エラス(騎士竜戦隊リュウソウジャー)

登録日:2020/03/07 Sat 22:55:01
更新日:2024/04/18 Thu 18:08:43
所要時間:約 5 分で読めます




※推奨BGM:「騎士竜戦隊リュウソウジャー(インストゥルメンタル)」


ケ・ボーン!!

エラス様……。 僕らの母。

ドルイドンを、生んでる……?

マスターブラックの真実(しんじつ)!?

マスター、どうして…!?

嘘だろ、兄さん!!


君を信頼しているよ。


次回!

(だい)43() ドルイドンの(はは)


エラスを守らなくては……。







この星を創り直す……


「エラス」とは、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の敵キャラクターにして、本作のラスボスである。

CV:朴璐美(完全体時)
スーツアクター:藤田洋平 

データ

属性/クイーン型モンスター
分類/エラス
身長/201cm(巨大魔強化身長/73.8m)
体重/302kg(巨大魔強化体重/1109.8t)
分布/創世の荒野

登場話:第40話〜第48話(最終回)

概要

第43話「ドルイドンの母」から登場(ただし、存在そのものは第40話にてワイズルーの口から語られている)。

戦闘民族ドルイドンの幹部格全員を生み出した「ドルイドンの母」とでも言うべき存在であり、遥か昔、リュウソウ族によってリュウソウカリバーと騎士竜の力で封印され、リュウソウカリバーが安置されている始まりの神殿の地下深くに封じられていたが、リュウソウジャーがリュウソウカリバーを引き抜いた事で封印が解け、覚醒し始めた。
……が実際は封印されていた時からリュウソウカリバーの力すらも吸収しようとしており抜かなければさらに手のつけられないことになっていたかもしれない。

赤紫色の血管の様なものに覆われ、白と灰色のチェスボードのような色彩の球体状のカプセルという出で立ちを持ち、胎動するその姿は心臓のようにも見える。

覚醒し始めた第43話以降、ガンジョージやヤバソードと言った更なる幹部を次々に生み出し、プリシャスは彼らを「教育」して自らの便利な手駒に仕立て上げようとした。

その肉体は地球に根を張って同化しており、地球から直接エネルギーを吸収し続けている為倒す事は不可能とされる。

真の正体

その実態は、地球の地母神とも言うべき存在にして、ドルイドンのみならずリュウソウ族そのものの生みの親でもある。

地球が誕生して間もない頃、エラスは地球を守らせる為に、男女一組の最初のリュウソウ族を生み出した。
しかし、リュウソウ族は進化を続ける過程で、何時しか同族同士で争い合うようになり、地球を守るどころか余計に傷つけていくようになった。

これを見かねたエラスは、リュウソウ族を根絶やしにすべく、ドルイドン族を生み出した*1が、そのドルイドンすらもリュウソウ族に取って代わって地球を支配しようとするようになり、とうとうエラスはリュウソウ族とドルイドン族の両方を殲滅しようとしていたのだった。

実際第45話ではヤバソードを暴走させてドルイドンとリュウソウ族の区別なく暴れさせ、第46話ではその全てをプリシャスに伝え、彼がリュウソウジャーに敗北して自身に泣きついてくると、とうとう愛想を尽かし、彼を取り込んで進化し、自ら目的の達成に動こうとする。

完全体

エラスがプリシャスを取り込み進化した姿。
その体は赤と黒で彩られており、チェス盤を思わせる市松模様が描かれている。
頭部は山羊の頭蓋骨を簡略化したかのような形になっていて目や口などの顔のパーツを一切備えておらず、手の甲の上から巨大な爪を装備しており、腰からはスカートや平たい触手のような飾りがある。
……と、その姿は全体的に荘厳さと禍々しさを兼ね備えた邪神のようなものとなっている。
また、この姿以降プリシャスの声を借りて言葉を話せるようになった。

武器は背中から伸ばす無数の光の触手と、掌から放つ紫の光弾。
他にも、フィンガースナップと共に体から凄まじい勢いの波動を放つことも可能で、その威力は町一つを一瞬で消し去ってしまうほど強大。
総合的な戦闘能力は、リュウソウジャーの操縦抜きとは言え、最強合体のキングキシリュウオーを圧倒する程高い。

しかし、その真の恐ろしさは催眠能力
体から眩い光を放つことで周囲の人々を眠らせることが出来る。
そうして眠らされた人物は夢の中に作られた「失敗も絶望も無い世界」に半永久的に閉じ込められてしまう。
この世界はその人物の記憶や願望を基に作られ、本人が望む全てが手に入るようになっている。
一応外部からの干渉があれば目覚めないことも無いが、外の世界ではヤバソードが常に覚醒者がいないか見張っているため、起きることは容易ではない。

エラスの目的は、こうして眠らせた人間からエネルギーを抽出し、そのエネルギーを持って地球を新しく創り直すことだった。

一見すると弱点無しの彼女だが、実は「今までは地球の一部であった為に不滅の存在であったが、明確な意志に目覚めた上に、プリシャスを取り込んで一つの生命体として地球から切り離された」事で、不滅の特性を失ってしまっている。

活躍と末路

完全体へと成長後、自身の能力を用いて一度はリュウソウジャーを含む全人類を眠らせるが、クレオンによってリュウソウジャーが目覚めて以降は彼らと交戦。
巨体から繰り出す触手攻撃で圧倒し、メルト、アスナ、クレオンを体内に吸収してしまう。
クレオンがメルトからサタンマイナソーを生み出したことで、その巨体によって体をこじ開けられて脱出を許すが、サタンマイナソーを瞬殺し、再び立ち上がったリュウソウジャーを圧倒し、変身解除にまで追い込んだ。
尚も立ち上がろうとするリュウソウジャーであったが、その中でカナロは突然「このままでいいんじゃないか?」と口を開いた。
バンバがその真意を問うと、カナロは鬼気迫る勢いで答えた。


これ以上、戦う意味があるのかと言ってるんだ!

このまま戦っても、荒廃した世界が広がってるだけだ!そんな世界に、人々が目覚めても幸せなんかあるのか!?
……メルトもアスナも帰ってきた。夢の中は幸せだった!
もし、今、世界中の人が同じように幸せな夢を見ているとしたら、このまま眠り続けているほうが皆、幸せなんじゃないか!?


その姿を見たエラスもまた語り始める。


私が見せているのは「失敗も絶望もない世界」。
それぞれが思い描く幸せを夢の中で永遠に見続ける……この星を守りたいのであれば、方法は、ひとつ。
リュウソウ族も、ドルイドンも人間も、幸せを感じながら眠り続けるべきなのだ……。


カナロの叫びとエラスの答え。
その二つを聞いたリュウソウジャーはとうとう戦う意味を失いかけてしまう。
しかし、皆の闘志が消えゆく中で、アスナが口を開いた。


それは、あんたの都合でしょ……?

こっちには、こっちの都合ってもんがあるんだよ!
あんたは、幸せな夢見せてるつもりかもしんないけど、いくら夢の中でおいしいもん食べたって全然おなかは膨れないっつうの!

あのさ……幸せな夢って言っても、そんなの結局は過去の記憶や願望にしか過ぎないんだよ!
でも、私は、いろんな人と出会ったり、仲間と一緒に新しいことしたりしたいし……。

何よりさ……あんたが見せた夢に私の仲間はいなかった!

この手の温もりだって、夢の中じゃ本当には感じられないんだよ? カナロ!!
みんなだって、そうだよ! 私はこれからも、みんなと一緒に笑い合いたい……。


そんなアスナの体を張った言葉にリュウソウジャーは闘志を取り戻した。
誰しも過ちを犯し、失敗もする。
だが、それに向き合わず、ただ逃げることが一番の罪。
争いの歴史は変えられない。
だから彼らは、その歴史の上に立ち生きていく。

誰もがそう思った。
その姿を見たエラスは「お前達は今、まさに同じ過ちを繰り返そうとしている」と彼らに完全に見切りをつけ、とうとうその排除に乗り出した。
一方、リュウソウジャーのもとにも全ての騎士竜が駆け付け、最後の戦いが幕を開けた。

キシリュウオーパキガルー、キシリュウネプチューン、ヨクリュウオー、全ての騎士竜の力を物ともせず、その合体を解除してしまうエラスであったが、騎士竜達の力による拘束を受けて動けなくなり、そこから全騎士竜を取り込んだリュウソウカリバーをレッドによって胸に突き立てられ、弱体化し、その体は徐々に萎んでいった。
しかし、人間と同じサイズにまで縮んだところでリュウソウカリバーが崩壊してしまい、封印することはかなわなかった。
しかも、騎士竜の力が完全に失われたことでリュウソウジャーは再変身不能に陥ってしまう。
そんな中でエラスは触手をコウに突き立て、エネルギーを吸収して殺害してしまった。「リュウソウ族もドルイドンも人間も始末して全てを終わらせ、再び地球を始める」と宣言するエラスの姿にリュウソウジャーは怒りから奮起。
僅かに残っていた騎士竜の力でリュウソウルも復活し、メルト達は最後のリュウソウチェンジを果たし、エラスに立ち向かっていく。

一方、コウはエラスの精神世界で彼女の心と対面する。
エラスは一度地球を傷つけたリュウソウ族を「愚か」と断言した。
それに対し、リュウソウジャーは……


俺達は、愚かかも知れない……

でも……俺達は、愚かだから学ぶんだ。

1人じゃダメでも、みんなとなら乗り越えられる!

俺は、みんなと会って、仲間の素晴らしさに気づけた!

失敗することもあるだろうけど……

仲間がいれば何度でも立ち上がれる。

今までの歴史を無かったことにするのは、ただの逃げだ。

それぞれの答えを出し、エラスに向かっていく。
エラスもまた「もう過ちは犯さない」と立ち上がるが、その時、レッドにつけられた傷が光った。


エラス。お前は、ずっと一人で生きてきたんだな。……笑ったことは?

何……?

泣いたことは? 俺達は、お前みたいに永遠には生きられない。だから……笑ったり、泣いたりして、必死に生きていく。
失敗しても立ち上がって、最後に笑顔でいられるように未来を目指して、生きていくんだ。そして……未来に笑顔を繋いでいく……!

繋いでいく……

そう……繋ぐんだ……命を……笑顔を……


その頃、現実世界ではリュウソウジャーが傷目掛けて剣を突き立てた。


自ら生み出した、お前達に倒されるという事は……私はもはや……この星に必要ないという事か……


エラスが心の中でそう呟き、自らの終焉を受け入れた時、現実世界の肉体もまた限界に達し、粉々に砕け散ったのだった。
その後コウはメルトが吸収された時に落としたリュウソウルのおかげで生還。最初に吸収されたプリシャスも生き残ることとなった。

余談

◆ドルイドン族の存在では唯一経験値が設定されていない。

◆名前は由来は恐らく単純に「偉い」、或いは「エリス」を捩った物か、前述の「偉い」に「ヘラ」と「ゴッデス(goddess、女神の意味)」の組み合わせと思われる。
また、地球と繋がっている事から「earth」、心臓の様な見た目から「heart」の片方、あるいは両方のアナグラムの「erath」ではないかと言う説もある。

◆戦隊における女性ラスボスは救急戦隊ゴーゴーファイブの大魔女グランディーヌ以来、終盤に名前が明らかになるのは海賊戦隊ゴーカイジャーのアクドス・ギル以来となっている。

◆前述通りリュウソウ族とドルイドン族を「自分の意に反した」という暴論でまとめて滅ぼそうとしたため「ブラック上司の上司もやっぱりブラック上司だった」と言われることになったエラスだがその滅ぼし方が苦痛を与えないものだったり、最終回でのコウとのやり取りや自身の最期を潔く認めたりといった戦隊シリーズ内外通しても珍しいキャラクターとなったため「創造主故に理解者がおらず孤独な存在」という評価となった。


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最終更新:2024年04月18日 18:08

*1 リュウソウ族の反省からかドルイドン族には女性が一人もいない