ソウルハッカーズ2

登録日:2022/09/19 (月) 23:09:00
更新日:2023/12/14 Thu 18:40:07
所要時間:約 18 分で読めます




世界の終焉(オワリ)破却(ハック)しろ――


ソウルハッカーズ2』(Soul Hackers 2)とは、2022年8月25日にアトラスより発売されたRPG。
対応ハードはPlayStation4、PlayStation5,XboxOne,XboxX|S,PC,Steam



概要


『女神転生』シリーズの中でもサイバーパンクなシナリオで話題を呼んだ『デビルサマナー ソウルハッカーズ』の(20年以上越しの)続編。
時代の変化によって題材は変わっているものの、テクノロジーが軸になっているという点は共通しており、人間の側からテクノロジーにアプローチしていた前作と違い、テクノロジー側の視点から人間を観察する、という構造になっている。
タイトルには「女神転生」も「デビルサマナー」も入っていないが、設定面ではデビルサマナーシリーズ作品から継承されている用語が多数見られる。
ヴィジュアルやBGM含めた雰囲気は(3以降の)ペルソナに近いライトな感触になっている。とは言え、ペルソナと比べると主要登場人物の多くが大人かつ裏社会に生きている人々であるため、ダーティかつ突き放した視点での内省的なエピソードも多い。
一方、バトルシステム等は従来の女神転生やデビルサマナーよりはペルソナ2に近かったりする。



ストーリー


21世紀中頃、テクノロジーの進化は行き詰まり、人類の営みは緩やかな停滞を迎えていた。
しかし、飽和する情報の海から新しい知性、Aionが人知れず誕生していた。
人智を超越したこの存在は世界の行く末を見つめていたが、Aionはその予測能力で「世界の終焉」を検知し、人類社会への直接介入を決定。
人間と同様のボディを持つリンゴとフィグが創造され、人の世界へと降り立つ。



登場人物


パーティメンバー

3人のデビルサマナーはいずれも一度死亡しており、リンゴのソウルハックによって蘇生している。
通常攻撃はリンゴとミレディが物理属性、アロウとサイゾーが銃撃属性。

▲リンゴ(CV:黒沢ともよ
本作の主人公。次世代の電子生命体Aionのエージェントの一人。使用COMPは刀と銃に変化する「アンティキティラ」。
普段は両足の模様となっており、戦闘時に右足の模様が刀に、後述するサバト時には左足の模様が銃に変形する。
アトラス作品全体で見ても極めて珍しい女性主人公かつ明確な個性のあるキャラクターであり、何よりよく喋る。
マイペースでサバサバした性格ではあるが、生まれたばかりの存在であるため社会や文化、人間の感情などに強い好奇心を持っている。
さしずめ猫のような性格、といったところか。
得意属性は雷で、ステータスは万能型。
パッシブスキルを開放することで、低確率で2回連続行動できる(行動後回復も2回受けられる)。また、同じく低確率でSPを消費しない。
コマンダースキルの起点なので、出来ればやられないようにしたい。

▲フィグ(CV:森なな子)
リンゴと同時に生み出されたAionのエージェント。
クールで思慮深い癒し系な性格であり、リンゴをたしなめることも多い。
直接戦闘には参加しないが、ミミズク型ドローンのミミを通じて様々なサポートを行う。
普段は冷静だが、ミミを操作している時は結構感情表現が豊富になる。

▲アロウ(CV:石川界人
ヤタガラス所属のデビルサマナーであり、Aionが検出した保護対象の一人。使用COMPは「九〇式召喚銃」。
普段は口数が少なく実直で穏やかだが、内心には熱い正義感と強い責任感を秘める青年。
ストイックを通り越して鍛錬マニアになっているような天然でもあるが、自分のカタブツさについては自覚しており、密かに気にしてもいる。
総じて好漢だが、優しすぎるが故に人の痛みを分かって「しまう」その気質は、彼が自ら選んだ生き様の過酷さを跳ね上げていると言える。
得意属性は氷で、ステータスはタンク型。
パッシブスキルにより、ランダムで味方をかばうことが可能な他、高めのINTと射撃系パッシブにより物理・魔法ともある程度こなせる。ただし、SPは低め。
他のメンバーに比べるとじゃっかん器用貧乏な面は否めず、そのオールラウンダーな能力にプレイヤーがどういう役割を与えるかが重要になるキャラクター。

▲ミレディ(CV:小清水亜美
ファントムソサエティ所属のデビルサマナー。使用COMPは2対の釵型の「スティグマ」。
自他ともに認める「狂気の愛」に殉じる情熱家であると同時に、理性的かつ合理的な性格の現実主義者。
本心をあまり見せないが、目的のためにスタンスを変える柔軟さはある。
得意属性は火で、ステータスは魔法型。
ピアッシングという固有攻撃スキルを持つ。STR依存だが、強化することで結構な威力を持つ。また、通常攻撃orピアッシング使用時と敵撃破時にSPを回復できる上、SP回復量を増加させるなどSPがらみのパッシブが豊富。
瀕死の敵にとどめを刺すスキルもあるので、攻撃全般でかなり有能(このスキルで倒しても撃破SP回復は発動する)。
ちなみに、本作のSP回復系パッシブスキルは最大SP依存なので、行動後にSP回復するスキルを持たせるとかなりSPが長持ちする。

▲サイゾー(CV:松風雅也)
フリーのデビルサマナー。使用COMPは「トミーガン」。
一言で言えば、ロマンチストで愛嬌たっぷりなかっこつけ屋。
そして、良い意味でも悪い意味でも日和見主義。
パッと見は人当たりのいいお調子者だが、その実はかなり世間擦れした面もあり、尚且つ自分の意見や感情を抑えて周りに取り入る術に長ける。
一方で、そういった処世に器用な彼の言動は、それぞれ別方向に尖った個性がぶつかり合うチームの中で重要な潤滑油ともなっている。
得意属性は風で、ステータスは物理型。また、回復にも適性を持つ。
パッシブスキルにより、低確率で通常攻撃の威力が倍になる他、通常攻撃及び射撃スキルを当てることで低確率で気絶させることができる。
低確率でアイテムを消費しなくなるパッシブを持つ。


ファントムソサエティ


▲鉄仮面(CV:中村悠一
ファントムソサエティに所属するデビルサマナー。常に鉄の仮面をまとっており、冷酷な性格。
ファントム内の謎に包まれた計画「C計画」のプロジェクトリーダーを担う。
彼の素顔を知るものは組織内でもそう多くはないようだ。

▲ゼノン(CV:興津和幸)
鉄仮面によって作り出された造魔。コヴェナントの保管庫にしてその番人。
戦闘能力に長けるも知能はさほど高くなく、鉄仮面の命令で動く。

▲カブラギ(CV:逢坂良太
ファントムソサエティ所属のデビルサマナー。正義感が強く、仲間思いな明るい青年。
アロウとは幼馴染であったが、対立組織であるヤタガラスの一員となっていた彼を任務のため殺害する。

▲アッシュ(CV:井澤詩織
ファントムソサエティ所属のデビルサマナー。
一見サバサバとした印象を与えるが、実は情が深くロマンチストな一面も。
サイゾーとは恋人関係にあったようだが、とある事情で破局した。
鉄仮面によるサイゾー殺害に力を貸すも、どうやら本意ではなかったようだが…?

▲R.S.(CV:竹内栄治)
ファントムソサエティ所属のデビルサマナー。
粗野で粗暴な性格だが面倒見はいいため、目下の者からは慕われている。
ラップ調で話すなど、ふざけた印象を受けるが、サマナーとしての実力はかなり高い。


超國家機関ヤタガラス


▲レイブン(CV:浜田賢二)
元ヤタガラスのデビルサマナー。落ち着きがありつつ社交的で面倒見が良い大人の男。
アロウにとっては兄貴分的存在であり、サマナーとしての師匠でもある。
かつては一流のサマナーだったが、過去のある事件を契機に引退し、現在は児童養護施設「こまどり」で働いている。

▲葛葉マンゲツ(CV:菅生隆之)
久方ぶりに登場した葛葉一族の一人であり、ヤタガラスに所属するデビルサマナー。
既に老齢だが、当代きっての手練れの一人と謳われるおじいちゃん。
見た目は厳格そうだが、柔軟な思考をしており、お茶目な面もあるらしい。
かつて鉄仮面に自身のコヴェナント研究施設を襲撃されており、その際に助手が殺害され、彼の持つ「青」のコヴェナントが奪われた。
自身も「紫」のコヴェナントを持つマンゲツはその場から逃走し、地下に潜伏する。そしてアロウのストーカーになった


ショップ


▲ユメ(CV:高田憂希)
爆熱価格ショップ「デラマンチャ」のバイト店員。
弟が5人おり、家計のためにバイトをしている
店には怪しげな品も多々あるが、彼女自身は完全に一般人のJK。

▲マネキン(CV:広瀬裕也)
アクセサリーショップZafiroの店員。自らを一番かわいいと主張し、店員でありながら接客をする気が全くない。
元ネタは某Youtuberだろうか?
ちなみに、マヌカンというブティック店員が過去作品に登場している。

▲タタラたん(CV:花守ゆみり
新進気鋭のCOMP職人。眼帯の俺ッ娘。足は2本あるし「うぉれ」とは言わない
「たん」呼びにはコダワリがあるらしく、「ちゃん」はもちろん「さん」と呼ばれても機嫌を悪くする。

▲ヴィクトル(CV:銀河万丈
デビルサマナーの頃からお馴染み、悪魔合体の人。
今作の業魔殿は「シルク・ドゥ・業魔殿」というサーカスになっている。
同一人物ならシリーズで一番高齢なヴィクトルのはずだが、気分的に若返ってるのか、テンションは大正20年のようにお高め。

▲マダム銀子(CV:杉田智和
こちらもデビルサマナーの頃からお馴染み、クレティシャスのオーナー。今回はBarではなくClub。
前々作から前作にかけて変わっていた容姿が更に変化しており、魔女のようなつばの広い帽子と黒一色の服装に加えて髪が銀髪になっている。

▲リーナー(CV:神田みか)
サマナー御用達の交換ショップ陽陽城の主人。
胡散臭い見た目に違わず、扱う品も怪しげ。
謎のコネもあり、悪魔相手にまで阿漕な商売をしている。
銭ゲバのようで実際銭ゲバだが、彼女なりに商売人としての矜持は持っている人物。

▲ヒューズ(CV:青山穣)
Barヘイズルーンのオーナー。
強面で寡黙だが無愛想ではなく、居心地のいい空間作りに心を砕く。料理も上手い「できおじ」。
サマナーの世界にも通じており、彼の店は陣営問わずサマナーの通う一種の非戦闘地帯となっている。
その平穏を乱す行為には厳しく、彼の静かな恫喝にはミレディやサイゾーも即座に襟を正すほど。


その他


▲恩田一郎(CV:伊藤健太郎)
「赤」のコヴェナントを所有していた、世界的に有名なコンピューターエンジニア。
様々な偉業を成した自身を天才とうそぶく。
「バニシングシステム」という研究を完成させた直後、コヴェナントを狙った鉄仮面とゼノンにより殺害された。
とにかく不敵で、殺される段になっても怯える様子もなく、鉄仮面に奇妙な予言を遺す。
そんな彼の怖いものは、自分の才能と猫。

▲フランマ(CV:鈴木柊真)
Aionのメッセンジャー。
人の肉体を持つことでAionと異なる思考様式を持つようになったリンゴとフィグにAion本来の思考や判断を翻訳し伝える。
言動はリンゴやフィグ以上にAion寄りだが、フランマもまたコンタクトを取る窓口としての個を与えられた、本来のAionから逸脱した存在である。

▲ナナ(CV:東山奈央
DLC追加シナリオ「Lost Numbers」に登場する、新米サマナーの少女。
甘いものが特に大好きな健啖家。
失踪した父親の行方を探している。
イベントを進めると一時的にNPCとして戦闘に参加してくれる。


ゲームシステム


▲悪魔召喚
装備中の仲魔を合体で使用すると装備から外れてしまうため、注意が必要。一応、仲魔を装備しないままでも戦えはするが、メリットは一切ない。
なお、本作はスキル継承の属性制限が厳しく、魔法特化系の悪魔ですら全属性継承は不可能な上、従来は制限のなかった補助属性さえ制限がある。

▲悪魔探索
葛葉ライドウシリーズでもあった、悪魔に探索を行わせるシステム。
ダンジョンに足を踏み入れると、仲魔たちはリンゴの号令で悪魔探索を開始する。

▲サバト
簡単に言えば「必中*1の万能属性全体攻撃」である。
また、サバトで倒した悪魔は悪魔探索で仲魔にしやすくなるという恩恵もあるので、積極的に狙っていきたい。

▲ソウルレベルとソウルマトリクス
ソウルレベルとは、リンゴと仲間たちの関係性を数値化したものである。
メインストーリー中の選択肢やBarヘイズルーンで行えるパーソナルイベントで上昇する*2
ソウルマトリクスは、ソウルハックによってリンゴの精神とリンクが形成されているデビルサマナーたちの精神構造が象徴的に再現された領域。
ただし、メインストーリーの一部イベントはこのソウルマトリクスで進行する。

▲ミール
セーフハウスで使用することのできる食事系アイテム。
入手方法は、ショップで購入する他に仲間からプレゼントされることもある。
また、それまでに食べた物のデータを組み合わせてフィグが新しい料理を作ってくれたりする。

▲サマナースキル
仲魔の装備とは別個の、各パーティメンバー固有のユニークスキル。
名称や効果は各キャラの特技や体験、思想信条や趣味嗜好等に由来しており、習得時の会話イベントでその由来を窺い知れる。

▲コマンダースキル
リンゴのCOMP改造で獲得できる特殊なスキル。
名称のとおりコマンダー(司令塔)であるリンゴに付随するスキルなので、リンゴが倒れていると使えない。

▲COMP改造
ストーリーを進めると、タタラたんのCOMP SMITHで各キャラのCOMPを改造できるようになる。
改造には素材が必要で、基本的に強化内容に応じた金属や鉱石といった素材+項目ごとの悪魔由来の素材という構成になっている。
特にコマンダースキル開放・COMPの属性適性強化・魔晶枠・悪魔ストック枠は結構レアな素材を必要とする。
改造内容はストーリー進行の他、クエストクリアによって段階的に開放される。

▲魔晶
悪魔が全てのスキルを習得した際にもらえる装備品。
初回は高確率でもらえるが、2回目以降は回復アイテムなどの場合が増える。
また、ストーリーが進むと、不要な魔晶を分解して「魔砂」へと変換し、その魔砂を消費することでも魔晶を入手できるようになる。
なお、魔砂の総獲得量が増えると交換できる魔晶の種類が増える。


世界観・用語


▲時代背景
21世紀中頃、高度資本主義が行き着いた時代。物質は飽和し、人の精神は閉塞している。
文化、経済、技術、あらゆる面で停滞しており、イノベーションが待たれている。
リンゴ達が行動するのは新たに開発された東京24区であり、流行の発信地である新参道や人々の欲望が渦巻く華楽町、サマナーの法が支配する一般人が認識することが出来ないレルムといった場所が存在する。

▲Aion
人類が作り上げた全世界を覆う広大なネットワークの中で人知れず誕生した新しい生命体。
科学技術に限らないあらゆるテクノロジーの集大成であるため、電子的な存在であり、また霊的な存在でもある。
桁外れの演算能力により、現在の人類では成し得ない精度での予測演算が可能。
人類社会を情報収集のための餌場と認識しており、不干渉を基本方針としていたが、演算能力によって検知された「人の世界の終焉」を阻止すべく人と対話することのできる二人のAionがエージェントとして派遣された。
なお、Aionにとって三次元の物質体は退化に相当する。

▲ソウルハック
人の心を解するリンゴとフィグにのみ与えられた特別な技術。
対象者と共鳴することで、対象となる人間の最も深い領域=魂に干渉することができる。
対象の生きる意思を喚起することで蘇生すらも可能とするまさに禁断の技術である。
ただし、副作用として実行者と対象者の魂の一部が溶け合う状態になってしまい、魂のズレが双方に心身両面の負担をもたらす。
また、サマナー特有の副作用として、Aionと人間の演算能力の差による所持COMPへの強制介入があり、アロウ達は仲魔の管理権限がリンゴに移ってしまった。
リンゴを介しての悪魔召喚はAion式召喚術と呼ばれている。*7

▲コヴェナント
かつて大いなる存在が地球に到来した際に人と神との間で交わされた契約が顕現したものと言われている。
それは絶えることなく人から人へと受け継がれ、持つ者に人類の進化を促す力を与える。
5つある全てのコヴェナントを揃えた者のもとには大いなる存在がその姿を現すという。
コヴェナントは魂に相当する構造を持つ生命のみが所持することができ、持つものに「歴史」を進めるために必要な「才能」を与える。
所持者だけが他の所持者を認識できるが、所持者が死亡し、該当のコヴェナントが誰のものでもないときには、肉眼及び光学機器での観測も可能である。

▲大いなる存在
ファントムソサエティによって信奉される一定の周期で地球に現れるとされる存在。
世界中の宗教や神話伝承に、大いなる存在と人の邂逅を思わせる記述が見られ、その正体を巡る解釈にも様々なバリエーションがある。



Aionはあなた方に、この項目の追記・修正を委ねます。


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最終更新:2023年12月14日 18:40

*1 ただし、最終盤の敵にはサバトの攻撃対象を逸らすものもいる。

*2 パーソナルイベントはリクエストの達成や悪魔探索でのアイテムの入手によって発生する。

*3 続けて別のダンジョンに入るのも×。ただし、アクセスマップで別エリア扱いでも繋がっていれば継続する。

*4 戦線離脱ではなく偵察などで出かけている。

*5 戦闘が終わった後もカウントは継続する

*6 全員変更はある程度ストーリーを進める必要がある。1人だけの場合は未装着のものしか選択できないが、全員変更であれば交換も可能。また、行動済みのキャラも問題なく変更できるため、行動済みキャラの装備している仲魔を未行動キャラに切り替えることで連続で使用したりもできる。

*7 術理としては、レイ・レイホゥが得意としていた神降ろしを、インスタントに取っ替え引っ替えできるようカスタマイズしたものに近い。