埋める

登録日:2021/09/12 Sun 16:24:12
更新日:2022/03/13 Sun 13:10:41
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埋める(う-める・うず-める)とは、
  1. 穴や隙間を塞ぐ
  2. ものを土などの中に置き、表面全体を覆う
ことである。



なぜ埋めるのか

地面や壁に穴や隙間が開いていて、危険だったり見栄えがよくなかったりする状態を解消するために塞ぐ、つまり「埋める」ことがされる。
ちなみにロマサガ2タームの襲撃をしのぐときの選択肢は「塞ぐ」であり、「埋める」ではない。
ただし「塞ぐ」を実行すると地面の穴がなくなるので、土を持ってきて穴を埋める作業もしていると思われる。

ものを露出しないように置く営為やその目的については以下に述べる。

食品などを保存する

リスやキツネなどの動物は、食べ物を土に埋めて保存し、あとで食べること(貯食)が知られている。
寒い地方では、雪が積もると野菜などを雪に埋めて保存できる。
いずれも、食べ物が散逸したり腐敗したりするのを防ぐためである。

食品でないものを埋める例としては、タイムカプセルや火鉢の炭*1などがある。

植物を育てる

果実や種子を土の中に埋めて発芽を促す。
ただ実際のところ、農業や園芸の文脈では「埋める」という表現を使うことはあまりない。
「埋める」という表現を使っている例としては、ポケモンシリーズできのみをふかふかの土に安置したときのメッセージなどがある。

また、上述したリスなどの貯食行動で埋められた果実や種子はすべてが消費されるわけではなく、食べ残しからの発芽が森林の更新に重要な役割を果たしているらしい。

死者を葬る

死んだ人の葬儀のやり方はいろいろあるが、遺体は土葬ならそのまま、火葬なら焼いて残された骨を地面に埋めることになる。
これに由来する慣用句として、英語で「死んでいる」という意味の"be six feet under"がある*2

ごみを処分する

日本では自治体におけるごみの最終処分として埋め立てを行っている。
詳細はゴミ捨て場の項目を参照。
田舎だと、生ごみや草木を燃やした灰をそのまんま地面に埋めてしまうこともあるとかないとか。

ものを隠す

人目につかないようにものを地面の下などに埋めて隠す。
創作作品では埋まっているもの、それも誰かが埋めて隠したものといえば宝物が定番であり、多くのゲームで有用なアイテムを発掘できるイベントや技能などがある。
現実では死体遺棄や産業廃棄物の不法投棄や未撤去の地雷のような夢のない話が多い。徳川埋蔵金の捜索も最近やらなくなったし
「桜の木の下には死体が埋まっている」という都市伝説も、樹木葬ではなくこっちの意味合いであろう。

封じる

遮蔽されている状態を作り出すこと自体が目的であるパターン。
創作作品では強大な存在の封印が地下深くに埋められていることがよくある。
そしてお約束で封印が解かれ主人公は撃破や再封印に奔走する
現実では、遺跡の調査を行った後で保全のために埋め戻す例がある。

部品の組み込みや移植

機械の内部に部品を組み込むことや、医療用の人工物*3を体内に移植することを「埋め込む」と表現することがある。
いずれも組み込まれたり移植されたりしたものが外部に露出していないことを含意する表現である。
ここから派生して、コンピュータープログラムにすぐには露見しない不具合を作り込むことを「バグを埋め込む」と言ったりする。

制裁や報復

「見たら本当に絶対感動するよ!もし感動しなかったら木の下に埋めて貰っても構わないよ」

創作作品のギャグシーンでは、くだらない言動を取ったキャラクターが埋められることがある。
上記のセリフは漫画キルミーベイベー』にて折部やすながソーニャに向かって言ったものであり、感動させることはできたようなのだが結局やすなは埋められた。
ネット上では展開を端折って即堕ち2コマ風に加工されたコラ画像が出回っている。\ババーン/

現実の場合はたいてい「生き埋めにして殺す」という意味合いである。
主な使い手は白起項羽など。

遊びやレクリエーション

海水浴場でよくやる遊びとして、砂浜に寝そべった人に砂をかけて埋めるものがある。
埋められる人と砂をかける人の最低2人がいないと成立しないのでぼっちには荷が重い
また、鹿児島県の指宿には砂に埋まってあたたまる砂むし温泉がある。
こっちはスタッフの人が砂をかけてくれるはずなのでぼっちでも安心



比喩表現など

当てはめる、割り当てる

情報やデータがない場所に記入や入力をすること、担当者がいない作業に人員を割り振ることなどの比喩表現として使われる。
「空欄を埋める」「認識のギャップを埋める」「欠員を埋める」などの言い回しがある。
某掲示板でスレッドのレス上限まで書き込みを行う「スレを埋める」もここからの派生であろう。

うずもれる、もたれかかる

大きくて柔らかいものなどに身体を預ける行為の比喩表現として使われる。
「埋める」よりは「埋まる」のほうがよく使われる。
「ソファーに埋まる」「クッションに埋まる」など。

すぐ利用できない場所に移動させる

TCGで使われることがある言い回し。
場に出ているカードを山札に戻してシャッフルさせる、山札の上から何枚目かに置くなどの効果により再使用できるまで時間がかかる状態にする。
シールドなど、各作品特有の領域に移動させる場合もこう呼ばれる場合がある。
いずれにせよプレイヤーが移動されたカードにすぐアクセスできないようにすることがキモなので、手札へのバウンスや山札の一番上へのバウンスは当てはまらない。

なおTCGにおいて「墓地」と称されるような領域は公開領域であり、墓地からカードを場に出す手段も各種取り揃えられているため現実の墓地よりもずっと開放的である。
MtGの《生き埋め/Buried Alive》や《納墓/Entomb》など墓地にカードを送り込む専用のカードも存在するが、カードの字面とは裏腹に「埋まっている」イメージは薄い。





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最終更新:2022年03月13日 13:10

*1 火のついた炭を灰に埋めると消火でき、ゆるやかに温度が下がるため再点火しやすい

*2 アメリカで土葬を行うとき棺を6フィート(約180cm)の深さに埋める慣習に由来する

*3 歯のインプラントや骨折治療のためのボルトなど