秘密結社エゴス

登録日:2021/02/12 Fri 14:14:00
更新日:2024/04/17 Wed 10:01:10
所要時間:約 17 分で読めます





今の世は邪悪な科学で毒され呪いに満ちている……

我らエゴスは、この世の偽の科学を打ち砕き新しい科学で、我らがエゴスの世界を作り上げるのだ!


秘密結社エゴスとは、スーパー戦隊シリーズ第3作『バトルフィーバーJ』に登場する悪の組織である。

目次

概要

首領サタンエゴスをと崇める邪教「エゴス教」を母体とするカルト教団兼秘密結社。
現代の科学文明を「呪われた科学の産物」として忌み嫌い、その上で「ストーンヘンジやモアイ像ら古代から伝わる巨石文化などの世界各地の古代文明はエゴスの科学によって作られた」といった主張を展開。
現代科学を越えた「原始科学」を用いて暗殺やテロなど様々な悪事を働き、現代文明の破壊を目論む危険極まりない犯罪組織の側面も持つ。

劇中では「念ずれば夢が叶う」といった甘言を用いて暗い欲望・嫉妬・恨みといった人の心の闇や弱み、引き起こした作戦に伴う社会の混乱に乗じて市民を洗脳
信者である「エゴス会員」を増やして世界各国に支部を展開するほどに勢力を拡大した。
こうして勢力を広げると、世界各地で頻発する様々な犯罪や事件に関与。
日本だけでなくアメリカやフランスに支部がある事が劇中で明らかになっており、信者となった人間は額に赤い「X」が浮かび上がり、サタンエゴスの為に全てを捧げる奴隷に成り果ててしまう。


組織構造

サタンエゴスの言葉は神官を務めるヘッダー指揮官を通して構成員に伝えられる。
エゴス怪人はサタンエゴスによって生み出される御子なので、歴代の敵組織でも非常に珍しい幹部よりも怪人の方が地位が高い組織である。
邪教なのに怪人の結婚式は神前式。

作戦方針が御子の方針によって左右される為に回りくどい作戦を遂行する場合も多かったが、第1話の時点で青酸化合物による暗殺を実行。
その後も洗脳や怪人を利用したマッチポンプを駆使して信者を増やし、社会情勢の不安を煽る作戦を度々展開したりと無駄に現実的な手段を取る傾向にあるのも特徴。

なお、スーパー戦隊史上初の悪の女幹部を要した組織でもある。


構成員

教祖

サタンエゴス


ヘッダーよ、お前には聞こえぬか…?エゴスの敵!バトルフィーバーが誕生した!

今のうちにバトルフィーバーを倒せ!倒せ!倒せェ!!


声:飯塚昭三

「神」として崇められる正体不明の人物で、エゴスの首領にして教祖。
黒い頭巾とローブで包まれており、手も顔も見えない。
基本的には部下達に命令や叱咤するのが専らの役回りであるが、劇中で敵司令官の鉄山将軍について分析した際、
判断力と行動力について敵ながら高い評価を与え警戒するなど、首領としてただ闇雲に攻撃命令を出すだけではない冷静な分析力も持つ。

現代の科学だけでなく愛や友情といった人間の情愛を否定する一方、我が子同然の怪人や悪魔ロボットがバトルフィーバーに次々と倒される姿に憤ったり、難産となったバクダン怪人が無事生まれたことを喜ぶなど、人間臭い面もある。

最終話では自ら巨大化してバトルフィーバーロボと交戦。
クロスフィーバーを難なくはじき返し、強大な超能力で猛烈な風を発生させて大いに苦しめたが、「電光剣ロケッター」を受けて敗死。
その後、エゴス会員も全員死亡した事がナレーションで語られたが、サタンエゴスの正体は謎のまま明かされることはなかった。

デザイナーの久保氏は「黒い人型の方は偶像で、水晶体の方が本体という設定だった」と明かしている。
もしこれが本編に適用された場合、バトルフィーバーロボが倒したのは偶像に過ぎなかったということになるが……


エゴス怪人


産まれよ…エゴスの戦士!我が愛しの息子よ!!

今週の怪人枠。
「怪人製造カプセル」にサタンエゴスが遺伝子伝達光線を発することで誕生させるサタンエゴスの子供達。
ヘッダーやサロメからは御子(みこ)と呼ばれ、彼ら幹部よりも地位が高い。
格闘技怪人とエレキ怪人以外は全て武器を持っているのが特徴。
  • 宇宙エネルギーの力でバトルフィーバー隊が自力で倒せなかった四面怪人
  • インベーダーゲームに夢中になっていたために一度は敗北に追い込んだゴースト怪人
  • ダイアンを負傷させ離脱に追い込んだドラキュラ怪人
  • 終始学友が欲しいだけだったベンキョウ怪人
  • 見た目の割には変に律儀な青スジ怪人
  • 子供との友情に目覚めたカラクリ怪人
など強者もいればネタ枠もいたりと、バラエティに富んでいる。


悪魔ロボット


弟 / 妹よ~!!

バトルフィーバーロボに対抗して建造されたエゴス怪人の姿を模した巨大ロボット
額にエゴスのシンボルがついている*1のが相違点。ナウマンロボットなどここから破壊光線を発射可能な者も多い。
怪人からは「弟」(女性怪人からは「妹」)と呼ばれ、危機になった時に呼び出されるのが主なパターン。
なお、第5話以降に登場する怪人でも黒仮面怪人、魔術怪人、カラクリ怪人には悪魔ロボットが存在しなかった。

時には兄(姉)であるエゴス怪人と同時並行でバトルフィーバー隊と戦ったりと、後の『特命戦隊ゴーバスターズ』におけるメガゾードに繋がる側面を持つ。


幹部

幹部と聞こえはいいが、実際はサタンエゴスの子である怪人=御子にこき使われる前線指揮官兼中間管理職に近いのが実情。
黎明期もあってか、幹部の数はかなり少ない。


ヘッダー指揮官


おのれバトルフィーバー!この仇はきっと取ってやるぞォッ!!

演:潮建志(第4・6話のみ)、石橋雅史

サタンエゴスに絶対の忠誠を誓う変なおじさん神官。常に仏具である払子を所持している。
最高幹部でありながら地位は怪人より格下であるため、御子である怪人達を敬うものの彼らの無理難題に振り回されることも多い。
基本的にサタンエゴスのお言葉には「ハッ!」「ハハァッ!」と返すが、第11話では返答があまりにもワンパターン過ぎて「ハァハァハァハァ言って分かっておるのかヘッダー!?」と呆れ混じりにツッコまれてしまったことも。
更に上記のツッコミに対する返答も「ハハァッ!」であった。
一方でサタンエゴスが命令する作戦に対してツッコミを入れていたりもしており、第13話の目玉焼き作戦に続き、第15話でエスカルゴを使った作戦を命令された際には「また料理作戦でございますか?」と返すなど、
サタンエゴスに忠誠は誓っているものの割と常識的な一面を持っていたようだ。
第36話では失敗の責任を取らされ謹慎処分を受けたこともある。

武器は第19話で使用したサイ、及び第50話で披露した目から出す怪光と左手に装着した発射可能なフック。
神官ながら「邪心流」*2と呼ばれる剣術をマスターしている武闘派だが、「勝つためには手段を選ばず、卑怯もまた兵法の一つ」という邪心流の教えから卑劣な攻撃や戦い方も辞さない冷酷な一面を持つ。
普段は基地で戦いを見守っているがたまに自ら戦いに赴き、実力もバトルフィーバーと互角に渡り合うほどである。

第49話で師匠である鬼一角(おにいっかく)「勝利の為には手段を選ぶな」という邪心流の極意に準じて闇討ちで勝利し、免許皆伝を言い渡され「二代目鬼一角」を襲名。
鉄山との一騎打ちに挑むためや破門された師匠の鬼一角の復讐のために鉄山の恩師である藤波白雲と弟弟子である尾上竜山参謀を殺害。
駆けつけたバトルフィ-バーは「雑魚に用はない」とエゴス怪人・オニヒゲ怪人に相手をさせ鉄山と一騎打ちに挑み、一時は目つぶしで失明させる卑劣な手段で追い詰めるも、鉄山に敗れ戦死してしまう。


サロメ


ヘッダー指揮官、お久しぶりです!


演:マキ上田(元ビューティペア*3

第19話から登場した秘密結社エゴスアメリカ支部に所属するヘッダー指揮官秘蔵の愛弟子。
「アメリカ支部にその女あり」「世界最強の美女」と呼ばれ、アメリカで起きた様々な暗殺事件の主犯格。
……の割には当初その存在はサタンエゴスに知られていなかった。現場での怪人の支援が主な任務。
サタンエゴスへの忠誠心こそ高いものの、自分の配下にはカットマンしかいないこともあってか、御子である怪人にタメ口を利くなど、組織の体制には不満を抱いている模様。

変装を得意とする他、戦闘面ではレスリングをメインとした格闘術で戦い、更にその肉体はペンタフォースをも耐え凌ぐほどの頑強さを誇る。
また、光線の発射機能や発信機も備えた手鏡を手持ち武装として用いる事もある。

第51話で師であるヘッダー指揮官が死亡した際には、その挽回として最終話で探偵の一乗寺綾子に変装してエゴスを裏切ったと見せかけてバトルフィーバーに罠を仕掛けるも、
サタンエゴスの脱出に伴って発生した瓦礫の下敷きになった挙句、サタンエゴスの死による基地爆発により死亡した。

デザインモチーフはアメコミ作品『ヴァンピレラ』。
全体的に露出度が高めだが、久保氏は「マキ上田が演じるとは知らされていなかったため、イメージとは違うものになった」と明かしている。

  • ゼロワン
演:賀川雪絵

  • ゼロツー
演:美川利恵

第21話「恐竜半島へ突撃!!」、第22話「女スパイ団の逆襲」に登場。
サタンエゴスの命により、能登半島に眠る数千億の宝を狙う恐竜怪人とサロメの支援を行う二人組の諜報部員。
変装を得意とし、ゼロワンは変身能力を持ち、ゼロツーは赤いボール爆弾を使用。
最後は人間爆弾となり、自爆攻撃を行った。

その他戦力

  • 怪人製造カプセル
声:依田英助
サタンエゴスが子供である怪人を誕生させる際に使う心臓に似た大型カプセル。
サタンエゴスが放つ遺伝子伝達光線を受け、エゴス怪人を産み落とす。
また人間を怪人素材にする事も可能で、第39話では不治の病に侵されエゴスからの誘いに乗ってしまった医師関根助教授(演;香山浩介]がカプセルに入り、彼を健康な身体にする代わりに血を吸うハイド怪人へと変貌させた。
実はカプセル自体が生物であり、会話はもちろん、空中飛行や機関砲を出現させるといった芸当も可能で、おまけに誕生したエゴス怪人の能力を音声とテロップで解説した事も。
また、様々な熱エネルギーを吸収し、外からの攻撃が一切通じないなど、様々な能力を駆使してバトルフィーバー隊を大苦戦させるなど何気に強い。
デザインモチーフは映画『デモン・シード』と心臓と人工子宮。


  • カットマン
ミミズから作られたエゴスの戦闘員
三叉の短剣や短機関銃を武器とし、有事には自爆することで証拠隠滅もこなせる。
また、人間に変身出来たり、壁抜けも出来たり、白衣を着用した科学者グループも存在したりと多芸な側面を持つ。
第27話「初恋泥棒にご用心」、第37話「電光剣対風車剣」ではヘルメットと緑の軍服を着用した特務軍団が登場。27話では黒仮面怪人直属の部下として行動し、37話では隊長としてカットマン達の指揮を執った。
第32話「ふるさと殺人村」ではバトルフィーバーに倒されたカットマン達の怨念が結集し、ミミズ怪人として復活。
第33話「コサック愛に死す」にて、戦闘員でありながら白石謙作を殺害している。

ちなみに、頭部のマスクに使われた素材は「スパイダーマッ!」でお馴染み東映版『スパイダーマン』と同じもの。


  • 特殊部隊
第19話に登場したサロメ直属の特殊部隊。
ストッキングを頭に被った出で立ちが特徴で、サロメの来日に合わせて日本に降り立つと、警官に擬態して銀行強盗を繰り返し、
最終的に10億円を強奪してエゴスの資金源を確保すると同時に警察に対する信用を失墜させた。


メカニック

  • エゴス戦闘機
カットマンが操縦する一人乗りの戦闘機。
コウモリに似たデザインで、編隊で飛行し、ロケット砲が武器。


余談

キャラクターデザイナーは野口竜、久保宗雄、増尾隆之、渡部昌彦の4名が担当。

幹部ポジションであったヘッダー指揮官は、幹部ながら役者が本編中いきなり変わってしまった稀有なキャラクターでもある。
これは第7話まで演じていた潮氏が覚醒剤所持で逮捕されたため、第4話のベンガルの虎/ネンリキ怪人役でゲスト出演したばかりの石橋氏に急遽交代する形になった。
潮版と石橋版では頭部の装飾の形状の他、雰囲気や言葉遣いが異なっているのが特徴で、潮氏のバージョンはスキンヘッドだったが、石橋氏のバージョンはカツラであり、その継ぎ目を隠すために頭部の装飾が追加されている。

なお、現在では潮氏が演じたシーンは一部の映像を除いて石橋氏のものに差し替えられている。
例外的に潮氏演じるヘッダーの映像を差し替えなくそのまま用いているものとしては、第1話のラスト及び第3話のED、第5話の一部シーン、第4話と第6話の全編などが挙げられる。
そのうち第4話と第6話で差し替えが行われなかった理由は、
  • 第4話では石橋氏がゲストとして交代前の潮氏演じるヘッダーと共演しており、同じ画面にいる事
  • 第6話ではヘッダーの出番が基地内の他に野外ロケにまで及んでいるため、撮り直しが出来なかった
という理由による。
そのため、第3話~第6話は両者のヘッダーの映像が使われ、第4話だけ石橋氏が別の役で出演しているというおかしなことになっている。
この突然の交代について、石橋氏は「第4話の時点では自分がレギュラーになることなど考えもしなかったので、話を聞いた時は戸惑った」「潮と同じような演技はできないのに同じ役を演じなければならず、苦労した」と後に述懐している。



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最終更新:2024年04月17日 10:01

*1 コブラロボットは首、コダイギョロボットは胸についている

*2 30年前に倉間鉄山将軍の「一光流」を破門された鬼一角が立ち上げた流派で、一光流と対立関係にある。

*3 アイドル系女子プロレスラーデュオ。