ぼうふう(ポケモン)

登録日:2021/01/27 Wed 23:16:21
更新日:2022/12/21 Wed 21:58:15
所要時間:約 6 分で読めます





ぼうふうポケットモンスターシリーズに登場するわざのひとつである。

タイプ:ひこう
分類:特殊(非接触)
威力:120→110(第六世代以降)
命中率:70
PP:10
範囲:単体
効果:30%の確率で相手をこんらんにする。
天気があめが ふっている状態のとき必中。
天気がひざしが つよい状態のとき命中率が50%になる。
「そらをとぶ」「とびはねる」で上空に姿を消しているポケモンにも当てられる。


概要

第五世代『ブラック・ホワイト』から追加されたひこう特殊技で、登場以来汎用ひこう技として使われている。

強烈な風を巻き起こし、相手を包み込んで攻撃する。

威力が100オーバーと高く、第四世代以前の『エアスラッシュ』止まりだったひこう特殊火力を大きく押し上げた存在。
(物理の方は第四世代時点ですでに『ブレイブバード』が存在する)
しかし命中に不安が残る。
他にひこう特殊技の選択肢がないか論者でもなければ採用には勇気がいるだろう。

ちなみにぼうふうとエアスラッシュ以外のひこう特殊技はエアロブラスト、デスウイング、おしゃべり、エアカッター、そしてかぜおこしくらい。
エアロブラスト、デスウイング、おしゃべりは専用技で、かぜおこしは貧弱すぎるため、多くのひこう特殊アタッカーにとって現実的な選択肢はたった3つしかない(ダイジェット環境ならば別だが)。
ぼうふうと同じ風系のわざはかまいたち(ノーマル)、ねっぷう(ほのお)、ぎんいろのかぜ(むし)、あやしいかぜ(ゴースト)、ようせいのかぜ(フェアリー)、
こごえるかぜ(こおり)、たつまき(ドラゴン)とことごとく他のタイプの技にされやすいのである。
他の創作だと風属性とされがちなひこうタイプだが、風ではなく翼のほうがポケモンでは重視されている模様*1
物理にばかりひこうタイプ技が偏るのもむべなるかな。


仕様

効果は見ての通り、「かみなり」をひこうにし、まひをこんらんに置き換えたもの。
命中、PP、追加効果の発生率とありとあらゆるものがかみなりと相似形となっている。

  • 雨天時に必中
かみなりと同じく、天気があめの場合必ず命中する。
第五世代では天候パが猛威を奮っており、その中でも雨パは扱いやすかったため、この技が多用された。
現在でも雨パであればぼうふうを採用する事例は多く、ぼうふうを覚えられることがそのポケモンの採用理由にすらなりうる。
それがファイヤーウルガモスといった、メインウェポンの片方が雨下で弱体化するほのおタイプであってさえである。

  • そらをとぶ相手にも命中
かみなりをそのままひこうとこんらんに置き換えたためか、かみなり同様にそらをとぶ状態の敵にも命中する。
ただしこれまたかみなり同様に、特に威力や命中率が上がったりしない。
たつまきやかぜおこしが2倍になるために勘違いしやすいので注意。まあ威力110のわざが2倍になったらやばいけど

  • その他
    • 飛行技共通の仕様で、トリプルバトルでは隣り合っていないポケモンにも当てることが出来る。


歴史

第五世代

ブラック・ホワイト発売前、スワンナの公開と共に発表された。
他には風神トルネロスウルガモス、その他なぜかエルフーンまで覚える。
いやこの軽さでぼうふうは無理でしょ。
一方で雷神ボルトロスは習得できない。
あちらはかみなりを覚えるため、おそらく「トルネロスとボルトロスを対にしたい」という理由からかみなりに対応するぼうふうを登場させたのであろう*2
それと同時に、かみなりが汎用でんき技であることから、ひこうタイプに多く配られたのであろう。
でもエルフーンは無茶あるでしょ……。

他にもピジョットフリーザーファイヤーカイリューペリッパーが習得する。
何気にサンダーは習得できない。
これは当時から「三鳥の仲間外れ」とされ、前作の発電所から追い出された件と並びネタにされることがあったが、サンダーはボルトロス同様にかみなりを習得するため、ぼうふうまで覚えさせるのが危険と判断されたのであろう。
同様にエモンガスピンロトムも習得できない。スピンロトムもネタにされがちだが(以下略

第六世代

この世代ではかみなりやふぶきなどとともに威力を10下げられた。それでも110はあるが。
新規習得者はビビヨンオンバーンイベルタル。いやビビヨンて。
更にORASではダーテングポワルンも習得。
いずれもひこうではないが、前者は天狗、後者は天候を変えながら戦うポケモンであるためイメージには合う。
なおやっぱりサンダーもボルトロスもエモンガも覚えない。ガリョウテンセイもあるためか、レックウザも覚えない。

新規ポケモンの中でも、特性ふくがんにより命中率を上げられるビビヨンと、
特性ノーガードにより必中で放つことのできるメガピジョットはぼうふうを上手く扱うことができる。

ただこの時代の飛行枠は
  • ブレイブバードやアクロバット、オマケにはねやすめやおいかぜまで優先度+1で放てるファイアロー
  • 攻防共に高い数値から特性の効果で威力を上げつつひこうタイプにしたすてみタックルやハイパーボイスをぶっぱなすメガボーマンダ
と、オーバースペックな連中が覇権を取っており、彼等を差し置いてまで特殊型ポケモンで命中が不安定なぼうふうを使う意義は薄かった。

第七世代

新規習得者はギャラドスオオスバメオドリドリジジーロンヨルノズク
なおオドリドリはフォルムチェンジででんきタイプのぱちぱちスタイルになれるが、かみなりを習得できない。
この時点でかみなりぼうふうを両立できるのがカイリュー、ギャラドス、ポワルン、ジジーロンくらいしかおらず、
タイプ一致×2をゲームフリークも警戒した模様。
なおカイリューはともかくギャラドスはC60なので活かしづらい。

本作では1発だけならファイナルダイブクラッシュのベースにすることで必中高火力(威力180)にすることができる。
またペリッパーはあめふらしを新規に獲得したため、必中ひこう技として自身のメインウェポンに採用するケースも増えた。
サン・ムーン初期にはおいかぜぼうふうペリッパー+でんきだまかみなりピカチュウ+しおふきホエルオーの『ピカホエッパー』が話題を呼んだ。

第八世代

わざレコードの一つになり、ここに来てぼうふうのバーゲンセールと化した。
これにより、配布限定だったミュウツールギアはもちろんのこと、
既存ポケモンではリザードンバタフリーミュウマンタインケンホロウウォーグルジュナイパー
鎧の孤島からはキングドラファイアロー
冠の雪原からはプテラサンダークロバットチルタリスボーマンダレックウザ
新ポケモンではアーマーガアサダイジャウッウモスノウガラル三鳥が習得。
特にサンダーや、ビビヨンと差をつけられていたバタフリーにとっては大きな変化である。

そして本作はZワザこそ廃止され、ファイナルダイブクラッシュのベースにできなくなったが、
代わりに登場したダイマックス、その中でもダイジェットのベースに出来るという新たな強みを得た。
威力140で追加効果で必ず素早さが1段階上昇する必中ひこう技の誕生である(3ターンのみだが)。
ダイジェットはそれが発動できるなら「そらをとぶ」だろうが「つばめがえし」だろうが「アクロバット」だろうが
対戦において採用できるひこう技がポケモンに採用されるほどであり、
命中安定高火力+素早さ1段階アップという意味でぼうふうベースダイジェットは猛威を振るう。

そして先述の通り、ついにサンダーが習得したことでぼうふうかみなりのタイプ一致高火力×2が実現。
今まではひこうを搭載しようとすると二刀流にせざるを得なかったサンダーにとっては朗報である。
ダイマックスサンダーのメインウェポンとなるほか、雨下エースとしても持ってこいの性能が実現する。
ただし雨を前提としない場合、抜くとひこう特殊技の選択肢がなくなるぼうふうはともかく、
でんき特殊技は10まんボルトやライジングボルトを覚えるため、命中不安のかみなりを絶対に採用するとまではいかない。

アニメ

アニポケでは技エフェクトがいまだに定まっていない技の一つ。
  • 真空の刃が飛んでいくエアスラッシュの強化版
  • 強力な風を起こす
の二つの技エフェクトが存在する。
別のシリーズに移行するにあたりエフェクトが変わるのはままあるが、
ぼうふうの場合、同シリーズ内でも使う話によってエフェクトが変わる。

例えば新無印のサトシのカイリューは14話で初めてぼうふうを使った際には真空の刃を放っていたが、
以降の話では羽を羽ばたいて突風を出す技に変わっている。



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最終更新:2022年12月21日 21:58

*1 ギャラドスやフワライドなど例外もあるものの、実際ひこうタイプの大半は鳥など羽を持つ生き物がモチーフである。

*2 事実第六世代から第八世代に至るまでなお、トルネロスに配慮してかボルトロスはぼうふうどころかまともにひこうタイプ技を覚えない。ひこうタイプの通りの良さは第六世代より評価されるなかでそのひこう技をろくに習得できないことが、ボルトロスがサンダーと比較して評価を下げる要因となっている。