・レイブレード・インパルス
2017年8月発売。定価4800円。
ボルトレックスと同時に発表された記念すべきヘキサギア第一弾。
アースクラインの傑作量産期ロード・インパルスの改修機。そのデザインは狼を思わせる。
原型機の時点でも十分高かった機動性が更に向上しているが、お陰で操縦性が大幅悪化し、並のガバナーでは乗りこなせない代物になってしまっている。
そのため、そのまま運用されるよりも分解されパーツ単位で使用される事の方が多かったという。
最大の特徴は機体名にもなっている規格外兵装「レイブレード」にあり、
これはヘキサグラム1個を丸ごと分解する事によって絶大な威力を持つ光のブレードを展開するというもの。
ヘキサギアを破壊するには過剰威力である上、貴重なヘキサグラムを喪失してしまうという燃費の悪さ、
使用可能なのは短時間に限られる、使用時に周囲に甚大な汚染を発生させる……といった点から、かなり使い辛い装備となっている。
なおレイブレードは第一弾の装備でありながら、後述の「インペリアルフレイム」と並びヘキサギア世界で最強の武装の一角である。
シリーズ開始初期の時期は「ヒロイックな頭部」を持つのは本機のみであったため、
頭部だけを使用したユーザーの改造機、特に人型機が多く製作されていた。
また設定上レイブレードはこの世界で最強クラスの武装であるため、
ミッションでは迂闊にその威力を超えた武器を装備させると小説に出せなくなってしまうが、見立て改造の部品であればOKという事になっている。
なおレイブレードは2基装備しているが、刀身用クリアパーツは1基分しか付属していないので、1キットでは2基同時発振を再現する事はできない。
・ボルトレックス
2017年8月発売。定価4800円。
レイブレード・インパルスと同時に発表されたもう一つのヘキサギア第一弾。
ラプトルにも似た、小さな腕(前足?)と太い二足が特徴的。
元々はアースクライン社製であり、ロード・インパルスとの協働機として開発されていた機体なのだが、
開発・製造拠点がVFの手に落ちてしまった事で、以降はVFによって運用されている。
またその開発経緯から、フレーム構造や部材の一部はロードと共通している。
拠点陥落時点でLA側にも生産済みの機体が100機程は残されており、実際にLAが運用していた時期もあったのだが、
予備パーツの供給が途絶えている事から稼働率もすぐに低下、結局LAが前線で使用していたのは短期間に留まった。
VFで運用されるようになってからは、MSGの手により武装の一部が改良された模様。
機動力に秀でたロードに対してこちらは高い火力を有し、小型プラズマキャノンやグレネードランチャーといった重武装が施されている。
後にバリエーションキットとしてレイブレード・インパルス同様の白と青カラーのLA仕様も発売されており、
こちらには同じくLA仕様となる白いパラポーン・イグナイトも付属する。
なお、これらは「何等かの理由でLAに協力するVFの一部隊」という設定であり、純粋なLAメンバーという訳ではない模様。
・ブロックバスター
2017年9月発売。定価4200円。
昆虫型空中戦メカコンビの遠距離型の方。
長く突き出た砲身からカブトムシがモチーフと思われる。
なお「ブロックバスター(Blockbuster)」とは元々は第二次世界大戦で英空軍が使用していた大型爆弾の名前で、
そこから派生して、映画用語としては「大ヒットした作品」、医療用語としては「凄まじい売上を出した新薬」の意味を持つ。
↑二機と同様にアースクライン社製であり、第三世代型としては初期の作品。
ヘキサギア最初期のコンセプトである多用途重機を原型とし、その後にはゾアテックス技術のテストベッドとなるなど、
第三世代型、延いては(ある意味では)現代の全ての軍用ヘキサギアのご先祖様とでも言うべき機体。
空中からの砲撃支援に特化した機体で、初期型だけにゾアテックスの発現こそ弱いものの、
その割り切ったコンセプト故に旧式化した現在もなお第一線で活躍している。
最大の特徴となる本体中央のスナイパーキャノンは、弾倉では液体金属の状態で保管され、発射時になって弾体が形成されるという構造をしている。
二機のプラズマジェットエンジンに支えられた機動性も良好で、その信頼性の高さもあって偵察・哨戒機としても使用される事もあり、
その場合は砲身を取り外して軽量化した「雌型」が多用される。
なお、やはりフレームの多くは後述するモーターパニッシャーと共通している。
2018年8月にはメインカラーを緑とした鹵獲機「VF仕様」も登場、成形色を緑に合わせたMSGマルチミサイルが2キット付属し、
お値段的にはブロックバスター+マルチミサイル+α程度というお買い得なキットとなっている。
・モーターパニッシャー
2017年9月発売。価格4200円。
昆虫型空中戦メカコンビの近距離型の方。こちらはクワガタがモチーフであろう。
ブロックバスター共々、脚の本数は4本であるが。
一言で表せば
ヘキサギア版ワッパ。
こちらもアースクライン社製であるが、キットとしてはVFの鹵獲仕様が先にリリースされている。
アースクライン社の最新型、ゾアテックスの発現が追求されている、大型クローを武器とした近距離機、2基のローターで浮遊するなど、
ブロックバスターとは見た目は似ているが様々な面で対照的である。
推進機の違いからスピードこそブロックバスターの方が上だが、回転翼で駆動するこちらは滞空性能や小回りに秀でており、
市街警備や軽貨物機としての運用も可能になっている。またクローを外した「雌型」が存在するのはあちらと同様である。
本機は最初から二人乗り機として設計されているため、後部機銃手を乗せる、連絡員の足代わりにするなど運用の幅も広い。
大顎状のクロー「バイティングシザース」は、解体工事用の破砕機を転用したもので、
単純な破壊のみならず、敵機のフレームを変形させヘキサグラムを脱落させて動力を奪う事をも可能としている。
ボルトレックスと同様に青白カラーのLA仕様も後から発売されており、
こちらにはおまけとしてLA仕様のパラポーン・センチネル、「アーマータイプ・センチネル」が付属している。
・ハイドストーム
2018年1月発売。定価5800円。
イカかタコの様な触手を携えた異形のヘキサギア。
見た目と字面は似ているがバイドストームではない。HIDESTORMである。
半世紀以上も前の無人宇宙作業用機をSANATが魔改造した電子戦機。
テンタクルアームと呼ばれる触手状のアームの先端にはマシンガンもしくはVICブレードと呼ばれる特殊な電子兵装を持ち、
緑色のクリスタルの様なそれが電子機器に接触すると無数のコンピューターウイルスが侵入、瞬く間に制御を奪い取ってしまう。
その威力たるやKARMAですらも防ぎ切れず、初めて確認された時には一瞬で都市一つが陥落した程。
リフターと呼ばれる機関によって空中を浮遊し、また初出現時には一切の感知網に反応しなかった事から強力なステルス性能も持つと思われる。
なお公式の商品画像ではマシンガン2丁にVICブレード6本という構成のものが多いが、
キットにはVICブレードは8本封入されているため、アームを全部VICブレードにする事も可能である。
・バルクアームα
2018年4月発売。定価5800円。
商品化されたものとしては初の第二世代型にして人型のヘキサギア。FAなどと比べて頭身が低く、どっしりとした力士体型である。
なお「α」部分は「アルパ」と読む。アルファではないので注意。
第二世代型としては初期型に当たり、元々はMSGが開発したものであるが、
製造・整備が世界中に委託され、更にそれらの施設が奪い合いの対象となったことでデータが拡散、
結果としてそのお陰で現在もなお世界中で使用され続けている。
武装は折りたたみ式の滑空砲が装備され、手首は五指を持たない簡易ハンド・アイアンフィストとなっている。
アイアンフィストは精密性には劣る代わりにそのシンプルさ故に頑丈で、時にはパンチで攻撃する事すらあったという。
頑強な装甲と居住性良好なコクピットを持ち、また人型特有の汎用性の高さから様々な戦場にマッチする優秀な機体であったが、
高火力な武器の小型化や第三世代型の機動性の高さには付いて行けず、第一線は退いている。
だがその性質から拠点防衛などの用途では未だ現役であり、
また「人型」というフォルムそのものに魅力を見出す一部のガバナーからは根強く支持されている。
頭部パーツは2種類が封入されており、そのままでもバリエーションを楽しめる。
それまで動物型だったヘキサギアにあって、二足歩行・密閉型コクピットという新たな側面を見出し、
そのプレイバリューの高さもあってヘキサギア1年目では屈指の人気を叩き出したキットである。
余りの人気の高さに一瞬で在庫が消滅、コトブキヤプラモとしては異例の速さで再生産される事となった。
・デモリッション・ブルート
2018年5月発売。6200円。
猛牛か猪にも似た、第三世代型には珍しい重装甲・ハイパワー機。
ロード・インパルスのフレーム構造を参考にMSGが開発した機体で、一部のパーツはボルトレックスとも共通している。
しかしそのコンセプトは真逆で、重装甲と重火力を備えた機体。
ロードと比べて運動性こそ低下しているが、拠点防衛機としては非常に強力で、本機の登場によってVFの結晶炉の防衛能力は一段と増したとされる。
現状、本機のみバリエーションキットが一つも存在していない。
上述の通りフレーム構造はインパルス系と同様であるため、本機そのものがバリエとも言えるかもしれない。
・スケアクロウ
2018年6月発売。定価3500円。
バルクアームαに続いて登場した第二世代型ヘキサギア。
どちらか言えば作業メカ的な側面が強く、小型低価格という珍しい商品となっている。
主にLAで運用されている作業・支援用機体。
逆関節型脚部の上にドラム状のブロックを持ち、その後ろにコクピットというスケアクロウの名に違わない簡素なフォルムをしている。
実際そのコストは低く、多くの機種が淘汰され第三世代型が主流となった現在も生き残っている要因となっている。
バルクアームαと違って攻撃力・防御力共に貧弱であるため直接戦闘には向かないが、
反面小型軽量であるため、あれらでは侵入できない箇所でも使用可能な重機として愛用されている。
警備用の無人機として運用されている機体もある模様。
成形色は水色であるが、後に「そのせいで他のキットとのミキシングが難しくなっている」と判断され、
次回再生産からは成形色が「密林仕様」となる深緑色に変更し、初期の水色版は生産終了している。
・アビスクローラー
2018年11月発売。定価6000円。
ハイドストームのフレーム流用機で、こちらはヤシガニか蜘蛛に似た造形。何れにせよ気色悪い
ハイドストーム対策の為に、破壊したその残骸からフレームを解析・再設計して作られた機体。
アビスクローラーの名前の通り、ハイドストームの侵入経路となっている地下の配管や施設を警備する。
地下は地上の比にならない程の重汚染地域であり、同時にVFの無人機の巣窟と化していたため、まずは少数が生産されそれらの掃討任務に当たる事となった。
ICSと呼ばれるバリアを装備しており、本来は実弾兵器の威力を減衰させるための装備であるが、
本機のものは実弾への防御力を下げた代わりに対VICブレード効果に偏重したセッティングがなされている。
ICS用のクリアパーツの他に、頭部アンカーの為のリード線も付属している。
似た形状の曲面装甲パーツが多数封入しているため、フレーム構造と相まって人型機を組む時に重宝されるキットの一つである。
・バンディットホイール
2018年11月発売。定価4800円。
後述するゾアントロプス・レーヴェの愛車。
現状唯一の公式から発売されているヘテロドックス所属機である。
なお「山賊の単車」を意味する名前は、ゾアントロプスの勢力問わず襲撃しては物資を強奪していく様から付けられた仮称であり、
ゾアントロプス本人共々、正式名称は不明である。
おそらくはゾアントロプスがレッケージで拾ったパーツで手ずから構築したと思われるモンスターバイク。
バイクとして見るとかなり巨大であり、ガバナーとの比率からして普通乗用車程のサイズがある。
ヘキサグラムを使っただけの従来型車両という意味では第一世代型ヘキサギアに相当するが、
一方で後輪が回転翼に変形して空を飛ぶ機能があり、このような形態変形は第三世代型の特徴であるため、これらを総合して世代分類からは外されている。
他にも、本体には大量のヘキサグラムを搭載したヘキサグラムストレージ、前輪ストロークには旧式のプラズマキャノン、
風防の下には鬼の顔の様なモールド……と、いかにも寄せ集めといった外観をしている。
更にはどこから手に入れたのかKARMAまで搭載しており、ゾアントロプスはそのお陰でLAの動向を把握しているらしい。
しかしゾアントロプスの集めた大量のヘキサグラムから齎されるパワーは絶大であり、直線速度では平均的な第三世代型を上回るとされる。
なおFAガールやメガミデバイスも搭乗可能だが、
サイズ比の問題でガバナーにとっては超巨大バイクでもあれらにとってはちょっと大きめのスクーターである。
・アグニレイジ
2018年12月発売。定価12000円。
サイズ・価格共に現在シリーズ最大の商品。
真っ赤な翼竜型という凄まじい造形もあってワンフェスで参考展示された時からユーザー間で話題になっていた。
ジェネレーターシャフトと結晶炉の防衛のために少数生産されている機体。ボルトレックスとはパーツの一部が共通している。
レイブレードと同じ規格外兵装「インペリアルフレイム」を始めとした高い火力に加え、
ブロックバスター以上の機動性も持ち、更にはバリアまで展開するという凄まじい機体。
LAから初めて確認された際には熟練のロード・インパルス大隊を殲滅せしめたという。
最終目的がジェネレーターシャフトの破壊であるLAは本機を、それも複数撃破する必要があり、LAにとって最大の脅威に目されている。
上述の通りボルトレックスと部品が共通しており、初回特典にはアグニレイジカラーのボルトレックスを組めるランナーが付属していた。
ヘキサギア公式によると「赤」は特別な色に位置付けられているとされ、実際に本機以外で赤色のヘキサギアは1種のみとなっている。
完成品は元より箱自体もかなり大きいため、電車や自転車で持ち帰るのは少々骨である。
・バルクアームα 密林戦仕様
2019年3月発売。定価6000円。
密林等周囲を囲まれた空間における運用を前提として改修されたバルクアームα。
武装を全体的に取り回しの良い小型の物に変更した他、センサーユニットは索敵機能が原型機よりも強化されている。
バルクアームαは全世界に普及する中でサードパーティによる様々な派生機が生まれており、本機もその一つ。
武装としてM.S.Gバトルアックス・ロングライフルとフォールディングキャノンが付属。
特にライフル・アックスは生産終了しているため、現在これらはこのキットでしか入手できなくなっている。
・ロード・インパルス
2019年5月発売。定価5200円。
ここまで何度も存在が語られながらも長らく実体の謎だった機体が2年近く経ってようやくの登場である。
因みに、初期デザインは「痩せたデモリッション・ブルートみたいなもの」だったとの事で、
「これに求めているのはそういう方向性ではない」とリテイクした末に、今日の「無骨めなR・インパルス」とでも言うべきデザインになった事が語られている。
レイブレード・インパルスの原型機であり、LAの現主力量産機である。
尖った面の多いあちらに対して、こちらは特殊な装備を持たない分高い汎用性を持つ優秀な機体。
機動性にはリミッターがかけられているがそれでも第三世代型としてはトップクラスであり、また操縦性はその分向上している。
元々は火力を担うボルトレックスとセットで運用する予定だったが開発拠点陥落によって頓挫してしまったため、
火力を補うべく主武装のチェーンガンとグレネードランチャー弾倉が大型化している。
初期にはこの上に更に武装の追加も行われていたが、すると今度は武装の分だけ重量化して肝心の機動性が低下したため、
若干火力不足な状態で運用せざるを得ない状況になっている。
先述のカスタム先であるレイブレード・インパルス、同じ生産ラインを基とする協働機にあたるボルトレックスシリーズもそうであるようにこの機体も後輪のタイヤを二輪ずつ計五輪備えた一人乗りのトライクへの変形が可能。
そのいかにもな主力量産機感からユーザー間でロード・インパルスのみのコンペが開かれるなど、人気は中々のものとなっている。
初回特典には尻尾トリックブレードの延長パーツが付属していた。
・ウインドフォール
2019年7月発売。定価8500円。
上述のアグニレイジのバリエーションキット。
青いプテラノドンといった趣のデザインで、見た目にもアグニレイジの対になっているような印象の機体。
アグニレイジ(と思われる機体)の残骸を回収したLAが、それを解析して得た技術によって開発されたヘキサギア。
このような漠然とした表現になっているのは、残骸から離れた地点に翼のようなパーツが落ちているのが発見され、
また翼を持つVF機という点で該当するのがアグニレイジのみだったためそれと判断されたというだけで、
回収された残骸は損傷が激しすぎた事もあって機種の特定には至らなかったためである。
とはいえ主翼や脚部など共通するパーツは多いため、おそらく残骸の正体はアグニレイジで間違いないと考えられる。
また残骸が回収されたという事は、誰かがLA最大級の脅威であったアグニレイジの破壊に成功したという事でもあり、
LAはその点も含めて本機をWindfallと命名する事となった。
拠点防衛のための重防御・大火力機だったあちらに対し、こちらは小型化した分向上した滞空性能・運動性を活かした偵察・電子戦機である。
火力や防御力こそ特筆すべき点は無いが、代わりに強力な電子支援能力を持っており、
軽量化させればロード・インパルスをも空輸できる飛行能力もある。
本機の開発の切っ掛けとなったアグニレイジが破壊されたと思しき戦闘では「謎の発光と汚染レベルの急激な上昇」が確認されたとされ、
ファンの間ではその特徴の一致からレイブレード・インパルスの仕業ではないかと推測されている。
一回り小型とはいえやはりこれも箱からして巨大であるため、持ち帰りの際は注意が必要である。
・バルクアーム・グランツ
2019年8月発売。定価6800円。
バルクアームαの派生機の一つ。全体的に泥臭いヘキサギアにあってやたらヒロイックな造形をしている事で話題になった。
本家であるMSGではなく、LA所属企業の一つ・マクスウェルギアーズが独自に開発した機体。
人型の限界を突き詰める事を目指したコンセプトモデルであり、いくつかは実戦にも投入されたという。
防御力低下を代償に軽量化させ、また脚部には大型の車輪を備える事で、人型としては高い機動力を発揮している。
また手はバルクアームαの様な簡易ハンドではなく人間の様な五指を備えたものが装備され、
強度低下によりパンチなど乱暴な使い方は難しくなった代わりに、標準武装のライフルを始めとした多彩な武器を扱える様になり汎用性は向上した。
またレーシングカーにも似たシルエットの車両形態に変形する機能も持ち合わせ、
これらの能力から第二世代と第三世代の中間、2.5世代機と称される事となった。
しかし脚ではなく車輪で機動力を確保する設計にしてしまった事で、各企業の「最早人型にこだわる意味はありや?」という疑問を加速させ、
結果として人型機の時代を終わらせるのに一役買うという皮肉な結果となってしまった。
とはいえ「高速機動形態への変形機構の搭載」という後に連なる設計を初めて盛り込んだ本機はヘキサギア開発史における重要度は高いとされる。
なお造形が妙に凝っているのは
古いコミック好きという開発者の趣味。
そのため実地運用の際に現場からは辛辣な意見も食らっている。早い話が
ヘキサギア版バーゼラルドである。
こちらはあくまでコンセプトモデルであるため開発班に無理をさせた訳ではないが……。
・バルクアームβ ランバージャック
2019年12月発売。定価6800円。
バルクアームαの派生機、バルクアームβのそのまた派生機体。
頭部・胸部の形状が変更され、脛に装甲版が追加されている。
改修機が先に出て原型機が後なのはロードとレイブレードの関係と同じである。
ランバージャックは、「木こり」を意味する名前の通り巨大ナタ「スラッガーブレード」を装備した機体で、他に頭部と胸部もデザインが変更されている。
バルクアーム系機体のみで行われるアングラ賭け試合「
レイティングゲーム」のチャンプ"ブラッドマーク"が使用している機種でもある。
レイティングゲームでは射撃武器の使用も許可されているが、
ブラッドマークは一種の魅せプレイとして敢えてスラッガーブレードのみで挑み、そして挑戦者のことごとくを真っ二つにしたという。
なお、ホバークラフト部分は取り外してガバナー一人乗り用ホバークラフトにする事もできる。
・バルクアーム・グランツ レッドアラート
2020年3月発売。定価7500円。コトブキヤショップ限定品。またヘキサギアとしては初のコトブキヤショップ限定品である。
とあるガバナー専用のバルクアーム・グランツ。
つまりバンディット・ホイールに続く2体目の個人用カスタム機であり、「レッドアラート」も本機のみに付けられた愛称である。
頭部とシールドの形状が変更されている。
およそ戦闘用とは思えない真っ赤なカラーリングが特徴的。しかし伊達でこのような外観をしている訳ではなく、
マクスウェル・ギアーズが試験的に導入した防弾用のコーティングであり、軽量化の為に低下した防御力を補うための工夫である。
……が、防御力向上よりも目立ち過ぎる事による被弾率の向上という目に見えた結果になった。
それでも、集中砲火を浴びながらも生還したガバナーにより高速戦闘時のデータ収集という形で以降の開発に貢献している。
本機のガバナーは、かつて件のスラッガーブレードのみを装備したランバージャックを駆るレイティングゲームのチャンプに敗北し、
それ以来彼との対決に固執しており、これまたマクスウェル・ギアーズが用意した新型ブレード「紅蓮」を手に再戦に臨んだという。
「紅蓮」のデザインはクリアパーツの色をオレンジに変更した以外はM.S.G.サムライマスターソードと同一であり、
これを装備したのは本機のガバナーが「刀による決着」を希望したためとされている。
・バルクアームβ 標準仕様
2020年4月発売。定価6200円。
上記「ランバージャック」のバリエーションキット。濃紺色だったランバージャックに対して、こちらはデザートカラー。
脛の追加装甲はこちらにも付属しているが、胸部装甲はαと同一である。
頭部はαの二種類とβ標準仕様の三種類。
設定的にはランバージャックの原型機で、バルクアームαを高機動化させる為に脚部のホバークラフト化を始め機体の各部を高速戦闘に特化させたモデル。
武装も高速化の為に小型軽量なものが選択され、出荷状態での武装はサブマシンガンとヒートナイフのみと比較的軽装。
スピードを乗せた体当たり攻撃も視野に入れて脛部分に増加装甲が追加され、
またαから引き続き装備された簡易ハンド・アイアンフィストで高速のパンチを見舞う事も有効な戦術とされている。
ガバナーの志向と軍産複合体MSGの展開する豊富な武器と合わさってその形態は千差万別であり、
人によっては更なる軽量化の為に脛装甲も取り外したり、逆に重武装化させる事もあったという。
なお初紹介時のブログではギガンティックアームズ「ワイルドクローラー」とミキシングして
ガチタン化させた作例が紹介されていた。
この事はブログ記事内でも
「新規要素のホバーユニットを外してまでやることがコレか?」と自虐的に触れられており、
更には「重武装化の為に機動力を犠牲に積載量を取って脚部をタンク化するという
本末転倒な運用がされる事もあった」と、
設定にも取り込まれている。
・飛行ユニット ウッドペッカー
2020年8月発売。定価3700円。
バルクアームαの技術を応用し、「ガバナーにスケアクロウを纏わせる様な仕様」で開発された「ディフィニッションアーマー」と呼ばれる新型強化外骨格の一つ。
試験当時は簡易的な2足歩行しか出来ず装甲も脆弱というどっちつかずな仕様だったため、兵器としての完成度を高めるべく大型推進器を搭載し、直線的な移動能力の高さを活かしての地上強襲用兵器として完成している。
その速度をもって鈍重な敵機をスタニングランスの一突きで転倒させる「ウッドペッカー」のスタイルは従来のバルクアームでは不可能な挙動であり、小型のユニットが高速で戦場を駆けるその姿は来る第3世代ヘキサギアの隆盛を予感させるものであった。
実際のキットには専用造形の頭部となったアーリーガバナーと、FAガールハンドスケールシリーズを搭乗させるための「オープンタイプ」のコクピットキャノピーが付属する。
シリーズのメカとしては比較的安価な上にガバナーまで付いてくる。もちろんキットブロック故の組み換え自由度も高く、かなりのプレイバリューを誇る。しわ寄せか配色の再現が甘めなのはご愛敬。
こいつをコアにしてフレームアーキテクトの手足を付けることでヒロイックな搭乗型ロボになる事は知られており、後に本当にコラボしてしまった。
・スティールレイン
2020年9月発売。定価9800円。
ヘキサグラムの生成に伴う深刻な大地の汚染から、戦争の早期終結を目論んだMSGが生み出した大型ヘキサギア。
その姿は作中でほぼ姿を消している
回転翼機そのものであり、分類としては2.5世代に相当する。
第一世代に近い動力機関にヘキサグラムを採用した「前期型」と人型への可変機構を搭載した「後期型」が存在し、両者は頭部形状の違いで見分ける事が出来る。
豊富な各種実弾系兵装による空中からの対地攻撃性能は圧倒的であり、その巨躯から繰り出されるSteelrainは当時の主力であった第2世代型ヘキサギアに対し絶対的な優位性を以て君臨していた。
加えて後期型は腕部を利用した物資の運搬や、フレキシブルな火器換装能力と可変機構を活かした地上での戦闘もこなせる優れたバイプレイヤーでもある。
しかしそれだけに生産コストはバルクアームα数機分に匹敵し、動力源たるヘキサグラムに至っては他の第二世代型ヘキサギアの十数倍の数を要求する。
加えて整備や兵站の要素も搭乗するガバナーだけで賄えるものではなく、高い技術を備えた支援部隊が必要という極度の金食い虫でもあった。
それ故総合的な運用効率を鑑みた結果、前期型が採用されるケースもあったという。
これらの性質から「戦局を優位に運んだあと即座に前線から追い出される」という趣のジョークが存在する本機だが、部隊投入の際にはコンスタントに高い戦果を上げており、当時対峙した最も多くの者に恐怖を与えたヘキサギアとして名を知られている。
コトブキヤショップ購入特典はノーズアートデカールと成型色を合わせたM.S.G「ウェポンユニット30 ベルトリンク」。ベルト部分は長さが倍になった仕様。
本キットに付属する武装は、「ウェポンユニット45 ミサイル&ロケットポッド」および「ヘヴィウェポンユニット32 ガトリングガン2」として単品でも発売されている。
・ハイトレーガー
2020年10月発売。定価7800円。
貨物運搬を主軸において開発された多脚の第二世代型ヘキサギア。
脚部全体を水平に長く伸ばし履帯とホイールで走行する「フラットモード」と、それらを展開した4脚での歩行形態「ポリポッドモード」の2形態を、走破先の地形状況に合わせて使い分ける。
また前脚にはサブアームを内蔵し、後脚にはアンチマテリアルライフルが分解・格納されている。
大重量を支える目的もあって一般的なヘキサギアに比べ装甲強度とフレーム部分の剛性に優れており、その設計思想はヘキサギア本来の用途の一つである建設重機に近い。
単体での攻撃性能は控えめだが、持ち前の地形走破能力の高さに加え、火器を搭載する事で自走砲に、バルクアームαの上半身を接続する事で移動砲台にもなり、また操縦席を格納して無人車両としても運用可能と、運用形態は柔軟の一言。
その汎用性の高さで、前線は勿論、軍事基地や工業地帯などあらゆる環境で任務に従事している。
コトブキヤショップ購入特典は成型色を合わせたM.S.G「ヘヴィウェポンユニット04 グレイヴアームズ」。
・BA ラウドゲイル
2020年12月発売。定価7800円。
バルクアーム・グランツと同一の変形機構を有しながらも、ヒロイックに纏まっていたグランツに対しオフロード車を彷彿とさせる無骨な造形をした人型ヘキサギア。「BA」は順当に考えればBULKARMからとられていると思われるが、特に明言はされていない。
グランツ譲りの高い機動性に加え、車輪は装甲車に用いられていたオフロードタイヤがそのまま流用されている為、悪路においての走破能力はグランツ以上。
辺境で活動していた武装勢力、ないし商人がそのパイプを活かして建造した機体がルーツとされているが詳細な製造経緯は一切が不明で、その最初の一機も未だ特定には至っていない。
とは言えその情報自体は広く認知されており、多くの場所で同一の機体が製造され運用されている。
それらの外装は材質から形状に至るまで使用者によって千差万別で、場合によっては更に装甲を追加したり逆に省略されたりすることもあった。
グランツは細やかな制御によって多用途に運用できるマニピュレーターを有しているが、本機に搭載されているのはαと同一の簡易的な作業肢である。
しかしそれは機体製造・運用面における大幅なコスト削減につながっており、大重量となるマニピュレーター制御システムを搭載しなくても済むという利点にもなっている。
また構成するフレームも最初から部品精度をある程度下げることで劣化による性能低下の影響を小さくし、長期間の運用を可能としている。
フレーム部分は低精度化を補うための補強が施されたことでそれ自体の重量は増している物の、前述の通りマニピュレーター制御システムが積まれていないため総合的な機体重量はグランツから大して変化していない。
これらの機体特性故に戦闘行為を避けたい難民や商業部隊から強い支持を受けており、戦線が第三世代同士の戦いにシフトした時代においても高い需要を保っている。Loudgaleの名は、荒野の中でその風と本機を重ねた旅人が呼んだものである。
コトブキヤショップ購入特典はマーキングデカールと、拡張マガジン・汎用ジョイントが一つになった「ラウドゲイル用オプションパーツ」。
・ディフィニッションアーマー ブレイズボア
2021年2月発売。定価5200円。
「ディフィニッションアーマー」を量産化させるにあたり、高機動による戦場の撹乱を主とするウッドペッカーに対し、
開発当初のコンセプトに立ち返りバルクアームの小型化を目指したのがブレイズボアと呼ばれるバージョン。
パワーローダー然とした見た目をしておりウッドペッカーより高い防御力を持つ一方、歩行による移動を前提とする為に推進器はそちらの物よりも低出力。
大型ヘキサギアが侵入できないような狭所において歩兵との連携を主運用形態としており、その信頼性は高い。
操作も搭乗するウォーメイジのBMIの情報を更にフィードバックさせるマスタースレーブ方式をとる事で高精度で行える。
キットとしてはウッドペッカーのバリエーション。ボリュームが二倍近くに増えている他、新規造形の頭部を持つ専用のウォーメイジ・ヘッツァーが同梱されている。
コトブキヤショップ購入特典は紺色成型の「アリスパック特別カラー」。
・ウィアード・テイルズ
2021年2月発売。定価6500円。
最新鋭の人工筋肉と重力コントロールシステムをゾアテックスによって高度に複合させることで、非常に軽快な運動能力の発揮を実現した第3世代型ヘキサギア。
ビジュアルは所謂「九尾の狐」を連想させる他、第3世代としては珍しい半密閉タイプのコクピットも備える。ビークルモードではエアバイクに変形。
最大の特徴は、機体後部に尾の如く3つ接続された規格外兵装「スペードロワー」。
グラビティ・コントローラー、機体制御スラスター、そしてKARMAを備えるこれはそれ自体が飛行、射撃、斬撃、防御能力を備える多用途ヘキサギアでもあり、ガバナーと合わせて最大五体による高度な連携を行える。
そして三角形状に配して展開するバリア「プラズマヴェール」はボルトレックスのプラズマキャノンをも凌ぎ切るほどの防御性能を発揮し、現状では最高逢の非実体型防御システムとの呼び声高い。
これに搭載されているKARMAはかつての相棒であるガバナーを失った個体から選りすぐられており、再び主君を得た彼らは攻撃的な機体性能を有しているにもかかわらず「主を護る」ことを目的とする。
本体と合わせ4つのKARMA、すなわち魂を備えるウィアード・テイルズは、まさに"奇妙"な妖獣なのである。
コトブキヤショップ購入特典はクリア成型となったFランナー二枚。
・ブイトール
2022年8月発売。定価8580円。
ヘキサギア5周年最大の目玉として登場した人型ヘキサギア。
ボルトレックスの後継機となるべくリバティー・アライアンスの総力をもって開発された機体で、既存のあらゆるヘキサギアとは異なる「忘我廻廊」という運用システムの採用に至った。
ヒトとマシンを高次にシンクロさせ搭乗ガバナーの没入状態を惹起し、強化兵士の神経伝達速度に匹敵する驚異的な運動性能が最大の特徴となっている。
KARMAを搭載しながらもゾアテックスは実装しないため第二世代に相当するという論もあるが上記の特筆性から誤りとされており、どの世代区分にも該当しない特異な機体であり、強いて呼ぶなら第四世代と言える。
一言で言えばクソデカいガバナー。これまでの人型ヘキサギアとは違い流線形かつスマートなフォルムが特徴的であり、尚且つコックピットは密閉型を採用している。
可動域も極めて高く、ボルトレックスの後継機というだけあってそちらとの組み合わせも抜群。5周年を代表する名機となった。
・ブロッケード・アイビー
2023年12月発売。コトブキヤショップ専売品で定価は13,200円。
MSG管理区域の外縁部における防御戦闘用として、MSGヴァリアントフォースによって開発された砲撃戦闘ヘキサギア。
第三世代に分類されるが、ブロックバスターなどと違い純粋に地上戦・砲撃戦に特化した超大型の多脚型ヘキサギアとなっている。
第一世代の時代に設計されたものを改修した主砲→第二世代末期のものを改修した脚部→同じく第二世代末期の試作を改修した密閉型コクピットブロック→キャパシター兼大型ブースターユニットの順に開発され、
それらをゾアテックスで統合制御するという「世代をまたぐ出自を持つユニット群の集合体」と呼べる存在になった。
シリーズ最大級のデカさを誇るヘキサギア。昆虫型なので全高は100mm程度となっているが実際はメチャクチャデカい。
6本脚を構成する「インセクトレッグ」が、単体でメガミデバイスやFAガールの大型脚部ユニットとして成立することからもお察しである。
主砲たる超長距離狙撃用電磁投射砲(スナイパーキャノン)は何と長さ約320mm。ヘキサギアではかなり大きめのブイトールが小さく見えるほど。
成形色はバルクアームαと一緒なのでそちらと組み替えても遊べるだろう。
また、本機の構成要素たる「スナイパーキャノン」「コックピット」「インセクトレッグ」「ブースター」はブースターパックとして一般販売された。
こちらは11月発売。成型色はブレイズボアやバルクアーム密林戦仕様と一緒。