パオジアン

登録日:2022/12/17 Sat 12:37:24
更新日:2024/04/09 Tue 13:44:50
所要時間:約 4 分で読めます





キ……ル……

キル!!キル!!



100トンの積雪を操る。
雪崩を起こしてその中を出入りして無邪気に遊ぶ。

大昔に剣によって露と消えた者たちの憎しみが
雪をまといポケモンになった。


パオジアンとは、『ポケットモンスター』シリーズで登場するポケモンの一種である。

■データ

全国図鑑№:1002
分類:さいやくポケモン
英語名: Chien-Pao
高さ:1.9m
重さ:152.2㎏
タマゴグループ:タマゴみはっけん
性別比率:ふめい

タイプ:あく/ こおり

特性:わざわいのつるぎ(災厄を呼ぶ剣の力で自分以外の防御が弱くなる。)

種族値
HP:80
攻撃:120
防御:80
特攻:90
特防:65
素早さ:135

合計:570

努力値:素早さ+3



■概要

スカーレット・バイオレット』にて初登場した伝説のポケモン
かつてパルデア地方を治めていたが東の国(おそらく中国だと思われる)からやってきた商人から購入した四つの宝のうちのツルギ()にあたるポケモン。

全身が氷柱のような模様をした雪豹のような姿をしている。
しかし真ん中で真っ二つに折れたがそれぞれサーベルタイガーの牙のようになっており*1、その先端には氷を纏っている。
そういう意味では、どこぞの氷牙竜で説明した方が早いかもしれない。
よーく見ると、刀身の切断面が上顎から少し突き出ている。

この剣によって露と消えた者たちの憎しみが雪を纏って誕生したポケモンと言われている。全く同じ設定のポケモンがいたような…
またアカデミーの歴史教師のレホールは王が意味もなく折れたままの剣を買うということはないだろうから、初めから折れた状態で使う武器ではないかと推測している。

100トンもの積雪を操ることで雪崩を起こし、その後はその中を出入りして無邪気に遊ぶらしい。
遊び感覚で雪崩を起こすだけではなく、もし人間やポケモンを狙ってのことならば子供のような残酷さを持ったポケモンだともいえるのだが…。

かつて王の欲望に当てられたことを契機に他の三匹と共に目覚めて暴れていたが、高名なポケモン使いの活躍によって現在は封印されている。


■ゲームでのパオジアン

パルデア地方の南西部にある8本の黄色い杭を抜くことで封印を解くことが出来、その後に「凍裂の祠」に行くとバトルになり、手に入れることが出来る。
因みに災厄ポケモンを封印するための杭は基本屋外に突き刺さっているのだが、パオジアンに対応する杭のとある一本だけは洞窟内に突き刺さっている。
そのため非常に見つけにくいので注意。

祠の場所はレホールとの絆イベントをこなすとマップに記してくれる。
入手するだけならしなくても問題ないが、マップに記された状態で一度訪れると「そらをとぶ」で瞬時に移動できるようになるため進めておく方がおすすめ。
行き方としては祠の近くに同じく祠を探しに来ているモブトレーナーがおり、その背後の崖を降りていくと祠に辿り着ける。
ただしこのモブトレーナーは「災厄」の意味が分からず、その場所にいるのはただの興味本位だとか。

■対戦でのパオジアン

マニューラ以来久々のあく・こおり複合
見た目通りの高い攻撃と素早さを持つ。特に素早さはSV登場ポケモン同率7位と言う高さを誇る。
一方耐久面は脆く、更に弱点6耐性4の劣悪耐性もあって受けには向かない分かりやすい高速物理アタッカー。

専用特性「わざわいのつるぎ」は自分以外の場に出ているポケモンの防御の実数値を3/4にしてしまうもの。
実質的に自身の攻撃力を1.33倍に強化するものであり、攻撃特化時の実質的な種族値は氷物理最強のブラックキュレムを越える177相当
パオジアンが陽気であっても特化したセグレイブを上回る攻撃力を持つ。

攻撃技は一致技では「つららおとし」・「アイススピナー」・「こおりのつぶて」・「かみくだく」・「じごくつき」・「ふいうち」と一通り揃っている。
特に「つららおとし」は自身の素早さと合わせて30%のひるみを押し付ける事が出来るなど相性がいい。
一方サブウェポンは「せいなるつるぎ」・「サイコファング」・「アクロバット」程度と少し狭め。
一応こおり+あく+「せいなるつるぎ」でマリルリ以外のポケモンに等倍以上で通せる為範囲は十分だが、場合によっては「テラバースト」に頼る事も考えたいところ。

更に相手のHPを相性を無視して半分にする専用技「カタストロフィ」と一撃必殺の「ぜったいれいど」を覚えるため、
特性「がんじょう」持ち以外のポケモンでは完璧な受け出しを許さないのが魅力。

ただ「カタストロフィ」は安定したダメージを与えるが普通に殴ったほうがダメージが出ることが多いため採用率は低め。
「ぜったいれいど」はパオジアン自身の耐久が低く、試行回数を稼ぎにくいので相性が悪いと考えられがち。
しかし受けにきた耐久ポケモンに対しては交代読みを含めて凡そ3発ほど連発でき、当たりさえすればテラスタルの逆転要素をほぼ無視して突破できるので、実はかなりパオジアンに有利な賭けである。このこともあって採用率は10%前後とそこそこ高い。

補助技は高い攻撃力をさらに強化する積み技の「つるぎのまい」。他はあくタイプらしく「ちょうはつ」辺り。

またその見た目に反して「じこさいせい」や「くろいきり」等の耐久運用に向いた変わった技も覚えることができる。
種族値やタイプとあまり噛み合わないように思えるが、テラスタルや先述の「ぜったいれいど」を駆使した物理受けでの運用も実は現実的である。
非常にピーキーだがこの運用で最上位で結果を出しているプレイヤーも少数存在しており、決して無視できるものではない。

欠点は前述の通り耐性が劣悪かつ耐久面もそこまで高くないこと。
特にかくとうタイプは4倍弱点であり、先制技の「マッハパンチ」や「しんくうは」でも致命傷になってしまうため注意が必要。
また実質的な攻撃力こそ高いのだが、一致技を始めとして威力に優れた技がないため、意外と火力に関してはそこまでぶっ飛んではいない。
参考までに、陽気パオジアンの「つららおとし」の火力は陽気セグレイブの「つららばり」4発以下である。
物理版イーユイと思って運用すると一致技の貧弱さに泣かされること請け合い。

また、攻撃技は全体的に愚直に攻めるものばかりが揃っているのも難点。
「つららばり」を始めとした連続技がないため、「がんじょう」や「きあいのタスキ」にも弱くそのまま返されやすい。
そのため、1発を耐えられてしまうと弱点の多さと耐久の低さが災いして押し負けやすい。
物理アタッカーの宿命で「おにび」にもめっぽう弱い。

一応弱点の多さはテラスタルで解消可能だが、それでも低い特殊耐久から等倍でも受けきれない可能性がある事、
パオジアン自体が攻めるポケモンである為、主に攻めで切る事が多い。
一致の他はマリルリやヘイラッシャ意識のでんきくさが多め。
受け意識で切る場合はパオジアンミラーに強いフェアリーや厄介な先制技を透かすゴーストが中心。

なお、特性の効果は「自分以外」即ち味方にも及ぶ為、ダブルバトルでは味方もボロボロになってしまう点に注意。
また、同じ特性を持った相手には効果が打ち消されるのだが、パオジアン同士のにらみ合いの場合どちらが「せいなるつるぎ」で先に叩き斬られるかなので、あまり気にしなくてもいいかも。

持ち物は行動保証を付ける「きあいのタスキ」が主流。
次いで火力を上げる「いのちのたま」「こだわりハチマキ」辺りも使用される。
なお数はごく少数だがスカーフ持ちをさらに上から制圧する「こだわりスカーフ」や、接触技を誘い相手のタスキなどを潰す「ゴツゴツメット」持ちなども存在している。

■余談

  • 元ネタは中国の伝承にある四罪や四凶(特に檮杌)だと思われるが、パオジアンの場合は、豹やサーベルタイガーを思わせる造形から、四神の白虎も含んでいるのかもしれない。
  • 封印解放後に祠を調べると「災イノツルギ 封印ハ解カレタ」と他の三匹と同じようにこのような文章が彫られている。
    まるでいずれは封印が解かれることがわかっていたかのような内容だが、この文章の真意は現状不明。




追記・修正はパオジアンを封印から解放してからお願いします。

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最終更新:2024年04月09日 13:44

*1 右の牙が柄、左の牙が切っ先