サブテラー(遊戯王OCG)

登録日:2022/08/24 Wed 20:35:06
更新日:2024/03/18 Mon 21:47:41
所要時間:約 9 分で読めます







闘争に飢えたる巨岩の獣、地底都市(シャンバラ)にありき。

我ら、獣共に挑み、神殺しを果たす者なり。


「サブテラー」とは遊戯王OCGに存在するテーマのひとつである。

+ 目次

概要

元々は海外先行で登場したテーマであり、日本には2017年9月9日発売の「EXTRA PACK 2017」にて初登場。
同期の日本進出テーマは【SPYRAL】【ヴェンデット】【F.A.】

所属モンスターは全て地属性で統一されており、リバースモンスターが多く属している。
特に上級モンスターは「サブテラーマリス」の名を持ち、全員がリバースモンスターとなっている。
「上級&リバース」となると事故が怖く感じられるが、サブテラーサポートのほかにも
「リバースモンスター」「表示形式」の支援も豊富に存在していることが特徴。
そのため他のリバーステーマにも自然と輪に加われる協調性も魅力的。

テーマのデザインは冒険者一行とそれに立ちはだかる巨大な怪物たちで、イメージとしてはRPG系のゲーム。
和製RPGな勇者トークン関連と比べると、こちらはダークファンタジーな洋ゲーと言った感じだろう。
TCG公式サイトで語られた設定によると、地下世界を支配する巨獣達(=サブテラーマリス)と冒険者(=サブテラーの○○)の戦いがバックホーンにあるという。

また、サブテラーマリス系のモンスターの日本語名は地中海に関連する言葉から取られている。


カード群

下級モンスター

サブテラーの妖魔
効果モンスター
星1/地属性/魔法使い族/攻 800/守 500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、手札・フィールドのこのカードを墓地へ送り、自分フィールドの「サブテラー」モンスター1体を対象として発動できる。
その発動を無効にする。
その後、対象のモンスターを裏側守備表示にする。
(2):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示にし、自分の手札・墓地の「サブテラー」モンスター1体を選んで表側守備表示または裏側守備表示で特殊召喚する。

どことなくサキュバスチックな悪魔っ娘。
悪役っぽい風貌だがサブテラーマリス相手に対峙していたり、サブテラーの決戦にて他の冒険者と共に戦っているので冒険者陣営な模様。

(1)は万能カウンター効果。
自分フィールドに表向きのサブテラーがいることが条件になるため、後攻1ターン目では使用できない。
それを除けば手札誘発として高水準でまとまっており、相手の妨害とリバース効果の再発動準備を一挙に行える。

(2)はモンスターの裏守備化とサブテラーの展開効果。
こちらもリバース効果の再発動に使えるほか、レベル制限のない蘇生効果で後述のサブテラーマリスを展開できる。


サブテラーの刀匠
効果モンスター
星2/地属性/獣戦士族/攻 100/守2000
(1):自分フィールドの裏側表示モンスター1体のみが相手の効果の対象になった時、または相手モンスターの攻撃対象に選択された時、
手札・フィールドのこのカードを墓地へ送り、その裏側表示モンスター以外の自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
その対象を正しい対象となるそのモンスターに移し替える。
(2):自分フィールドに裏側表示モンスターが存在する限り、このカードは戦闘・効果では破壊されない。

冒険者陣営の一人である大柄なドワーフの男性。大盾とスミスハンマーを構えている。

(1)は攻撃・効果の対象を他のモンスターに移す効果。
単に移すだけで結局効果を通しているのは頂けず、とても1枚の消費に釣り合っていない。

(2)は効果破壊耐性。
ステータスの低いこのカードを保護する意味は薄く、(1)の効果自体が弱いので留めておく意味がない。


サブテラーの射手
効果モンスター
星3/地属性/天使族/攻1600/守1400
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにこのカード以外の「サブテラー」モンスターが存在し、このカードが相手の裏側守備表示モンスターを攻撃したダメージステップ開始時に発動できる。
その相手モンスターを持ち主のデッキに戻す。
(2):フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「サブテラー」モンスター1体を表側守備表示または裏側守備表示で特殊召喚する。

冒険者陣営の一人である長身の女エルフ。身の丈ほどある大弓を持ち、相棒として鳥を引き連れている。

(1)はデッキバウンス効果。
相手がリバーステーマでない限り裏守備で置いてくれる機会は少ないので、こちらから相手モンスターを裏守備にする必要がある。
後述する《サブテラーの導師》《サブテラーマリス・バレスアッシュ》でそれを満たしておきたい。

(2)は破壊をトリガーにした特殊召喚効果。
レベルやステータスを問わないため、最上級モンスターも選べる。
自分から破壊しても効果を発動できるのは大きな強みだが、【サブテラー】はそこまで積極的にセルフ破壊を行わない。
なので別途破壊手段を確保しておく必要がある。


サブテラーの戦士
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1800/守1200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):デッキから「サブテラー」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。
元々のレベルの合計がその「サブテラー」モンスターのレベル以上となるように、このカードと自分フィールドのモンスター1体以上をリリースし、
その「サブテラー」モンスターを表側守備表示または裏側守備表示で墓地から特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):自分フィールドの「サブテラーマリス」モンスターがリバースした場合に発動できる(ダメージステップでも発動可能)。
墓地のこのカードを特殊召喚する。

赤い髪の青年剣士。亜人である妖魔、刀匠、射手と違って見た目は普通の人間。
サブテラーの決戦では真ん中でポーズを取っているので恐らく冒険者陣営のリーダー。

(1)はサブテラーモンスターの実質的なリクルート効果。
フィールドのモンスターを二体以上リリースするため基本的にカード枚数上は損になる。
上級のサブテラーマリスを呼ぶ場合は、自ずと消費枚数も増えていく部分も軽視できない。

フリーチェーンで発動できるので、サクリファイス・エスケープにも使用できる。

(2)は自己再生効果。
(1)の効果で自身を墓地に送っている上に、その(1)で裏守備で呼んだモンスターをリバースできれば直ぐに再生する。

一度ハマれば(2)の効果で蘇りつつ(1)の効果で次々とサブテラーマリスを入れ替える機構ができる。
問題は最初の効果を、いかに消費を抑えながら使うかという部分。


サブテラーの導師
リバース・効果モンスター
星4/地属性/ドラゴン族/攻1600/守1800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリバースした場合に発動できる。
デッキから「サブテラーの導師」以外の「サブテラー」カード1枚を手札に加える。
(2):このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターとこのカードを裏側守備表示にする。
自分フィールドにこのカード以外の「サブテラー」カードが存在する場合、この効果は相手ターンでも発動できる。

2017年11月のVジャンプ付録として、後から追加されたモンスター。
法衣に身を包む竜人。後述するサブテラーの継承にて剣士より渡されたマントを羽織っているので、恐らくは地下世界の現地にて加わった新たな仲間。
……と、思いきやTCGの方でこのカードが公開された際のタイトルはなんとAfter 10,000 Years(1万年後)。長命な竜人が遥か未来の時間軸にて、剣士達の装備を受け継いで新たな冒険者となった姿なのかもしれない。

(1)のリバース効果はサブテラーのサーチ。
モンスターだけでなく魔法・罠もサーチできるため、柔軟性の高い効果となる。

(2)は他のモンスターを巻き込んだ裏守備化。
面倒な効果を持つ相手モンスターの無力化、自分モンスターのリバース効果再発動など多様な運用ができる。
勿論《サブテラーの導師》のリバース効果再発動もできる。

他にサブテラーカードが存在する場合は、フリーチェーンでこの効果を使用できる。
この条件は「サブテラーカード」なので、モンスターカードに限定されていない。
後述するサブテラー罠カードの発動(つまり表向きのサブテラーが存在する)をトリガーに、フリーチェーンで使用できる。

見た目通り【サブテラー】にとって便利な一枚だが、それ以上にサブテラーのデッキ構造の改変を齎した一枚でもある(詳細は後述)。

意外にも、ドラゴン族では初のリバースモンスター。


サブテラーマリス

レベル5以上のモンスターは「サブテラーマリス」の名を冠し、以下の共通効果を持つ。

このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの表側表示モンスターが裏側表示になった時、自分フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合に発動できる。
このカードを手札から守備表示で特殊召喚する。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを裏側守備表示にする(1ターンに1度のみ)。
(3):このカードがリバースした場合、(固有効果)。

手札からノーコストで展開できるものの、何らかの方法で自分のモンスターを裏守備にしないといけない。
その上で「自分フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合」にのみ発動できるため、すこし骨の折れる条件になる。
一枚目のサブテラーマリスの特殊召喚に成功すれば、そいつの(2)をトリガーにして二枚目、三枚目のサブテラーマリスが場に並ぶ。

なお(1)の効果は「時の任意効果」なのでタイミングを逃す危険がある。
つまりカードが裏側表示になり「その後」何らかの処理を挟むと、この効果は適用できなくなる。

以下のテキストでは、この共通効果部分は省略している。

サブテラーマリス・アクエドリア
リバース・効果モンスター
星5/地属性/海竜族/攻1400/守2600
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(3):このカードがリバースした場合、自分フィールドの「サブテラーマリス」モンスターの数だけ、フィールドにセットされたカードを対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

海中にて射手と対峙するシャチの様な海竜。名の由来は「アドリア海」。

固有効果はセットカードの破壊。
《サブテラーマリス・アクエドリア》自身もカウントされるため、最低でも1枚は破壊できる。
破壊枚数は「だけ」なので、必ずサブテラーマリスの数と同じだけセットカードを選ぶ必要がある。
そしてサブテラーマリスの数がセットカードの数を上回るとそもそも発動できないという欠点もある。

そもそもセットカードの破壊は展開前に行っておきたいため、ある程度モンスターの展開後に破壊するこの効果はやや勝手が悪い。
救いとなるのは、後述の《サブテラーマリス・バレスアッシュ》の存在だろうか。

ちなみに「地属性・海竜族」及び「リバース・海竜族」のステータスは《サブテラーマリス・アクエドリア》が初。


サブテラーマリス・アルラボーン
リバース・効果モンスター
星6/地属性/アンデット族/攻2400/守1600
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(3):このカードがリバースした場合に発動できる。
このターン、自分フィールドの「サブテラー」カードは相手の効果では破壊されない。

崖に佇む刀匠へ威嚇する骨の竜。名の由来は「アルボラン海」。

固有効果は破壊破壊の付与。
起動効果のため「発動」に反応するカウンター効果で妨害を受けるし、そもそも破壊以外の除去には対抗できない。
直接アドバンテージを稼いでいないことも苦しいが、何よりの問題はこの効果では裏側守備表示のサブテラーを破壊から守れない。
決して軽くない発動過程を踏まえると、割に合っているとは言い難い。


サブテラーマリス・リグリアード
リバース・効果モンスター
星7/地属性/爬虫類族/攻2000/守2700
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(3):このカードがリバースした場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。

剣士と向き合うドリルのようなクチバシを持つ巨竜。名の由来は「リグリア海」。

固有効果はモンスターの除外。
破壊耐性を無視できるため効果が通りやすく、堅実にメリットを稼いでくれる。
攻守値が微妙に見えるものの、《サブテラーの決戦》で補えるため見た目ほど深刻ではない。


サブテラーマリス・グライオース
リバース・効果モンスター
星8/地属性/水族/攻2600/守2500
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(3):このカードがリバースした場合に発動できる。
デッキからカード1枚を選んで墓地へ送る。

妖魔の光弾を真正面から受け止める氷晶の竜。名前の由来は「イオニア海」。

固有効果は墓地肥やし。
ピンポイントで墓地に供給できる上、魔法罠カードも選べるため、墓地肥やし効果としては上々。
ただし(リバースに縁のない)普通のデッキでは発動手順がキツイこと、
そして【サブテラー】が墓地ギミックを重視していないデッキだったことが、《サブテラーマリス・グライオース》の評価を下げている。

使う場合は《サブテラーの戦士》と相性が良く、自己蘇生を準備できる。

サブテラー以外のカードも墓地に遅れるため、カテゴリー外のカードを使用する場合にも使える。
例えば《グローアップ・バルブ》が禁止になる前は、このカードと併用することでシンクロ召喚のギミックも成立していた。


サブテラーマリス・ボルティニア
リバース・効果モンスター
星9/地属性/雷族/攻1900/守3000
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(3):このカードがリバースした場合、相手フィールドの裏側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのコントロールを次の自分エンドフェイズまで得る。

盾を構えた刀匠へ雷光のブレスを放つ飛竜。名の由来は「ティレニア海」。

固有効果はコントロール奪取。
相手の「裏側」モンスターしか奪えないため、発動過程を踏まえると求められる条件が非常に多く、つまり使いづらい。

変わったところでは【サンダー・ドラゴン】デッキとシナジーがある。
というのは、このカードの(1)があるおかげで「手札で効果を発動する雷族モンスター」に当てはまるため。


サブテラーマリス・ジブラタール
リバース・効果モンスター
星10/地属性/岩石族/攻2800/守2100
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(3):このカードがリバースした場合に発動できる。
手札から「サブテラー」モンスター1体を捨て、自分はデッキから2枚ドローする。

剣士を睨め付ける様に見下す岩の竜。名前の由来は「ジブラルタル海峡」。

固有効果は手札交換。
効果自体は癖もなく扱いやすいが、ドローソースとしてみると要求事項が多いのが難点。

何より、手札コストの調達に問題が起きる場面が意外と少なくない。
というのも、【サブテラー】は突き詰めるとモンスターカードの枚数を絞った構築になりがち。
つまり手札に都合よくサブテラーモンスターを握っている場面がなく、泣く泣く《サブテラーの妖魔》を捨てる…なんて時も。

それでも【サブテラー】を回すう上でこうしたドローソースは重要になってくるため、デッキにおける優先度は高い。


サブテラーマリス・エルガウスト
リバース・効果モンスター
星11/地属性/悪魔族/攻3000/守1400
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(3):このカードがリバースした場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターが守備表示の場合、表側攻撃表示にする。
そのモンスターの攻撃力は0になる。

妖魔を前に君臨するかの如く翼を広げる悪魔のような竜。名前の由来は恐らく「エーゲ海」。

固有効果は相手モンスターの弱体化。
このカードの攻撃力も相まって、高い戦闘ダメージを期待できる。
悪い効果ではないものの《サブテラーマリス・リグリアード》で直接除外する、後述の《サブテラーマリス・バレスアッシュ》で対象を取らず寝かせる等
《サブテラーマリス・エルガウスト》以上の始末手段がそろっているため、出番の少ない不遇な一枚となる。
リバースを狙う都合、低い守備力を見過ごせないのも苦しい。

テキストが少しややこしいが、表示形式変更は対象モンスターが守備表示のときのみ適用される。
攻撃表示の場合は表示形式をそのままに攻撃力0にする。


サブテラーマリス・バレスアッシュ
リバース・効果モンスター
星12/地属性/炎族/攻3000/守1800
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(3):このカードがリバースした場合に発動できる。
このカード以外のフィールドの表側表示モンスターを全て裏側守備表示にする。

崖上の射手を見上げる赤熱した溶岩の竜。名前の由来は「バレアレス海」。

固有効果は全体裏守備化。
直接ボード・アドバンテージを稼ぐ効果ではないが、モンスター効果を閉じてしまうため崩し能力が高い。
相手ターンでの発動に成功すれば、相手の儀式・シンクロ・エクシーズ・リンク召喚行為を妨害することもできる。

《究極伝導恐獣》と異なり、自分のモンスターも裏守備になる。
リバース効果の再発動とサブテラーマリスの展開補助に使用できる。

こちらも《サブテラーマリス・エルガウスト》と同様、守備力の低さが目に付く。
効果は強いので、手間を割いて補助するのもあり。


リンクモンスター

サブテラーマリスの妖魔
◤ ▲ ◥
◀   ▶
リンク・効果モンスター
リンク2/地属性/幻竜族/攻2000
【リンクマーカー:左下/右下】
リバースモンスター2体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの攻撃力は、このカードのリンク素材とした「サブテラー」モンスターの元々のレベルの合計×100アップする。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
デッキからリバースモンスター1体を墓地へ送り、手札からモンスター1体をこのカードのリンク先に裏側守備表示で特殊召喚する。
(3):1ターンに1度、このカードのリンク先のモンスターがリバースした場合に発動する。
自分のデッキ・墓地からリバースモンスター1体を選んで手札に加える。

来日と同時に誕生したリンクモンスター。
《サブテラーの妖魔》と共通点の多いリンクモンスター。あちらの進化形なのだろうか?

(1)は攻撃力アップ効果。
元々リンク2としては高めの攻撃力を持っているため、旨いことサブテラーマリスを素材に使えれば3000超えも視野に入る。

(2)は墓地肥やしと展開を同時に行う効果。
墓地肥やしはリバースモンスターならばどれでもよいので、墓地効果を持つ【クローラー】などでも有効に使うことが可能。
手札からの展開はレベル制限もなく、リバース効果の準備につながる部分がありがたい。
ちなみにテキストをよく読めば、手札から出すモンスターはリバースモンスターでなくても構わない。

(3)はリバースモンスターのサーチorサルベージ効果。
継続的にアドバンテージを稼ぐ効果であり、戦線維持が期待できる。
このカード自体にはリバースさせる効果がないので、ちょっと手間のかかるところ。

素材としてリバースモンスターを指定しているものの、意外とこれが面倒を招いている。
なにせ裏側守備表示のリバースモンスターは「それがリバースモンスターである」と認知できないため素材に使えない。
そのため「表側表示の」リバースモンスターを二枚そろえるのだが、リバースの展開カードは裏守備で出すものが多い。
リバース効果を使い終わったモンスターを使うか、あるいはリバース効果を諦め通常召喚して素材にする筋書きが求められる。

サブテラーの名を冠してはいるものの(2)(3)はリバースモンスター全般を支援する効果となっている。
とりわけ「リバース」と「墓地活用」に重きを置いている【シャドール】【ティンダングル】と相性が良い。
その一方でリンクモンスターは裏守備にできないことからサブテラーマリスの召喚条件を妨害しかねないという欠陥を抱えている。
そもそも【サブテラー】が墓地を重視しないこと、サブテラーマリスを素材に使うと(1)を考慮しても総攻撃力が下がることから
どちらかというと【サブテラー】とは相性が悪い一枚になる。
勿論サブテラーマリスの展開手段を別途用意できるなら、このカードを使用する価値は十分にある。

ちなみに幻竜族初のリンクモンスター。


魔法

地中界シャンバラ
フィールド魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「サブテラー」モンスター1体を手札に加える事ができる。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
自分の裏側守備表示の「サブテラー」モンスター1体を選んで表側攻撃表示または表側守備表示にする。
(3):1ターンに1度、相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
自分の裏側守備表示の「サブテラー」モンスター1体を選んで表側攻撃表示または表側守備表示にする。
その後、その攻撃を無効にできる。

「シャンバラ」とは、サブテラーのモチーフになったアガルタの首都。

(1)は最早お馴染みとなったサーチ効果。
下級のみならず上級のマリス群もサーチでき、手っ取り早く状況を整えることができる。

(2)と(3)は裏側のサブテラーモンスターを表側にリバースさせる効果。
当然それにより、リバース効果を積極的に使用することができる。
「リバースモンスターはセットしてからリバースまで手間がかかり遅い」という欠点を補い、能動的に効果を使用できる。
例えばこのカードの(1)でサーチしたサブテラーをセットし、(2)で裏返すことで即座にリバース効果を発動できる。

(3)の攻撃無効も侮れず、ややステータスに難のあるサブテラー達を戦闘破壊から守れる部分は中々便利。

【サブテラー】の最重要カード…というよりは、このカードが欠けると途端に動きが悪くなってしまう。
何としても初手で手札に確保するべく、《テラ・フォーミング》などのサーチ手段は用意しておきたい。



サブテラーの激闘
永続魔法
(1):自分フィールドの「サブテラー」モンスターの攻撃力・守備力は、フィールドの裏側表示モンスターの数×500アップする。
(2):1ターンに1度、自分の「サブテラー」モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時、「サブテラーの激闘」以外の自分の墓地の「サブテラー」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。

ジブラタールとボルティニアの合体攻撃を食い止める刀匠。彼の大盾の後ろで射手と剣士は反撃の機会を伺う。

(1)はサブテラーモンスターのステータス強化効果。
倍率は高く、サブテラーマリスを駆使すれば裏側モンスターを並べることは難しくない。
ただし「裏側守備表示」をカウントする都合、相手をたくさん裏守備にすると戦闘ダメージを与えられず
自分のモンスターを裏守備にすれば攻撃モンスター自体が減ってしまう、という難点がある。
罠カードとはいえ、ステータス強化の目的ならば《サブテラーの決戦》が使いやすい。

(2)はサルベージ効果。
候補としては優秀なカウンター効果を持つ《サブテラーの妖魔》になるだろう。


サブテラーマリスの潜伏
通常罠
(1):自分の墓地から「サブテラー」モンスター1体を除外して発動できる。
ターン終了時まで、自分フィールドの裏側表示モンスターは効果では破壊されず、相手の効果の対象にならない。
(2):フィールドのこのカードが効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから「サブテラー」モンスター1体を手札に加える。
(3):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの「サブテラー」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示にする。

地中を高速潜航し射手を撹乱するリグリアード。ドリルの様なクチバシは飾りでは無いようだ。

場で発動する、場で破壊される、墓地から除外するという3つのアクションにそれぞれ対応した効果を持つ罠。
(1)は墓地からサブテラーを除外して発動可能、場の裏守備モンスターに破壊耐性と対象に取れなくする効果を付与するので、リバースデッキの弱点である「攻撃を介さない除去」を防ぐ事が出来る。
さらにこのカードが割られた時は(2)で同名を含む全サブテラーカードへアクセス出来る為、除去へのケアも可能。ポイントは「除去に対してチェーン発動して(1)の効果を使用し、その後破壊される事で今度は(2)も発動する」というコンボが可能という点。
このお陰で除去に対しても強気に出られる。

(3)はサブテラー専用の月の書。使い終わったこのカードを除外し、サブテラーモンスターの効果使用の為に活用しよう。

サブテラーの決戦
通常罠
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。
●自分フィールドの裏側表示の「サブテラー」モンスター1体を選んで表側攻撃表示または表側守備表示にする。
●フィールドの表側表示の「サブテラー」モンスター1体を選んで裏側守備表示にする。
●フィールドの表側表示の「サブテラー」モンスター1体を選び、
そのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで、その元々の攻撃力と守備力を合計した数値になる。
●このターン、「サブテラー」カードの発動する効果は無効化されない。

吠えるエルガウストと構える冒険者一行。今こそ「決戦」の火蓋が切られる。

四つある効果の中から好きなものを選ぶカード。
当然、その状況に合わせて自由に選べるため桁違いの利便性を持っている。

一つ目は裏守備のサブテラーを表向きに変える効果。
《地中界シャンバラ》にはできない「相手ターンでの能動的リバース」を狙う場合に使える。

二つ目は表向きのサブテラーを裏守備に変える効果。
裏向きにすることでリバース効果の再発動も勿論視野に入る。

三つ目はサブテラー1体の攻守値を変える効果。
サブテラーは攻撃力か守備力に難のあるカードが多いため、戦闘補助として有難いものになる。
「値を上げる」ではなく「特定の値に変化する」効果なので、これ以前の強化はリセットされてしまうことに注意。

四つ目の効果は、サブテラーの発動する効果を無効化されない効果。
《スキルドレイン》などの効果だけを無効にするカードは凌げるが、発動を無効にするカウンター効果には対処できない。
サーチが要になるテーマなので《灰流うらら》を掻い潜れるのは大きな利点になっている。
またこの効果を使う(このカードを表向きにする)ことで《サブテラーの導師》の裏守備化をフリーチェーンかつ無効化されずに使用できる。

いずれも「痒い所に手が届く」優秀な効果だが、このカードの真の強みはこの一文。
「発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。」
つまりどれかの効果を使い終わってもフィールドに残り、次のターンが来れば使いまわすことができる。
何なら《王家の神殿》があれば、セット後もすぐに発動しなおせるため1ターンに2個効果を選ぶことができる。


サブテラーの継承
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。
●手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、モンスター1体を選んで墓地へ送り、同じ属性でカード名が異なるリバースモンスター1体をデッキから手札に加える。
●手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、リバースモンスター1体を選んで墓地へ送り、同じ属性で元々のレベルが低いモンスター1体をデッキから手札に加える。

自身が羽織っていたマントを一人の竜人へ渡す剣士。
剣士から継承された真紅のマントは、竜人が導師と呼ばれる様になる程の長い時を経ても、彼を守る装備として大切に使われている様だ。

こちらも《サブテラーの決戦》と同様に、発動後にそのままセットする効果を持つ。

一つ目はモンスターを墓地に送り、同じ属性でカード名が異なるリバースモンスターをサーチする効果。
二つ目はリバースモンスターを墓地に送り、同じ属性でレベルが低いモンスターをサーチする効果。

「効果でモンスターを墓地に送る」ため、むしろ【シャドール】と相性が良い一枚になっている。
また《エルシャドール・ミドラーシュ》を能動的に墓地に送る点、闇属性の手札誘発を易々サーチできる点も二重丸。
誰が呼んだか「シャドールの継承」。


デッキ概要

サブテラーマリス軸

強力な効果を持つ「サブテラーマリス」を軸にしたデッキ。
下級サブテラーの効果で回転と妨害穴埋めを満たし、各種サブテラーマリスで相手の盤面を突破する。
リバースした後も再セット、裏守備で再展開を繰り返すことで戦線継続も期待できる。

メタビート軸

《サブテラーの導師》が誕生したことで、新たに生まれたデッキ。【導師ビート】とも呼ばれている。

このデッキで使用されるサブテラーカードは《サブテラーの妖魔》《サブテラーの導師》《地中界シャンバラ》《サブテラーの決戦》の四種類。
これだけでも以下の流れが可能になる。
※展開例
  1. 《地中界シャンバラ》を発動、《サブテラーの導師》をサーチ
  2. 《サブテラーの導師》をセット、《地中界シャンバラ》でリバースしその効果で《サブテラーの妖魔》をサーチ。
    既に《サブテラーの妖魔》が間に合っている場合は《サブテラーの決戦》をサーチ
  3. 万能カウンター1、裏守備化1を確保

つまり「効果は強いけどそれ以上に煩わしい部分が目立つ」サブテラーマリスを一切使用せず、枚数を極限まで絞っている構築。
精々《サブテラーマリス・リグリアード》《サブテラーマリス・バレスアッシュ》が偶に使用されるくらい。
余ったデッキスロットに相手を妨害する罠カードを大量に詰め込むことで、メタビートデッキの一丁上がり。

特殊召喚を必要としないギミックなので《サモンリミッター》《センサー万別》などの「お互いに及ぶ特殊召喚メタ」を気軽に使用可能。
他にも《強欲で謙虚な壺》《強欲で金満な壺》を気兼ねなく使用でき、安定性もある。
後は各種カウンター罠、《大捕り物》《無限泡影》等の妨害用罠カードを大量に積み、相手の行動をネチネチと咎めていく。
《サブテラーの決戦》の効果で《サブテラーの導師》を攻撃力3400にできるため、殴り能力も高め。

意外なテクニックとして《大捕り物》で奪ったモンスターを《サブテラーの導師》で裏返した場合、
奪ったモンスターと《大捕り物》の関係が切れるため、《大捕り物》が破壊されてもモンスターが相手の場に戻らなくなる。
そして効果発動も攻撃も解禁されるというテクニックが存在する。

一枚当たりのカードパワーが極めて高く、それでいてデッキスロットも豊富のため、登場以来大会でも一定の成績を残している。


欠点として《サブテラーの妖魔》サーチに限界があるため、メタビートでありながら長期戦が苦手。
またサブテラーの枚数が少ない分、どれか一つでも無効・除去されると途端に機能しなくなる脆い一面もある。
しこたま積んだ妨害カードで相手の攻め手を捌き切れるかの勝負になる。

欠点とは違う話だが、今日の遊戯王界隈で【サブテラー】と言えば、このメタビ軸を指していることが多い
現に遊戯王カードwikiを始めとする遊戯王情報サイトでは「【サブテラー】は特殊召喚に頼らない低速デッキ」という記載が散見されている。
本当の純【サブテラー】はサブテラーマリスを展開していくデッキなので、これは誤り。
しかし大会で結果を出したこともあり、派生デッキの【導師ビート】が【サブテラー】扱いになっているのが現状である。

弱点

リバーステーマということでリバースメタ(セットさせない、セットカードを起こさず除去)に弱いのは変わらない。

またサポートカードが充実しているとはいえ、リバースという手間を挟む分動きが重い。
物量特化を相手にすれば、相手のカードを捌き切れず押し切られることも。

メタビート軸でも書いたが《サブテラーの導師》《地中界シャンバラ》などマストカウンターが明白で、そこを潰されると急に失速する。




追記修正お願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • サブテラー
  • リバース
  • 遊戯王
  • 遊戯王OCG
  • 遊戯王OCGデッキテーマ項目
  • 海外先行
  • サブテラーマリス
  • メタビート
  • 地属性
  • サイクル・リバース

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月18日 21:47