ゼロの使い魔に登場した地球の兵器

登録日:2021/10/13 (水曜日) 23:52:10
更新日:2024/01/18 Thu 22:45:36
所要時間:約 6 分で読めます




ライトノベル、ゼロの使い魔は異世界転移系ファンタジーとして根強い人気を持つ。
主人公平賀才人とヒロインルイズのラブコメは、当時『ツンデレ』という新語を世に知らしめる大きな力となった。

しかし、それらとは別にゼロ魔の人気を支え続けたのが、ファンタジー世界に異色な地球の道具たちである。
科学という言葉すら存在しないファンタジー世界に地球の戦車や戦闘機を持ち込んで、中世の軍隊やドラゴンと戦ったらどうなるかという、青少年たちが厨二心で夢想する光景を実現した本作の描写は大きな反響を呼び、ゼロ魔世界では度々地球の有名な兵器が活躍する描写が描かれた。
主人公の平賀才人はルイズの使い魔として得たガンダールヴの能力で、どんな武器でも瞬時に理解して扱うことができるために、彼が地球の武器を扱って戦うシーンはどれも名場面としてファンの語り草になっている。
しかし、科学レベルが中世並みのハルケギニアでは部品や弾薬などの補給はできないために、その活躍は限定的なものにならざるを得なかったが、それでも有名な戦車や戦闘機が異世界で活躍するという描写は世の少年たちの心を熱くさせた。

なお、なぜ地球からハルケギニアに武器や兵器が召喚されるのかは、過去に始祖ブリミルが「あらゆる武器を使いこなせる使い魔であるガンダールヴ」のために異世界からその当時の最強の武器を召喚するという魔法がまだ生きているためで、過去には刀剣や槍などが召喚されていた。
一方でアニメ版ではその設定がないため、エロ本や水着といった武器とは関係ないものも召喚されている。
ある意味ではもっとも強力な兵器と言えるかもしれないが

本項ではこれらゼロ魔世界を彩った兵器たちを登場順に紹介する。


【原作に登場した兵器】


破壊の杖(M72 LAW 対戦車ロケットランチャー)

1巻に登場した初の地球の兵器。
携帯型の使い捨てロケットランチャーで、通常は短い筒の形で収納されているが、使用時には縮められている砲身をシャコンと引き出して、敵に向かってぶっ放つ。
才人が召喚される30年ほど前に魔法学院の近くに転移してきてしまったアメリカ兵が所有していた。
状況と年数から考えると、恐らくベトナム戦争時のどこか。
たまたま居合わせたオスマン学院長を襲っていたワイバーンをこれで撃破するが、負傷した状態で転移してきてしまったのか、彼はそのまま介護のかいなく死亡してしまう。
オスマン学院長は命の恩人の彼への敬意を込めて、使用済みのものを彼とともに埋葬し、もう一本所有していたものを「破壊の杖」と名付けて保管していた。
しかし、破壊の杖というたいそうな名前から高価な品物と誤解した盗賊フーケに強奪され、紆余曲折あって才人がフーケのゴーレムを相手に使用することになる。
この時のゴーレムは才人たちの身長から推測して6、7メートルはある巨体だったが、粉々に粉砕された。
これによって、魔法の世界でも地球の技術が通用することが明らかになり、二次創作では様々なものに置き換えられて話が作られた。
前述通り、使い捨ての兵器であるため筒だけになった後はオスマン学院長に返還された。

竜の羽衣(零式艦上戦闘機)

3巻から登場。言わずと知れた日本人なら誰でも知っている代表的なWW2戦闘機。
アニメでは特徴から恐らく52型。原作では型式不明。
シエスタの曽祖父である佐々木海軍中尉が搭乗したままタルブ村の上空に迷い込み、燃料切れで不時着後に保管されていた。
保管のためにはタルブ村に根を下ろした佐々木中尉が働いて得た私財を使って「固定化」の魔法がかけられており、半世紀経った現代でも経年劣化は起こしていない。
村人には奇妙なものとしか認識されていなかったが、シエスタから話を聞いた才人によって発見された後は学院に移送される。
燃料切れの状態であったため、コルベール先生が石炭を錬金してガソリンを精製。数日でタル5つ分のガソリンを作ってもらい、これを使ってアルビオンの艦隊に立ち向かった。
アニメ版では一晩で大きめのタルで4つ分、タルの大きさから推測して約2000リットルを製作している。
ちなみに軽自動車のガソリン容量は約30ℓ以下、普通自動車でも約60ℓ以下であることを考えると、2000ℓのガソリンを手作りするというエネルギー事情を一変させかねないとんでもないことをサラっとやっている
なお、零戦の燃料搭載量は増槽を別にしても550リットルほど。土のメイジが100人いたら空母機動部隊の燃料をまかなえてしまう。
アルビオンの竜騎士を相手にした空戦ではまさに無双状態。竜をはるかにしのぐ機動力と、7.7ミリと20ミリ機銃という武装の差で竜騎士をほぼ全滅に追い込んだ。
ただ、ガンダールヴの力は武器の使い方はわかってもコツはわからないため、特にアニメ版では才人は本職のパイロットなら絶対やらないであろう機銃の握りっぱなしをおこなって弾薬を無駄遣いしてしまったことが後に響くことになる。(零戦乗りたちは弾薬を節約するため、敵を撃つ一瞬しか銃撃しなかった)
だがさすがに戦艦には機銃では通用せず窮地に陥ったが、ルイズが虚無の系統に目覚めたことによるエクスプロージョンの発動で難を逃れた。
以後は機銃弾の補充が不可能なため、移動や偵察のために使われた。
アニメ版では作画にメチャメチャ気合が入っており、コクピット内の精密な描写はミリオタも一見の価値あるものとなっている。

タイガー戦車

13巻から登場。こちらも言わずと知れた世界最強と呼ばれたWW2の重戦車。
作中では単にタイガー戦車としか呼ばれないが、挿絵を見る限りではキングタイガーのほう。
ロマリアの地下墓地に保管され、初めて『場違いな工芸品』としてジュリオから才人に、これはガンダールヴの使う『槍』であるから才人が使うべきものだとして与えられる。
しかし重量が半端ではないため、輸送するだけでもメイジ複数でやっとというドイツ軍も泣かされた欠点にいきなり苦しめられる。
実戦には才人ひとりでは扱えないため、コルベールとキュルケとタバサを乗員にして出撃。なお装填手はタバサ、無茶させんな。
相手どるのはガリア軍の新兵器である身長25メイルにもなるゴーレム「ヨルムンガント」(参考までに、ガンダムは17メートル)
ヨルムンガントはそれまでにも迎え撃ったロマリア軍を壊滅させ、ルイズのエクスプロージョンも跳ね返すほどの装甲も持っていたが、そこは伝説のアハトアハトこと88ミリ砲の威力は別格で、距離2000ほどからも軽々と撃破していく。
このときに才人が発した言葉が、「地球なめんなファンタジー」である。
このシーンではヨルムンガントの放った砲弾を装甲ではじき返すシーンもあり、まさにタイガー戦車がかつて連合軍を相手に伝説を作り出した無敵神話の再現となっている。
ちなみにこちらも固定化の魔法で保護されているので経年劣化に蝕まれていない。それどころか、キングタイガーの弱点であった足回りの脆さによる故障率の高さも解消されているらしく、全速走行で戦場まで急行してそのまま大暴れという真似を可能にしている。
もし固定化が施されていなければ、戦場までの間で故障して使い物にならなくなった可能性も高いので、その点では「ファンタジーなめんな地球」でもある。
砲塔はその後に取り外されてオストラント号に搭載された。

原子力潜水艦

聖地の海底に沈んでいたロシアのものと思われる原潜。
かなりの時間放置されていたらしく朽ち果てていて、ミサイルも発射不能にこそなっていたが、核弾頭だけは無事だったことから……。

【アニメ版にのみ登場した兵器】


大いなる槍(アハト・アハト)

アニメ3期最終回で登場。タイガー戦車の主砲である88ミリ砲のオリジナルである高射砲である。
タイガー戦車がアニメ版では登場しないので、その代替として登場。
残念ではあるが、戦車をアニメで動かすための労力はものすごく、後年にガールズ&パンツァーでも相当な苦労の逸話があるくらいだから仕方がない。
原作同様にヨルムンガンドに向けて放ったが、ヨルムンガントを守っているカウンターの魔法が強力すぎて一発目は失敗。
二発目は仲間たちが足止めしているところにルイズのディスペルの魔法をかけることによって貫通に成功した。

F2戦闘機

アニメ4期最終回で登場。航空自衛隊の所有する主力戦闘機。
地球に送り返された才人が、エンシェントドラゴンの脅威にさらされているハルケギニアを救うために自衛隊基地から持ち出した。
だが、どんな手を使って持ち出したかは不明。少なくとも自衛隊基地に侵入して燃料兵装フル状態で発進可能な機体を強奪する*1なんて真似が人目に触れずにできるとは思い難く、日本中がひっくり返るような大事件になったのは想像に難くない。
そのため、その後地球に戻ってきた才人とルイズの行く末を心配する声がファンの間からあがっている。
経緯はともかく強奪後は日食を通ってハルケギニアに無事帰還。
対艦ミサイルを発射してエンシェントドラゴンに多大なダメージを与え、最後は才人が直前で脱出した上での自爆で致命傷を与えた上でのルイズのエクスプロージョンで倒した。



才人「次回、ゼロの使い魔・追記修正」
ルイズ「次回も私に会いたいなら、おとなしく待ってなさい」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ライトノベル
  • アニメ
  • ゼロの使い魔

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月18日 22:45

*1 なお現実での自衛隊機は実弾演習は勿論スクランブル待機の戦闘機ですらミサイルは最大4発程度で兵装を満載することはない、航空祭などの催しで展示されているフル装備している戦闘機も積んでいるのは模擬弾である