名古屋鉄道

登録日:2020/09/09 Wed 16:44:56
更新日:2023/11/15 Wed 07:37:26
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まもなく、1番線に電車が参ります。黄色い線までお下がりください。通過電車です。ご注意ください。

\ミードーラー ミードーラー ミードーミーラーーー/

名古屋鉄道とは、愛知県名古屋市に本社を置く大手私鉄である。通称「名鉄(めいてつ)」


概要

愛知県全域及び岐阜県南部に444kmもの路線網という、日本の私鉄(JRを除く)では第3位の路線網を抱える。
パノラマカーを筆頭に真っ赤に塗られた「赤い電車」で知られる。
テレビCMの所為か東海地方で赤い電車と言えば「名鉄」>「京急」という人が多いほどだ。
その影響力たるや、旧「名古屋五摂家」の一つに数えられ、東海、北陸を中心に200社ものグループ企業を持つ。
さらにあの全日空(ANA)の筆頭株主として航空業界にも大きな影響力を持つ。


他方、車両を赤く塗る鉄道会社はそうなる運命にあるのか、はたまた日本有数の車社会で戦った結果か
本業の鉄道運輸業は数々の鉄道マニアをしてかなりクセがあると言わしめる。

ダイヤにはフリーダムな種別変更、終点変更、特別停車、増解結をこれでもかと放り込んでくる結果、存在自体が初見殺しの列車が爆誕する。
そのうえ、ホームを超える長さの列車を当たり前かのように運行するため、一部号車のドアを開けないでおく「締切」が平然と行われている。
乗る列車や号車を間違えようものなら、「寝過ごしたら見知らぬ駅で下ろされた」、「目的の駅に着いたのに降りられない」…といった状況が発生しかねない。

ダイヤ以外についても、もはやテレビに取り上げられるほど有名になってしまったカオス駅「名鉄名古屋駅」、普通列車に乗ることのできない終点駅「豊橋駅」、5000系に代表される「機器流用」、中間車の普通のドアから開閉を行う「中間ドア扱い」など枚挙に暇がない。
誰が呼んだか「迷鉄」。個々の要素こそ他社にもある迷要素だが、名鉄はこれらの要素が複合的に絡み合った結果、独特な雰囲気を作り出している。

ただし、これらの迷要素は初見殺しの側面が大きいものであり、地元の沿線住民の多くは地域の足として使っていることは補足しておきたい。今日も地元に愛されて走る赤い電車なのだ。


路線

十数社の企業が合併して誕生したという経緯から、都市間輸送や通勤輸送を担う大動脈から地域を支える郊外の単線路線まで様々な路線を抱えている。
既に廃線となって久しいが、かつては路面電車やモノレールまで存在していた他、廃線の中には乗客が多すぎて廃線になったという路線もある。

名古屋本線

豊橋から、岡崎、新安城、知立、名古屋、一宮を経由して岐阜までを結ぶ路線。
愛知の都市を結び、「名鉄名古屋駅」へ乗り入れるために支線からの列車もこの路線へ直通する、いわば大動脈の役割をしている。
他方、様々な支線から列車が直通するため、行先や種別がカオスなことになっていたり、三大ターミナルの豊橋駅・名鉄名古屋駅・名鉄岐阜駅はすべて凄まじいボトルネックを抱えていたり、
…ということで些細なことでダイヤが乱れる。
長年、この路線はJR東海道線との競合を繰り広げている。詳細は「名鉄名古屋本線」を参照。

ちなみに「名鉄名古屋本線」であって「名鉄本線」ではないのだがお得意先の中〇電力も間違えている

豊川線

名古屋本線の国府から分岐して豊川稲荷へ向かう路線。完全に専用線路をもっているのだが、実は現在の名鉄で軌道法*1が適用される唯一の路線である。
平日には名古屋方面に直通する快速特急や特急も存在する。ただし、始発駅含め全駅特別停車扱いなのは内緒だ

西尾線・蒲郡線

西尾線は、新安城から西尾を経由して吉良吉田へ向かう。蒲郡線はその吉良吉田と蒲郡を結ぶ。
新安城~西尾間は新駅建設や複線化工事が進む一方、西尾~蒲郡間は乗客の減少から年間7億円もの赤字を垂れ流している状態であり、廃線の危機である。
この件に関して名鉄と自治体との間で話し合いが行われ、取り敢えず2020年までは存続が決定。
その後はどうなるか保証出来ないと名鉄は公式発表したものの、後に2025年までは自治体の支援が続けられ、存続する事が決定した。
かつての西尾駅で行われていた入換作業、2回はデフォの種別変更などなど名鉄線のなかでもかなり変態特殊な運用を見ることができる路線である。
あと蒲郡駅の名古屋までJRで行くように勧める貼り紙は名物。
蒲郡線の詳細は「名鉄蒲郡線」を参照。

猿投、豊田、知立、刈谷、碧南を結ぶ路線。西三河だけじゃんと突っ込んではいけない
猿投~知立間は山線、知立~碧南間は海線と呼ばれ、知立を境にダイヤも分かれている。実質別の路線のような感じ*2
かつては西中金から猿投、知立、碧南を通って一色、吉良吉田まで路線を伸ばしていたが、2004年に西中金~猿投区間、碧南~吉良吉田区間は廃線になってしまった。これらの廃止区間の列車は廃止時にはディーゼル気動車により運行されていた。
三河線の乗客自体は増えているのだが、海線利用者の大半が名古屋本線との乗換駅である知立駅ではなく刈谷駅でJR東海道線に乗り換えてしまう*3ため、名鉄の心境は複雑なところである。

なお西中金駅は廃線後も駅舎がそのまま残っており、現在は資料館を兼ねた喫茶店になっている。

豊田線

赤池~梅坪間を結ぶ路線。
路線としては短いが、列車は赤池から先は名古屋市営地下鉄鶴舞線に直通して上小田井(または犬山線岩倉・柏森・犬山駅)まで走り、反対側ももう一駅走り豊田市まで向かう。
地味にかなり新しい路線であるため、線内には踏切が一個もない。

常滑線・空港線

常滑線は名古屋本線の神宮前から分岐し太田川や常滑を結ぶ路線。空港線はさらにそこから延ばして中部国際空港へ向かう短い路線である。
常滑止まりの列車もあるが、特急は基本的に両線通しで運行される。セントレアへのアクセス路線としての役割を担い、後述する河和線、知多新線の列車も走る重要な路線である。
詳細は「名鉄常滑線・空港線」を参照。

河和線

太田川、阿久比、半田、河和と知多半島東部の主要な町を結ぶ路線。武豊線との競合区間があるが、
武豊線側が単線でかつては非電化という有様だったので全く相手になっていない。富貴で知多新線と別れる。
西知多総合病院アクセスのため2023年度末に高横須賀~南加木屋間に加木屋中ノ池駅が開業予定。

知多新線

富貴と内海を結ぶ路線。宅地化も見込んで観光開発を目的に建設されたがぶっちゃけどっちも上手くいってない
高架橋から見える幻の小野浦駅は必見。

築港線

大江~東名古屋港間のたった2駅、総延長1.5km、朝夕ラッシュのみの運転、スタフ閉塞(=信号が線路上にない)とかなり異色の路線。
この路線の最も重要な役割は車両の搬入であり、また工場への通勤客がこの路線の利用者のほとんどであるため、昼間は一切旅客列車が運行されないのだ。
なお、路線の途中にはダイヤモンドクロスが存在する。
詳細は「名鉄築港線」を参照。

尾西線

弥富から一宮を経由して玉ノ井までを結ぶ路線。
かつては玉ノ井駅から木曽川港駅までの区間も運行されていたのだが、利用者の減少に伴い1959年11月に廃線になっている。
廃線後に上記区間の代替えバスが運行されていたのだが、後に廃止されている。
カオス運用の魔境その2

津島線

須ヶ口駅と津島駅を結ぶ路線。
名古屋駅から出る佐屋行や弥富行はこの津島線を経由して向かう。

勝幡駅近辺は織田信長の生誕地として有名で、駅から徒歩15分の場所に勝幡城の跡地である事を示す石碑が建てられている。
ただし周辺に車を停められる場所が全く無いので、行くなら必ず電車を使うようにしよう。

竹鼻線・羽島線

笠松から江吉良を結ぶのが竹鼻線であり、江吉良と新羽島を結ぶ羽島線。基本的に両線は直通運行されており、羽島線は実質竹鼻線の一部と化している。
かつて竹鼻線は大須まで続いており、羽島線はその竹鼻線から枝分かれする支線だったのだが、大須~江吉良間が廃線になり現在に至っている。

犬山線

東枇杷島(厳密には枇杷島分岐点)から分岐して犬山、新鵜沼までを結ぶ路線。
名古屋方面への通勤通学輸送や、犬山城やモンキーパークをはじめとする観光地犬山への観光輸送を受け持つ重要幹線である。
詳細は「名鉄犬山線」を参照。

各務原線

名鉄岐阜と新鵜沼を結ぶ路線。最近ワンマン化されたが岐阜での接続が酷いと評判である。「各務原」は路線名・駅名共に「かかみがはら」と読む。

広見線

犬山から新可児、御嵩を結ぶ路線。こちらも新可児まで犬山線の一部列車が直通する。
同じ広見線ではあるのだが新可児から御嵩までの区間は別路線扱いとなっており、御嵩方面に行きたければ一旦新可児で降りてから御嵩方面に向かう為の専用改札口を通り、御嵩方面のホームに行かないといけないので少し面倒。
一時期は名古屋方面から御嵩までの直通電車も運行されていた。
かつては明智~八百津間に八百津線(または八百津支線)が存在したが、利用者の減少に伴い2001年10月1日をもって廃線になっている。

新可児から御嵩までの区間はワンマン運転となっているのだが、こちらも利用者の減少に歯止めが掛からず年間2億円もの赤字を垂れ流している状態であり、存続の危機に晒されている。
名鉄も新可児から御嵩までの区間を含む定期代を半額にするなどのキャンペーンを期間限定で行ったものの、大した効果が得られてない。
これにより名鉄は新可児から御嵩までの区間の廃線を自治体に申し出たのだが、これに地元住民たちが激怒した事でお流れに。
後に自治体が赤字を補填すると申し出た事で存続が決まったのだが、それでもなお利用客の増加が全く見込めず、コロナの影響もあって路線の運営に支障をきたす事態に陥ってしまう。
この事態に名鉄は「このままでは新可児から御嵩までの区間を廃線にしなければならなくなる」として、2022年に補填額の増額を自治体に懇願。
しかし自治体がこれに反発し、現状の補填額だけで運営しなければならなくなってしまった事から、名鉄は今後の広見線の扱いについて再検討すると発表。
最早いつ廃線になってもおかしくない状況だという事が、2022年5月2日発売の中日新聞で明かされている。

なお御嵩駅は2022年現在、名鉄の駅の中で最も標高が高い位置に存在している駅として有名。

小牧線

上飯田から小牧を経由して犬山へ向かう。
一応、名古屋市営地下鉄上飯田線と直通しているのだが、その上飯田線はたったの1駅、わずか800mしかなく、もはや名鉄小牧線の一部である。
運転、車掌乗務もかつては上飯田で乗務員交代して、800mだけ交通局の運転士・車掌が担当するという大変無駄の多いことをしていたが、
2007年以降は平安通まで名鉄の乗務員が担当するようになったようだ。

瀬戸線

栄町から瀬戸街道に沿って瀬戸市までを結ぶ路線。
この路線は瀬戸電気鉄道という別の会社が運営していた鉄道を吸収したものであり、一部の人には今でも瀬戸電と呼ばれている。
その経緯からか、名鉄の他のどの路線とも接続されていない孤立路線だが、実は名古屋本線や犬山線に次ぐドル箱路線だったりする。
現在の栄町への乗り入れを開始したのが1978年で、以降は本線と同等の車両が入るようになり、トレーラーによる転属も実施されている。
急行や準急と言った優等列車も運転されるが待避線を設置した駅がない*4しカーブの制限も地方ローカル線並みにきつい。

なお、栄町乗り入れ前は名古屋城の外濠を走り大津町に至る「お濠電車」と呼ばれており、半径60mの急曲線とか単複線*5とか珍要素だらけだった。近年でも喜多山駅には1.5両分のホームというとんでもないものが残ってたりした。車両についても路面電車上がりの小型車やガソリンカー崩れなど変態車両だらけだった。



車両


名鉄車両の特徴

名鉄の車両にはいくつかの特徴がある。

  • 赤い電車
名鉄といえば概要でも触れた「赤い電車」。
2020年現在ミュースカイなど一部の列車を除き多くの列車には「名鉄スカーレット」という少し暗めの赤が使われている。
背景にはパノラマカーの塗装が好評だったことや、石油危機による塗装の簡素化という狙いから普通列車をスカーレット一色塗りした経緯があるそう。
ただ、最近はステンレス車両の増加と塗装経費の削減を理由に、車体全てを真っ赤に塗られている列車は減りつつある。
それでも、ステンレス車両のラッピングも名鉄スカーレットを基調にしたデザインであり、今後も会社のイメージカラーとして使われていくことだろう。

  • ミュージックホーン
主に特急列車用に搭載される。
名鉄7000形の列車から続く独特な音楽のミュージックホーンを備えている。「どけよどけよどけどけ」などの妙な歌詞も定番。
中京競馬場で毎年開催される「名鉄杯」ではこのミュージックホーンのアレンジ版を聞くことができ、名鉄を代表するものの一つである。

  • M式自動解結装置
6000系以降、ほとんどの新形式に導入された自動解結装置付き連結器。
最大の特徴は、自動連結器の下に電気連結器を備えた日本唯一の外見。
このシステムはのちにJR東日本の新幹線車両にも採用された。

  • 特別車
特急系統及び急行の一部列車はなんとたった360円で座席を指定しリクライニングシートを利用出来る。
更に列車によっては展望席に座ることができる。
この展望車は名車パノラマカーをご先祖様とし、「パノラマDX」「パノラマsuper」といったさまざまな展望席付き特急が登場。
だが、現在主流の2000系や2200系には展望席はなく、定期的に運用されるのは「パノラマsuper」のみで、名古屋本線豊橋寄りにしか連結されていないため狙って乗らないと少々厳しい面もある。
もし展望席を楽しみたいのであれば、「ミュースカイ」や2200系などの快速特急・特急には展望席がないこと、予約する際は当然1本につき4席しか最前列の展望席がないこと、下り列車は編成の都合上後面展望になってしまうこと、インターネットでの予約でないと席を指定できないことに注意されたし。
まあ平日の昼間なら予約なしで座れる時もあるんだけど


現役の車両紹介

かなり多岐にわたるので、ここでは車両を区分ごとに分けて紹介したい。
実際の運用ではシリーズ名と両数を併記して表現する。連結は+を使い当該編成をそれぞれシリーズ名と数字で表現する。
例えば2200系はCシリーズの6両なので「C6」、3100系2両編成はTシリーズの2両編成なので「T2」。
連結8両編成ならば、「C6+T2」、あるいはTを省略してしまって「C6+2」といった具合である。
ただし、B6・C6はそれぞれB2・C2(特別車が2両であることに由来)と呼ばれることもある。

Bシリーズ

名鉄パノラマカーの血を受け継いだパノラマスーパー系列の特急用車両。
空港線乗入以外の特急・快速特急運用が主な仕事。
2020年現在は1200系6両編成(B6)とその増結用に用意された1800系(B2)が所属。

Cシリーズ

現在の名鉄特急の主力。ラッシュ時にはTシリーズを連結して乗客増にも対応できる。
2020年現在ミュースカイ専用種別の2000系(B4)、特急・快速特急運用に使われる2200系と1700系→2200系30番台(C6)が所属。

6Rシリーズ

車番6000番台の通勤車両。
全体的には製造年代が古く、ワンマン対応化されて閑散路線で走っているものも多い一方、まだまだ本線で現役の車両もいるが最近廃車ペースが早まってきた。ちなみにRとは「ロマンスカー(2人用座席を搭載した車両)」の意味。もともとは現在全廃されたSR(スーパーロマンスカー)に使われていたが、それが現在は普通列車を表すものとして変わった。
三河線用や本線用でも比較的後期に製造された車両は方向幕のLED化や内装を新車同然にリニューアルするという魔改造を受けている。
小田急のアレと比べてはいけない。

T(3R)シリーズ

平成・令和に製造された車番3000番台の通勤車両。ただし、前述の呼び方に倣って3Rとして呼ばれることも多い。
T4単体やT4+T2で普通や急行として走ったり、前述の通りT2はC6と連結し、特急・快速特急の付属編成として運用されることもある。
3500系系列、3300系列が所属し、共通運用を組まれている9500系列もここに含まれることが多い。

5000(5R)シリーズ

5000系の専用区分。一見するとTシリーズの同系列車のようだが、T(3R)とは明確に運用を分けられている。
それもそのはず、この系列はかつての1000系の改造車であり、2008年製造にも関わらず界磁チョッパ制御という有様なのだ。
現在はかつてのPシリーズの運用や築港線運用を主に担当している。

地下鉄直通車両

100系・200系・300系の3種類が存在し、本線系の一般車よりも加速度がやや高めに設定されており、大型の20m4ドア車となっている。
100系・200系は豊田線・犬山線用で鶴舞線へ、300系は小牧線用で上飯田線へ乗り入れる。

その他

この他、瀬戸線専用のオールステンレス車両として4000系が存在しており、現在の瀬戸線はほぼこの4000系で統一されている。
非旅客用車両としては、バラスト・レール輸送や甲種輸送用の旧型デキの置き換え用として導入された電気機関車EL120形や事業用車を保有する。

かつて本線系統には旧急行型のシリーズ(5700系など)、パノラマカーが所属するPシリーズ(7000系)も走っていた。
また、デキ(貨物用)、キハ(特急北アルプスやレールバス)、600V線区用路面電車、モノレール…と多種多様な車両を保有していた。
極めつけとしては、東急電鉄から譲渡された車両が走っていたこともある。



名古屋鉄道のダイヤ

名鉄のダイヤは基本的に特急系統(特急、快速特急 ミュースカイ)が最速達種別の路線では特急主体、急行が最速達種別の場合は急行主体のダイヤが組まれている。
具体的には、待避*6を双方の停車駅で行う(俗に言う「連絡」)ことが多く、これによって普通列車のみ停車する駅であっても特急の恩恵を受けることができるのだ。

ただし、この回数が多すぎる故か、普通列車で乗り通そうとすると特急の倍以上の時間がかかってしまう。
例え普通停車駅→普通停車駅の移動であっても、場合によっては普通→特急・急行→普通と乗り換えたほうが早い場合もある*7
すなわち、名鉄を使いこなせるかどうか=名鉄特急を使いこなせるかどうかといっても過言ではない。
名鉄特急の具体的な運用については名鉄特急に詳しく書かれているので参考にしてほしい。


また、前述の通り、名鉄は他の鉄道会社と比較して特別停車、種別変更、締切などの特殊事例が頻繁に発生する。

名古屋鉄道のダイヤで起きる特殊事例

  • 特別停車
特急、急行等が本来は止まらない駅に停車すること。
他の鉄道会社でも時々見られるが、名鉄は群を抜いて多いうえ、ラッシュ時はパターン化されていない。
1日1本だけ特別停車というのもざらにある。地元の人でも知らない人がいそうなものである。
さらには逆パターンの特別通過というものもある。
かつては特別停車も特別通過も今より群を抜いて多く、普通列車が特別通過する駅すらあった。
詳しくは特別停車を参照。

  • 種別変更
名前の通り種別が途中駅で変わること、例えば昼の時間帯に名鉄岐阜駅から各務原線の「普通」に乗ろうとすると新那加駅で「急行」に変わることがある。
名鉄の種別変更はとにかく数が多く、その上これに関しても朝はパターン化されていないので大変分かりにくい。特に先ほど紹介した各務原線のように普通→急行のような種別変更を知らずに乗ると「降りたい駅で降りられない」可能性が高くなるので気を付けよう。
ちなみに特急ではこのような種別変更は起きないので安心して乗ることができる。ただし特別停車はたくさんある。

  • 締切
他では、ドアカットと呼ばれているもの。様々な理由で行われるが、名鉄ではホームの長さが車両の長さより短く、はみ出た車両のドアを締切するというものが多い*8。このような事例は関東では、横須賀線田浦駅、東急大井町線九品仏駅、江ノ島電鉄線腰越駅、あるいはかつての京急本線梅屋敷駅で見られるが、これらはどれも路線の中で1駅だけ行われるものである。名鉄の場合は長さが6両分しかないホームの駅がまだまだ多い路線だが平然と8両の列車を止めるため、これが頻発する。
しかもこの8両が曲者で、「2両編成+2両編成+4両編成」という組成になっていることが多い。
この場合名鉄の車両は基本この連結間を移動できない*9ため、
乗る号車を間違えると締切と連結のコンボで目的の駅に着いたのに降りられなくなる。
特別停車と種別変更を掻い潜ったのにあんまりだ。
設備の都合上仕方ないとはいえ、かつてやっていた4両締切締切のためだけに普通列車に車掌を2人、さらには現在でも4駅連続締切とかをやってのけるあたり何かこだわりでもあるのだろうか…。

これらの特殊な事例は全て駅の放送や車内放送で教えてくれるのでしっかり聞こう!

そして、何より安全なのはやはり時刻表を確認しておくことだろう。特に初めてで慣れない人は、必ず何時何分発のどの列車に乗るのか確認しておくこと。
勿論乗った後も気を抜かず、車内アナウンスを注意して聞いておこう。
締切等で降りられない号車が発生する場合、何度も警告してくれるので、いきなり予告もなしに締切が行われて降りたい駅で降りられなかった…なんてことは間違いなくないだろう。

その他

  • 名古屋鉄道の社歌(というかイメージソングに近い)は「しなやかな風」。名鉄名古屋駅などの大きな駅で30分に1回流れる。また、創業100周年を記念してラッピングされた「名鉄ブルーライナー」のミュージックホーンにもサビ部分が採用されている。
  • 大手私鉄で唯一女性専用車両を一切導入していない会社である。先ほど紹介したような他社の鉄道会社には見られない複雑極まりないダイヤ構成を理由に、名鉄は「女性専用車両の導入は不可能である」と公式発表している。尾西線などの一部の単線の路線なら不可能では無いと思われるが、名鉄は一切導入する予定は無いようだ。
  • かつて電車でGO!シリーズにおいて初めて私鉄をテーマとした電車でGO!名古屋鉄道編が発売された。


   発車ご案内 Train departure   
①→ ミュースカイ 名古屋 全車特別車  10:07 4両(のりば Track 種別 Type 行先/経由Destination/Via      時刻Dep.Time 両 Cars)
この電車は、神宮前、金山にとまります。特別車(全ての車両)の座席は指定で、特別車両券(ミューチケット)が必要です。                                          
←③ 特 急  岐 阜 一部特別車  10:17 6両
    この電車は、常滑、新舞子、朝倉、尾張横須賀、太田川、神宮前、金山、名古屋、国府宮、一宮、新木曽川、笠松にとまります。特別車(1-2号車)の座席は指定で、特別車両券(ミューチケット)が必要です。
②→ 準 急  新可児       10:22 4両
        この電車は、りんくう常滑、常滑、大野町、新舞子、古見、朝倉、寺本、尾張横須賀、太田川、聚楽園、大同町、大江、神宮前、金山、名古屋の順にとまります。                  


追記・修正はしなやかな風を聞きながらお願いします。

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最終更新:2023年11月15日 07:37

*1 路面電車等に適用される法律。

*2 知立駅を跨いで直通するとスイッチバックが必要になるため、運用的にも別々にした方がやりやすい部分もあるか。

*3 名古屋本線同様に金山、名古屋、岐阜などに行ける。しかも、乗降駅によっては名鉄だけを利用するより乗り換えた方が運賃が若干安くなる場合がある。

*4 現在喜多山駅が高架化されており、完成後は線内初の待避駅になる予定。

*5 複線の途中が割り込んで重なるが、分岐にはなってない線路のこと。ガントレットとも言う。普通の分岐がKKみたいな形とすると|(|(みたいな形。

*6 特急・急行などの優等列車が普通を追い抜くこと。

*7 ただし、瀬戸線の場合急行や準急が普通を抜かすことはないので、先発の列車が必ず先着する。

*8 これ以外では営業しない特別車の締切、待避や連絡時の車内保温など

*9 ミュースカイ用の2000系以外は編成間を移動するための貫通扉がない