ブラックアラクニア(TFアニメイテッド)

登録日:2022/11/20 Sun 16:30:35
更新日:2024/04/15 Mon 15:48:28
所要時間:約 5 分で読めます





みんなー! ブラックアラクニアお姉さんに、会いたかったかーい?




「ブラックアラクニア」とは、『トランスフォーマー アニメイテッド』に登場する2代目蜘蛛ねーちゃんである。



概要

本作に登場するディセプティコンの一体で、肩書きは「諜報工作兵」。元ネタであるブラックウィドー*1と同じく蜘蛛に変形する、半有機体ボディの持ち主。
ヘルメットで隠しているが、ロボットモードでも複眼で目が六つある。
本作のトランスフォーマーはオートボット、ディセプティコンを問わず大なり小なり有機生命体に対して偏見・嫌悪を持っており、当然蜘蛛に変形する彼女もまわりから快く思われていない。
そのせいもあってか基本的に単独行動を取っており、第1話以降他のディセプティコンとの絡みがまったく無い。
メガトロンの野望とは何か別の思惑があるようで…?

武器はと蜘蛛の糸。糸はだけでなく口や手からでも出せる。
またボディの有機体部分がトランスフォーマーのエネルギー反応を阻害しているらしく、オートボットのセンサーでは彼女の存在を捉える事が出来ないという副次的効果を有している。
その代わり、有機体の維持には酸素が必要というロボット生命体らしからぬ弱点も生じているが。
お色気攻撃も使っており、初メイン回ではアイアンハイドがちょっとなでられただけで文字通り顎が外れてしまった。
他にもコピー能力を持ち合わせており、一時的に他のトランスフォーマーの武装・能力を真似することができる。
ちなみに肩書こそ「諜報工作兵」ではあるが、アニメ本編ではどちらかというと機械や有機化合物の扱いに長けた科学者としての印象が強い。

玩具はデラックスクラスで発売。ワイヤーを引き出し、自動で巻き取りのギミックがある。
蜘蛛モード・ロボットモード共にプロポーションは良好で、特にロボットモードはくびれた腰やロングブーツのようなすらりとした脚など劇中のスタイルを、パーツの差し替え等無しでほぼ完全に再現しており、全体的に出来の良い本作の玩具の中でも高い完成度を誇る。
また、『トランスフォーマーレジェンズ』のブラックウィドーは、この玩具のリデコ。











あんた友達なんかすぐに忘れちまうんだ。センチネルだったら覚えてるかもね!



過去

実は元オートボットの一員で、本名は「エリータ1」。しかもオプティマスとセンチネルの友人だった。
本編のおよそ1000年前、3人はグレート・ウォーで墜落したディセプティコンの軍艦が存在する「命の惑星」に来ていた。本来その惑星にオートボットは訪れてはいけない決まりになっていたのだが、センチネルは「軍艦に積んであるエネルゴン」、エリータは「歴史の勉強」に興味津々で、オプティマスは苦言を述べつつも渋々行動を共にした。

しかし、惑星には巨大蜘蛛が生息しており、戦艦に至っては大量の卵があるなど彼らの巣になっていた。
縄張りに入り込んだことで蜘蛛たちの怒りを買った結果、戦闘によって戦艦に積まれていたエネルゴンキューブが連鎖爆発を起こしてしまう。オプティマスのウルトラアンカーで上から脱出しようとするも、寸でのところでコピー能力が時間切れを起こし、転落したエリータは爆炎の中に消えた。

だが、彼女の不幸はこれで終わらなかった。身体中に宇宙蜘蛛の毒を注入されたエリータは、機械生命体でも有機生命体でもない化け物に変異してしまい、オートボットとしてのシグナルが消失。死亡したと判断されオプティマスとセンチネルは帰還してしまう。
宇宙蜘蛛をスキャンする事で何とか場を凌いだエリータではあったものの、彼女も彼女でサイバトロン星に戻るわけにもいかず、元の姿に戻るため、より優れた技術力を持つディセプティコンを頼る他なかったのである。

こうして、「オートボットのエリータ1」「ディセプティコンのブラックアラクニア」となったのだ。

性格

一人称「あたし」語尾「~ッシャ」とつける。つまり日本語版ではほとんどブラックウィドーと同じ口調で、暗い過去に反して「この番組けっこう尺短いのよ」といった面白発言を普通にしてくる*2
完全な機械生命体に戻ることを目的としており、現在ではそのためならなんだってやる悪女と化している。
お色気攻撃云々差し引いても話術に長け、相手の心の隙に付け入るのが上手い。頭の弱いチーム・ダイノボットや精神的に参っていたワスプのみならず、オプティマスもブラックアラクニアが時折見せる弱々しい態度に一泡ふかせられている。
また、50年前はメガトロンの親衛隊メンバーの一人に選ばれており、ブリッツウイングトリプルチェンジャーに改造しているなど、ある程度ディセプティコンとしての信用を獲得していた模様。

しかし、オプティマスとセンチネルに対しての情が完全に消えたわけでも無いようで、初メイン回のラストではオプティマスに危害を加えたという事実に震える姿を見せている。
その後もオプティマスに迷惑がかかるとメガトロンの邪魔にならない範疇ではあるが彼女なりのけじめをつけており、和解の可能性を僅かながらに感じさせていた。
しかし、最終的にはワスプをワスピネーターに改造した結果、彼のトランスワープエネルギーの爆発からオプティマスらを守るため自ら爆発に巻き込まれ、何処かに転送されてしまう、というかたちでブラックアラクニアの出番は終了。
この一件でオプティマスとセンチネルは和解できたが、結局彼女はまたも行方不明に……なんとも後味の悪い結末であった。


対人関係

元友人その1。彼に対して愛憎入り交じった感情を向けており、どれだけ怒りをぶつけても結局助けてしまう。
オプティマスの方も彼女に対しては罪悪感しかないようで、全ての責任を背負って出世コースから離脱。辺境の1リーダーという地位を甘んじて受け入れていた。

元友人その2。エリータの一件以降、他のトランスフォーマーよりも有機生命体への嫌悪を強めることになってしまった。
オプティマスと同じく罪悪感はあるようだが、いざブラックアラクニアがエリータだとわかると「オプティマスが君を見捨てた」「ウルトラマグナスが君の捜索を認めなかった」と言い訳を並べる醜態を晒してしまう。悪いと思ってるんならまず謝れや!
ついでに、日本語版ではブラックアラクニアの初メイン回のOP前のトークで彼女の正体を軽くネタバレした。

  • メガトロン
一応主君。拾ってもらったことへの恩義か、もしくは裏切りを理由に殺害されることを恐れたか、面と向かって彼の邪魔になるようなことはしていない。日本語版では本人のいないところで思いっきり呼び捨てにしている。
メガトロンの方はというと、有機生命体への偏見こそ持っているものの、ミックスマスター&スクラッパーやスタースクリームのクローンたちのように、すんなりブラックアラクニアを配下として受け入れたと思われる。

  • ブリッツウイング
同僚。上記の通り彼をトリプルチェンジャーに改造した。
しかしブリッツウイングからは原語版で「おぞましい半有機体」と面と向かって罵られていたりする。

同僚。絡みはほとんど無いが、やはりあまり仲は良くないと思われる。特にラグナッツのことはかなり毛嫌いしている模様。

正義側のヒロイン。オールスパークの鍵を所持しており、オールスパークに関する情報を持っているため彼女を利用しようとした。
絡んだのは第1シーズンのみだが、第3シーズンにて人間をスキャンしたトランスフォーマー……すなわち、生まれながらの半有機体ボディの持ち主であり、ブラックアラクニアのコンプレックスを理解できる唯一の存在であったことが判明する。
サリと深く交流していれば、ブラックアラクニアの運命は大きく変わったかもしれない…。

チーム・オプティマスの一員。日本語版では初遭遇時に彼から「誰っだおまえ!?」と言われてしまう。
その後、別のエピソードでブラックアラクニアに毒を盛られてしまい、人質にされてしまった。最終的にちゃんと解毒剤くれたけど。
エナジースティンガーを2回もコピーされた。

  • プロール
チーム・オプティマスの一員。同じくブラックアラクニアに毒を盛られてしまいバンブルビー共々人質にされてしまう。
素早い身のこなしをコピーされた。

  • アイアンハイド
チーム・オプティマスの一員。上記の通りブラックアラクニアにちょっとなでられただけで顎が外れてしまう。
腕力をコピーされた。

ペット。全員ブラックアラクニアお姉さんにメロメロであり、彼女の言うことは何でも聞いてしまう。
特にグリムロックは日本語版では声優が藤原啓治のため、ひろしに見えたという視聴者が続出した。

  • ワスプ
本作最大の被害者。冤罪によって追われる身となってしまった彼を同じ半有機生命体のワスピネーターに改造した。
結果、ブラックアラクニアもまた破滅の一途を辿ることになる…。

  • メルトダウン
本作の人間の悪役の一人。究極の生体兵器の開発を望むが、事故で遺伝子が異常を起こし、全身から溶解液が出るようになった怪人。誰かスーパーマン呼んでこい。
ブラックアラクニアは彼の技術力に目を付け機械生命体に戻してもらおうとするが、当のメルトダウンは「機械より生物の方が優れているべき」という思想の持ち主で、逆に彼女を本物の有機生命体にしようとする。
最終的にオプティマスとグリムロックの妨害が入り、メルトダウンは遺伝子が更なる異常を起こして完全に液体になってしまった。

トランスワープエネルギーの爆発で転移した先でブラックアラクニアを覗き込んでいた面々。おそらく『ビーストウォーズ』の視聴者へのファンサービス。
日本語版では更に「誰っだおまえ?」と「言わないと校長先生怒るよ!」という発言もある。


余談

上記の通り2代目蜘蛛ねーちゃんであるブラックアラクニアだが、『サイバトロンのプロトフォームから誕生したガチの悪女だったが、ビーストメガトロンの恐るべき目的を知り、パタパタ犬からの熱烈アピールにより正義側に戻って幸せをつかみ取った』ブラックウィドーとは対照的な境遇と言える。

彼女曰く「半分生き物だから水の中では呼吸できない」とのことだが、同じく酸素の無い宇宙でどうやって生活していたのかは不明。
というか日本語版のOPでは思いっきりアーシーと水中戦を繰り広げている。

没になってしまった第4シーズンでは転移した先でプレダコンズを結成し、半有機体であることのコンプレックスは徐々に薄れ、やがてメガトロンと合流する予定だったという。



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  • ※土曜朝8時です。
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最終更新:2024年04月15日 15:48

*1 ブラックアラクニアはブラックウィドーの海外名でもある。

*2 日本語版は原語版からカットしているシーンがあるため、本当に短くなっている。