聖グロリアーナ女学院(ガールズ&パンツァー)

登録日:2021/06/15 Tue 17:15:00
更新日:2024/04/12 Fri 15:56:02
所要時間:約 30 分で読めます




どんな走りをしようとも、我が校の戦車は一滴たりとも紅茶を零したりはしないわ


(セント)グロリアーナ女学院(St. Gloriana Girls' College)とは、アニメ『ガールズ&パンツァー』に登場する学校。

劇中では専ら「聖グロ(せいぐろ)」や「グロリアーナ」などと略される*1

概要

母港は神奈川県横浜市。
学園艦は三代目アークロイヤル(アークロイヤル級航空母艦)と同一のデザイン。
作中に於いて最初に登場した大洗以外の学園艦であり、大洗の倍近い全長と乾舷から、全長7.6kmの大洗学園艦ですら小型寄りというかの世界のスケールの大きさを視聴者に見せつけた。

戦車道強豪校の一角であるが優勝経験は無く、最高成績は準優勝。
優勝を狙うには相性最悪の黒森峰(詳しくは後述)が最大の壁となっているのだろう。
この為か『ドリタン』では黒森峰打倒を果たすとダージリンが珍しく落ち着きを無くす場面が描かれている。

劇中世界にて戦車道は落ち目になっているとの事だが、本校では非常に盛んであり高い地位を占めている。
艦内には「紅茶の園」と呼ばれる戦車道履修生専用クラブハウスがあり、平時はそこで紅茶を楽しんでいる。
また内部にきゅうり畑があり、いつでも新鮮なきゅうりを楽しむ事ができるという。
ダージリンの曰くかつ聖グロ側のツッコミ不在の状況での発言なためどこまで本当かは不明。

本校の戦車道選手は戦車乗りとしての実力と同時に、或いはそれ以上に紅茶の扱いの腕前が重視されている。
小説版によると、戦車に乗る前にまず美味しい紅茶の淹れ方をマスターせねばならず、
紅茶の扱いをマスターして初めて戦車に乗る事が許されるという。
そして車長となるには更に戦車に乗りながら紅茶をこぼさずに戦う事が求められ、専門の訓練を受けさせられる事となる。
これは、「いかなる時にも冷静に」という精神を養うためのものとされている。

各戦車で使用されるティーセットは代々受け継がれている大切なもので、破損させたらただ同じものを用意すれば良いというものでもないという。
チャーチルで使われているのも中々由緒あるもので、小説版『劇場版』では以前割った時には大変だったとの事(大洗との練習試合の事か?)。

練習試合で大洗が散々手を焼かされた事もあり、保有戦車も手強そうな印象があるかもしれないが、
強豪校としては戦車の質はどちらかと言えば貧弱な方で、硬さだけが取り柄の様な戦車が大方を占める。WWIIのイギリス戦車自体全般的に格別優秀な方ではないとも言えるが。
ファン間からも「ブラックプリンス*2やクロムウェル*3等、WWII中の英戦車に限ってももっと良いものはあるので、それらを使えば優勝も狙えるのでは?」と評される事も多いが、
これは本校の卒業生が所属するOG会の力と干渉が非常に強いためとされている。
OG会は「チャーチル会」「マチルダ会」「クルセイダー会」の三つの会派に分かれており、
それらが強く影響を及ぼしている所為でより強力な戦車を配備したくてもできないでいるとのこと。
伝統ある故にそれに縛られている面もあるという事である。

視聴者からは大洗にとって相性の悪い相手であると見られており、
スタッフも聖グロと大洗、黒森峰は三すくみの関係にあり、大洗にとって苦手な相手であると認めている。
曰く、
「聖グロはダージリンの大局眼の前には小細工が通じないため、戦力差を逆転するために奇策に頼る大洗に強い」
「黒森峰は正攻法で戦えば最強クラスなので、単純に戦車が貧弱な聖グロに強い」
との事である*4

リトルアーミーⅡ』では西呉王子グローナ学園(通称西(せい)グロ)という非常に紛らわしい名前の学校が登場している。
名前は元からなので仕方ないが、戦車道チーム隊長のキリマンジァロがダージリンの大ファンであるため、戦車をイギリス系、制服を聖グロのタンクジャケットに酷似したものに一新するなどしており、パチものの誹りを免れない事態を招いている。というか実際に劇中で詐欺と言われた。
なお、西グロは本家にはないプラックプリンスを使用している。*5

校章

「青地に白いティーセットと梅の花」のデザイン。
ST・G・GC」の文字がある。

制服

白ブラウスに黒ネクタイ、その上に紺のセーター。
セーターの左胸には校章が入っている。
下は空色のプリーツスカートで、黒のタイツを着用する。
タンクジャケットは襟と袖だけが黒い赤色のジャケット、下は黒のプリーツスカート。
襟の左側には黄色の翼を広げた鳥のような模様が入っている。
こちらではタイツを用いず生足を出す。肌の保護という意味で逆の方が良いのではないだろうか*6

生徒

名前が明らかになっているキャラにはお茶に関する名称が付いているが、いずれも二つ名コードネームの様なものであり、本名が明らかになっているキャラは一人も居ない。
また、お茶に関する名称が与えられているのは幹部や幹部候補生など一部のエースだけで、全員が持っている訳では無いとの事。
なお、才谷屋龍一が書いたコミカライズ版では、ダージリン・アッサム・オレンジペコの3人はノーブルシスターズと称されている。
余談だが髪を三つ編みにしているキャラが多い。
ちなみに劇場版のコミカライズ「Variante」のエリカ曰く「全員日本人」との事。

CV:喜多村英梨
3年生の隊長。
全編を通して最も出番の多い他校生でもある。
常に従えているオレンジペコ・アッサムが幼児体型なので余計に目立っている面もあるが中々にグラマーな体形。
一方で実は身長は然程高くなく、みほ・ケイ・西・アンチョビとは大差無い。
常に余裕のある態度を見せ、聖グロの隊長に相応しい気品を漂わせるが、やたらと格言・諺の引用を多用するという一面もある他、
「サンダースやプラウダの様な下品な戦い方は」「黒森峰ならともかく」など、しれっと他校をディスるという皮肉屋なところも。
格言はともかく、この二面性は紅茶云々と合わせてステレオタイプなイギリス人キャラと言える。
また作戦会議もそこそこに「ここからが大事なこと」と前置きした上で大真面目な顔で「作戦名は?」などと聞いてくる、
ローズヒップをマナー講座の名目でからかって遊ぶなど、どこまでが本気なのか分からない食えない面もある。
車の運転が非常に乱暴らしく、アンツィオが苦労して修理したP-40を修理完了直後にまた工場送りにした事がある(謝罪・弁償した様子は無い)*7
最終章での発言から察するにイギリスに行った事は今まで一度も無いらしい。
ちなみに「ダージリン」は紅茶の産地名であるインドの地名。

CV:石原舞
1年生。
チャーチル装填手兼通信手。ダージリンの副官的存在。
ダージリンとは対照的に、実年齢より大分幼く見える起伏の少ない小柄なボディをしている。
ダージリンが引用する格言の元ネタをほとんど把握しており、彼女も中々に博識な模様。
因みに、ダージリンの格言の引用に対して「○○ですね」と発言元を付け加えるイメージが強い人も多いと思われるが、
実はアニメ本編でこの言い回しが使われた事は一度も無い。後のドラマCDなどでは使われている。
ダージリンの事は敬愛しているが、一方で彼女の格言に「何言ってんだコイツ?」的なリアクションを示すなど、結構ドライな対応をする事も多い。
彼女が格言の引用を多用する様を割と本気めにウザがっている面もある。
小説版では「この癖さえ無ければ文句無く尊敬できる先輩なのに」と半ば呆れ気味にダージリンについて評している。
ドラマCDでも悩み相談でこの事を蝶野に訴えており、彼女のアドバイスを元に本題から脱線して好き放題する各校の隊長を威圧して黙らせるという黒い面を見せた事もある。
本編ではダージリンと共に大洗の試合観戦に毎回行っており、だんだんと大洗贔屓な反応をするようになっていった。

「オレンジペコ(オレンジペコーとも)」は紅茶の等級名。茶葉の先端から2番目に若い葉を指す。
他と異なり、唯一お茶の品種や産地の名前ではない。
二次創作、また公式でも「ペコ」「ペコちゃん」と略される事もあるが、ペコもオレンジペコの次に先端に近い葉を指すオレンジペコとは別の等級名なので、
「オレンジペコ」の略称として「ペコ」と呼ぶと少々紛らわしい事になる。
尤も「『オレンジペコ』そのもの」ではなく「『オレンジペコ』という愛称の略称」と考えれば、
また別に「ペコ」のコードネームを持つ者が居ないのであれば、そこまで大きな問題ではない。

  • アッサム
CV:明坂聡美
3年生。
チャーチル砲手。金髪を大きなリボンで後ろに纏め額を大きく出したヘアスタイルが特徴的。オレンジペコ程ではないがこちらもスレンダーな体形をしている。
本編ではオレンジペコと一緒に登場しており、劇中にも何度か姿が映っていたのだが台詞が一切無く
試合後もダージリン・オレンジペコは試合観戦している様が描かれたのに対して彼女は試合後には全く出番が無かったため、些か地味な存在であった。
ジョークが好きという設定が存在するが、出番自体が少ない事もあって活かされている場面は皆無。『らぶらぶ作戦』ではジョークというかダジャレ好きになっている。

まともな出番らしい出番はドラマCDからで、CVが設定されたのもここから。
お陰で華から名前を忘れられ、間違って覚えられるというネタを喰らった。たまに「セイロンじゃありません!」とか言っているのはこれに由来する。
またパチスロ版では彼女の出番が増えており台詞も追加されている。
劇場版にて「データ主義」という新たな個性が与えられ、パソコン片手に彼我の戦力を分析したり、
データを元に弱点を割り出す、展開を予測するといった様子が描かれた。
ダージリンから「たまにはデータ主義も役に立つのね」等と言われている事から普段はあまり頼りにされていない様子。
なお、彼女はダージリンに対して丁寧語で喋るが呼称は「ダージリン」であり、呼び捨てである。
「アッサム」は紅茶の産地名であるインドの地名。ダージリン地方と同じインド北東だがこちらは東寄り。

  • ルクリリ
CV:倉田雅世
マチルダ車長。
お下げを向かって右側に垂らした髪型が特徴的。
「馬鹿め」「後ろだ!」「馬鹿め二度も騙されるか!」など聖グロ生徒にしては口調が乱暴気味。
名前は劇場版で設定され、それまではファン間では「後田(うしろだ)さん」「馬鹿めの人」等の仮称で呼ばれていた。
アニメ本編をモチーフにしたパチスロではダージリン、オレンジペコ、アッサム以外の隊員は全て彼女になっており、一度に5名登場することもザラである。
なお劇場版をモチーフにした最新のパチスロではルクリリも名前付きで登場しており、ダージリンに大洗女子への転校手続きが完了した旨を報告する演出がある。
また、大学選抜との試合であるAT中では車長として参戦しており、攻撃・撃破時に高笑いをしたり、「油断しすぎよ!」と叫んだりしている。油断しているのはどっちだ
「Variante」ではローズヒップがチャーフィーを追いかけたのはルクリリの指示となっており、その事エリカと口喧嘩しているが、その直後敵の襲撃に真っ先に気づき仲間たちを庇い被撃破、カチューシャに「仕事をした」と讃えられた。ただ本人は「くそっ!」と悔しそうにしているので偶然かもしれないが。
「ルクリリ」はケニアの紅茶の名前。

  • ニルギリ
練習試合にて路地に隠れたIII突の奇襲で撃破されたマチルダの車長。
試合前の整列シーンで一番手前に居た、眼鏡をかけ三つ編みをシニヨンにしていた子がそれである。
名前は本編では語られず、設定画では「車長A」となっており後に雑誌でコードネームが判明した。
「ニルギリ」は紅茶の産地名であるインドの地名。ダージリン、アッサムがインド北東に対してこちらは南部。

CV:高森奈津美
クルセイダー車長にしてクルセイダー隊隊長。
聖グロらしからぬ非常に落ち着きが無い性格で、お上品とは言い難い性格。
紅茶もカップこそ落としはしないもののかなり中身を跳ねさせている。
そのお転婆っぷりにはダージリンも手を焼いているようで、劇場版では彼女に向けた台詞の大半が制止や落ち着きを促すものだったりした*8が、
ドラマCDによるとその「聖グロらしからぬ性格」に色んな意味で注目しているらしく、将来を期待しつつ、普段は彼女をからかって楽しんでいるらしい。
実は大洗との練習試合の時も同行してはいたが、その落ち着きの無さから試合には出されなかった模様。
実家は18人家族で、その落ち着きの無さはモタモタしていると食事を掻っ攫われるという生活が染みついているのがせっかちな性格の所以らしい。
「ローズヒップ」とはバラの実を指し、そこから抽出したハーブティーがローズヒップティーである。お茶には違いないが紅茶ではない(紅茶とブレンドされる事もある)。
ファンからは愛称として薔薇尻などと呼ばれる事もあるが、「hip」自体に「薔薇の実」という意味もありここではそちらに由来しているため尻とは無関係。

  • ジャスミン
  • バニラ
  • クランベリー
名前のみの登場で、他のクルセイダー隊の車長と思われる。「ジャスミン」は劇場版では名前が呼称されず小説版にて名前が判明。
バニラは香料に使われる植物、クランベリーもジュースやジャムなどに使用される果物で、何れもお茶に関する名前ではない。
ジャスミンはジャスミンティーと思われ、これはお茶の名前だがマツリカの香りを緑茶などに付けたもの。紅茶ではないが緑茶である。
クルセイダー隊はコードネームの命名則が独立しているのだろうか?

  • ダブルポットちゃん(仮称)
劇場版の決着直後のシーンで両手にティーポットを持っていたローズヒップのクルセイダー乗員。
髪型はウェービーセミロングの明るい茶髪をツインテールにしたもので、見た目はどことなく「あんたバカぁ?」に似ている。
ティーポット両手持ちで腰をクネクネさせているなど、一瞬だけの登場ながらローズヒップ車の乗員らしさを印象づけるキャラであった。
また、『ドリームタンクマッチDX』の戦車道祭モードにおいて、横にいた大学選抜チームのチャーフィー隊員と共に背景に描かれている。

  • アールグレイ
正確に言えば公式キャラではなく、キャラ原案の島田フミカネとメカデザイナーの海老川兼武がお遊びで作ったキャラが企画記事として雑誌に掲載されたもの。
ダージリンの先輩に当たる聖グロの先代隊長という設定で、愛用の戦車は巡航戦車Mk.Ⅷクロムウェル。
コミカライズではいくつか登場しており、特に『プラウダ戦記』ではダージリンに毎度イタズラやセクハラをしたりバグパイプを吹きながら挨拶したりなど、かなりエキセントリックな人物として描いている(なお、プラウダ戦記の作者の吉田創は島田フミカネに了解を取っている)。

  • コーヒー名の生徒
こちらも公式キャラではなく、劇場版のお疲れ様本に島田フミカネが描き下ろしたキャラクター。
聖グロの戦車道で唯一コーヒー名を名乗る小隊が存在したという設定で、コーヒーカップを片手に銀髪褐色の少女がダージリンと共に描かれている。
搭乗する戦車はスーパーチャーチルことブラックプリンスで、イラストの背景には「RETURN OF THE BLACK PRINCESS」と書かれている。
余談だが、『リトルアーミーⅡ』のキリマンジァロとそこそこ設定がかぶっている。

保有戦車

Mk.VIIは主砲と装甲が強化された後期型。
最大装甲152mmという重戦車並の重装甲を有し、登坂能力・踏破能力が高い、WWII当時の戦車としては珍しく超進地旋回が可能*9といった特長を持つが、
一方で、(歩兵と共に侵攻する事を前提とする歩兵戦車の性質上仕方ない面もあるが)最高速度で20km/h程度、巡航速度は13km/h程度*10とかなり鈍足。
履帯が前方に突き出ているため、操縦手席からの視界も劣悪。
とはいえ投入当時のドイツ軍の状態からして機動力がそこまで重要な戦況でもなく、
登坂能力の高さから山がちなドイツやイタリアの地形でもグイグイ進めたため、コンセプトと相俟って鈍足もそこまで大きな問題ではないといえばなかった。
初陣となった作戦では凄まじい大敗を喫しているがこれはチャーチルが駄作だったからというより作戦内容がダダ洩れだったにもかかわらず強行した所為である。
初期型は不具合も頻発していたが運用している内に順次改善されている。
火炎放射型、架橋戦車型などバリエーションも多く、戦後もしばらく運用されていた。

専ら隊長車として使用されている。カラーリングはグリーン。ドラマCDによると保有数は1輌との事である。
なお、劇中では何故かチャーチル操縦手の描写は一切無い。あの個性豊かな3人と一緒にいて黙々と操縦できている彼女は何者なのか……。

  • マチルダII歩兵戦車Mk.III/IV
歩兵戦車マチルダの改良型として1938年に開発された戦車。最大装甲78mmという大戦序盤の戦車としてはかなりの重装甲を持っている。
その威容を讃えて、もしくは歩兵(アリ)の中心にいる者になぞらえて「戦場の女王」等と呼ばれたという。
歩兵戦車の常として(コンセプト上は問題無しと見做されたとはいえ)速力は低く、逃げる相手を追撃するのは苦手だった。
主砲は40mm52口径2ポンド砲で、これも口径の割に貫通力が高く大戦序盤の砲としては強力だったが、歩兵と共に進撃するというコンセプトでありながら榴弾が撃てず、
十分な歩兵の支援や戦車の天敵である対戦車砲や歩兵陣地の対処が難しいという致命的な欠点があった*11*12
お陰でドイツからは「歩兵戦車と言いながら榴弾を撃てないとは実に興味深い」などと皮肉られる事もあったという。
時代が進むにつれて主砲は火力不足になりつつあり、装甲厚も88mm砲や長砲身の75mmクラス砲が登場し始めると通用しなくなって行ったため、42年秋には一線を退いた。
因みに、ドイツ軍のアハトアハトこと88mm高射砲を前に撃破された事で、イギリス兵が「戦車を高射砲で撃つなんて卑怯だ!」と文句を言ったところ、
ドイツ兵からは「高射砲で撃たねば倒せない戦車で攻めて来る方が卑怯だ」と返されたという逸話が残っている。

聖グロの主力を担う戦車。
サンドカラー一色で塗装されており、よく知られるサンド+青+緑カラーのような迷彩模様は入っていない。

  • 巡航戦車クルセイダーMk.III
上記の歩兵戦車とは逆に装甲を犠牲に速力を重視した「巡航戦車」シリーズの一角にして、
冷却能力の低さとラジエーターの配置の悪さから戦車の形をしたサウナと化し「戦車より先に乗員がオーバーヒートする」と揶揄された欠陥品「カヴェナンター」に次ぐ第二弾。
誤解されがちだがカヴェナンターとは同時期に開発されているため、あちらの後継車種という訳ではない。
カヴェナンター以来の非常に低いエンジンの信頼性は相変わらずで、「連続で36時間運用して故障しなければ奇跡」とまで称されたという。これでもカヴェナンターよりはマシになっていたらしい。
速力重視というだけあってスピードには優れ、最高速度は40km/hを超す。
エンジンの回転数を抑えるリミッターとなる装置を外せば60km/hまで上昇するが、そうすると只でさえ故障しやすいエンジンが故障する可能性がさらに高まるリスクがあった。
速力はともかく火力と装甲ではドイツのIII号戦車に負けており、43年には前線から退く事となった。

聖グロでは奇襲・攪乱・偵察の役割を持ち、多数の戦車を投入できる試合ではクルセイダー数両で編成された「クルセイダー隊」が置かれる事もある様子。カラーリングはスチールブルー。
実際の戦場とは異なり、シーズン中でも数日に1回、1日数時間程度の試合中だけ持てばそれで良い戦車道の試合では信頼性の低さはそこまで問題にならないため、戦車道のルールに救われた車両と言える。
また同様の理由で、聖グロのクルセイダーは何れも上述のリミッターを解除した状態で運用している。とは言っても、やはり故障の多さは全く気にならない訳ではないらしく、
ダージリンは全国大会準決勝以降(もしくはそれに準じる本気度が求められる試合?)でなければ投入しない方針らしい事がドラマCDで語られている。
本格的に登場したのは劇場版からであるが実は本編にも登場してはおり、練習試合後に大洗を後にする聖グロ学園艦のダージリンらの姿が描かれたシーンで背景にこっそり映り込んでいる。

因みにダージリンのお気に入りの戦車でもある。砲塔の傾斜装甲がそろばん玉の様でとってもプリティとの事である。
但し、設定上のダージリンの好きな戦車はセンチュリオンであるが。
余談だが、クルセイダーMk.IIIの乗員は3人だが劇場版で描かれたローズヒップ車の乗員は4人と、戦車の乗員数が上回ってる珍しいケースである。
まあ、劇場版のアンツィオも乗員が2人のCV33カルロ・ヴェローチェで無理やりだけど3人乗っているし、ガルパン世界では問題なく乗れるのだろうから気にしてはいけない。

  • M3スチュアート
アメリカの軽戦車。イギリス軍にもレンドリースされており、「スチュアート」の愛称はイギリス軍によって付けられている。

設定上のみ登場。
過去に使用されていた戦車。現在は使用されておらず直接的な登場場面は無い。
劇場版冒頭で西が語っていた「聖グロの白旗はスチュアート以来」という発言は、
過去に知波単と聖グロの試合で両校のM3同士の対決が起き、聖グロ側のM3が撃破された出来事に因む。
結局その試合で勝ったのは聖グロだったらしい。

  • 巡航戦車クロムウェル
WWII中に完成した最後の巡航戦車。
75mm主砲と最大76mmの装甲、本来スピットファイア用のミーティアエンジンを備え、長らく問題だった火力・装甲・エンジンの信頼性のいずれも向上している。
最高速度は64km/hに至り、第二次大戦最速の戦車とも称される。
到底実用に耐える品ではなかったカヴェナンター、それよりはマシだが大戦中盤には一線を退いたクルセイダーから各段に進化しているが、
投入されたのはドイツ降伏寸前だったため活躍の機会には恵まれず生産数も約600輌と少ない。
しかしチャレンジャーやコメットといった後発戦車のベースになるなどしており、開発史上の意義は小さくないと言える。

設定上のみ登場。
小説版『劇場版』での記述によると、第63回全国大会準決勝にてダージリンがOG会と粘り強く交渉した末にようやく使用できた戦車とのこと。
元々保有するだけしてはいたのか、今大会から導入に成功したのかははっきりしないが、易々と使える車両ではないのは確かなようである。
試合の全容が語られていないためどのような活躍を果たしたのか、何輌投入されたのか等は不明だが、少なくとも「準決勝で損傷した」とされており、
それからしばらく経ったエキシビジョンの時期になってもなお修理が完了していないとされる事から車両数は少ないと思われる*13*14
この設定が本編時空でも生きていると仮定すると、同年の冬が舞台の最終章に至っても全く出番が無い辺り、
(未だ修理できていないのでなければ*15)聖グロの切り札中の切り札的な運用をされているのだと思われる。
実際に小説版では「虎の子」と表現されている。

アメリカの中戦車。ウサギさんチームの乗るM3リーのイギリス仕様。

本編には登場しないが『戦車道のススメ』では1輌以上保有している事になっている。
同作のダージリンの発言によると訓練用とのこと。
作中では聖グロに潜り込んでいたウサギさんチームが本車を成り行きで1輌強奪しかかる事態になる。

イギリス戦車史上、つまり戦車開発史上全体で見ても最初期の戦車である菱形戦車の一種。
最終章以降大洗に加わったサメさんチームの愛車として登場している。

ドラマCDでの言及から1輌保有している様子だが、
ダージリン曰く記念館に転がっている程度の扱いであるため、おそらく稼働状態にはない。
戦車道に投入できる中でも最弱クラスの戦車なので、
慢性的頭数不足に悩まされている大洗ならまだしも、複数台のマチルダIIやクルセイダーを安定運用できる現代の聖グロにとっては記念碑扱いで十分であろう。

  • トータス
イギリスの重戦車。本格的に量産される前に終戦したため生産数は極少ない。
劇場版ではきかんしゃトーマスのような顔が付いた戦車が並んでいるトータスランドなるブースに模型と思われるものが置かれている。

聖グロが保有していない戦車。
T28の頑強さを前にダージリンが「持って来れば良かった」と業を煮やすが、即座にオレンジペコが「持ってませんけど……」と返している。

劇中の活躍

第1話

みほ・優花里の台詞の中と戦車のみ登場。
後に大洗が戦う学校である事を示唆しただけで、本格的な登場は第4話に持ち越された。

第3話

初登場。
ラストシーンにて登場し、杏からの練習試合の申し込みを受諾する。
オレンジペコ・アッサムも脇に控える形で登場してはいたが台詞は無かった。

第4話

ようやく始動した大洗戦車道チームの初試合の相手として登場。
試合前の挨拶にてダージリンは大洗の奇抜な塗装をされた戦車を前に「個性的」と感想を述べた。

試合が始まった後は海岸側から出発、悪路ではあったがみほ・優花里も感嘆する綺麗な隊列で進行し、
そこから第1話冒頭のIV号の索敵、逃走シーンに繋がる事になる。
作戦会議でみほが危惧していた通り、聖グロチームは大洗の釣り出し・待ち伏せ作戦を完全に見切っており、
その上で正面から受け止め突破するという強者の実力と余裕を見せつけた。

乗員が逃げ出し無人となったM3リーを撃破した後は履帯が外れて擱座した(t)38を放置し、大洗市街に逃げ込んだ大洗チームを追撃するが、
聖グロもチームを分散されたのが仇となり、土地勘を活かした奇襲攻撃によりマチルダIIを1輌撃破、1輌被弾の損害を被る。
この報告にはダージリンも思わず愕然としながらカップを床に落とす程の強い衝撃を受ける。
しかし直後には落ち着きを取り戻し、八九式に攻撃されたマチルダIIも燃料タンクを破壊されて炎上しただけで撃破判定が出なかったため直後に反撃、
路地を逃げていたIII突も取り付けていた旗指物を目印にされて建物越しに側面から砲撃して撃破する。
その後は再集合し、最早残り1輌となってなお市街を逃げ回るIV号戦車を4輌で追撃する。

その最中、1輌のマチルダIIがカーブを曲がり切れずに旅館に突っ込んで軒先を破壊するが、
その旅館の主人が「ウチの店がぁぁぁ!!」と叫んだ直後に「これで建て直せる……♡」とほくそ笑み、
また隣の爺達が「縁起良いなぁ」「ウチにも突っ込まねぇかなぁ」などと呟く様は、かの世界に於ける戦車道への寛容性を伺わせる描写としてよく引き合いに出される*16
60代以上と思しき老人が家に車で突っ込まれて喜ぶ様は何らかの皮肉にも思える

遂にIV号を袋小路に追い詰めるが、そこに履帯を修理した38(t)が乱入、
38(t)は直後に撃破するがその隙にIV号に逃げられ、マチルダII3輌を立て続けに撃破される。
お互い指揮車両同士の一騎打ちとなるが、チャーチルに対し「正面から行くと見せかけて側面に回り込む」というIV号のフェイントを見切った*17事で競り勝ち、聖グロの勝利となった。

試合後はダージリンはオレンジペコらと共にみほの元を訪れ、「同じ"西住"にしては、姉とは随分違う戦いだった(発言大意)」と意味深なコメントを残した。
また試合後に杏を通じてみほにティーセットを贈り、彼女を好敵手と認めた。

第63回全国大会

全国大会開幕後は、大洗の試合の度にダージリンとオレンジペコが観戦に訪れる。
その際、毎回テーブルと椅子と衝立を持ち込みお茶を飲みながら試合の趨勢について解説するという些か異様な様を見せつけ、
ダージリンのフリーダムな言動やオレンジペコの淡白な反応と合わせて視聴者から度々ネタにされる事になる。

全国大会1回戦はBC自由学園と対戦しこれを破った様であるが、黒森峰、プラウダと異なりその様子は描かれなかった。
その後、準決勝にて黒森峰に敗退した模様。第63回全国大会での成績は「ベスト4」という事になる。
小説版では設定ミスかそれとも小説版時空では何かあったのか2回戦敗退というまさかの戦績になっている。

大洗とプラウダの試合前にはダージリンはカチューシャの元を訪れお茶会をしたり、
また大洗と黒森峰の試合中にはマウスの登場に際してダージリンが最重量級重戦車の登場を前にいつになく戦慄するなどした様が描かれた。

エキシビション

劇場版自体がダージリンが戦車の中でティーカップを眺めるシーンで開幕する。
プラウダ高校とチームを組み、大洗女子学園・知波単学園と対戦する。
因みにこの対戦カードになったのは、大会優勝校と準優勝校が1回戦と2回戦を戦った学校vs優勝・準優勝以外の残りのベスト4というルールに則ったものである。

ゴルフ場のバンカー内にフラッグ車のチャーチル1輌とマチルダII3輌で陣取り、大洗と知波単の包囲を凌ぎつつプラウダ勢やクルセイダー隊の到着を待つ。
この状況に至った経緯は小説版にて補完されている。
IV号とIII突によってマチルダIIを2輌撃破された*18事で知波単が気勢を上げ、
勝手に突撃し始めた事を「勝手にスコーンが割れた」と評し、西搭乗車以外の知波単戦力を次々撃破して行く。

プラウダチーム・クルセイダー隊との合流によって大洗・残存知波単がゴルフ場から逃げ出した後はそれを追撃に向かう。
この時、チャーチルはバンカーから抜け出す際、履帯駆動と前後に長い車体形状の関係から、
「車体の半分がバンカーの外に出るまでは斜面に沿って大きく傾斜し、直後倒れ込むようにグリーンに着地」という挙動を取っているが、
漫画版ではこの最中のチャーチル車内の様子が描かれており、
ダージリンはカップを持つ右手を高く掲げつつ腕と手首の角度を適宜調節し、車体の傾斜や大きな振動を物ともせず紅茶を波一つ立たせないという驚異的バランス感覚を披露している。
そしてその間、横にいるオレンジペコは終始無言かつ真顔だった事がネタにされた。

大洗・知波単は練習試合の時の様に市街地へ逃げたため、またしても追いかけっことかくれんぼの如き様相を呈す。
大洗の戦力を分散させようとする動きには(「黒森峰ならともかく」と余計な一言を付け加えて)乗らず、あくまでフラッグ車のみを追撃、
市街地で混戦になった後はチャーチルは浜辺に移動し隠れていた模様。

ルクリリは散々八九式と鬼ごっこを繰り広げた末に、またしても練習試合の時と同じく立体駐車場で翻弄された挙句、今度は撃破されてしまった。
一応、ルクリリも以前と同じ手は食わないと対策を取っていたのだが、実際には八九式が取った作戦は福田のチハとの連携攻撃であり、
また今回は比較的脆い上部から攻撃された事で装甲を抜かれるという、アヒルさんチームの作戦勝ちという結果だった。

クルセイダー隊は執拗にフラッグ車であるIV号を狙うが、みほの指揮能力と読みの前には力及ばず、ローズヒップ車以外の3輌は撃破されてしまう。
その後、ローズヒップ車は市街地でIV号を追跡している最中、倒れた信号にぶつかってスピンしてしまい操縦不能に陥り、
旅館『肴屋本店』の玄関先に突っ込んでいたクラーラのT-34と衝突、その際に両車の燃料缶が破壊され直後に大爆発を起こす。
この結果、肴屋はまたしても聖グロの手によって、今度は建物全体が倒壊する事態に見舞われ、またその煽りでクラーラ車を行動不能にするという自殺点を入れてしまう。
なお、これを受けての件の爺達のリアクションは「ウ↑ッシャァァァアア!!!」「またかよ」「お前のところばっかり羨ましい」であった。

ローズヒップだけはあちこち損傷したものの行動可能であったが、大洗に追撃されているダージリンとの合流を目指して移動している最中、
桃がチャーチルを狙って撃った流れ弾(何故か砲身の向きと全く違う方向に飛んで行っている)が偶然命中、
半ば事故のような形で桃の初撃破の獲物となり撃破された。

チャーチルはカチューシャのT-34、ノンナのIS-2との連携とIV号との熾烈な駆け引きの末、
カチューシャに盾になってもらいIV号の油断と隙を誘うというダージリンの作戦が成功、
フラッグ車を倒したと見て油断したIV号を撃破し、聖グロ・プラウダ連合の勝利となった。

試合後は皆で潮騒の湯に入っており、ノーブルシスターズは大洗の面々やカチューシャ・ノンナ・クラーラと一緒に露天風呂に居た。
なおダージリンらは風呂にまでティーセットを持ち込み、お湯に浸かりながら勝利の美酒ならぬ美茶を楽しんでいた。

ローズヒップは他の聖グロ生徒と共に室内風呂であった。
特に暴れたり変な入り方をする事はなく普通に入っていたが、
ローズヒップと言えども風呂では流石に大人しくなるのか、単に止め絵だったからそう見えただけなのかは不明。

大学選抜戦前

周囲の不自然な状況等から大洗の廃校決定をいち早く察知、大洗も事態打開の為に何かしでかすと見て水面下で動き始めていたらしい。
この辺りは小説版で詳しく描かれている。
この時点ではまだ先の事を考えての事ではなかったようだが、いずれ「こんな事もあろうかと」をやるために先んじて行動した模様。

劇場版でも各校に暗号電文を打ち、大洗と大学選抜の試合の日時と場所を伝え集結を促す場面が描かれている。

大学選抜戦

3番目に合流、チャーチル、ローズヒップのクルセイダー、ルクリリのマチルダIIの3輌で参戦した。
彼女らを始め、各校の生徒たちが大洗の制服を着ていたのは、彼女の指示により聖グロが廃校決定につき叩き売りされていた大洗の制服を買い占めたため。
やはり大洗の制服を着ていたが、「やっぱり試合ではいつものジャケットで」との事だった。
彼女曰く、大洗の制服を全員に用意したのはみんな着てみたかったらしいとの事。
知波単学園が本来6輌の所を間違えて単独で22輌引き連れて来た時はダージリンにしては珍しく若干キレ気味であった*19

作戦会議にはダージリンが参加、「行進間射撃しかない。常に動き続け撃ち続ける」を提案していたが、これは攻撃手段であって作戦でも何でもない
更に言うなら、只でさえ命中率が非常に低い行進間射撃を質量共に格上のチーム相手にやるのはかなり分が悪いと思われるのだが……。

結局みほの提案で「チームを分割し、3方向から攻撃する」に決定した後はそれで良いと認めつつ「ここからが大事な事なのだけれど――」と前置きし、
そして彼女の大真面目な顔をした目元のアップで「――作戦名は?」などとどうでも良い事を言い出す
作戦名決めは各人の好物ぶつけ合い大会と化したが、彼女もフィッシュアンドチップス&ビネガー作戦を提案していた。

試合開始後はたんぽぽ中隊の副隊長として、みほ達大洗チームと行動を共にする。
敵戦車発見に際し、みほに(装備機材の関係でもあろうが)距離をヤード単位で報告するなどしていた他、
カールの砲撃によって身動きが取れない状態ながらローズヒップだけはずっと戦場をうろちょろしていた。
この時のローズヒップの行動は「ただ無意味に走り回っていたのではなく、カールの照準を攪乱する意味があったのでは?」と推測する声もあるが、
ダージリンが呆れ気味に制止する場面もあるのでおそらく単にじっとできなかっただけである。

カール撃破後は皆揃って廃遊園地に撤退、道中に部下を全員喪ったカチューシャをダージリンが励ます場面もあった。
廃遊園地では東通用門に陣取り、ダージリンが現場指揮を執る。
結果として大学選抜チーム主力部隊を迎え撃つ格好となるが、先頭を行くT28の頑強さを前に手も足も出ず、撤退を余儀なくされる。
なおローズヒップはT28相手に無意味に突撃→全速後退を2回ほどやっている。それで撃破されずに生き延びているのは練度の高さを物語る……のだろうか。

その後、大学選抜チームが碌な反撃もせずに妙な動きをしている事に何か勘付いていた様だが、結局はYO地点で包囲を受けてしまう。
しかし観覧車先輩の乱入で辛くも脱出、チャーチルとローズヒップは独自行動、ルクリリのマチルダIIは最終的にカチューシャらと同行する。

ルクリリは三副官の追撃時に撃破された。
映像では何かのついでのように撃破されているが、Varianteではエリカを庇ってやられた事になっている。
しかもその直前までエリカと子供のような痴話喧嘩をしていた直後であり、彼女が単なる数合わせではない事の証明となっている。
そしてローズヒップは逃げるチャーフィーを追撃し、撃破するも直後に勢い余って壁に激突し刺し違える形でリタイア。
ダージリンは終盤になっても未だ生存しているT28を撃破すべく、T28が通ろうとする石橋の下に潜り込み、
またチャーチルを橋桁に引っ掛けて車体を無理矢理斜めにすることで強引に主砲の仰角を確保、
ナオミのファイアフライの砲撃で橋を破壊させ、弱点箇所である底面から砲撃するという連携作戦により遂にT28を撃破する。
この時、やはりダージリンはカップを斜めに向けて水平を保っていた
お世辞にも優雅とは言い難い姿に乗員らは難色を示すが、ダージリンは「これは聖グロではなく大洗のための戦い」として気にしていない様子だった。
またT28の弱点として底面の攻撃を提案したのはアッサムらしく、ダージリンも「たまにはデータ主義も役に立つ」と評価していた。
しかし、アッサムが「この後の生存確率は……」と危惧した通り、車体を無理に斜めにした事で身動きが取れなくなってしまい、
脱出できずにいる内に大学選抜の戦車が回り込み、直後に砲撃され撃破された。
なお、チャーチルの姿は橋に隠れていたため、チャーチルから白旗が上がる瞬間は描写されていない。
ダージリンは撃破される直前、「最後の5分間が勝負の鍵」という旨のみほへの応援を呟いていた。

試合終了前、撃破された聖グロ生は大学選抜チームとお茶を飲んでいたらしい描写があった。
この時ローズヒップは些かお行儀悪く足を開いて地面に座っていた。

エンディングでは学園艦の甲板でいつもの如くお茶会をしていた。
得意げな表情で何か語っているダージリン、苦笑してるオレンジペコ、ジト目のアッサムが描かれている。
ローズヒップとルクリリもカップを持ちながら傍で立っているが、ルクリリは目を閉じている描写から立ったまま寝ていると専らの評判*20

無限軌道杯

一回戦、二回戦共に危なげなく勝利している。

二回戦ではアンツィオ高校と対戦するがまるで手応えを感じず、オレンジペコすら面白みの無い試合と呆れていた。
最終的に順当に聖グロが勝利、高所からの撃ち下ろしでフラッグ車を撃破するという全国大会の大洗・アンツィオ戦を思わせる結末であった。
この試合の聖グロ側の被撃破車両はクルセイダー1輌のみ。
倒されたというより半ば事故のような形で川に転落させられた恰好である。
またローズヒップのクルセイダーはCV33四輌に包囲され全周から集中砲火されたが全くダメージを受けた様子は無い。
なお、川に落ちたのは2輌だったのだが撃破判定が出たのは1輌だけだった。



余談

  • テーマ曲
ブリティッシュグレナディアーズ(英国擲弾兵)」が主に使用される。
最近では通信教育の「ユーキャン」のCMの曲として知られるが元々はイギリスの軍歌である。

  • 大洗の天敵?
大洗にとって相性の悪い相手であり、唯一勝ち星を挙げていない学校である事は先述の通りであるが、
  • 一戦目は同数とはいえ大洗があらゆる意味で最も弱かった時期である
    • みほが作戦立案し指揮を執っていたのは後半からであり、そこからは4輌対1輌の状況から一騎討ちまで追い詰められている
  • 二戦目は聖グロ・プラウダ連合vs大洗・知波単連合という純粋な聖グロと大洗の対決ではなく、
    戦車のスペック差や知波単が大洗の足を引っ張るなど実質大洗の逆ハンデ戦だった*21
  • そもそも大洗が2回以上戦った事があるのは聖グロとプラウダのみ
といった点を加味すると『唯一大洗に負けた事が無い』と言ってもあまり意味がある評価とは言い難い
とはいえ大洗がダージリンの首を取った事が一度も無いのは確かであり、戦法の相性が悪い事自体も上述の通り公式サイドからも認められている事実である。

  • 大洗町のキャラクターパネルについて
ダージリンのパネルは旅館『肴屋本店』に置かれている。
練習試合で聖グロ戦車が軒先を破壊し、エキシビジョンに至ってはこれまた聖グロ戦車のせいで大爆発して倒壊と、
一度とならず二度までも聖グロ戦車に突っ込まれて損壊させられたあの建物である。
本項目をここまで読んだ方はお分かりになる通り、ダージリンが肴屋本店を直接どうこうした事は一度も無い。あくまで部下の仕業である。
劇中で特に印象的に登場している建物であり、キャラパネルが集中する通りのほぼ中間地点に位置する事、宿向かいに駐車場があって催し物ができることも重なって
イベント時には特に大きな賑わいを見せる。
なお、ガルパン劇中の主人は60前後とみられる年配の男性だが、現実の肴屋本店で代表を務める大里氏は若旦那と言われるくらいにもう少し若い男性である。










いくら初記事立てとはいえ、文量が少なすぎたのではないでしょうか

落ち着きなさい。いかなる時も優雅に、それが聖グロリアーナの追記修正よ


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最終更新:2024年04月12日 15:56

*1 ただしローズヒップ以外の聖グロ生徒で「聖グロ」と呼ぶ者は少ない。

*2 チャーチルの主砲をより強力な17ポンド砲に変更するなどの改良が施された試作車。生産数は6輌と少ない。只でさえ鈍足な速力は更に低下しているが火力は大きく向上している。

*3 一言で言えばクルセイダーの後継型の後継型の後継型。走攻守の何れもクルセイダーから格段に進歩している。こちらは少なくとも1輌以上保有している事が判明しているが、本年度から導入したor滅多に使用できないと推測される。

*4 因みに大洗は「トリッキーな戦術を多用するため、搦め手が苦手な黒森峰に強い」とされている。

*5 雑誌掲載時はセンチュリオンだったが、単行本ではガルパンスタッフ側から劇場版と被るので変更してくれとお達しが出たのでブラックプリンスにチェンジされた。

*6 「タイツの様な化繊素材は熱で溶けて肌に張り付く危険があるため、熱を持ったエンジンや空薬莢に触れる可能性や被弾時の火災発生時の事を考えると地肌の方が却って安全」との見方もある。

*7 ただし冬の無限軌道杯までには修理されたのか復活している

*8 おかげで二人のやり取りを「落ち着きのない犬とその飼い主」等と称するファンも現れた。

*9 現代であれば戦車どころかその辺のショベルカーでも当たり前にできる事だが、当時の戦車で超進地旋回ができるのは他にはドイツのティーガーIや、大戦末期も末期の投入となったクロムウェルやセンチュリオン程度だった。

*10 大戦中盤の中戦車であれば20km/h程度は巡航速度で出せる。

*11 榴弾は着弾後に爆発するため歩兵や陣地に直接命中せずとも爆風と破片を撒き散らす事で被害を与える事ができるが、徹甲弾(=対戦車砲弾)では歩兵相手には直撃させなければ十分な効果が見込めない。「小さく、面で攻めて来る敵と戦う戦車なのに範囲攻撃ができない」と言い換えれば分かりやすいだろうか。

*12 マチルダIIのバリエーションの中には、逆に榴弾しか撃てず徹甲弾を使えないものもあった。

*13 複数車両持っていればその分予備部品多く確保しているであろうし、聖グロの規模を考えれば予備車両も持っている可能性もある。最悪共食い整備すれば1輌くらいは動ける車両をすぐに作る事もできる筈である。

*14 もちろん、「単純に1輌しか保有していない」「使い慣れない車種な上にパーツの入手性も低いと思われるので整備班も手間取っている」「夏休みの時期は全国大会が終了して2年生への引き継ぎが始まるオフシーズンなので大急ぎで修理する必要があまり無く、『ここぞといいう時の切り札』は後回しにして『平時の主力』の整備を優先している」といった切実かつ現実的な理由も考えられる。実際チャーチルすら1輌しか所有していないので、希少品と推測されるクロムウェルが1輌しかなくても不思議ではない。

*15 聖グロの戦車整備能力は強豪校の中でも高いとされており、いくら主力車両ではなく、またクロムウェルが部品の入手性が低いと推測されるとはいえ、全国大会から3ヶ月以上経ってもまだ修理できていないとは考えにくい。

*16 公式ルールブックによると、試合で破損した建物や物品の修復・再建は連盟が保証するとされている。現実にも似たような例として大阪府岸和田市の「だんじり保険」が存在する。

*17 IV号D型でチャーチルの重装甲を抜くには側面か背面に回り込むしかないため、チャーチル側からすればIV号が何を仕掛けて来るかは大体想像がつくという点も聖グロに味方していた。

*18 IV号ではない方は劇中では知波単が撃破したと言っているが設定ではIII突によるもの。

*19 もし最速で来ていたのが知波単だった場合下手をすれば大洗+知波単の合計30輌で大学選抜の相手をしなければならなかった可能性があった

*20 実際はあきれ顔で汗も一つ書かれている

*21 最後の最後は純粋なダージリンの読み勝ちであったが、そもそも知波単がゴルフ場で勝手な事をしなければ、もっと言えばチハよりは火力と装甲のある戦車が味方に居ればそこで決着が付いていた可能性はある。