具を扱う個体が確認されている他、フェルーシアに定着した亜種ジャングル・ランコアは数ある亜種の中でも特におとなしい性格でフェルーシアンと共存している。

刷り込みの生態も持ち、飼育する場合は目隠し状態で連れてきてから主人の前でそれを外すことで刷り込みを行う模様。
ただ、力が強くそもそもが肉食なので危険な猛獣であることに変わりはないが、上述の特性故に
好事家にとってコレクションないし玩具として弄ぶには最適な生物であり、しばしば処刑用の怪物として粗末な環境で雑に飼われる虐待に晒されている。
皮膚も分厚く、生半可なブラスターでは仕留められないほど頑丈で、その力と相俟って作中世界観においてはガンダークと並び力強いものの比喩でよく用いられる。


活躍

CGアニメ『バッド・バッチ』

第5話「猛獣」にて、ムチと名付けられた幼い雌の個体が登場。
もとはジャバの所有物であったようだがサイゲリアンの奴隷商人に捕まっており、賞金付きの救出依頼が出されていた。

映画『STAR WARS エピソードⅥ ジェダイの帰還

初登場。

今作においても経歴が設定されており、それによれば元々はある人物の依頼で出荷され、輸送された個体であった。
しかし輸送中に檻を破壊し、乗員全員を殺してしまい、宇宙船はタトゥイーンに墜落。それでもなお宇宙船の中で生存していたのをジャワのティール・カックが発見、ジャバの執事であるビブ・フォーチュナによって生け捕りにされ、ジャバの誕生日プレゼントとして献上されたものであるという。

ジャバの宮殿にて、ジャバの御前に設置された落とし穴の下にある区域のゲート先に飼われており、ジャバの機嫌を損ねた者はそこに落とされて、開いたゲートからやってきたランコアに食い殺される処刑ショーが行われる。
作中ではジャバからの性交の誘いに逆らったため落とされた踊り子のウーラを食い殺している。

その後、ライトセーバーも持たずに交渉に来たルーク・スカイウォーカー(と道連れで落ちたオーク兵士ことガモーリアンのジュブナック)が落とされた際に本格的に登場。
パニックを起こして扉に向けて命乞いの悲鳴を上げるジュブナックを、声に反応してか最初に捕食。続けてルークに襲い掛かり、腕に捕えるがルークは途中で手にした何かの骨で喉の奥を突き、怯んだ隙につっかえ棒のようにして脱出。
だが即座に噛み砕き、再び襲い掛かるが自身が通過したゲートの下に来たことを見計らったルークによって頭蓋骨をゲートのスイッチに投げつけられ、これによって落ちてきたゲートの扉に首を挟まれてそのまま死亡してしまう。

作中では先述のとおりジャバに逆らったウーラとルークと共に誤って落下してしまったガモーリアンのジュブナックが捕食されており、結果的にこのランコアにとって最後の晩餐となった。

ちなみにこの個体にも名前が付けられているようで「パティーサ」(ハッティーズ語で「友人」と言う意味)というらしい。
この凶暴なランコアだったが、飼育を担当していたのはマラキリという男。
傷の手当などをしていた為かランコアも彼には懐いており、ある種の友情の様なものが築かれていた。
その為マラキリはルークに倒された際にルークよりも真っ先にランコアの安否を確認し、死んでしまったことを知って号泣してしまい、周囲に慰められているのが確認できる。

ドラマ『Book of Boba Fett』

ドラマ『マンダロリアン』シーズン2の後日談にあたる物語。


タトゥイーンに帰還し、ジャバの後釜となったボバ・フェットへの貢ぎ物として差し出される。

刷り込みによりボバと絆を育んでいき、集会でボバに失言を吐いた者を階下から威嚇するなど、高い知能を持っていることが改めて描写された。


余談

  • レジェンズ版設定
ルークが投げつけてランコアを倒すきっかけとなった頭蓋骨は設定では、かつてビブ・フォーチュナとジャバの執事の座を争ったビドロ・クワーヴというコレリア出身のならず者の物であるとされており、最初の犠牲者である。
彼はライバルであるフォーチュナと協力して前述のランコアをジャバの元に連れてきたが、その際にジャバから褒美として「執事の座か、それより大きな栄誉」を二人に提示されて、フォーチュナは「大きな名誉」の方に隠されたジャバの邪悪な本性を察していた事から執事の座を選び、クワーヴは大きな栄誉に飛びついてしまい「ランコア最初の生贄」となった。

後日談によればなんとガモーリアンのジュブナックは奇跡的に生存し、ランコアの死亡後に胃袋を切り裂いて脱出したとのこと。

ウーラを食い殺し、誤って落ちてしまったジュブナックを丸呑みするなど登場時間はやや短時間気味ながらも作中で強烈なインパクトを残したジャバのランコアだが、設定では他のクリーチャーと戦わせられて最早回復が不可能なほど衰弱していたようであり、ルークが倒したのはそれを察し、虐待同然の扱いから解放するための最善の手段だったという設定が存在する。


  • カノン版設定
書籍『きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック』によるとカノン版では、生半可なブラスターなら致命傷にならない頑丈な表皮は加工すれば上等な革製品になるらしく、あのドゥークー伯爵もランコアの革から作られた革製品を好んで身に着けていたという。


  • 人気
その特徴的な外見からかクリーチャーの中ではそれなりに人気があったようで立体化に恵まれており、
一時期ではあるがハズブロ社からは巨大なフィギュアが発売されていた他、
レゴブロックでもランコアのいる空間を再現したものも発売されていた。
もっとも、現在はどちらもレアなものであり、場合によってはプレミア価格となっているので入手は困難なのだが…


  • デザイン
初期はハットの作った人造生命体、或いはミュータントという設定も存在しており、アンバランスな体型なのはその名残とのこと。

撮影は当初は着ぐるみで行われたが上手くいかず、最終的には巨大なパペットでの操演となり、
これに低速再生と合成技術を使うことで力強く、尚且つ巨大なクリーチャーに見せている。
特別編では合成でどうしても生じてしまう粗さが修正されており、より生物感のあるリアルなものになっている。

ランコアをデザインしたクリエイターによればデザインコンセプトはなんとジャガイモとクマのハイブリッドとのこと。




追記・修正は落ちてきた獲物を丸呑みしてからお願いします。

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最終更新:2023年08月29日 17:10