七三軍団(FE)

登録日:2021/09/09 Thu 14:05:29
更新日:2023/11/05 Sun 19:36:11
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七三軍団とは、ファイアーエムブレム 聖戦の系譜に出てくる奴らである。


・これも我らの概要なのでな、悪く思うなよ

聖戦の系譜はそのシステム上名有りキャラや指揮官クラスの中ボスが多数登場する。
しかしSFC時代のファイアーエムブレムは容量の都合もあり、全員の顔グラを作るわけにはいかなかった。
そこで行われたのが顔グラフィックの使いまわしである。

そんな折、特に多く使用されたのが「前髪を七三分けにした糸目の中年男性」グラフィックである。
せんせいのお時間のおやじ(中村元)の髭を無くして金髪にしたような顔。
そのサラリーマンのような顔立ちに加え妙に印象に残る奴らが多く、聖戦の系譜を代表する名脇役と言えるだろう。
なお全員マントの色は違うため一応分別は可能である。
??「全部同じじゃないですかー」

なお七三軍団というのはあくまでプレイヤー間の総称。
公式でこう呼ばれたことはないのは留意点である。
そもそもこいつら同じステージには登場しないで軍団というのもおかしいのだが。


・ふふふ…悪いが、個別紹介させてもらうぞ

記事の性質上ネタバレが多数あります。

  • ザイン(Lv21:デュークナイト 指揮☆☆☆ HP61 力18 魔力2 技13 速さ13 幸運0 守備14 魔防5 ナイトキラー(ドロップ)、手槍)

おのれグランベルめ……
こうなったら武人の意地だ!まとめて片付けてくれるわ!

第二章に登場するアグスティ軍の男。マントの色は
七三軍団最初の刺客だが既にかなりレベルが高く、兵種も上級職。
槍の重さにより追撃しやすいが、力の高さは侮れない。
更にナイトキラーを持つ為、騎馬が多く乗り降りシステムの無い本作では迂闊に触れてはいけない。間接攻撃で戦いたい。
暗君であるシャガールが追い詰められた際、彼に命じられグランベル軍に戦いに挑む。
「祖国のために死ねることを、誇りと思え!」と部下を激励し、武人の意地を叫びながら全軍で突撃してくるが、力及ばず倒れる。


  • パピヨン(Lv20:ドラゴンナイト、指揮☆☆ HP60 力16 魔力2 技13 速さ12 幸運0 守備17 魔防2 鋼の剣、ライブの腕輪(ドロップ))
とか言ってたら次の第三章で早速七三軍団第二の刺客が登場する。マントの色は黄色
「ザイン」が名前を変えて再び登場したと思ったプレイヤーも多いとか。

急げ、アグストリアは目の前だぞ!
今度の敵はグランベルだ。思う存分戦って、トラキア王国の名を世界にとどろかせよ!

トラキア軍所属のドラゴンナイトでライブの腕輪を持つ。
ザインの記憶が新しいところに間髪入れずに登場する上に、「蝶」を意味する可憐な、その特徴的な名前から特にプレイヤーの印象に残りやすい。
なので七三軍団は「パピヨン顔」と呼ばれることも。 元祖のザインさんは泣いていい。
他の七三軍団に比べて自信家であり威勢のいいセリフが特徴的である。
ステは前章のザインと大差なく、単体ではさほど苦戦はしないか。
倒すとライブの腕輪をドロップするので持たせたいユニットでトドメを刺そう。


  • マゴーネ(Lv25:ドラゴンマスター 指揮☆☆☆ HP70 力19 魔力2 技16 速さ14 幸運0 守備21+5 魔防2 勇者の槍、シールドリング 追撃)

これも我らの仕事なのでな……悪く思うなよ。

第五章で登場。マントの色は
2人目のトラキア軍七三でトラバントの副官*1
砂漠で足を取られているキュアンエスリン率いるランスリッターを惨殺していく。
夫婦とランスリッター全滅後、帰国するトラバントの命で戦場に残り、シグルド軍に追撃を仕掛けてくる。
力が高く勇者の槍も持っているの手強そうだが、ランスリッターとの戦いで疲弊していることが多いので、戦ってみると案外大したことがない。ただし兵種スキル「追撃」を所持している点と、配下のドラゴンナイトがナイトキラーを所持している点には注意。
後の憂いを断つためとは言え赤ん坊を殺そうと提案したり冷酷な性格のように見えるが、虐殺の際「悪く思うなよ」と侘びている事から自らの行為が卑怯なことは自覚していたのだろう。
そしてシグルドと戦うと、反逆者として絶望的な戦いに身を投じる彼を憐れむようなセリフを吐くのも特徴。
余談だが聖戦唯一の平民ドラゴンマスターである。(残りは全員トラキア王族)




七三軍団は、理想を求めて戦った
しかし、その髪型も変えられぬまま
戦場に散った

彼らの存在が
いったい何であったのか

そして、ニュー七三分けは……





  • ハロルド(Lv10:ジェネラル 指揮☆*2 HP50 力13 魔力1 技9 速さ8 幸運0 守備15 魔防4 移動9 鋼の斧、鋼の弓、リターンリング(親世代から継承していない場合のみドロップ) 大盾)

奴らは、もはやふくろのネズミ。
一人残らず討ち取ってごらんにいれます。

親世代から子世代に移り変わっても、変わらないものがある。
七三軍団の存在もそうと言えるだろう。というわけで世代が変わった第六章に登場するドズル公国の将。
マントの色はパピヨンのものよりちょっと緑かかった黄色。あるいは緑黄色
リボー軍所属ガネーシャ城城主で、ダナンの命令を受けてセリス率いる反乱軍の所在を探っていた。
その居場所を見つけただけでなくオイフェもシャナンもいない隙をついて攻撃を仕掛けてくるなど、かなり有能な奴である。

セリス達の初陣の相手で宿敵とも言える存在なのだが、ストーリーではそれほど目立たない。
また全員が低いレベルからの再スタートになるためか彼もレベルが低く、最弱の七三と言えるだろう*3
ジェネラルの斧レベルがBで銀の斧を持てないこともあってか、ドズルの敵将で唯一斧以外の武器を使ってくる。
親世代で手に入れてなければリターンリングを持っていること以外印象に残らない男だが、後にシリーズに同名の味方キャラが登場したことで少しだけ話題になった。


  • コルータ(Lv19:ドラゴンナイト 指揮なし*4 HP59 力15 魔力1 技12 速さ11 幸運0 守備16 魔防1 移動9 勇者の剣(親世代から継承していない場合のみドロップ)、手槍)

これは私の部隊です。アルテナ様がおいやなら、ここに残って見ていて下さい。われわれだけでまいります。
全軍、突撃せよ!ヤツらを皆殺しにする!

第八章に登場するトラキア3人目の七三。マントの色は。あるいは藍色
王女であるアルテナ直属の部下であるが、戦う力を持たない市民を積極的に殺そうとするなど残忍な性格。
更に王であるトラバントの「攻撃の手を緩めるな」という指示を言い訳に、王女かつ指揮官のアルテナに命令無視をかます等七三きっての問題児である。
非道な三下ポジでステータスはかつての七三竜騎士より低いが、勇者の剣を持っていることもあり意外と強い。戦うなら弓で射掛けよう*5
上記の通り指揮官はアルテナだが演出だけでなくゲームシステム上でもそうなっており、また彼女はターンイベントによって移動しなくなる。上手く指揮範囲から外すと弱体化するので釣り出したいところ。
彼は同じ時系列であるトラキア776にも登場するが顔グラが変わっている。そっちでも使いまわしの顔であるが一応マントの色は同じである。
ちなみにトラキアの竜騎士であるパピヨン・マゴーネ・コルータは皆「トラキアに栄光あれ!」と叫んで散る。色々あったが全員祖国に対する忠義は本物だったのだろう。


  • ムーサー(Lv30:マージナイト 指揮☆☆☆ HP65 力11 魔力23 技16 速さ20 幸運7 守備17+5 魔防19 移動9 トルネード(ドロップ)、シールドリング 追撃)

死ね、反乱軍ども!帝国に逆らう者は、死あるのみだ!

第九章に登場するグランベル軍の騎士団長。マントの色はコルータのより濃い。あるいは青紫色
トラバントの援軍要請を受けて駆けつけてくるが、到着した際「(トラキアは)とんでもない荒れ地だな」とぼやいていた。
今まで物理職ばかりだった七三軍団には珍しい魔法職。
更に何故かセティ傍系の血筋、更に更に反乱軍に父親を殺された過去を持つ*6という、妙にドラマティックな背景を持つ。
…まぁ台詞自体は三下レベルなのだが。反乱者といい荒れ地発言といい。
だがグランベル帝国から派遣されただけあって部隊は回復担当を除き全員銀装備で剣槍斧が揃った上級騎兵*7。自身もレベルが高く高威力・軽量の風魔法トルネードを扱い、さらに個人スキルとして追撃を所持しているため、下記のリデール以上に苦戦したプレイヤーも多い。
なおセティ傍系になっている理由は「トルネード」を使うための処置と思われる*8


  • リデール(Lv28:パラディン 指揮☆☆☆☆ HP65 力21+5 魔力9 技21 速さ22 幸運15 守備21 魔防11 勇者の剣、パワーリング 追撃/必殺)

久々にまともな戦ができそうだ。礼を言うぞ。

第十章に登場する、七三軍団最後にして最強の刺客。グランベル帝国の将軍。マントの色は
皇帝のアルヴィスに忠誠を誓った武人であるが、近年は上官のヒルダ*9に子供狩りばかりを命じられて飽き飽きしている。
反乱軍が攻めてきたことで強敵との戦いに胸躍らせる物の、やはり子供狩りを命じられてしまう悲劇の将。
皇帝との命令と卑劣を嫌う精神の板挟みになった彼は、子供達の移動速度より少し早い程度の進軍をするのであった…。
その際の命令「まあ、急ぐ必要はあるまい。全軍、ゆるりと進撃せよ…」は彼の心境を短い文で表現した名台詞であり、コミュニティでの浸透度も高い。
だが放置してるとそれでも差はじわじわ縮められ、逃げている子供を攻撃してしまう。
心情的に子供を死なせたくないし、戦略的にもシビリアンはこちらのユニットで救出すれば経験値となる為できるだけ助けたい。その為にはリデールの本懐を遂げさせる意味でも速攻で仕留めたいところ。
しかし彼の部隊はスピードリングを装備しており、本人も勇者の剣とパワーリングを装備し、個人スキルとして追撃・必殺*10を持ち、指揮☆☆☆☆*11*12というかなりの強敵。
上記ムーサーが装備による強さとしたら、こちらは正統派の強さと言えよう。

…実はこいつら、これでも全力じゃないというのが恐ろしい所。
もし子供狩りという余計な任務がなければ全速力でこちらに向かってきて更に苦戦した可能性もある。
そういう意味では上司に恵まれなかったと言えるだろう。

ちなみに兵種、スキルともにオイフェとほぼ一緒。違うのは血統程度。
つまりオイフェを頑張って育てたらほぼリデールになる
…と言いたいがかなり吟味しないとオイフェが追いつけないうえ、30%分の自己支援補正は他のユニットからもらわねばならない。トレードしたくなる。

なお序章、1章、4章、7章、終章には七三は登場しない。また同じステージに複数の七三が登場することもない。
逆に言うと5割以上出ている事になるが。
またトラキアが絡む際は毎回登場している。


・久々にまともな余談ができそうだ 礼を言うぞ


以上、七三軍団は7人存在している。
これは聖戦の系譜で最も多く使われたグラフィックとも言える。
果たしてリメイクされたとき何人生き残れるのやら。
ちなみに親世代に3人、合計で7人なので髪型以外でも7、3軍団となっている。

聖戦は本当に容量がカツカツだったらしく、顔グラの使い回しはかなり多い。一度しかないパターンでもじわじわと来る者もいる。
ロン毛にキレイな髭を携えた顔4人(フィリップ(2章)・マイコフ(8章)・カナッツ(9章)・フィッシャー(終章))も印象に残りやすい。
また「世界ひろし」で有名なヴォルツも実は使い回されている。終章に登場するロベルトがそれ。
ひろしと全く同じグラに加えトラキア776に同じ名前のキャラが登場することからこちらもたまに話題に上る。

使いまわしの関係が敵将←→敵将間でないケースもあり、序章ではガンドルフの命令で橋を落とした雑魚バーバリアンが実は第一章の敵将の一体・キンボイスの使いまわしだったり、第七章冒頭のモブ隊長がブルームとの会話の時だけフィリップ顔だったり、
シグルド編では善良な上司として数回顔を見せる「フィラート」の顔グラが、終章でエッダの僧兵隊を指揮するボスの「ロダン」*13や第三章の村人に転用されていたりする。
挙げ句、シグルド達を助けて慈愛を見せ、レヴィンの母親という超重要キャラである「ラーナ」ですら使い回されている。流石に市居の者や敵ではなく隠しイベントに登場する泉の女神という役柄ではあるが。
大量のキャラクターが登場する聖戦の系譜。その物語を顔グラを使いまわしてでもドラマを書ききるというスタッフの執念と熱意が感じられる。

他方、8章に登場する敵将「オーヴォ」のみはなぜか専用顔グラ(しかも大陸一のジョルジュトロワ・バートンを足して2で割ったようななかなかのイケメン)である。
こいつに特にドラマは無く台詞も印象に残るものではないが、なぜこうなったのかは不明である。


女性にも同じ顔グラのおかっぱ軍団がいるのだが…。
  • ディートバ、パメラを始め印象に残るキャラが多い。
  • 同じ顔ということを活かして三姉妹として登場する。しかも二度も
事から全員ある程度キャラが立ってるためかネタにされにくい。

現行シリーズでは容量に余裕があるため、烈火の剣より後は覚醒で少し復活しただけで、それから顔グラの使い回しはほぼ行われていない。
しかしファイアーエムブレム 風花雪月やそれの無双では名前ありキャラを多く動かさなければならない関係上、モブ兵種の顔を使いまわしてたりする。
また3Dになった都合上、顔でなく逆に「胴体の使い回し」が起こってたりする。例えばニュクスオフェリアは服が色違いだったり、「風花雪月」でも兵種の衣装は皆が同じだったりする。




まぁ、急ぐ必要はあるまい。全アニヲタ、ゆるりと追記・修正せよ…


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最終更新:2023年11月05日 19:36

*1 物語上の主従関係の話であって、配下のドラゴンナイトはマゴーネの指揮下

*2 待機するボスの指揮☆は実質無意味

*3 ただし兵種スキル「大盾」を所持しているため、LV(%)すなわち10%の確率でダメージが無効化される点と、間接攻撃対策として鋼の弓を所持している点には注意

*4 アルテナが指揮官のため。なお彼女は指揮☆☆☆

*5 間接攻撃を仕掛けると自動で手槍に持ち替えてくるが、単発攻撃のうえ命中率と回避率が低下するので楽

*6 出現場所近くの村で情報を聞ける。なお撃破後にこの村を訪問すると自軍を称賛する台詞に変わる

*7 剣攻撃を担当するのは兵種スキル「連続」を所持しているフォレストナイト。しかもより高威力な銀の大剣を装備している

*8 傍系血族のユニットは対応する武器を装備できる場合、その武器LvがA未満なら1段階上昇する。トルネードは風Aなのに対しマージナイトは風Bなので、本来は装備できない

*9 風花雪月のヒルダとは別人

*10 発動すると「ダメージ」ではなく「攻撃力」が2倍になるため、守備力が高いユニットでも大ダメージは免れない。見切りを所持していないユニットが直接攻撃で戦うと神器を装備していても最小2回・最大4回の攻撃回数と相まって返り討ちに遭う危険性が高い

*11 命中率・回避率に30%の補正が3マス以内にいる仲間のみならず、自分自身にもかかる

*12 ちなみに子供狩りを命じたヒルダは指揮☆☆☆、駐留していたラドス城の城主モリガンは指揮☆☆。人格面と城の地形効果(回避+20%)との兼ね合いだろうか。

*13 僧兵隊を率いて防衛線をしているのだが、エッダ城を護るのは暗黒司祭のユフィール。力関係を感じさせる配置をしている。またロダン本人も敵ではあるが自らの行動に後悔もしておりそれほど悪人ではない。