クチバシティ

登録日:2020/04/14 Tue 10:17:17
更新日:2023/09/28 Thu 17:04:02
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ここは クチバシティ

クチバは オレンジ ゆうやけのいろ


クチバシティとは、『ポケットモンスター』シリーズに登場するカントー地方にある町の1つである。

初登場は『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』(以下「初代」)。
また、そのリメイク作『ファイアレッド・リーフグリーン』(以下『FRLG』)と『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』(以下『ピカブイ』)、『ポケットモンスター 金・銀・クリスタル』(以下『金銀』)とそのリメイク作『ハートゴールド・ソウルシルバー』(以下『HGSS』)にも登場する。
本項目冒頭のフレーズは街に立っている看板から引用したもので、そこに書いてある通り街のイメージカラーはオレンジ色だが、名前の由来は「朽ち葉色」
枯れ葉の色に近い褐色系統の色のことを言うが、茶色というよりはオレンジ色ということだろうか。
ちなみに初代が発売された当初は、年少プレイヤーが誤って「クチバシシティ」と覚えていたケースも多かったようだ。「朽ち葉」という単語には馴染みが無いが、それよりは身近で音も似ている「くちばし」という単語に関連付けて記憶していたのかもしれない。よく見ると地図上の地形も何となくくちばしのように思える。


概要

カントー地方の中部に位置する港湾都市で、ほぼ全ての建物の屋根はオレンジ色。
6番道路を北上するとヤマブキシティに、11番道路を東に進むと12番道路のT字路(サイレンスブリッジ方面)に行ける。
初代及びそのリメイク作では中盤に訪れるが、『金銀』及びそのリメイク作では殿堂入り後に初めて訪れるカントー地方の町である。
順当に行けば3番目に挑戦するジムがあるが、スルーして後回しもできる。

カントー地方の海の玄関口でもあり、他の地方や異国の人々がよく訪れる。
特に年に1度の豪華客船「サントアンヌ号」寄港の際には、世界のトレーナーとの交流が盛んに行われている。
また、ジョウト地方方面行きの「アクア号」や、ナナシマへ向かう「シーギャロップ号」などの乗り場にもなっているため、他の街と比べると開放的な雰囲気が漂っている。
BGMも活気な港町に相応しい明るいものとなっているが、『金銀』及びそのリメイク作では漣を思わせるどこかゆったりとしたものとなっている。

初代では、全てのイベントを終えてアイテムも回収すると立ち寄る機会は少なくなるが、それ以降の世代ではジョウト地方やナナシマへの移動、トレーナーとの対戦などのイベントが追加されたため、何度も訪れることとなる。

アニメ版『ポケモン』の序盤を小説化した『ポケットモンスター The Animation』によると、この街は1909年に軍港として開港し、当時の軍服の色だった朽ち葉色にちなみ「クチバシティ」と改名されたらしい。
その後ニッポン国は敗戦し外国に占領されるが世界的な大不況に陥り、空母のエンジンが軍備縮小に伴ってこの街に置き去りにされた。
そこで市民はこれを発電に利用し、かくしてクチバは電気の街として発展を遂げた……という。

位置を現実の日本に置き換えると千葉県千葉市付近となるが、港町や軍港としての面は神奈川県横浜市横須賀市の要素も含んでいるといえる。


主な施設

  • ポケモンだいすきクラブ
読んで字の如く、ポケモンが大好きな人達が集まっている場所。
中にいるのは筋金入りのポケモン好きばかりで、日夜自分の可愛い手持ちの自慢話に花を咲かせており、初代ではピカチュウを連れた男性とパウワウを連れた女性がエンドレス自慢合戦をしている。
『ピカチュウ』バージョンでは男性のポケモンがピッピに変更され、ピカチュウを連れて行くとピカチュウが勝手に走り出してピッピに飛び付くというイベントが発生する。*1
このクラブの会長を務めているおじさんはとても話が長く、手持ちのオニドリルギャロップのことを語りだすとなかなか止まらない。
だが、最後まで聞いてあげるとお礼として自転車の「ひきかえけん」を貰えるので嫌がらずに付き合ってあげよう。

『金銀』及びそのリメイク作では長話に付き合うと「ふしぎなアメ」を貰える。
また、ここにいる男性はヤマブキシティのモノマネむすめが落としたピッピにんぎょうを持っており、彼女から話を聞いた後で訪れると「人形を返してあげてほしい」と頼まれる。彼曰くピッピが「なかなか捕まらない」との事で、少なくとも『ピカチュウ』版の男性とは別人だと思われる。
なお、女性のポケモンはベイリーフに変わっている。

『ピカブイ』では、『ピカチュウ』ならピカチュウセットを、『イーブイ』ならイーブイセットを会長から貰える。
ただし、それぞれの進化系の衣装を貰うには、それぞれピカチュウイーブイのなつき度を最大にしていなければならない。
また、外側右手前にいる男性の頼みを聞き、『ピカチュウ』ならガーディを5匹捕まえてくるとペルシアンを、『イーブイ』ならニャースを5匹捕まえてくるとウインディをそれぞれ貰える。
これは「バージョン限定ポケモン5匹を捕まえた後、そのバージョンには出てこない、ポケモンライドやじてんしゃ同様に乗れるポケモンを貰える」というもの。

  • つりおやじの家
これも読んで字の如く、釣りが好きなおやじが住んでいる家。
「釣りが好きか?」という彼の質問に「はい」と答えると「ボロのつりざお」をくれる……が、初代及びそのリメイク作ではコイキングしか釣ることができない。
また初代ではどうぐの預かり個数に限りがあるので、コイキングとギャラドスがとても好きか*2、アイテムもコンプリートしたいかのどちらかでなければ、無理して貰う必要も無いかもしれない。
『FRLG』では「たいせつなもの」に分類されるのでそういう心配も要らなくなったし、12番道路のつりおやじ弟がコイキングの大きさ比べをしているのでそこそこ便利な代物となった。

  • クチバ港
クチバシティの南に延びている桟橋から入れる港。
初代及びそのリメイク作では、豪華客船「サントアンヌ号」が停泊している。
しかし船長からひでんマシン01(いあいぎり)を貰ったあとに船は出港し、その後は入口に立つ男性に引き止められ二度と港へ入れなくなる
近くにいる男性が「次の寄港は一年後」といったことを言うので、それを信じてリアルタイムでそれまで待てばまた来ると思った(そして来なくてガッカリした)プレイヤーもいるかもしれない。
ちなみに小ネタとして、なみのりでしか行くことのできない場所に止まっている「謎のトラック」の存在はあまりに有名で、そこに見えないアイテムが落ちている。
しかもこのトラックは何故か『FRLG』や『ピカブイ』にも続投している。古参ファンはニヤリとするかも。
更に詳しいことはサントアンヌ号の個別項目も参照されたい。

『金銀』及びそのリメイク作では高速船「アクア号」の船着き場となっており、水曜日と日曜日にここからジョウト地方のアサギシティに向けて出港する。

『FRLG』では「シーギャロップ号」の船着き場となっている。
ナナシマから帰ってきた後はここからいつでもナナシマへ行くことができるが、全ての島へ行くには「レインボーパス」が必要。

ウルトラサン・ウルトラムーン』では直接登場しないが、グラジオが武者修行のためハウオリシティからカントー地方へ向かう際に船に乗っていたので、明言されてはいないもののもしかしたらクチバ港への船だったのかもしれない。

『ピカブイ』では「サントアンヌ号」出港後にマツリカが登場し、バトルをすることができる。

  • ディグダの穴
街の東部にある地下洞窟。その名の通りディグダとその進化系のダグトリオが生息しており、彼らが掘り進めた長い洞窟は遠く離れた2番道路まで繋がっている。
初代及びそのリメイク作では11番道路にあるが、『金銀』及びそのリメイク作ではクチバシティの一部になっているほか、カビゴンが11番道路への道を塞ぐ形で穴の前で眠っているので、カントー編中盤まで入れない。

  • 空き地
「わし じぬし !
 この しかくの ばしょ

 ぜーんぶ わしの とち!

 ここに ビル たてようと おもって
 ポケモンに じならし させとる!」

おじいさんの所有する土地で、ビルを建設するためにワンリキーに地ならしをさせている。
だが3年後が舞台の『金銀』及びそのリメイク作でも更地のままで、やっぱり以前と変わらずワンリキーが地ならしをしている。
「ビルを建てるためのお金がないので建てたくても建てられない」らしいが、ワンリキーは人間のそんな事情なんぞ知る由もなく今日も元気に地ならしを続けているのだった。まあこいつには苦でもないのだろうが。しかし建てられないのは判っているのになんで3年も続けさせているんだ。
また、『HGSS』では「いわくだき」で岩を割ればアイテムやポケモンが出現する。

その他、第5世代で新技の「じならし」が登場した際、このおじいさんとワンリキーを思い出した人もいるのではなかろうか。

  • 民家
初代及びそのリメイク作ではオニスズメ(『青』バージョンではポッポ)とカモネギを交換してくれる人がいる。

『ピカチュウ』バージョンと『ピカブイ』に登場。街の中央付近に立っている。
前者ではクチバジムのクリア後に、後者ではクチバジムのクリア後にポケモンを60匹以上入手した状態で話しかければゼニガメをくれる。

  • クチバシティジム
マチスがリーダーを務める、でんきタイプを専門に扱うジム。
入るためには入り口を塞いでいる木を「いあいぎり/ケサギリ」で斬るか、「なみのり」で海上を渡ってくるしかない。
内部には無数のゴミ箱が置かれており、その中に隠された2つのスイッチを連続で押さないとマチスの部屋の電子ロック(リメイクでは電磁バリアに変更されている)が解除されない。
「2つのスイッチが隣同士となっている」というヒントはジムトレーナーを倒すと聞けるが、失敗するとスイッチの場所がリセットされ最初からやり直しとなる。
なお、初代ではバグによってヒントが全くのデタラメとなっている
それどころか存在しないゴミ箱が正解に選ばれ、どれを選んでも失敗してしまうことまである。
運の要素が強いため、本作屈指の隠れイライラポイントとなっている。スイッチが隠れているだけにな。
『金銀』では仕掛けが故障中なのですぐにマチスと対戦できるが、『HGSS』では残念ながら嬉しいことに仕掛けが稼働している。
『ピカブイ』では、アメリカの港にあるような倉庫風の内装となっていた。

『ウルトラサン・ウルトラムーン』では、このジムをモデルにした「ジムオブカントー」がアローラ地方のマリエシティにある。

『FRLG』ではここでバトルサーチャーが貰える。
『ピカブイ』ではここでイシツブテとアローライシツブテを交換できる。ちなみに交換は何度でもしてくれる太っ腹仕様。

  • フレンドリィショップ
初代ではここで初めて「いいキズぐすり」が購入できるようになる(リメイク作では1つ前のハナダシティから買える)。
逆に「どくけし」がラインナップから消されている。
『金銀』では特筆するようなラインナップではないが、「みずいろメール」を買える。


他作品での扱い

  • アニメ版
無印編から登場。
ここを訪れたサトシはゲームとは逆の順序で、クチバジムを攻略後に「サントアンヌ号」に乗船している。
ちなみに第14話冒頭では、日本語で「ようこそクチバシティへ」と書かれたアーチのようなものが設置されているのが確認できる。
現在アニポケの作中では架空の文字が用いられているが、無印編のごく初期には普通に日本語が使われていた*3のだ。設定が固まっていなかった時期ならではの描写といえるだろう。

BW編ではデコロラ諸島から戻ってきた時に立ち寄っている。

新無印編では冒険の拠点となっており*4、もう一人の主人公のゴウの実家とサクラギ研究所がある。
ちなみに無印編ではどこにでもあるような住宅街だったが、新無印編では近代的な大都会へと変貌を遂げている。
山下公園そっくりの公園、赤レンガ倉庫を思わせる建物、神奈中バスに似た外見のバスが走っている点など、より横浜市を意識した光景が多く登場している。
サトシが久々に訪れた直後にルギアが飛来する騒動が起きた。

ゴウが通うスクールの近くには、イーブイの進化について研究している『イーブイ進化研究所』がある。
また一年に一度大食い大会が開かれている。

ちなみにマチスは現在でもジムリーダーを務めてはいるが、でんきタイプを極めるための武者修行で不在にしており、留守中は一番弟子のビスケスがジムリーダー代理を任されている。


第1章から登場。
レッドが初めて訪れた時には1ヵ月に1度の頻度でポケモンの盗難事件が起きていた。
犯人は(この作品においては)ロケット団幹部であるマチスだったが、レッドの活躍によりマチスが倒され事件は解決した。

第2章では、「サマービーチなみのりコンテスト」が行われていた時にワタルが乱入。
優勝賞品だったハクリューを操り(元々ワタルの手持ちだった可能性もある)、はかいこうせんでクチバシティを破壊した。
街は壊滅的な被害を被ったが、コンテストは街の一大行事だったので街自体が空っぽだった可能性が高い。
しかしワタル曰く「トレーナーの1人や2人はくたばったかもしれないが」とのこと。
ちなみにマチスは自分のいない間に街を破壊されたことに当然憤慨していた。

第5章では、チャクラの暴走によりロケット団飛空艇がここに墜落しそうになる。
危うく大惨事になるところだったが、レッド達図鑑所有者の活躍により最悪の事態は免れた。



「ポケモンに じならし させとるが
 ついき・しゅうせい する

 おかねが ないのじゃ」

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最終更新:2023年09月28日 17:04

*1 初回は確定、再訪時はランダムで発生。

*2 その場合は3番道路のポケセンで500円で買っている可能性が高いが……。

*3 その後の第三世代の劇場版『七夜の願い星 ジラーチ』でも、作中のマジックショーのフライヤーは日本語表記だったが。

*4 元ネタである横浜市で2014年から2019年まで「ピカチュウ大量発生チュウ!」というイベントが実施されていた関係で、ピカチュウが事実上、横浜市の「推しポケモン」(地方自治体とのコラボレーション企画「ポケモンローカルActs」で観光大使の役割を担っているポケモン。香川県のヤドンや北海道のロコンなど。)に近い扱いを受けていたためと思われる。