エドガード・C・ガルシア

登録日:2022/05/08 Sun 23:17:40
更新日:2024/03/09 Sat 23:12:44
所要時間:約 20 分で読めます





私もただ“勝利”するだけで終わらせようとは思わない

圧倒的勝利とは…完全なる破壊!


エドガード・C・ガルシアとは、世界的人気漫画タフ・シリーズに登場するキャラクター。
第一部『高校鉄拳伝タフ』の主人公であるキー坊にとってのラス・ボスに当たる。


【人物】

アメリカ合衆国のU.S.S.アカデミーにて作り出された「格闘マシーン」
怪物を超えた怪物とオリンピック金メダリストの女性の遺伝子を掛け合わせ、理想的な遺伝子を選別して生産された人体兵器として生まれた。

自分を生み出したアメリカ合衆国に絶対の忠誠を誓っており、与えられた任務を忠実にこなす。
人間を破壊しようが殺そうが何の感情も抱かず、ただ効率よく敵を倒す事だけを目的とする。


U.S.S.アカデミーでは人間の肉体の限界を超える訓練を毎日のように課せられている。
その過程であらゆる拷問に耐える訓練も受けており、痛みや苦しみへの耐性はまさに機械の如し。
実験として生爪に針を突っ込まれて剥がされても、心拍数・血圧共に変化無しと全くの無反応であった。
しかし、遺伝子操作の影響で寿命が極端に短い点が人間兵器としての弱点であるとされている。

人間兵器として生み出され、物心つくころから死の淵を彷徨うほどの過酷な人体実験と訓練の毎日。
そして閉所での戦闘訓練として海兵隊のブレア軍曹との殺し合いを経て、彼を殺した褒美として横領が発覚して自殺した将校の名“エドガード・C・ガルシア”をもらったという悲しい過去を持つ。

<戦闘力>

弱冠17歳にして恐るべき戦闘力を誇る。劇中でも数多くの格闘家を秒殺し、少なくとも『高校鉄拳伝』での戦闘力のヒエラルキーでは最上位層に立つ。
格闘の強さだけでなく頭の回転も良く、チェスで約20手先を読んでチェック・メイトしている。

身長180cm、体重85kgとバランスの良い体格で、ボクシング、ムエタイ、柔術など様々な格闘技を会得している。
打撃・寝技のどちらも得意とし、バーリ・トゥードの実況からも「立ってよし!寝てよし!まさに“なんでもあり”」と言われた。
特に打撃は風圧だけで鼓膜を破る威力を持ち、まともに食らった相手は骨格が変形する、ガードしても腕の皮膚がちぎれるなど、格闘マシーンと称されるにふさわしい規格外のパワーがある。
スピードに関しても非常に優れており、拳を打つ速度や反射神経は常人のそれを凌駕している。

だが、おとんの見立てでは肩が普通よりも後ろの位置にあり、肋骨が前傾した骨格をしているため、肩の運動がスムーズでないとされている。

人体実験と鬼龍の介入によって、人知を超えた力を発揮するという第三の筋肉を覚醒させられており、常人には真似できないような以下の技を体得している。

<使用技>

  • ボーン・トルネード
両腕で相手の脚を、両脚で首をガッチリ捕らえて固定し、全身を高速回転させて遠心力でねじるように破壊する技。
まともに食らった者は脊髄損傷・靱帯断裂という悲惨なダメージを負うことになる。

  • ボーン・コントロール
仮想現実を利用した関節技に耐える訓練で会得した防御技。一定以上の負荷が掛かると骨格が数ミリ単位で変化する。
関節と靱帯を極限まで柔らかくして自由自在に操れるようになったガルシアは任意の発動も可能で、身体をあり得ない方向に曲げられる。
これにより関節技を受けた際に支点をずらし、ダメージの無効化や関節技からの脱出ができる。


【活躍】

<高校鉄拳伝タフ>

初登場はキー坊vsアイアン木場の決着がついた後の第150話。ちょっと前に章ボスとしてキー坊の前に立ちはだかったアイアン木場を1分未満で破壊するという鮮烈なデビューを果たす。

バーリ・トゥード

アメリカのバーリ・トゥードに出場した木場の対戦相手としてリングに立つ。
ノー・ガードにもかかわらず木場が攻め込めないほどの威圧感を与え、すかさず片脚と首を捕らえて必殺技のボーン・トルネードを披露。
これにより頸椎を損傷させたうえに右ひざの人体も断裂させるという重傷を超えた重傷を負わせた。

決勝戦でもブラジリアン柔術の使い手を打撃のみで秒殺して優勝。
その後のインタビューにて、木場との戦いについてコメントを求められた際には「彼は猫のように大人しかった」と顔色を一切変えずに淡々と言い放つ。
木場はこの敗北によって恐怖を植え付けられた。

VS.ギャルアッド

キー坊とのストリート・ファイトの後、マネージャーが組んだ外国人との試合に向けて故郷タイに帰国するギャルアッド。その外国人の正体はガルシアだった。
ガルシアは試合開始直後にギャルアッドをロー・キックで怯ませて、続けざまにミドル・キックでレバーを破壊。*1さらに追い打ちを食らわせてたったの1分38秒でKOした。
キー坊に勝った猛者を続けざまに再起不能にし、読者にもその圧倒的な強さを見せつけた。
言ってしまえば木場とギャルアッドはかませ犬として利用されたんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ

任務

アメリカ軍の任務として南米の麻薬組織のボスであるパブロ・スパーンの豪邸に潜入し、そこで無数の銃口を向けられながら格闘試合を強制させられていた。
あらゆる格闘技に対応できる技術を持った相手に打撃も寝技も防がれて苦戦…と見せかけ、一瞬の隙を突いて組み付き、必殺のボーン・トルネードによって余裕で勝利。

その直後にスパーンから銃弾のプレゼントを受け取るか、永遠の忠誠を誓うかの二択を迫られるが、この状況でも余裕の表情を見せる。
するとスパーン宅の壁もろとも部下たちが吹き飛び、そこに姿を現したのは戦闘ヘリ“アパッチ”。それに呼応するように米軍兵士が突入し、スパーンの部下を片っ端から肉塊に変えていく。やっぱし怖いスねアメリカ軍は
そしてガルシアも逃亡を図るスパーンを追い詰め、スパーンが銃口を向けるより先に組み付いてそのまま首をへし折って殺害した。

この一連の流れは全てビデオに記録されており、アメリカ政府から極秘に入手したとして何故かアイアン木場が所有している。
機密情報お漏らししてんじゃねーかよ えーーーっ!

VS.アイアン木場

ガルシアに再起不能にされてもなお木場の闘志は消えておらず、まともに喋れない状態でもガルシアとの再戦を願っていた。
おとんの施術によって奇跡的に復活した木場をハワイで開催されたゲージ・ファイトにて迎え討つことになる。

試合開始直後は余裕の構えを崩さなかったが、木場から挨拶代わりに鋭いミドル・キックを受けて臨戦態勢を取る。
激しい打撃のラッシュで攻め込んで木場に一撃入れた直後、突如として腰から崩れ落ちて膝をつく。
実は最初のミドル・キックは、おとんが密かに伝授した灘神影流の“脾腹蹴り”だったのだ。
衝撃波によって内臓を揺さぶるという経験したことの無いダメージを受けて冷や汗をかいたが、寝技の応酬を切り抜けて内蔵を自分で修復する。
No Problem.

そして木場のタックルを機に再び激しい寝技の攻防を繰り広げる。これを目にしてヒートアップしすぎた実況がさり気なくプラトンを愚弄した
その最中で灘神影流の“足髄固め”を喰らうが、ボーン・コントロールにより脱出。続けざまにボーン・トルネードの体勢に入り、残酷な笑みを浮かべて竜巻を起こす。
しかし木場の機転でボーン・トルネードを無効化され、逆に左脚の腓骨が折れてしまう。
更に腓骨が折れた左脚を狙われてロー・キックの連打を浴びる。

自分の脚が砕けても構わずロー・キックを打ち続ける木場を見て、今までに感じた事の無い感情を持つ。
自分にリベンジするために死の淵から立ち上がり、そのために時間をかけて技術を身に付けた木場の執念。それを真っ向から受け止めたいと感じ、生まれて初めて闘いの中に悦楽を見出して涙を流す。

あらゆるものを犠牲にして…

命を賭けてまでも私を殺そうとしているアイアン木場に

愛情すら感じる

ギルモア博士からの寝技に持ち込めという命令を無視し、木場をフェンスに叩きつけるように打撃の集中砲火を浴びせるが、木場は満身創痍になりながらも倒れない。そして観客から試合を止めろと野次が飛ぶ中、とどめの一撃を放つ。
この一撃を避けられたかに見えたが、木場は既に限界を迎えており、ガルシアに組み付いてクラッチした体勢のまま失神していた。秒殺だった以前とは打って変わって59分にもわたる激戦であった。

木場の執念に対して得体の知れない何かを感じたらしく、試合後のインタビューでは「ナイフで刺しても起き上がってくるような気がした」「血の通っていない屍肉のようだった」とコメント。そして最後に言い放つ。

「Iron Kiba is dead.」

T・D・K予選リーグ

自分自身が殺めた木場の葬儀に出席し、木場の意志により宮沢親子と同様にT・D・Kに招待される。
予選リーグではAブロックにエントリーされ、第一回戦では“悪魔の寝技師”ことリカルド伊藤と対戦。
ビデオ・カメラでも捉えられないほど鋭いジャブ一撃でリカルドを沈め、たった3秒で勝利した。実況からも結果は予想済みと言われるリカルドにかませ犬の悲哀を感じますね

続く第二回戦では“霊長類最強の雄”こと栗須革了と対戦。
ギルモア博士からデータ収集のためになるべく長時間戦うように指示されていたが、反発して右ストレート一発で鎖骨を粉砕して勝利。僅か6秒の戦いだった。

命令に従わないことを博士に咎められたが、「私はあなたの奴隷じゃない」と言い明確に反発。命令通りに働くだけのマシーンだったガルシアに変化の兆しが見え始める。
手加減しつつ秒殺するというガルシアの行為にブチ切れた栗須革了は、試合後にガルシアに詰め寄ったが特に相手にされずそのまま猿空間送りになった

ドクター・クリス

T・D・K決勝リーグ前、U.S.S.アカデミーのトレーニングセンターではGに耐える実験が行われていた。まだ試合が控えているのに何やってんスか
11Gの遠心力を受けて死にかけるが、彼の身を案じたドクター・クリスによって実験は中止され、一命をとりとめる。
人体兵器である自分に一人の人間として接してくれるドクター・クリスにも冷徹に振舞うガルシア。しかしドクター・クリスを疎ましく思うギルモア博士から、彼女がスパイであるという情報を吹き込まれて始末を命じられる。

親ともいえるギルモア博士とアメリカ軍の命令を遂行するため、ドクター・クリスを襲撃するが、家族とは何かと説かれ、ギルモア博士の企みも暴露されたことで迷いが生じる。
その瞬間、ドクター・クリスが狙撃手に撃たれて倒れ、ガルシアの腕の中で息を引き取る。
彼女の死に怒りを覚えたガルシアは、車で現場から逃走するギルモア博士の部下にダッシュで追いつき、叩きのめして真実を聞き出す。

そのまま博士の研究室に乗り込み、待ち構えていた完全武装の兵士たちを瞬殺。
更に自分の功績のためにガルシアを利用していることを誤魔化すための詭弁に反発して独立を宣言。
博士との疑似家族関係を絶ち、自分が“優秀な人間”であることを証明するためにT・D・Kに出場する決心を固める。
そして博士の言葉から、遺伝子上の父親が“怪物を超えた怪物”と呼ばれる男であると知る。

T・D・K準決勝

準決勝では海上リングで朝昇と対戦。ゴングが鳴る前に“怪物を超えた怪物”を知っているか朝昇に尋ねるが、「それは私です!!(んかあ)」と返され、「殺したくなってきた…」と溜息交じりに呟いた。

試合開始後はお互いに睨み合いから始まり、朝昇の十八番である関節技をボーン・コントロールで回避して足首固めを返す。
だがここまでは朝昇の予想通りで、独自の関節外しで足首固めを抜け出されて逆に“顎蛭”を喰らう…と思いきや、脊髄をボーン・コントロールで動かし、首の向きだけを変えて“顎蛭”から脱出。
軟体動物のような体勢でチョーク・スリーパーを極めたものの、朝昇も負けじと顎外しで脱出し、一旦ブレイク。

朝昇の変則タックルで海中へと舞台が変わり、水中で関節技の掛け合いを繰り広げる。
水中では打撃による応戦やボーン・コントロールでの回避も思い通りにできず完全停止。
それを見てリングへと復帰する朝昇だったが、直後にガルシアも水面にヌ~~と姿を現す。完全停止していたのは無駄なエネルギーの消費を抑えていただけで、長時間の潜水訓練も受けていたガルシアには何の問題もなかった。
その証拠に水から出て息が上がっている朝昇に対し、全く体力を消耗している様子を見せない。

そして朝昇の神速タックルをいとも簡単に止め、無防備な顔面に向かって鼻が潰れるほどの威力を持った膝蹴りを打ち込む。しかし朝昇はかつてのアイアン木場と同じように、顔がグシャグシャになろうとも戦いを止めない。
とどめを刺す最後の一撃を見舞うが、その拳が炸裂する前に朝昇は失神し、レフェリー・ストップがかかる。

朝昇を介抱しにリングへ乗り込んで来たキー坊を「弱い生物ほど群れを作りたがる」と愚弄。
それを聞いてキレたキー坊がガルシアに殴りかかるが、脳を揺らすほどの寸止め右ストレートを放ち、「人を殺したこともないやつが殺すと言っても脅しにもならない」と言い残してリングを去っていく。

父親

決勝進出を決めた後、おとん(のコス・プレをした鬼龍)と接触。自身を息子と認めてもらえたと思ったのもつかの間、「私の息子ということは生かすも殺すも自由(ニ~~ッ)」と手のひらを返されてボコボコにされる。
更に追い打ちをかけるように「種を提供しただけで愛情など無い」「息子はキー坊一人だけ、お前は生まれてくるべきではなかった」と自身の存在を全否定されてしまう。
これをきっかけに、人間としての自分の存在意義を意識し始め、キー坊を倒して自分を認めさせることに拘るようになっていく。
それと同時に自分はマシーンを演じているだけで“痛みも恐怖も感じる人間”であり、機械のまま死にたくないという意思が芽生える。

登場キャラの背景*2が、しょっちゅう変わるガバ展開塗れのタフ・シリーズだが、鬼龍の女との情交無しに生まれた奴を子供とは認めないという忌憚の無い最低発言はシリーズを通して一切ブレないという酷い現実…哀しきガルシア…。

T・D・K決勝

ゴードン・クランシーを下して決勝に進出したキー坊と対戦。開始直後から灘神影流の寝技を繰り出されても平然と脱出し、ジャブを超えたジャブの風圧でキー坊の鼓膜を破壊。三半規管をやられて怯むキー坊に次々と追い打ちをかける。

しかし、おとんが二人いる事に気を取られた隙にキー坊の反撃を受けて“翼砕固め”を喰らう。その最中でキー坊から鬼龍のことを聞き、丁度タイミング良く鬼龍もコス・プレをやめて素顔を見せる。
父の正体を知り、自身の存在を認めさせるため、闘志を燃やしてボーン・コントロールでキー坊の“翼砕固め”を破る。
更にキー坊に「誰のために戦っているのか」を問い、ムエタイ・スタイルへと移行する。

ガルシアの問いに対し、自分が強くなるために闘っていると答えるキー坊。そのキー坊を殺せば鬼龍に認めてもらえると信じ、キックの連打で着実にダメージを蓄積していく。
肩を脱臼させる威力のミドル・キックに加えて必殺の右ストレートを打ち込むが、キー坊に硬い額でガードされて逆に右手にダメージを負う。
更に強烈な蹴りの応酬でギャルアッドを思い出したキー坊からコブラ・ソードと強烈なアッパーを見舞われてダウン。追撃を試みるキー坊との熾烈な攻防が続く。

その最中、名前も無かった頃の悲しい過去を思い出す。

決着

灘神影流の“腕がらみ鎖骨投げ”を受けて右肩を脱臼。右腕が使い物にならない状態ではさすがに分が悪く、徐々に押され始める。
しかしキー坊は完全なボーン・トルネードを味わうために、右腕を極めると見せかけて脱臼を治し、ボーン・トルネードを出すように煽る。
この行為で自尊心を傷つけられ、憤怒の表情でボーン・トルネードを仕掛けるが、キー坊が予め準備していたボーン・トルネード返しであっさり回避されてしまう。

そして見よう見まねの蠢蟹掌を喰らい、キー坊が鬼龍に付けられていた“殺しの烙印”を移される。加えて弱ったところに次々とラッシュを打ち込まれて満身創痍に。
それでもなお立ち上がるガルシアをキー坊は尊敬し、灘神影流の従兄弟として彼を打ちのめさんと更に猛烈なラッシュを浴びせてくる。「ガルシアを倒して灘神影流を継ぐために闘っている」というキー坊の言葉を聞いて一つの思いが駆け巡る。

兵器のまま死にたくない 証を残したい

ガルシアという人間が存在していたという“証”が欲しい

アイアン木場のリベンジ戦のように闘いの中に喜びを見出し、キー坊との最後の攻防を繰り広げる。
その場の勢いで変形型のボーン・トルネードを仕掛けるが、ギリギリのところで脱出されて二度目の蠢蟹掌を受ける。
蠢蟹掌のダメージを耐え、全身から血を吹き出しながらも雄叫びをあげて放った一撃はキー坊の顔面を捕らえ、ついにノック・アウト。キー坊を下しT・D・Kの優勝者となった。

別離

200億円の賞金を受け取り、アカデミーの研究員たちに祝福されるガルシア。
しかし蠢蟹掌二度打ちの影響で倒れ、キー坊と同じ病院に運び込まれる。
キー坊は手術の末に意識を取り戻したが、ガルシアの容態は急変して心肺が停止する。
おとんの施術とキー坊の必死の呼びかけで一瞬だけ脈が戻ったものの、意識が戻ることは無く、そのまま静かに息を引き取る。

ガルシアの死後、ギルモア博士らアメリカ軍の関係者が彼の遺体を引き取りに現れたが、研究の名のもとに遺体を利用されることを良しとしないおとんに断固拒否される。
その後、遺体は日本で葬られ、灘神影流の血縁者としておとんの手で灘神影流の里の墓誌に名が刻まれた。
兵器として生まれ育った男は1人の人間として認められ、人間としてこの世を去っていった。

その後

彼は最初から短命でT・D・Kの時点で肉体の限界が近かったが、直接の死因はキー坊の蠢蟹掌二度打ちであったことが鬼龍の口から語られる。
このことがキー坊の心に深い影を落とし、鬼龍を探すために宮沢親子と魔羅手のオッサンが彼の隠れ道場を訪れた際に、カバラ拳法を使う道場の番人アルフレッド・蟇空(バクー)がガルシアの姿となって現れる。
ガルシアを殺めたことで心を痛めたキー坊は、ガルシア(バクー)から逃げることしかできなかったが、そんなキー坊の前に幻影として登場。
「キー坊に憎しみなど持っておらず、むしろ戦えたことを誇りに思っている」「闘うことが自分に対する供養」と伝え、ガルシア(幻影)からの言葉を受け取ったキー坊は再び立ち上がる。

ガルシア自身は『高校鉄拳伝』の時点で既に故人だが、鬼龍の息子という出生もあってその後の物語では幾度か触れられている。

<TOUGH>

同じ鬼龍の息子としてマーシオ"ジェット"内藤が新たに登場。
同じ血を引いているだけあってガルシアとは容姿や雰囲気が似ているようで、劇中でもキー坊がジェットにガルシアの面影を見るシーンがある。
ジェットの方は幼少期の頃から鍛えられたり美術館に付き合ったりと何だかんだ鬼龍に寵愛されており、面と向かって「愛情などあるわけが無い」などと言われたガルシアとは真逆の対応が取られている。

この点については静虎からも「ガルシアの時とはえらい違いだな」と指摘されているのだが、当の鬼龍は情交なく精子を提供しただけという理由で「今でもガルシアに愛情はない」と断言しており、既に亡くなっているにもかかわらず死体蹴りを超えた死体蹴りを食らった。かわいそ…

<龍を継ぐ男>

ガルシアの死因について、蠢蟹掌二度打ち以外にもバースト・ハートという鬼龍の血を継ぐ者特有の心臓疾患によるものである事が明らかになった。
また鉄拳伝でも示唆されていたガルシアのクローン量産計画が、実はM(マリア)の代行」という計画の下で既に実行されていたという新事実が発覚する。従来「エドガード・C・ガルシア」と呼ばれていたガルシアは2号に相当する存在で、30体のガルシアクローンが作られていた模様。
と言っても遺伝子操作の副作用に加えて上述のバースト・ハートのために、他のガルシア達も2号と同様に短命で現在ではその殆どが既に亡くなっている。

しかし極一部のガルシアは短命を超越した突然変異体として生存しており、作中では2号のポテンシャルを超える米国最強の兵士としてガルシア28号、そしてその28号をも超える実力のガルシア11号こと悪魔王子が登場した。
他のガルシア・クローンは雑に処理されるという哀しき未来……そりゃ悪魔王子も怨念の化身みたいになるんだ、悔しいだろうが仕方ないんだ

【関連人物】

<ガルシア・シリーズ>

M(マリア)の代行」により量産された30体のガルシア・クローン達。
左の額にバーコード、左胸に号数が刻まれているのが特徴で、クローンだけあって全員が同じ見た目をしているが、内実としては突然変異体が二人も発生していたりと技術的に荒い面が垣間見える。

短命に終わったガルシア達は臓器移植のための臓器ストックとして死体を切り刻まれる…とされていたが、悪魔王子の登場に伴い保健所の犬猫よりも惨い処理で殺されていたという末路に設定滑りした。どっちなんだよあーっ
作中では主に2号と28号と11号が取り上げられているが、その他のガルシアも回想などで度々登場している。

  • ガルシア2号
本項目に書かれている作中で初めて登場したガルシア。
ガルシアクローンの中では唯一バーコードも胸の数字も刻まれていない。
『高校鉄拳伝タフ』の頃にはマクマレンから「GⅡ」の呼称でも呼ばれており、2号のナンバリングはこちらから取られたものと思われる。

  • ガルシア7号
ジム・スヌーカに殺されたガルシアその1。
13号と異なり台詞のみでの末路となっている。悲哀を感じますね。

  • ガルシア11号
バースト・ハートを乗り越えた28号に次ぐもう一人の突然変異体。
25分以上の潜水が可能など、28号以上の身体能力によって米軍の凄惨な殺処分から逃れており、以来“鬼龍の息子”「悪魔王子」を名乗って独自に行動するようになった。

銀髪がデフォルトだったガルシアの中では珍しい黒髪で、自分を抹殺しようとした米軍への決別の証なのか額のバーコードには十字の傷を加えている。他にも寡黙だった2号や寡黙を通り越して殆ど無言だった28号と比べると表情豊かでよく喋るフランクな性格であり、圧倒的なパワーや驚異的な反射神経だけでなく幻魔拳や、受けた衝撃を瞬時に体外へ逃がす”防弾体躯“など灘神影流の技をアレンジして使いこなす、ダーティー・ホワイトやキャプテン・マッスルなど複数の配下が存在するなど、ガルシアとしては色々と異色の存在。その戦闘能力は一個小隊を凌駕すると言われている。現在世界中から指名手配中。
号数はスマイル・ジョーとのやり取りで明らかになった。

  • ガルシア12号
28号以外の短命に終わったガルシア達の一例として死体で登場。
臓器ビジネスのために体を切り刻まれ、臓器という臓器を摘出されたようである。

  • ガルシア13号
ジム・スヌーカに殺されたガルシアその2。
3年前の時点では当時の28号をも上回る強さを誇っていた。
この「当時の」というのがややこしく、今現在の28号との力関係はどうなっているのかと地味に強さ議論を沸かせている。

  • ガルシア20号
ジム・スヌーカに殺されたガルシアその3。
13号と異なり台詞のみでの末路となっている。悲哀を感じますね。

バースト・ハートを乗り越えた突然変異体。
その実力はかつての2号を上回る程とされており、作中では尊鷹を圧倒しNEO坊と死闘を繰り広げた。
性格は2号以上に寡黙…と言うか確認できる台詞がほんの二言くらいしかなく、まさに"人間兵器"と呼ぶべき精神をしている。

詳細は個別項目を参照。

  • ガルシア(号数不明)
軍での訓練においてスヌーカの兄を一瞬にして殺害したとされるガルシア。
パンチのラッシュでちょうど左胸の号数が隠れていたため、どのガルシアなのかは不明となっている。
まだ登場していないナンバーのガルシアか、あるいは上述のガルシアのいずれかかもしれない。

<その他>

遺伝上の父ではあるが本人は「情交もなく出来た子など子供とは認めない(意訳)」と猿漫画にしては珍しい一貫した態度を取っている。

第二部ではジェット、第三部では龍星、姫次、優希、そしてアニマルとさまざまな子供たちが登場するが、厳しくも一定の愛情を持って接していた彼らとは異なり全編を通してガルシアにだけは愛情のかけらもない言動が目立つ。

  • シェリ・ベネット
遺伝上の母。故人。
ハーバード大学を主席で卒業し、体操で五輪金メダルを獲得している文武両道の才女。
鉄拳伝時点で死因は不明であったが第三部“龍を継ぐ男”にて自殺であると明かされた。
一連の計画の後に鬼龍暗殺の工作員として彼に接触。当の鬼龍は初めから工作員とわかっていたもののそのまま恋仲となる。
「ハニートラップでも愛している女に殺されるなら本望だ」と覚悟を決めていたものの何故かシェリは土壇場で自ら頭を打ち抜き自殺した。

ライバルであり従兄弟に当たる。血は繋がってないんやけどなブヘヘ
当初は歯牙にもかけていなかったものの灘神影流、及び怪物を超えた怪物の噂を聞き次第に意識するようになる。
『禁断の蠢蟹掌“二度打ち”』の末ガルシアを殺害してしまったことの後悔は常に心の片隅にあり、後のNEO坊堕ちに繋がっている。

  • ギルモア博士
ガルシアプロジェクトの主任でありマッド・サイエンティスト。
ガルシアとモブの米軍兵士にドクター・クリスの暗殺をけしかけたのもこの人。
第一部時点でオリジナルのガルシアに「私はお前を守るためならどんなことでもやる。なぜなら私の“息子”だから…」などと甘い言葉をかけていても、
第三部にて「(人造人間やクローン人間の存在に対して)倫理や安全規制が厳しすぎると科学、医学、技術の進歩の妨げになることがわかっていない」と吐き捨てており、最終的に暗殺という処分に下っているあたり最後の最期までガルシアという人間への愛情はなかったことが窺える。

  • ドクター・クリス
U.S.S.アカデミーの一員である女性研究員。30代手前で未婚。
人間兵器として非人道的な扱いを受けるガルシアに対し、アカデミー内で唯一人間社会の楽しみや人を愛する事の尊さを教え、あくまで1人の人間として接していた。
しかしそれを疎ましく思ったギルモア博士によって差し向けられたスナイパーに撃たれ致命傷を負い倒れるも、自身を抱きしめたガルシアの中に“心”を感じ、最期まで彼を想い続けて死んでいった。

余談であるが彼女はガルシアを「天使のように純真無垢で悪魔のように残酷で凶暴」と評しているが第3部において小倉優希も28号を「日本刀のようなゾッとする美しさがあり、あの瞳は純粋すぎる危うさと狂気をはらんでる」と似たような感想を述べた。
さらに同じガルシアである悪魔王子も灘神陰流の奥義を悪用し世界中の格闘家にトラウマを残す凶暴さ、残酷さと単純に武術を試したいがためにゴリラに戦いを挑む純粋さを併せ持つなどやはり従来のガルシアの特徴を持っていると言える。





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最終更新:2024年03月09日 23:12

*1 後に肝臓ではなく肋骨を砕いてその骨が腎臓に突き刺さったことになった。

*2 例として後付けで異常性愛者にされた拳法家虚言癖持ちのメスブタになった女子供を認知せずネグレクトした実の父親など。