登録日:2022/07/10 Sun 15:50:00
更新日:2022/11/11 Fri 21:24:55
所要時間:約 5分で読めます
アンキロサウルスとは、白亜紀後期の北アメリカ大陸に生息していた植物食
恐竜である。
全長は7〜10m。体重は4〜7tに達したと考えられる。
■分類
鳥盤目・装盾亜目・曲竜下目・アンキロサウルス科に属する。
装盾亜目というグループは、
ステゴサウルスに代表される、背中に2列の板やトゲが並んだ剣竜下目と
頑丈な鎧で武装した曲竜下目 (俗にいう鎧竜)に分かれており
このアンキロサウルスは曲竜下目の中で最大の種である。
■特徴・生態
前述の通り、鎧竜の俗称に違わず全身(正確には背中側)を骨板と鱗が硬質化して出来た装甲で覆われており
背中はもちろん
尻尾や、普通の生物なら急所となる首や頭部、更にはまぶたまで装甲化されており、防御面では全く隙が無い。
その重装甲や、脚が短い体形から鈍足なイメージを受けるが、鎧竜の中では進化した種であり、
装甲の内部を空洞化する事で軽量化に成功しているため、意外と足は速かったようだ。
もっとも、あくまで「鎧竜の中では」の話であって、
恐竜全体で見れば鈍足な部類だったと考えられるが。
最大の武器は、尻尾の先端の、2つの骨の塊が固まって出来たコブであり、これを振り回してハンマーのように攻撃していたと考えられる。
その威力は高かったと考えられ、たとえ大型の肉食恐竜であっても、胴体に命中すれば肋骨が折れて、そのまま死亡していた事だろう。命中したのが脚だったとしても、骨折は免れず、狩りが出来ずに緩やかに餓死していったと考えられる。
また、尻尾ばかりが注目されがちだが、全身を装甲で覆われた、重量級の巨体自体も強力な武器であり、体当たりも相当な威力だっただろう。
そのため、アンキロサウルスを狩るのは非常にリスクが高く、成体が襲われる事はほとんど無かったと思われる。
■その強さは?
さて、恐竜少年…否、老若男女問わず、恐竜好きならば、誰しも一度は最強議論に花を咲かせた経験がある事だろう。
では、アンキロサウルスの強さはどの程度だったのだろうか?
前述した通り、成体のアンキロサウルスを襲う肉食恐竜はほとんどいなかったと思われる。
自然界では、たとえ骨折程度のケガであっても、植物食動物なら逃げきれなくなり、肉食動物なら狩りが出来ず命に関わる。
そのため、危険な
動物を狩るのは極力避けるものなのだ。
現在の
ライオンも、普段は
シマウマやガゼルを主な獲物としておりバッファローや
アフリカゾウなどの大型の動物を襲うのはかなり少ない。
だが、もしも、危険を度外視して肉食恐竜が戦いを挑んだら、どうなるのだろうか?
多くの肉食恐竜の爪や牙は、肉を切り裂く事に特化しており、骨質の装甲をかみ砕くのは、たとえ大型の種であってもほぼ不可能だっただろうと考えられる。
では、恐竜界
最強の咬合力を誇る
ティラノサウルスならばどうだろうか?
ティラノサウルスの歯は一般的な肉食恐竜の歯とは異なり、肉だけでなく、骨まで嚙み砕くのに適した分厚い構造になっている。
それに加え、顎(頭部)そのものも非常に頑丈な作りになっており、その咬合力は最大で6tに達したと推測され、
軽自動車も粉砕可能と言われている。
これならば、『理論上』はアンキロサウルスの装甲を砕くのも可能だろう。そう、『理論上』は。
体型上の理由により、Tレックスがアンキロサウルスの装甲を嚙み砕くのは、非常に困難だったと考えられる。
アンキロサウルスは体高が低く扁平な、ちょうど亀のような体形をしているため、上からでは幅広い体が邪魔になり、噛み付くこと自体が困難なのだ。
ならば横から噛み付こうとしても、やはり体高の低さがネックとなり、Tレックスはかなり低い位置まで頭を下げる必要がある。
そうやって手こずっている間に、アンキロサウルスの尻尾の反撃により、顎を砕かれてしまう可能性が高い。
さすがに首や頭部に噛み付かれたらひともまりもないが、言うまでもなく首や頭部は胴体に比べて的が小さく、狙いを定めるのは難しい。
それに対しアンキロサウルスの尻尾は、脚に命中さえすれば、それだけで相手を行動不能にする事がか可能でありたとえTレックスといえど、危険な相手だったに違いない。
「
ジュラシック・ワールドのインドミナス・レックスみたいに、ひっくり返せばいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれないが、
あれはあくまでフィクションである。
重心が低く、最大で7tにも達したと考えられるアンキロサウルスを、あんな風に頭で小突いただけで横転させるなど不可能であり、まだ頭を下げて噛み付く方が現実味がある。
体型で考えた場合、アンキロサウルス相手だと
ワニなどの肉食恐竜以外の動物の方が対抗しやすいと思われる。
スピノサウルスなら水辺であれば鎧に覆われていない部分を狙えるだろうが、生息時代も生息地域も大きく違う。
■フィクションにおけるアンキロサウルス
恐竜をテーマにした作品によく登場するメジャーな恐竜ではあるが、
Tレックスや
トリケラトプス、ブラキオサウルス、
プテラノドンといったスター級と比べると、メディアへの登場頻度は一段下がる。
そういった意味では不遇恐竜といえるかも知れない。
だが、アンキロサウルスは映画史において、ひとつの偉大な功績を残している。
それは、アンキロサウルスがモチーフの怪獣
アンギラスが、あの怪獣王
ゴジラの最初の対戦相手となった事である。
これはゴジラシリーズ、ひいては
国産怪獣映画の基本構成が「怪獣vs怪獣」となった瞬間でもあった。
つまり、
ゴジラとアンギラスの対決がなければ、後世における数々の名作怪獣映画は存在しなかったかも知れないのだ。
なお、古代王者恐竜キングでは強さ1400とえらく低めに設定されている。超アクト恐竜やディノテクター恐竜などにもなっておらず、知名度や強さのわりに冷遇感が強い。
一応、トリプルスラッシュカード仕様カードはあるが、バーコードは通常版と同じ。
バトルタイプは第6紀まではこうげきタイプ、2007第1紀から2007第2紀はピンチタイプ、激闘!ザンジャークはカウンタータイプ、目覚めよ!新たなる力ではグーグータイプ。
フィクションに登場するアンキロサウルス、及びアンキロサウルスをモチーフにしたキャラクター
追記・修正はアンキロサウルスの装甲を攻略してからお願いします。
- 「尻尾がフレイル型モーニングスターになってるサウルス」の印象が強いが、「実は頭突きしたら自分が死ぬサウルス」と違ってこっちはあのイメージが現代でも否定されてないっぽい? -- 名無しさん (2022-07-10 16:23:41)
- アンキロサウルスヤミーも -- 名無しさん (2022-07-10 16:42:03)
- 実はアンキロサウルスはティラノサウルスによって鎧を噛み砕かれてしまっている化石が見つかってたりする。アンキロは他の鎧竜より積極的に動けるようにある程度軽量化されてることが仇になったか。まぁティラノサウルスの顎の力が異常すぎるだけで他の肉食竜相手ならびくともしないはずだろうけど。 -- 名無しさん (2022-07-10 18:02:37)
- いずれアンキロサウルスモチーフの化石ポケモンも出そう -- 名無しさん (2022-07-10 18:04:45)
- ↑あれ、まだ出てなかったんだ 意外 -- 名無しさん (2022-07-10 20:40:59)
- サンドパンあたりと被るからかと -- 名無しさん (2022-07-10 20:55:10)
- サンドパン…? -- 名無しさん (2022-07-11 07:55:30)
- サイカニアが転がされて喉食いちぎられたのは図鑑で見たが、腹が弱点でもどうやって攻撃するかってなると困る奴 -- 名無しさん (2022-07-11 08:09:02)
- トランスフォーマーだとVのガイリュウもアンキロサウルスだったな -- 名無しさん (2022-07-11 09:16:55)
- あの体系だと、可動範囲がせまくて尻尾に勢いつかなそうだけど、学術的に威力があることは証明されてるの? -- 名無しさん (2022-07-11 09:46:19)
- ↑ある恐竜漫画では研究者の「左右ではなく上下方向になら割と柔軟に動かせたんじゃないか」という意見を基に、尻尾を高く上げて上から叩き付けるような使い方で描かれてたな。20年くらい前の作品だから今はまた違う学説が出てるかもしれないけど -- 名無しさん (2022-07-11 20:28:10)
- アンキロサウルスVSカバだったらどっちが勝つんかな? -- 名無しさん (2022-07-15 09:54:04)
- ↑硬い体にティラノでも骨折してしまうリーチのある強力な尾。体重はカバの2・3倍という体格差だし、流石にカバじゃ勝てんだろ。 -- 名無しさん (2022-09-10 04:43:07)
最終更新:2022年11月11日 21:24