ヒイラギ/真木冬憂里

登録日:2021/12/30 (木曜日) 19:17:00
更新日:2024/04/13 Sat 21:53:09
所要時間:約 15 分で読めます




私は私が(たの)しく(ラク)してPKしたいのっ!ねっ、分かる!?


ヒイラギ/真木(マキ)冬憂里(フユリ)シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~の登場人物。




概要

作中のゲームシャングリラ・フロンティアのプレイヤーであり、ゴルドゥニーネの一人である「イスナ」の協力者。
そして何より、作者から直々に「カス、ゴミ、こいつがいるから他のプレイヤーのヘイトが薄らぐ、下劣装置」と言わしめるほどの、超ド級のクズである。


人物

リアルでは現役高校生。
外見はいいのだが、見た目に誘われてナンパを仕掛けて来たチャラ男が真顔で現地解散するくらいの超ド級地雷女。
気弱を装いつつもその実は毒の滲む言葉で喋る、ナチュラルボーン唯我独尊私以外見下し女。言葉の最後に「ね?」と強調する癖がある。
十数年生きてきた中で『自身の行動は全てが「善」として肯定されるべきものであり、否定するすべては「悪」』という、最悪の人生哲学を持ってしまっている。
小学生の頃には「危険から遠のき、揺るがぬ安定を堅持し続けたならば敗北が自分に近づいてくることは絶対に無い」という真理に目覚め、苦労は他人任せにして美味しい所だけ掻っ攫うというハゲタカと揶揄されても仕方ないような生き方をしている。
さらに『人間、結局のところ泣けば何とかなる』という真理も見出しており、その限りなくドス黒いが故に純粋な感情で得た「涙脆さ」で、人生で何度かあった交友関係の悉くを「泣き潰して」きたという。


何事においても自分は例外、自分は特別………ともすれば社会に排斥されかねない傲慢さを振りまきながらも見目の良さと、スライムよりも柔軟で鋼鉄よりも強靭なメンタリティで乗り切ってきた女である。

こんな性格なので友達などいるはずもない*1が、「楽しければ人生勝ち」だと思ってるし、実際その理論で言えば勝ち組ルート爆進している。
一方、「まぁ何言おうと戦ったら私の方が強いし???」みたいな無言マウントオーラを漂わせてる京極は苦手なタイプ。
「きょーごくちゃんにもまだ勝てない」「不意打ちに強くなっててズルい」とも発言しており、PKし合う仲の京極に負け続けている疑惑がある。


ゲームプレイヤーとして

プレイヤーとしての詳細な型は不明だが、プレイヤースキル自体は決して低くないと作者も公言している。
だが、その精神性によるネットゲームにおけるモラルのなさが全てを台無しにしている。
上述の通り、相手への配慮など欠片も持ち合わせていない性格なので、責任転嫁や暴言も辞さないことからネトゲでは地雷プレイヤー認識を受け、下手すれば垢BANされてもおかしくないレベルである。
一方でプレイヤーキラー(以下PK)としては、
  • PKすることで得られる実利を求める。
  • 不意打ちでプレイヤーから装備やアイテムをせしめる事を楽しむ。
  • 誰に何を言われようが一時間もすればきれいさっぱり忘れているような鋼鉄のメンタル
が噛み合っているため、向いていると言わざるを得ない。
PKそのものを楽しむアーサー・ペンシルゴンやサバイバアルに近いメンタリティでありつつも、PKによる利益を目的とするオルスロットにも近い、阿修羅会に所属していたプレイヤー達をカテゴライズする要素を全て濃縮したようなプレイヤーである。

また、密航に成功して旧大陸から脱出したり、京極とかの交友関係のおかげでPKKから逃走できたりと「乱数のに愛されてるタイプ」との事。*2
彼女に関わったサンラクからは「世紀末円卓*3適性があるよ、幕末とかは向いてないけど」と評価している。


プレイヤーキャラクター「ヒイラギ」

「シャングリラ・フロンティア」における冬憂里の女性型アバター。名前の由来はおそらく自分の名前を捩ったもの。*4
元々武器は短剣をメインとしていたそうで、他にも手斧や牽制用に短刀を扱う。
ステータスを含めたビルドはジョブとスキルなどを併用した隠密からの先制攻撃とそこからの攻めの”暗殺”、及び敗北時の逃走保証というPK特化の構築をしている。「相手が対応する前にHPを削り切る」というコンセプトの為に、隠密からの一撃にリソースの殆どがつぎ込まれている。
元々プレイヤースキルは決して低くない上に、武器・アクセサリー・ジョブ・スキルのシナジーが噛み合っている。
しかし、確実な暗殺のために周到に準備が必要なため、皮肉にも自らの戦法である奇襲をそっくりそのまま返してくる敵こそがヒイラギにとっての天敵となる。

シャンフロではエリアボスの「泥掘り」に野良パーティーで挑んでいた時に責任転嫁や暴言などをやらかし、早々に地雷プレイヤーと認識されてしまってからはPKに手を染めるようになる。
一時期はPKクラン「阿修羅会」に属しており、序列5位と高い地位にいたが、そこでも特に度し難い手合いとして扱われており、京極曰く「断じて友達にはなりたくないがあまりにも突き抜けすぎていて、逆にこの人物がどういう末路を辿るのか? という好奇心を集める、ある種カリスマのようなものを持っていた*5と述懐している。
その後の経緯は不明だが、サンラク達がシャンフロを始める頃には阿修羅会から離れてフリーのPKとなり、PKKからの追っ手を振り切った末に、現在は新大陸で活動している。

アクセサリー


武器


スキル


魔法


職業


称号



活躍





※本編のネタバレありますので注意!




「誰そ彼の蛇」

サンラクを見かけて以来狙いをつけていたらしく、まずは「蛇の林檎」新大陸支店に身を寄せていた王我星(オーガスタ)に、同じゴルドゥニーネの協力者と言う形で接触。
王我星を唆してあらかじめ指定した新大陸の大樹海*7にサンラク達を誘いこむ。
ここには大樹の根本から地下の小空洞に行くことができる穴が各所に点在しており、ヒイラギだけが知っている隠しエリアがある。そこでサンラクに不意打ちによるPKを狙っていたのである。
そこにイスナと共に潜伏していたヒイラギは、ユニークモンスター「無尽のゴルドゥニーネ」(以下ボスドゥニーネ)の乱入という想定外の事態に陥りつつも、穴の入り口からイスナに狙撃させるなどのちょっかいをかけつつ、ボスドゥニーネとの戦闘中だったサンラクをPKすべく、不意打ちを喰らわせる。
サンラクに食いしばりが発動して即死させられず、逆に反撃を喰らってしまうも、咄嗟にサンラクを非難する。自分から攻撃しておいて攻撃されると非難するという支離滅裂さに、さしものサンラクも一瞬混乱してしまい、隙を突いたボスドゥニーネによってサンラクは死亡。ほどなくヒイラギもボスドゥニーネに倒された。

サンラクの直接のPKは果たせなかったが、直前に行われていたクソアプデ*8の影響でボスドゥニーネが去った後の戦場にはサンラクの装備品がドロップされており、あらかじめ近くに簡易セーブポイントを作っていたヒイラギはまんまとサンラクの装備品を奪うことに成功。
その際、サンラクのトレードマークともいえる正眼の鳥面(ハシビロコウの覆面)も落ちていたが、こちらは「気持ち悪っ」踏みにじった上で放置した。




「私の名前は」

久々に登場したが、サンラクから奪ったレア装備に味を占め、ボスドゥニーネの再襲撃を知ったことで、戦闘のドサクサに紛れてのサンラク再暗殺を目論んでいた。だが、



やぁヒイラギ


えっ、あ………京極ちゃん? こ、こんばんは?


じゃあとりあえず天……じゃないや、戦ろうか


えっ


偶然エンカウントした旧知の京極から突然襲撃を受ける。
デスペナを回避するスキルは突然の奇襲で使えず、PKであるヒイラギには強制ログアウトの手段も使えない。*9何とか攻撃をしのぎながらイスナの援護射撃に期待するも、なぜかイスナが動く気配がない。
内心、強武器と強アクセサリーを実戦で使ってみたい欲求があった*10ため、会話によって京極の油断を誘いつつ、封雷の撃鉄・災を用いた超高速の一撃を試みるが、



な、なんで…………


”抜き身”だよ? 臨戦態勢に決まってるじゃないか


不意打ちに反応された上、逃走を試みる瞬間を狙われて大技を喰らってしまう。
追い詰められたヒイラギが取った策は…



俳句……じゃなかった、遺言くらいなら聞くよ?


…………して、


うん?


どうして……ひぐっ、こんな……っ! 酷いことするのぉ………?


リアルでも使ってきた泣き落としであった。さらに京極が如何に酷いことをしたのか、自分が如何に被害者であるかを懇切丁寧に説明していく。*11
常人であれば手が出てもおかしくない暴論のオンパレードに対し、



ねぇ、ねえっ! 聞いてるのっ!?


うん、ちゃんと聞いてるよ。つまり悪いのは全部僕ってことでしょ?


え……う、うん


京極は至極あっさりと自身の非を認めた。だが、続く言葉はヒイラギの理解を遥かに越えるものであった。



でも実は悪いのは僕じゃないんだ


……え?




天がやれって言ったから(・・・・・・・・・・・)





………んん? えっ、と………そういう名前の、プレイヤー?


ううん、()だよ。スカイ


幕末マインドに染まりきった京極には、ヒイラギの泣き落としなど一切通じていなかった。*12
さらに、自身に躊躇なく襲いかかる京極の理由がヒイラギからすれば「……頭おかしくなった?」と言わしめるほどの謎理論であったことに愕然としながら、自分が散々言われてきた「話が通じない」という言葉の意味が如何なるものかを理解させられるヒイラギ。そして、その時は訪れた。



待って待って待って待って!アイテムあげるからマーニあげるから待って待って待って待って待って待って待って待っ───



───天誅



て、


最期の命乞いも京極には「随分字余りな辞世の句だ」としか思われず、京極の刃はヒイラギの首に狙い違わず振り抜かれ、PKKを免れ続けてきたヒイラギは遂に天誅(PKK)される。
その場にはこれまで自身がPKしてきたプレイヤー同様に、それまで貯めこんできたアイテムやマニーが大量に、それこそ現役のPKである京極が驚くほどに残された。*13
おまけにその回のラストシーンではイスナが京極に降伏する事を選んでおり、解説によると「騒動に首ツッコむ(ので自分がとばっちり喰らう)のがいやなのでここはあえて傍観、でも勝ったらそれでもついていったよ!(意訳)」だそうな。
なお、2022年の除夜ゲロによると、この敗北で完全に萎えて、「二度とやらんわこんなクソゲー」ログアウトしてしまった、との事。

なお具体的な敗因は「強武器と強アクセサリーを実戦で使ってみたい欲求を向けた相手が幕末志士だった」「まだ脳みそが現代の頃の京極なら勝ててた、でも今あいつ幕末だから……」ということらしい。
ちなみに問題の幕末に関しては「幕末のノリを他ゲーに持ち出すのはNG。持ち出したら切腹案件」という暗黙のルールが存在しており、もしこの顛末が幕末を知る者にバレた場合京極がどうなるのかは未知数である。


余談

作者によるとキャラクターコンセプトは「救いようのないディプスロ」らしく、ディープスローターがならヒイラギはだとも語っている*14「好かれるキャラじゃないけどゲームである以上は絶対こういうキャラいるよね」ということで登場に踏み切ったとの事。


追記、修正は泣き落とし天誅を回避してからお願いします。


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最終更新:2024年04月13日 21:53

*1 作者曰く「焼野原を超えてもはやクレーター」

*2 それ故に作者の認識は「汚い秋津茜」。

*3 作中でも描写のあったPKの巣窟と化しているクソゲー「ユナイト・ラウンズ」のこと

*4 真木 冬憂里 → 真「木 冬」憂里 → 柊(ヒイラギ)

*5 珍獣のドキュメンタリーとも言える

*6 もう片方は「怪盗」ジョブから派生する「華麗なる鬼札(スティルジョーカー)」

*7 正式名称「ペンヘドラント大樹海地帯」

*8 死亡時に装備してた武器、防具、アクセサリーがその場にドロップ、30分くらいは所有権が残ってるので本人しか拾えないけど、それを過ぎると誰のものにもなるというもの

*9 何らかの事情でリアルに可及的速やかにログアウトしなければならない場合、作中のVRゲームは強制ログアウトを選択することが出来る。シャンフロも例外ではないが、シャンフロにおいて強制ログアウトはゲーム内において「突然死」にカウントされ、PKであれば「突然死」に加えて「PKK」判定が適用される。つまり、全アイテムをその場でぶちまけてしまう上に、PKペナルティも受けてしまう

*10 作者のTwitter情報

*11 ついでにイスナがどこかでサボっている事に対する怒りもちゃっかりぶつけた

*12 Twitterによると幕末には「泣き落とし天誅」なる天誅方法もある。説明文から察するに知識として得ていたか、経験済みだった模様

*13 通常のインベントリだけでなく、アクセサリーの追加インベントリの分もペナルティ対象となった模様

*14 実際ディプスロはかなり病んでかつ別ゲームで大問題を起こしているが、「人脈を作れる」・「取得技能で普通にゲームプレイをしている」・「(歪んでいるが)主人公を愛しているので彼の頼みなら聞く」と、とりあえず現状「友達や仲間はいないが下僕はいて、能力は信用されている」扱いとなっている。