「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」

登録日:2020/05/24 Sun 21:38:16
更新日:2023/11/30 Thu 10:29:16
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5色レインボー DM DMEX-08 S・トリガー ※実際に使えます 「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」 スクラッパー スパーク スーパー戦隊シリーズ デュエル・マスターズ トラップ ハズブロ ハンド パワーレンジャー ブレイン 光文明 光文明の呪文 呪文 多色 戦隊パロディ 水文明 水文明の呪文 火文明 火文明の呪文 自然文明 自然文明の呪文 謎のブラック・ボックス・パック 長すぎる名前 長大語 闇文明 闇文明の呪文



「破壊の赤!スクラッパーレッド!」

「知識の青!ブレインブルー!」

「魅惑の緑!トラップグリーン!」

「閃光の黄色!スパークイエロー!」

「強欲の紫!ハンドパープル!」


「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」
*1


とは、TCGデュエル・マスターズ」のカードである。




……え?名前はどこだって?
書いてあるじゃん?






《「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」》

って。


長すぎる名前のヤツの概要」

まるで戦隊シリーズの名乗り口上のようなこのカード、やはりというかなんというか、収録されたのは例の「ブラックボックスパック」シリーズの一つ、DMEX-08「謎のブラックボックスパック」である。

「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」 P 光/水/闇/火/自然文明 (7)
呪文
S・トリガー
次のうち2つ選ぶ。
►相手のクリーチャーを、パワーの合計が5000以下になるように好きな数選び、破壊する。
►カードを3枚まで引く。
►相手のクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。
►相手のクリーチャーをすべてタップする。
►相手のクリーチャーを1体破壊する。

まず目を引くのはやはりその長すぎる名前だろう。
市場調査部によればプレイヤーは本当に長い名前が好きなのでこのカードを間違いなく歴代最長の名前にしてみた精霊》の名前を2回打ち込んでようやく追い抜ける長さを誇り、
《超法無敵宇宙合金武闘鼓笛魔槍絶頂百仙閻魔神拳銃極太陽友情暴剣R・M・G チーム・エグザイル~カツドンと仲間たち~》ですら追いつけない長さ。
あまりに長すぎるため、実際のカードでは名前が「3行」になっている。

そして効果を見てみると、文章だけならぶっちゃけ物凄く強い。
何しろデュエマの5文明を代表するS・トリガー《地獄スクラッパー》《サイバー・ブレイン》《ナチュラル・トラップ》《ホーリー・スパーク》《デーモン・ハンド》の効果をすべて内蔵しているのだから。
コストだけで考えるなら「7」+「4」+「6」+「6」+「6」=29マナ分のテキストがコスト7に詰まっていることになる
ただし、実際に唱えた場合は上記5つの効果からどれか2つを選んで使うことになる。
5色レインボーなのでマナに置いても文明しか出ず、手札に来てしまうと持てあます代物ではあるが、撃てれば基本的には相手の攻撃を停止させることができる。

とはいえやはり5色レインボーであるためマナを支払って手撃ちするのは非常に面倒であり、かといってトリガー札として期待するならば《テック団の波壊Go!》の方が手撃ちも考慮でき除去性能も上、とその強力な効果に反して環境における採用率は低い。
どんなに書いてある事が強かろうと実際に使われるかどうかは別の話という良い例だろう。


「長すぎる名前に秘められた効果」

ところで、デュエマをやっていない人には「そもそもなんでこんな長い名前にしたん?」と思われるであろう。
もちろんこのカードが収録された「謎のブラックボックスパック」がジョークエキスパンション的な存在というのもあるのだが、実はデュエマをする上で非常に優秀な名前として命名されたという側面も持ち合わせているのだ。

カードゲームには時として「名称カテゴリ」という概念が登場することがある。
要するにデュエル・マスターズでいったら「ボルシャック」や「パラス」、他のカードゲームでいうなら「青眼の白龍」や「HERO」など、「特定のカードや名称を名指しで指定するカード」達が指定する「名前」の事を、デュエマでは「名称カテゴリ」と呼ぶ。

そこに注意しながら改めて名前を見てみよう。

「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」》
  • スクラッパー
  • ブレイン
  • トラップ
  • スパーク
  • ハンド
お分かりだろうか。これ1枚で実に5つもの名称カテゴリを満たしているのだ。
長すぎるコイツの先輩である《超法無敵宇宙合金武闘鼓笛魔槍絶頂百仙閻魔神拳銃極太陽友情暴剣R・M・G チーム・エグザイル~カツドンと仲間たち~》の無意味に羅列したように見える漢字も、実はほぼ全てが名称カテゴリに属している。

デュエル・マスターズではジョークエキスパンション的なパックに収録されたカードでも、特殊な例外を除けば全て公式戦で使用可能。
なので一見すると単なる悪ふざけにしか見えない長い名前でも、実はこうした効果を狙って慎重にデザインされたカードである事が窺える。


「長すぎる名前によって受けられるサポート」

スクラッパー

龍装車 マグマジゴク VR 火文明 (7)
クリーチャー:ドラゴンギルド/ビートジョッキー 6000
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時あるいは自分が名前に《スクラッパー》とある呪文を唱えた時、このクリーチャーは相手のシールドを1つブレイクする。その後、自分のシールドを1つブレイクする。
地獄スクラッパー VR 火文明 (7)
呪文
S・トリガー
相手のクリーチャーを、パワーの合計が5000以下になるように好きな数選び、破壊する。

「スクラッパー」呪文を連鎖して唱えていくことによりワンショットキルを狙う面白デッキ【マグマジゴクワンショット】のキーカード。
《トリガージャー!!》以外の「スクラッパー」呪文は基本的に選択火力であるため、相手の盤面にブロッカーなどが並んでいる場合には、この呪文のタップ能力が活きてくる。

ブレイン

遣宮使 ネオンクス VR 水文明 (8)
クリーチャー:ムートピア/サイバー・コマンド 9000
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、あるいは名前に《ブレイン》とある呪文を唱えた時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。それが呪文なら、コストを支払わずに唱えてもよい。
ネオ・ブレイン VR 水文明 (4)
呪文
S・トリガー
カードを2枚引く。

「ブレイン」呪文を唱えるとデッキトップを墓地に置いて、呪文だったらノーコストで詠唱が出来るクリーチャーで【ネオンクスデリート】というワンショットキルデッキのキーカード。
「ブレイン」呪文は基本的にドロー呪文なので、防御用のS・トリガーとして使用できる《トリガージャー!!》はある意味貴重な存在。

トラップ

超機動罠 デンジャデオン MAS 自然文明 (6)
クリーチャー:グランセクト 6000
W・ブレイカー
自分のターンのはじめに、このカードを自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。
罠金乱舞:クリーチャーが攻撃する時、それがこのターン最初の攻撃なら、自分の手札から《トラップ》と名前にある呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。
地獄極楽トラップ黙示録 MAS 自然文明 (8)
呪文
S・トリガー
相手のクリーチャー1体または相手のシールドを1つ選び、持ち主のマナゾーンに置く。

自分または相手のクリーチャーの攻撃に合わせて手札から「トラップ」呪文を詠唱できる。
上記の通り《トリガージャー!!》は手札に来てしまうとマナにも埋められないため、手札に抱えて相手を待ち構えられる《デンジャデオン》とは非常に相性がいいでんでん。

ナ・チュラルゴ・デンジャー SR 自然文明 (7)
クリーチャー:グランセクト/ジャイアント 12000
マッハファイター
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時あるいは自分が名前に《トラップ》とある呪文を唱えた時、自然のコスト6以下のクリーチャーを1体、自分の手札またはマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー
ナチュラル・トラップ SR 自然文明 (6)
呪文
S・トリガー
相手のクリーチャーを1体、持ち主のマナゾーンに置く。

出たときと「トラップ」呪文を唱えたときにマナゾーンから自然のコスト6以下を踏み倒せるクリーチャー。
場に出たターン限定で、タップアンタップを問わずにクリーチャーを殴れる自然版スピードアタッカーであるマッハファイターも持っている。
上記《デンジャデオン》とは強力なシナジーを形成し、
「《ゴ・デンジャー》を出す」→「出たときにマナから《デンジャデオン》を出す」→「《ゴ・デンジャー》がマッハファイターで相手クリーチャーを殴る」→「各ターン最初の攻撃なので《デンジャデオン》の能力で手札から『トラップ』呪文を撃つ」→「『トラップ』呪文を撃ったので《ゴ・デンジャー》の能力でマナからさらにクリーチャーを出せる」
というデザイナーズコンボを決めることができる。

スパーク

この名称カテゴリは遥か昔の覚醒編から登場しているため、他の名称カテゴリと比べてサポートの種類が多い。

啓示の精霊サンスクリッド VR 光文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 6500
H・ソウル
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中から、名前に《スパーク》とある呪文を1枚選び、相手に見せてから裏向きにして、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。
W・ブレイカー

史上初めて「スパーク」の名称カテゴリをサポートする存在として生まれたクリーチャー。
山札から「スパーク」呪文を直接シールドにセットすることができる。
当時は《GENJI・XX》によってブロッカーの存在が紙同然になっていたため、ブロッカーに頼らずに確実に1ターンの延命が見込める「スパーク」呪文を仕込めるカードとして一定の需要があった。
トリガーとして使用するのが一番強い《トリガージャー!!》を仕込めるため相性は抜群である。

閃光の精霊龍 ヴァルハラ・マスター VR 光文明 (5)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 5500+
このクリーチャーが攻撃する時、名前に《スパーク》とある呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。
バトルゾーンに相手のアンタップされているクリーチャーがなければ、このクリーチャーのパワーは+5500され、「W・ブレイカー」を得る。

攻撃時に手札から「スパーク」呪文を踏み倒し、相手のクリーチャーが全てタップされていたらパワーアップする。
時期が時期ならスマッシュ・バーストを持つツインパクトカードとして登場していたかもしれない。

因みにこいつの必殺技である「スパーク」呪文は、デュエマ界でもある意味有名な《マスター・スパーク》である。

龍聖霊ウィズダムフェウス P 光文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/アポロニア・ドラゴン 7500
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から5枚を見る。その中から呪文を1枚、相手に見せてから手札に加えてもよい。その後、残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、名前に《スパーク》とある呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。

登場時に呪文をサーチし手札から《スパーク》呪文を唱えることができる、《龍聖霊ウルフェウス》のリメイククリーチャー。
クリーチャーの能力は同時に誘発する場合好きな順番で解決することが出来るので、「スパーク」呪文をサーチしてそのまま唱えることも出来るし、「スパーク」呪文を唱えてから呪文サーチを行うこともできる。

龍装の調べ 初不 SR 光文明 (6)
クリーチャー:ドラゴンギルド/メタリカ 7500
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時あるいは自分が名前に《スパーク》とある呪文を唱えた時、相手のクリーチャーは次の相手のターンのはじめにアンタップしない。
ホーリー・スパーク SR 光文明 (6)
呪文
S・トリガー
相手のクリーチャーをすべてタップする。

上記《ウィズダムフェウス》の骨を纏ったとされるドラゴンギルドで、出たときか「スパーク」呪文を唱えたときに、タップしている相手をフリーズ状態にする。
注意しなければならないのは《初不》の能力は「既にタップしているクリーチャー」をフリーズ状態にするものなので、《トリガージャー!!》のような「相手をタップさせられない可能性がある『スパーク』呪文」を唱えた場合、アンタップしているクリーチャーはフリーズの影響を受けない。

ハンド

マッド・デーモン閣下 VR 闇文明 (5)
クリーチャー:マフィ・ギャング/デーモン・コマンド 5000
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、あるいは自分が名前に《ハンド》とある呪文を唱えた時、クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻してもよい。
デーモン・ハンド VR 闇文明 (6)
呪文
S・トリガー
相手のクリーチャーを1体破壊する。

「ハンド」呪文を唱えると墓地のクリーチャーを回収できるクリーチャー。
相手の動きを止めつつ墓地回収ができる。
基本的に「ハンド」呪文は敵1体を狙い撃つカードであるため、相手が物量で押してきた場合は止めきれない場合もあるが、《トリガージャー!!》なら全タップで確実に敵を足止めできるので相性は悪くない。
実は「ハンド」サポート自体は殆ど存在しないのでちょっと組み合わせにくい。


「長すぎる項目の終わりにちょっとした余談」

衣装をよく見るとトラップグリーンだけ女性である事がわかる。

実は『パワーレンジャーシリーズ』とのコラボカードである(良く見るとちゃんとコピーライトに表記してある)。
2018年にハズブロがパワーレンジャーシリーズのブランドを丸ごと買収。
ハズブロはデュエル・マスターズを作っているウィザーズの親会社でもあるため、このようなコラボが可能になったというわけである。
なお、「〜戦隊」や「〜ジャー」という名前は元ネタであるパワーレンジャーの更に元ネタである『スーパー戦隊シリーズ』を擁する東映が権利を持っている。*2



「項目あるところに我らあり!追記修正戦隊、ヘンシュウジャー!!」

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最終更新:2023年11月30日 10:29

*1 画像出典:Twitter イラストレーターマルヤマルイ氏 @mochisuna 2020年1月28日掲載 https://twitter.com/mochisuna/status/1222160414294675456?s=20&t=8W8Dqu53I8ay0CcYOCMrfg

*2 ただしあくまでもコピー商品対策な事もあって東映側は基本「黙認」というスタンスを貫いており、パロディには結構寛容。