麒麟丸(半妖の夜叉姫)

登録日:2022/03/13 (日曜日) 18:58:13
更新日:2024/03/18 Mon 16:32:13
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そうであったかな。



麒麟丸(きりんまる)」とは、『半妖の夜叉姫』の登場妖怪。
この項目では主に、アニメでの彼について解説する。



概要

かつて、犬の大将竜骨精、豹猫族のお館と共に日本における妖怪たちのパワーバランサーとして君臨していた大妖怪の一人。「獣王」「東雲(しののめ)の麒麟丸」とも呼ばれる。
家族構成は姉に是露(ぜろ)、娘にりおんがいる。
竜骨精と同じく東国を根城としていたが、もともと大陸出身であり本拠地は船、かつては世界中を飛び回っていたなど支配者としてはあまり活動していなかった模様。

犬夜叉』本編の時系列においては封印状態にあったが、『半妖の夜叉姫』本編の18年ほど前に活動を開始。だいたい是露の暗躍のせいで主人公サイドの面々と敵対することになった。


性格

犬の大将と敵対関係にあった妖怪の中では、唯一彼に友好的でもあった存在。一度大将に惨敗してからは彼をライバル視するようになり、妖霊星の欠片を退けるために共闘。
大将が竜骨精との戦いで重傷を負ったと知った際は「今が好機」と喜ぶ四凶を「やつが元気な時に勝たねば意味が無い」と叱責し、理玖に大将に薬を届けるよう指示している。
その思いは大将の死後も続いており、御母堂には敬語を使い礼儀正しい態度を取り、他の妖怪同様人間半妖を見下しているにもかかわらず、当初はとわせつなもろはの三人に一定の敬意を払い、りんを「殺生丸の奥方だから」という理由で見逃そうとしたこともあった。
こういった面があるからか冥加どころか御母堂からも評価は高いらしく、彼女は自宅を訪れた麒麟丸を笑顔で迎えている。

この他にも「半妖が麒麟丸を倒す」という予言を「できるものならやってみろ」みたいな感じで面白がっていたりと大物感に満ちており、
時代樹の精霊からは「末法末世を引き起こそうとしている」と言われていたが、その姿は「姉のわがままに振り回されるミステリアスな武人」であった。
…少なくとも、壱の章までは。


妖霊星を倒す事は最強の証。
妖怪どもはわしに恐れおののき、人間どもは敬い奉るだろう。


弐の章で明らかになったその本性は、是露を笑えないぐらい傲慢かつ自己中で独善的な性格。もはや「他人の気持ちを考える能力が欠如している」というレベルで、この欠点は分身である理玖、希林理にも大なり小なり受け継がれてしまった*1
そのため人望は皆無に等しく、配下の四凶は誰一人として麒麟丸を慕ってる描写が無く、窮寄(きゅうき)に至っては下剋上を目論んでいた*2
分身2人にも裏切られ、娘りおんも麒麟丸打倒を誓い、唯一彼の身を案じていた是露も結局彼のもとを離れてしまう。
何か前にもこんなのいたような・・・。
これに加えて少しでも相手が高い実力を見せると焦り出すやたらと最強にこだわる幼稚さ、「一度理玖に背後から刺された箇所をとわに刺される」「犬の大将の忠告を無視してりおんを戦場へ連れ出す」といった学習能力の低さを見せており、後者に至ってはりおんのを招く結果となった。


一応、親族である是露とりおんに対しては確かな愛情を持っているが、それも歪なものとなっており*3、りおんに関してはその幽体を結山(むすびやま)に封じ、斬星剣の担い手をりおんの新たな肉体にすることで彼女を復活させようと目論む始末。
ただ、こういった人格面での欠点は『犬夜叉』本編での敵妖怪はおろか、大将や犬夜叉と殺生丸にすら大なり小なり当てはまるものがあり、父親であることも含め「犬の一族の負の鏡像」が麒麟丸というキャラクターなのかもしれない。

そして麒麟丸の真の目的は、要約すると「妖霊星を破壊することで、自身が最強の妖怪であると認めさせること」。末法末世はその副次的な事態で、「麒麟丸が末法末世を引き起こす」というよりは、「麒麟丸と令和の時代の妖霊星が出会うと末法末世が起きる」と言った方が正しい。



能力

大妖怪に分類されるだけあって高い実力を持ち、壱の章最終回では手負いの状態でせつなを殺害し、暴走にも近いパワーアップを果たしたとわともろはもまとめて退けるという絶望的な強さを見せた。
だが、上記の通りかつては犬の大将に惨敗。また、鉄砕牙の鞘の結界に攻撃を防がれているため、少なくとも純粋な攻撃力では竜骨精に劣る*4

その他、特殊能力としては奈落同様に分身を作り出すことができる。
分離した肉体を壺で熟成する必要がある奈落とは違い、麒麟丸の分身作成は一瞬で可能だが、生まれたばかりの理玖が人形のような状態であったことを見るに、自我を獲得する時間が必要だと思われ、奈落の分身作成とは優劣がつけがたい。
分身とは感覚を共有することができる。

  • 爆星剣
太古の昔、天津甕星(あまつみかぼし)が斬星剣と共に地球にもたらした太刀。
空間や惑星すら斬るとされ、設定上は爆砕牙の上位互換とされる。麒麟丸が爆砕牙を振るう殺生丸と普通に戦えるのはこれが理由である。

  • 爆砕槍破
爆星剣によって冥道残月破のように空間を切り裂き、そこから万物を爆砕するを無数に放つ。

  • 妖火球
爆星剣から黒く光る巨大な炎の塊を放ち、着弾すると爆発を引き起こす。爆砕牙でも消失させる事はできず爆発を起こすため、避けるには完全に回避する必要がある。
ある程度の貯めが必要であり、連射はできない。
更に厄介なことに(はく)*5を失わせる効果を持ち、例え爆発に耐えられる耐久力があっても直撃すれば致命傷は避けられない。
この技をさらに巨大化させて放つ巨大妖火球という技が存在する。
映画『鏡の中の夢幻城』に登場する神久夜が同名の陰陽術を使っているが、まったくの別物である。


関連人物
  • 理玖
犬の大将に切られた角から、麒麟丸自身が産み出した分身。配下の四凶が打ち捨てられた存在と言ったのはそのため。
作られた当初は自我は無かったが長い年月をかけて自我を確立させた。犬夜叉に黒真珠を与えたり、屍屋と繋がってたりする。

  • 希林理
犬の大将に切られた右腕の分身であり、とわたちとはまた別の「人でも妖怪でもない存在」。
理玖が骨喰いの井戸に右腕を捨て、その後長い間妖力を蓄えつつ、時を超えて人型になり、令和の世界で生活していた。
麒麟丸が令和の時代を見れたのは彼が令和の世界にいたから。おそらく理玖が英語を話せるのは彼のおかげだろう。
令和の世界では英語教師をしつついろんな意味でよくなれたな、妖霊星を見たり、溢れ出た妖怪を退治したりと悪さはしていない。
…が、巨大妖霊星が接近した辺りから本格的に行動を開始。とわたち夜叉姫の協力を取り付け、とりあえず巨大妖霊星の落下を防ぐが、あろうことかその妖霊星を戦国時代に移送させ、さらには妖霊星の本体の妖霊蝶を覚醒させる。
妖力は微弱といいつつ巨大妖霊星を止めたがで本体の麒麟丸のような殲滅力はないが、「右腕は本物」であるため剣技は仮の右腕をつけた麒麟丸より上。なぜかそこそこ体技もこなせる。
しかしこの男の真の厄介な点はりおんや麒麟丸を懐柔させる話術である。



余談

設定によると、紀元前から生きており推定年齢は2200歳以上とのこと。

りおんの母親については一切説明が無い。漫画版で補完されるのだろうか?



おぬしにはまだまだ追記・修正してもらうぞ。

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最終更新:2024年03月18日 16:32

*1 理玖は是露のために虹色真珠を回収したが逆に彼女の怒りを買い、希林理はりおんのためと称して妖霊星で戦国時代の妖怪を見境無く滅ぼそうとする。

*2 当の麒麟丸も四凶・檮杌の存在を認識していないため、そもそもちゃんと配下として扱っていたのか怪しい。

*3 ただし、是露の暴走を止められない自身の不甲斐なさに苛立ち、姉の不始末を代行して解決しようと奔走する姿もあり、良識が無いわけではない。また、戦闘をしない、単純な世界旅行のときの麒麟丸はいい意味でただの父親であり、りおんも大事な思い出としている。

*4 アニメでは竜骨精は鉄砕牙の鞘の結界を一撃で粉砕した。

*5 生物の肉体を動かす力であり、心である魂と一体となって生物の活動を成立させている物質。