牛鬼(仮面ライダーディケイド)

登録日:2020/02/19 Wed 06:36:00
更新日:2023/07/29 Sat 23:26:13
所要時間:約 6 分で読めます






俺の心が奪われてく…!ウァアアア……!俺はもう…鬼の力を制御出来ない!!

ウゥ…ッ!ウァアアアアアーーッ!!


響鬼の身体(からだ)は、この“牛鬼”がもらった……。

本項目における牛鬼とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーディケイド』に登場する怪人である。




【データ】

身の丈 八尺九寸 (約2.7m、角含む)
目方 九十三貫 (約350kg)
種族 魔化魍
特色・力 突進攻撃
声優 酒井敬幸(『ディケイド』)
俳優 デビット伊東(『ディケイド』)
クリーチャーデザイン 青木哲也
初登場回 『ディケイド』第18話「サボる響鬼」
『ディケイド』第19話「終わる旅」



【概要】

響鬼の世界』に伝わる伝説の魔化魍で、音撃道響鬼流の少年・アスムの師匠であるヒビキが変異した成れの果てとして出現した。
変身する際にはヒビキ=仮面ライダー響鬼の身体から紫色の炎を吹き出しながら変貌する。
ヒビキ曰く「鬼の力は本来正しい心で制御するもの」らしいが、「相手を倒そうとする力が欲しくなり過ぎると鬼に心を奪われてしまう」のだという。

本編時点でヒビキはかなり牛鬼の侵食を受けてしまっており、僅か二度の変貌で完全に牛鬼に身体を乗っ取られてしまった。
こうなるとヒビキを元に戻す事は出来ず、止めるには彼ごと牛鬼を滅ぼすしかない。
また、第19話で完全な状態となった牛鬼はヒビキとは別個の人格を持ち、鬼=人間が変じた魔化魍故か、人語を流暢に操る。
この姿になることを恐れたヒビキは鬼でありながら鍛える事を止めて川原にテントを張ってくつろぎ、自分を慕い努力するアスムに破門を言い渡したばかりか、
自分も鬼を引退して響鬼流を畳もうとするなど、不可解な行動が目立っていた。

筋骨隆々の見た目に違わず、かなりの怪力の持ち主で、仮面ライダーディケイドやアスム変身態はおろか、
威吹鬼・斬鬼・天鬼・轟鬼といった音撃戦士を十把一絡げに薙ぎ払う程の体力を誇る。
また、防御力も高く、ディケイド龍騎のドラグクローファイヤーや、ディケイド電王のつっぱりでもまるで制止することが出来ず、
ディケイドとディエンドが同時に放ったアタックライド ブラストでようやく姿勢を崩すほど。



【劇中での活躍】

テングを退治したヒビキが変貌すると小野寺ユウスケが変身した仮面ライダークウガと交戦。
この時、「『響鬼の世界』から仮面ライダー響鬼がいなくなった」のが原因か、門矢士が所有する響鬼のカメンライドカードからは響鬼のシルエットさえも消滅していた。
別の場所で戦っていたディケイドや威吹鬼流・斬鬼流の鬼達がなだれ込むも、彼らをも纏めて圧倒。
牛鬼が師匠の変じた姿であることを知らないアスムが立ち向かうも、牛鬼は相手が弟子である事にも構わず攻撃しようとしていた。
ただ、アキラ/仮面ライダー天鬼とトドロキ/仮面ライダー轟鬼の音撃はさすがに堪えたようで、一時退却した後、ヒビキの姿に戻って苦悶の表情を浮かべていた。

ヒビキの正体を知ってなお介抱しようとするユウスケと光夏海を追い払おうとするが、2人の懸命な訴えに「次に自分が牛鬼になったらもう二度と戻れないであろう事」「自分への止めはアスムに刺して欲しい事」を伝える。
それを聞いた海東大樹はヒビキが持つお宝・音撃道の巻物を狙うべく、アスムと師匠を対面させ、
ヒビキの一瞬の油断を突いて巻物を盗み出したが、彼がディエンドライバーで銃撃するとヒビキは今度こそ完全に牛鬼に変貌してしまう。
師匠が牛鬼だったことに衝撃を隠せないアスムだったが、海東の声かけもあって鬼を受け継ぐ事を決意。
そして海東から手渡されたヒビキの変身音叉 音角で仮面ライダー響鬼に変身。

お前に俺は倒せまい!何しろ俺の体は、ヒビキのものだからなぁ……!

上記の発言で動揺させ、やはりアスムをも苦戦させる牛鬼だったが、ディケイド・ディエンドの援護射撃で転倒するとアスムに音撃鼓 火炎鼓を設置される。
そのまま音撃打 猛火怒涛の型を一心に受けて爆散、塵となって消滅した。
だが、ヒビキの魂はしっかりとアスムに受け継がれ、バラバラになっていた三つの音撃道も一つに纏まったのだった。



【余談】

「鬼が魔化魍になる」という設定自体は『ディケイド』が初出だが、実は原典『仮面ライダー響鬼』本編に登場した仮面ライダー朱鬼のデザインとして、
「顔一面に鬼の面が広がっているのは復讐心のあまり、鬼の力に魅入られたから」という演出がある。
映画『劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼』では、人間による迫害から魔化魍に与した仮面ライダー歌舞鬼も登場している。
また、『小説 仮面ライダー響鬼』では魔化魍に変じた江戸時代の鬼として「蝕鬼」なる悪しき音撃戦士が登場した他、
仮面ライダージオウ』EP33・34に登場したアナザーライダーの一体・アナザー響鬼は牛鬼とは異なる側面から「怪人としての仮面ライダー響鬼」を表現した存在と言える。
なお、描かれなかっただけで原典の世界でも牛鬼のようなケースはたまに発生していたのか、アナザー響鬼の姿を見たトドロキが「鬼が変貌した魔化魍」と勘違いしていた事から、「ライダーのルーツは怪人と同じ」は『響鬼』でも遵守されていた模様。

ちなみに元となった妖怪・牛鬼関連の伝承の1つには、牛鬼を殺してしまうと殺した者が次の牛鬼になってしまうという伝承があり、魔化魍を倒した響鬼が牛鬼になってしまった展開に似通ったものがある。



【『仮面ライダーディケイド』における魔化魍】

『ディケイド』における魔化魍は原典『響鬼』同様、自然発生しては人を襲う日本古来の怪物として知られている。
音撃やディケイド・ディエンドの攻撃で倒されると枯葉や塵に変じて果てるのも原典同様。
ただし、原典における育ての親たる童子と姫の存在は確認されていない他、魔化魍が人間を捕食するシーンは描かれていない。
ある意味、前述のヒビキを乗っ取った牛鬼が『ディケイド』におけるそれに当たるのかもしれないが。

  • カッパ
第18話冒頭で森を歩く士・夏海・ユウスケの背後に現れた魔化魍。
直後にアスム変身態と交戦するが、相撲のような挙動で彼をあしらうと士が変身したディケイドと戦う。
俊敏な動きでディケイドをも苦戦させるが、ディケイドカブトカメンライドしたディケイドのクロックアップにはさすがに対応出来ず、
飛びかかったところをライダーキックで迎撃され敗れた。

  • バケネコ
海辺に現れて父子を襲おうとした三匹の魔化魍。
斬鬼流師範・仮面ライダー斬鬼と威吹鬼流師範・仮面ライダー威吹鬼により、二匹がそれぞれ倒されるが、残る一匹は鬼達のいざこざに乗じて逃亡を図る。
だが、同じ場所に居合わせたディケイドと戦った末、ディメンションキックで倒された。

  • テング
川原のアスムとヒビキ達を襲撃した魔化魍。
ヒビキを庇いながらの戦いとはいえ、ユウスケが変身したクウガをも苦戦させる膂力の持ち主。
だが、アスムとユウスケの危機にヒビキが発作に耐えながら変身した響鬼には手も足も出ず、音撃打 火炎連打の型を受けて塵に還った。

  • バケガニ変異体

おのれディケイド!このバケガニで始末してくれる!!

鳴滝とキバーラが仮面ライダー王蛇*1を嗾けて復活させた巨大魔化魍。
アスムが牛鬼を倒した直後に上記の発言をかましながら鳴滝が出現させた。
なお、鳴滝は言うだけ言ってすぐにオーロラカーテンで自分だけ退避している。
「変異体」というだけあって原典『響鬼』のバケガニ達とは異なり、鋏が二対四本も備わっている。
事実、急に出現したこともあってか、ディケイド達を翻弄している。
だが、アスムがファイナルフォームライドしたヒビキアカネタカには力負けして天高く持ち上げられると、
その隙を突いたディケイドがファイナルアタックライド・響鬼でアスムをヒビキオンゲキコに変形させ、バケガニの背中に設置。
さらに「音撃道の真のお宝」…つまり、「三つの流派が力を合わせる」事を学んだ天鬼・轟鬼・威吹鬼・斬鬼、
そして、それを見届けようとどこからかシアンカラーの音撃棒*2を取り出したディエンドの合体音撃を一身に受けて倒された。

ちなみに鳴滝といえば前述の「おのれディケイド!」という台詞が有名だが、実は『ディケイド』本編ではこの一度しか発言していなかったりする。
ネットムービー『ネット版 仮面ライダーディケイド オールライダー超スピンオフ』で「おのれディケイドおのれディケイド」と連呼したのがネットミームになる程、この発言が有名になった理由ではないだろうか。
まぁ、鳴滝は表現が異なるだけで似たような発言はいっぱいしているのだが……。

おのれディケイド!


お前にこの項目は追記・修正出来まい!何しろこの項目は、アニヲタWiki(仮)のものだからなぁ……!


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最終更新:2023年07月29日 23:26

*1 声を担当したのは原典『仮面ライダー龍騎」同様、萩野崇氏で、紫色の音撃金棒を所持していた。「王蛇本人をけしかけた方が強そう」とか言ってはいけない。

*2 原典『響鬼』で威吹鬼が使用していた音撃棒・山背風に類似。