名古屋駅

登録日:2020/08/30 Sun 21:14:08
更新日:2023/07/04 Tue 02:00:11
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名古屋駅は、愛知県名古屋市中村区にある鉄道の駅。
JR東海の在来線と東海道新幹線、名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)、名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)が当駅を使用する。
また、名古屋鉄道(名鉄)の名鉄名古屋駅や近畿日本鉄道(近鉄)の近鉄名古屋駅も近接しており、同一の乗り換え駅として案内されることも多く、本項ではこれらもすべて紹介する。

地元では名駅(めいえき)の略称で親しまれている。

概要

愛知県および名古屋市の代表駅であり、東海地方最大のターミナル駅でもある。
日本の鉄道の大動脈である東海道新幹線の停車駅の一つでもあり、開業当初から東京駅京都駅新大阪駅と並ぶ最重要駅と位置付けられている。
また、現在でも北陸方面や長野方面、紀伊半島方面へアクセスする在来線の特急列車がたくさん運行されている。

利用者数は東海地方の駅としては最も多く、JR東海の駅としても最大である。ただし、JR東海の利用者数は在来線と東海道新幹線を合計した数値であるため、東海道新幹線単独駅として見るなら東京駅、新大阪駅に次いで3番目になる。

JR駅は首都圏のターミナル駅と比較すると東京駅や品川駅大宮駅より利用者数が少ない。
しかし、地下鉄や私鉄(名古屋駅ならあおなみ線、名鉄、近鉄を含む)を含めた総合駅としての利用者数は、実は東京メトロを含めた東京駅よりも多いのである。
また、新幹線の利用者数は品川駅や新横浜駅、大宮駅よりも多い。

将来的にはリニア中央新幹線の停車駅になる予定である。

街としての名駅

名駅は名古屋駅の略称としてだけでなく、名古屋駅を中心とした地域の地名*1としても使われており、栄地区と並ぶ名古屋市の主要ビジネス街、繁華街と名高い。
名駅地区のほとんどが名古屋駅と同じ中村区内だが、一部は西区である。

JR名古屋駅に併設されている駅ビル、JRセントラルタワーズは世界最大級の駅ビルであり、駅ビルとしては異例の高さ200mを超える超高層ビルである。
地下4階から地上18階までの低層部と、2つのタワーから構成されている。
低層部には高級百貨店の髙島屋をメインテナントとしたショッピングセンター、タカシマヤ ゲートタワーモールが入居している。東海地方の百貨店、ショッピングモールとしては最大級である。
全国の百貨店の店舗別の売上高ランキングでは、伊勢丹新宿本店、阪急うめだ本店、西武池袋本店に次いで4位につけている。
タワーはオフィス棟とホテル棟がある。オフィス棟にはJR東海の本社の他、数多くの大企業の名古屋支社が入居している。ホテル棟は高級ホテルのマリオットアソシアホテルが使用している。
ちなみに高さはオフィス棟(高さ245m、地上51階建て)のほうが高いのだが、フロア数はホテル棟(高さ226m、地上53階建て)のほうが多い。

また、JRセントラルタワーズとは別に、JRゲートタワー(地上46階建て、高さ約220m)もある。低層部(地上15階から地下6階まで)はJRセントラルタワーズと直接行き来することが可能。
こちらはJR東海系列のゲートタワーホテルの他、大手銀行や証券会社の支店が入居している。

名鉄名古屋駅には名鉄百貨店本店が、近鉄名古屋駅には近鉄百貨店名古屋店(近鉄パッセ)が併設されている。
名鉄本店には名鉄本社など名鉄グループの拠点も入っている。

JR名古屋駅の東側(桜通口、広小路口)が昔ながらの名古屋の玄関口である。名古屋市の中心部もこちら側にある。
一方、西口(太閤通口)は比較的地味なイメージが強いが、河合塾などの予備校や学習塾の他、アニメや同人誌関連のお店も多く、学生街・オタク街としての側面を持つ。ちなみにアニメイト名古屋店は太閤通口から徒歩5分かかる。

駅構造

名鉄や近鉄を含めると5社が絡む複雑かつ巨大なターミナル駅であり、実は東京の新宿駅や大阪梅田と並ぶダンジョンであると名高い。

JRは在来線、新幹線ともに高架ホームになっている。
※ホームの呼称は実際の案内に準じ近鉄以外の各社は「○番線」、近鉄は「○番のりば」と表記する。

在来線(JR東海)

島式ホーム6面12線を有する。
1番線は中央新幹線の工事に伴い、2019年(令和元年)10月より休止となっている。
9番線は貨物列車や回送列車が通過するための線路でホームが無い。

  • 東海道線上り(金山、大府、岡崎、豊橋方面)
特別快速、新快速、快速は主に2番線を使用する。
普通列車や、大府駅から武豊線(武豊方面)に直通する列車は主に3・4番線を使用する。
ただし一番列車は5番線から発車する。

  • 東海道線下り(尾張一宮、岐阜、大垣、米原方面)
主に5・6番線を使用する。

  • 中央本線下り(金山、多治見、中津川方面)
主に7・8番線を使用し、一部は11番線から発車する。
金山駅までは東海道線と並走するが、線路は別々になっている。東海道線と違って尾頭橋駅はホーム自体がないため、全列車が通過する。
ホームライナーと特急「しなの」(塩尻、松本、篠ノ井、長野方面)は10番線から発車する。

  • 東海道線特急列車
特急「しらさぎ」(米原、敦賀、福井、金沢方面)は号数が1桁の列車は4番線から、号数が2桁の列車は11番線から発車する。
特急「ひだ」(美濃太田、下呂、高山方面)とホームライナー大垣は11番線から発車する。

  • 関西本線下り(桑名、四日市、亀山、伊勢市、鳥羽方面)
主に12・13番線を使用する(一部列車のみ11番線)。
特急「南紀」は12番線、快速「みえ」は12番線、13番線を使用する。

新幹線

島式ホーム2面4線の高架駅。
1964年(昭和39年)10月の開業当初から、基本的には東京駅京都駅新大阪駅と並ぶ全列車停車駅と位置付けられている。

…ただし一時期だけ、下りののぞみ301号は京都駅とともに当駅を通過していたことがある。そう、名古屋飛ばしである。
この頃はJR東海本社の最寄り駅であり、利用者数が非常に多い名古屋駅を通過したことに批判が殺到した。
のぞみ301号が名古屋・京都を通過せざるを得なかったのは保線作業の関係で始発から何本かの列車は徐行運転を強いられており、名古屋・京都停車と東京-新大阪2時間半運転を両立できなかったため。
作業技術の改良と運行ダイヤの見直しで名古屋通過ののぞみ301号は5年で姿を消した。

大部分の列車は当駅を跨いで運行されるが、当駅を始発駅または終点とする列車も一部存在する。

14・15番線から発車する。

  • 東海道新幹線下り(京都、新大阪方面)
16・17番線から発車する。
一部の列車(といってもほとんどのぞみ号)は新大阪駅から山陽新幹線岡山広島博多方面)に直通する。

名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線

島式ホーム1面2線の高架駅。
始発駅のため全列車が金城ふ頭方面へ向かう。
線路は行き止まりになっておらず、貨物列車の通過のためそのまま稲沢駅方向に向かって伸びている。

名古屋市営地下鉄

東山線桜通線が乗り入れる。
東山線と桜通線との乗り換えを考慮して連絡通路もあるのだが、両者は結構離れている。

  • 東山線
JR名古屋駅の東側の地下街の真下にホームがある。
1番線が伏見、栄、藤が丘方面。
2番線が亀島、中村公園、高畑方面。

島式ホーム1面2線のホームだが、東山線の6両編成に対してホーム全体の有効長は12両分と長い。
北側6両分を高畑方面、南側6両分を藤が丘方面と使い分けており、列車の止まらない部分は柵が設置されている。

  • 桜通線
JR名古屋駅の中央コンコースの真下にある。島式ホーム1面2線。
3番線が国際センター、今池、新瑞橋、徳重方面。
4番線は太閤通行き。

ホーム有効長は8両分あるが桜通線は5両編成のため、列車の止まらない部分は柵が設置されている。
隣駅の国際センターとは地下街で直結している。

名鉄名古屋駅

JR名古屋駅の東側に近接している。
名鉄百貨店本店の地下1階に改札口およびコンコースがあり、ホームは地下2階に降りていくことになる。
昔は新名古屋駅という駅名標だったが、中部国際空港(セントレア)開業後に現駅名に改称された。
案内放送や電光掲示板だと他社と同様単に名古屋と案内されることも多い。

名古屋本線が乗り入れ、相対式の単式ホーム2面(上下各1線)と、間に島式ホーム1面2線を有する。
単式ホームは自由席の一般車の乗り場、島式ホームは指定席の特別車(JRで言えばグリーン車に相当)の乗り場となっている。
また、ここで降りる人は島式ホーム側のドアから降りるように指示される。

名鉄最大のターミナル駅であるにもかかわらず、乗り場が上下各1本ずつしかないため、JRとは別の意味でカオスな駅と言われることも多い。
自分が乗る電車の行き先は必ず確認しておこう。ただし、名鉄のほうも行き先によって列車の停車位置を変えるなど、それなりに工夫はしてくれている。
しかし、使い慣れていない人にとっては初見殺しであることに変わりはない。
正直、金山駅(2面4線)のほうが使いやすい。

  • 1番線
単式ホーム。下り列車の一般車は全てここから乗ることになる。
主な発着系統は本線(国府宮、名鉄一宮、名鉄岐阜方面)、津島線・尾西線(須ヶ口、津島、弥冨方面)、犬山線(岩倉、犬山、新鵜沼方面)の3種類がある。

  • 2番線
下りの特急、快速特急の特別車の乗り場。
また、下り列車で当駅で降りる人はここで降りることとなる。

  • 3番線
上りの特急、快速特急の特別車の乗り場。
中部国際空港へのアクセス特急である「ミュースカイ」は全車特別車であるため、必然的にここから乗ることになる。
また、上り列車で当駅で降りる人はここで降りることとなる。

  • 4番線
単式ホーム。上り列車の一般車は全てここから乗ることになる。
主な発着系統は本線(金山、神宮前、知立、東岡崎、豊橋方面)、常滑線・空港線(太田川、常滑、中部国際空港方面)、河和線(河和方面)、知多新線(富貴、内海方面)の4種類がある。

近鉄名古屋駅

近鉄名古屋駅は近鉄パッセビルの地下にある。
JR名古屋駅の東側や名鉄名古屋駅との間に連絡通路がある。

近鉄名古屋線(桑名、近鉄四日市、津、伊勢中川方面)は当駅発の列車が下り、逆に名古屋行きの列車が上りとなっている。これは大阪線山田線との直通運転を考慮しているため。

いずれも頭端式ホームになっており、1番のりばが普通列車用、2番のりばが準急用、3番のりばが急行(一部準急)となる。

特急は名阪特急(名張、大和八木、大阪上本町、大阪難波方面)と名伊特急(松阪、伊勢市、宇治山田、鳥羽、賢島方面)の2系統が4・5番のりばから発着する。

かつて近鉄名古屋線が狭軌の時代、名鉄名古屋本線と線路が繋がっていた。1950年から約2年間、団体列車のみではあるが相互直通運転も実際に行われていた。
その後、名鉄ビル(現在の名鉄百貨店)建設に伴い連絡線は廃止された。


追記、修正よろしくお願いいたします。

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最終更新:2023年07月04日 02:00

*1 「名駅」と「名駅南」が住所の名称として実際に使用されている。