カウンターシールド(ポケモン)

登録日:2022/09/15 (木) 01:37:27
更新日:2023/09/27 Wed 06:46:14
所要時間:約 6 分で読めます





シロナさん!

シンオウ地方の冒険で俺達が編み出したカウンターシールドです!!



出典:ポケットモンスター、123話『セミファイナルⅡ 「幻惑」』、
19年11月17日~2022年12月16日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

概要

『カウンターシールド』とは『ポケットモンスター ダイヤモンド&パール』において サトシが編み出した戦術である。
『氷のアクアジェット』と並んでDPを象徴する戦術といえる。
ちなみに命名者はサトシではなく、ヨスガジムのジムリーダーであるメリッサ


ポケモンが回転しながら攻撃技を使う事で、相手の攻撃を相殺しつつ広範囲で攻撃するという攻防一体の戦術である。
例えば『みずでっぽう』は一つの水流が正面に向かって放たれる技なので、当然敵が真正面にいないと当たらない。
しかしこの『みずでっぽう』を回転しながら放つと正面以外にも当たる様になるのだ。
勿論普通に回転しただけだと空中にいる相手には当たらないが、回転の際には地面に背を付けて回る等、全方位で撃てるように工夫されている。
その回転っぷりをシロナは「踊り」、ホップは「ブレイクダンス」と称している。

ゲンガーのような高速で空間を動き回るポケモン対策にもこのカウンターシールドはピッタリで、
全方位で放たれる技が高機動のポケモンの動きを止める罠にもなるのだ。


ここまで書くと万能の戦術だが、もちろん欠点もある。
カウンターシールドを使うにはポケモンの体を回転させられるか、あるいは技を自在に操れるかできないとそもそも使用不可能である。
ドダイトスなどは鈍重で技を拡散させる術もないのでそもそも無理であった。
また、軸となるポケモン自身はその場で回転し続けなければならない問題が最も大きい。
ポケモン自身は回転している所為で前後不覚になり、回転の勢いの所為で何か別の行動を取るには急制動をかけてねばならず、咄嗟に回避することも出来ない。
何より、この技はいわば台風のようなものなので、台風の目である上と真下は死角になっている。
空中戦が可能なポケモンや穴を掘る等の攻撃で、真上や地面スレスレから襲撃されると防ぎようが無い。

更に、カウンターシールドはようするに常時全方位で技を使っている状態なので、
当然時間経過と共に技の威力が落ちてしまう。
前述「罠にもなる」と書いたが、罠になるのは発動した直後くらいのもの。
暫く経てば、突破も可能の低出力の技を無防備な姿で垂れ流すだけのブレイクダンスに成り下がる。
メリッサにはこれらの弱点を見破られて攻略された。

さらにメリッサはこの弱点を克服した『カウンターシールド・バージョン2』をサトシとの戦いで編み出している。
こちらはポケモンが出した技を『サイコキネシス』で強化することで持続力を大きく向上させるというもの。
メリッサはこのカウンターシールド・バージョン2でサトシのカウンターシールドを破るという『カウンターシールド返し』まで一瞬で編み出している。流石ジムリーダー。

この攻防一体のカウンターシールドはまさに「攻撃は最大の防御」と考えているサトシの戦法にピッタリだったため、ここぞという時に使われた。
またサトシの影響を受けたヒカリタケシシンジも使用するなど愛用者は多い。

DP以降はそのシリーズの初見視聴者に配慮されたのか、BWヒカリ客演回で言及したのを最後にカウンターシールドの名前が出る事はなくなった。
一応以降のシリーズでもカウンターシールドの生みの親である冨岡淳広氏の脚本回ではカウンターシールドに近い事をしてはいたのだが……。

しかしDP放送終了後12年、BW86話からも10年が経過した新無印123話『セミファイナルⅡ 「幻惑」』に名前付きで正式に再登場。
マスターズトーナメント・セミファイナルの対戦相手であるシロナのミカルゲの『さいみんじゅつ』に対抗するためにピカチュウに『カウンターシールド』を命じるという、
カウンターシールドの本来の役目である催眠術対策に使われるというファンサービスまであった。
ついでにシンオウリーグでサトシが使っていたのをシロナも覚えていた事も判明した。

そこで話は終わらない。この戦術に驚いたファイナルの対戦相手ダンデインテレオンに命じて使用。
アクアジェットを使ったカウンターシールドを使用し、ゲンガーを異次元から穿り出した。これにはファイナルを会場まで観戦しに来ていたヒカリも驚愕していた。

経緯

この戦術をサトシが編み出した理由とは、前述した通りヨスガジムのジムリーダーであるメリッサの催眠術対策である。

サトシは攻撃技を防御に転用するのは以前のシリーズの頃からやっているので、わざわざ一つの戦法として確立する意味があるのかとタケシに問われた事もある。
しかしメリッサのゴーストポケモンが使う催眠術はゴーストポケモン「らしい」動きで催眠術を使って来るので、タイミングが読めなかったのだ。
なので「タイミングを読む必要がない」このカウンターシールドが生み出されたのである。

思いついたきっかけはヒカリのエテボース。
直前のコンテストでエテボースが『ダブルアタック』で技と敵を同時に攻撃したのが理由である。
これは二本尻尾のあるエテボースだからこそ技を攻撃しながら本体にも攻撃出来たことであったため、
サトシはクロガネジム戦で身に付けた回転を取り入れ、回転しながら技を出すことでダブルアタックの再現をすることにしたのだ。


そしてメリッサとのバトルで他の技にも対応できる応用性が判明したため、他のバトルでも使っていく事になる。

使用したポケモン

カウンターシールドと明言されているポケモンと、近い事をしたポケモンの二つを紹介します。

DP96話で初使用。サトシのポケモンで初めて使ったのは、やはりピカチュウ。
ピカチュウの場合は『10まんボルト』でカウンターシールドを作る。
新無印で再び使った際には、項目冒頭の画像のように妙に楽しそうな顔をしている。

DP96話で初使用。『アクアジェット』『みずでっぽう』で使用。
カウンターシールドといえばブイゼルというくらいには多用した。

DP102話で初使用。『かえんほうしゃ』『かえんぐるま』を使用。
かえんほうしゃ単体でのカウンターシールドだけではなく、
かえんぐるまをしながらの『かえんほうしゃカウンターシールド』という奇策まで披露。
上述の「一定ヶ所で回転し続けねばならない」というカウンターシールドの最大の弱点を克服した完成形と言える技だった。
……のだが、炎を纏いながら突進する『フレアドライブ』を修得して以降は使わなくなった。

DP102話で初使用。『おにび』『サイコキネシス』を使用。
正確には上記のように『カウンターシールド・バージョン2』
おにびをサイコキネシスで強化して持続力を高め、さらに自在に操る事で攻撃したり敵を捕縛したりと便利。

DP186話で初使用。『だくりゅう』を使用
エイチ湖でのバトルでサトシのカウンターシールド戦法を見たシンジ。
この時はまるで無関心そうだったが、シンオウリーグでの最終決戦の際にカウンターシールドを披露した。
シンジとサトシがお互いに影響を与えているというのが、これだけでも分かるというもの。
ちなみに首をグネグネ動かして技を回転させているので、地面スレスレの範囲には技が届かない。
しかしこれは、「使用中に死角から攻撃されるとあっさり突破される」という弱点を利用した罠でもある。
対戦相手が地面スレスレの死角を突いて攻撃してくるのを見越して待ち構えており、
いざ攻撃してくれば跳躍による回避やのしかかりに繋げる、カウンターシールドを昇華させた完成形の一つである。

BW 86話で初使用、『バブルこうせん』を使用
この時デントのヤナップが『がんせきふうじ』を使ってきたため、これを撃ち落とすために使用。
ヒカリは試合後ドヤ顔でサトシにカウンターシールドを覚えた事を告げた。かわいい。
そしてこの話以降、新無印になるまでカウンターシールドと言う名前は消えた……。

新無印129話で初使用。『アクアジェット』で使用。
前述した通り、シロナ戦で使ったピカチュウのカウンターシールドに感銘を受けたダンデが使用した。
巨大な水流となったアクアジェットの渦がフィールドを縦横無尽に暴れまくり、地面の異空間に身を潜めていたゲンガーを無理やり引きずり出し、
空中に避難している暇もなく襲ってくるため、ゲンガーを縄跳びをしているように翻弄させていた。
なお、皮肉なことにかつてサトシはヨスガジム戦でゲンガー相手にカウンターシールドを使用したのが、公式戦で初めてカウンターシールド使用した瞬間である。

類似

DP88話で初使用。『どくガス』を使用。
ヒカリが借りたベトベターとコウヘイコンパンとの戦いの際に、『しびれごな』を防ぐために『どくガス』を回りながら使って防御。

DP95話で偶然初使用。『ダブルアタック』を使用。
カンナギ大会に出場し、母・アヤコのライバル・ユリとのコンテストバトル中にメロメロ状態になったエテボースが、
偶然繰り出したダブルアタックがサトシに閃きを与えた。

どちらもSM編43話で初使用。『ジャイロボール』を使用。
体を回転させることで相手の攻撃を防ぐ。タケシ自身もサトシに影響された戦法と語っている。

新無印25話で初使用。『りゅうのまい』『ぼうふう』を使用。
りゅうのまいの回転によって生半端な物理技を防いでしまう。
さらにぼうふうを回転しながら自分の体を包ませることで、こちらは特殊攻撃を自分の体に届かせないバリア代わりになる。

余談

ちなみにサトシがカウンターシールドを生み出す前、DP88話にてヒカリがベトベターを使ってまったく同じ事をバトル中にしている。
しかしあくまでサトシが参考にしたのは95話でのエテボースの動きである。



追記・修正はカウンターシールドを使ってからお願いします。

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最終更新:2023年09月27日 06:46