チップとデール

登録日:2020/11/14 Sat 21:38:00
更新日:2024/02/11 Sun 23:41:12
所要時間:約 8 分で読めます





【概要】

チップとデールとは、シマリスの男の子をモチーフとしたディズニーのキャラクターである。
愛称としてチプデと呼ぶファンもいる。
しっかりやのチップとボケ担当のデールとで常にニコイチであり、どんな媒体でも必ず2匹一緒に描かれている。
1943年公開のプルートの二等兵の登場以来、ディズニーにおけるメインメンバーとして様々な媒体で姿を見せる。

見た目はまさに尻尾を短くしたシマリスといった感じで、ディズニーにおける非擬人化キャラ(プルートなど)は言葉を喋ることがないが、彼らだけは例外で擬人化はされていないが普通に喋ることができる。

2匹の関係は親友同士であるとディズニー公式が明言している。
しかし見た目が良く似ているからなのか兄弟だと勘違いしている人も多い。
これに関しては日本の翻訳家が、アメリカではブラザーという単語は友人に対しても親しみを込めて使われることがあるという事を考慮に入れなかったからそのまま兄弟として誤訳したという事情もあるのだろう。

チップとデールのその特徴的な声は音声加工によってなされている。
なおこれは初登場したプルートの二等兵の時点で既に確立されてある。
現在日本でのチップとデールを担当している声優はチップ役が滝沢ロコ、デール役が稲葉実であるが、デールを男性が担当していることに驚く人もいるかもしれない。
それほど音声加工の力は凄まじいと言えよう。

なおガールフレンドとしてナイトクラブの歌姫であるクラリスという名のシマリスがいるが、原典となる短編映画シリーズではリス君は歌姫がお好きの1作だけしか登場していない。
だが、東京ディズニーリゾートでは原典での扱いがかのようにパレードやグリーティングやグッズなどでプッシュされている。

【見分け方】

チップとデールの見た目に大きな差異はあまりないため、チップとデールがごっちゃになってる人も多いことだろう。
しかしよく体のパーツの隅々まで見てみればそれぞれの違いが結構ある。

前髪-チップにはこれといった特徴がないが、デールには短めでボサボサしたものがある

-チップはバッチリとしているが、デールは垂れている

-チップは黒色で、デールは赤茶色である

前歯-チップは口の中央に2本くっついているが、デールは2本離れている

身体の色-チップは暗めの茶色で、デールは明るめの茶色


と、このような差異があるが、それでもほんの些細な違いでしかないのでやはり見分けがつかない人もいる。
そんな人は「チョコチップ(黒)と鼻血デール(赤)」の言葉を覚え、彼らの鼻を見ながらそれを思い出したらいいだろう。

ちなみにディズニーリゾートでの着ぐるみチップとデールは前髪や身体の色の違いがなくなっている。
後ろ姿だけ見ればどっちがどっちなのか本当に分からない。

【映画作品】

様々な短編映画に出演していたが、その大多数はドナルドダックのメイン映画の脇としての出演である。
ドナルドVSチップとデールという構図であり、双方様々な小競り合いで話を盛り上げていくが、基本的にチップとデールが勝利を収めて終わる。そして残念ながらドナルドが勝利を収めた話は1つもない。
ただし例外もあり、リスの汽車ごっこ、リスのピーナッツでは双方が平和的に解決したような話もある。

そしてドナルドの他にはプルートピートと小競り合ったことがあり、なんならクラリスをかけてチップとデール同士が小競り合ったこともある。
また『ミッキーマウス・ワークス』ではミッキーと対決するエピソード*1が登場したことも。
ちなみにかなり後期になって登場したことや、ドナルドの戦いが主な出演であったことなどでチップとデールを主演に添えた映画はたったの3作品しかない。

以下、チップとデールの出演作品を一部紹介していく。


プルートの二等兵(原題:Private Pluto)

軍隊のとして活動するプルートが上からの命令で丸薬箱の見張りをしていたら2匹のリスを偶然発見し警戒しながら近づくが、砲身などでそのリスたちにおもちゃのように扱われてしまう。
公式ではこれがチップとデールの初めてのお披露目だが、デザインが今よりもよりリアルなリスっぽさがある上に、正式な名前を付けられていなかったため、チップとデールというよりはプルートの映画に出たゲストのリスという印象が強い。
ただ非擬人化キャラでありながら喋ることができたため、この時点で特別感があった。

リスの住宅難(原題:Chip an' Dale)

ある冬の日、暖を取るためにドナルドが1本の枯れた木を見つけ持って帰ろうとしたが、その木はチップとデールの住処だった。
チップとデールは食料と住処を奪還するためにドナルドに立ち向かう。
ドナルドとの因縁の対決はここから始まったと同時に、キャラデザが前2作と比べ見慣れたものになった(尻尾がかなり長いという違いはあるが)のと名前が初めてつけられたなどチップとデールにとってはこの作品がターニングポイントである。

リスの冬支度(原題:Winter Storage)

冬ごもりに備え餌を確保しようとするチップとデール。
するとたまたま沢山の木の実を見つけ住処に持って帰ろうと考えたが、それはドナルドが木を増やすために用意した木の実だった。
ドナルドの策略に嵌ったとはいえ、珍しく2匹の喧嘩が見られる。

リスの雪かき(原題:Corn Chips)

ドナルドが雪かきをしていたところ、雪かきをするチップとデールを発見。
それをドナルドに上手く利用されドナルドの分の雪かきをさせられたせいで、チップとデールは怒り心頭。
報復のためにドナルドの家に乗り込むとドナルドのポップコーンを発見。そこからポップコーンを巻き込んだ大騒動へと発展した。
積もった雪から一瞬でドナルドの像を作り出せるデールの意外な特技が見れる。

リスの汽車ごっこ(原題:Out of Scale)

リスのピーナッツ(原題:Working for Peanuts)

前者はドナルド所有の巨大な鉄道模型の中にあるチップとデールの住処の巨大な木を巡る話、後者は象のドロレスが餌にしているピーナッツを巡る話である。
この話の共通点はドナルドとチップとデールとの諍いが平和的に解決したことである。ドナルドと平和的に解決した作品はこの2作だけ(言い換えると残りの話全部ドナルドがやられっぱなしである)。

リスの船長(原題:Chips Ahoy)

ドングリがなかなか見つからなく飢えているチップとデールは池の真ん中にある小島に大量のドングリがなっている木を偶然見つける。
早速そこまでに行くための移動手段として、偶然見つけたボトルシップの中に入っていた船の模型を利用して池を渡ろうとした。
しかしそれはドナルドの物だったので、船の模型を巡る争いが行われたのであった。
ドナルドとの対決シリーズ最終作。
2曲ほど歌を歌うデールが可愛らしいのだが、それとは別に今までには考えられなかったほどの有能さを見せつける。

リスとヒヨコ(原題:Chicken in the Rough)

エサ集め中、鶏舎にあったを木の実と間違えたデールがその卵の上に乗ったところ、ひよこが孵った。
その後親の鶏が帰ってきたため、デールはそこから何とか逃げ出そうとするのであったが、孵ったばかりのせいで翻弄されることになった。
チップとデールが初めて主役となった作品。
今までのチップとデール出演作品はいつもドナルドやプルートを良いように扱ってきたが、今作では珍しくヒヨコとその親の鶏から良いように扱われてしまうという逆転現象が発生している。

リス君は歌姫がお好き(原題:Two Chips and a Miss)

憧れの歌姫クラリスから送られてきた「今夜会いたい」という手紙を受け取ったチップは正装でナイトクラブへ向かう。
しかしその手紙をデールも受け取っており、その事を互いに知らなかったため、クラリスの楽屋前で喧嘩を始める。
そんな中、クラリスのショーが始まったのであった。
チップとデールシリーズ2作目。
ディズニーリゾートで馴染みのあるクラリスはこの作品にしか登場しない。

【テレビ作品】

上記の短編映画作品とは別に彼らを主役に添えたTVアニメシリーズチップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズが1989年~1990年にかけて放映された。
本国アメリカのみならず日本でもテレビ東京やBSフジ、WOWOW、ディズニー・チャンネル、トゥーン・ディズニー、ディズニーXD、ディズニージュニアで放送された経歴がある。
ちなみにテレ東で放映された際のチップとデールのキャストは堀内賢雄と後にドナルドダックを担当することになる山寺宏一というまさかの人選である。

1話完結型の作品であり、それが関係してかアメリカと日本の放映順が全く異なる。
なおVHSでのソフト化もされているが、残念ながらごく一部のエピソードだけである。
そしてDVD及びブルーレイでのソフト化は一切されていない。
なので現状ディズニーチャンネルに加入するか、動画配信サイトであるディズニー+に会員登録して見るしか方法がない。

詳しくは『チップとデールの大作戦』の記事を参照。

【ゲーム作品】

上記のチップとデールの大作戦を元にしたゲーム作品がファミコンから発売されている。
タイトル名はそのまんまチップとデールの大作戦。
制作・発売はカプコンであり、この会社は他にも様々なディズニーゲームを制作した。
また、続編であるチップとデールの大作戦2もファミコンから発売されている。
さらには日本だけでなくアメリカ、ヨーロッパでも発売された。

ディズニーキャラも出ることでお馴染みのキングダムハーツにも出演。
グミシップというこの作品の船の機関士としての役割を持っており、ミッキードナルド達と違いソラと共に度に同行することはない。
故にストーリーの活躍度などから見てもミッキー達と比べるとやはり影が薄い。




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最終更新:2024年02月11日 23:41

*1 しかもチップとデールが勝利を収め、ミッキーが敗北する内容である。