フリード博士(ポケモン)

登録日:2023/08/28 Mon 04:43:21
更新日:2024/04/15 Mon 20:06:41
所要時間:約 5 分で読めます





悪い、言ってなかったか?


出典:ポケットモンスター、27話『仲間といっしょなら』、
2023年4月14日から放送中。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

概要

『フリード博士』とは『ポケットモンスター(アニメ第8シリーズ)』の登場人物の一人。
ゲーム中には登場しない、アニメオリジナルキャラクター。

CV:八代拓

飛行船『ブレイブアサギ号』で世界中を旅する集団『ライジングボルテッカーズ』を率いるリーダー。
主人公・リコの母であるルッカから娘の護衛を頼まれ、『エクスプローラーズ』の一員・アメジオに追われていたリコを救い出して以降は行動を共にしている。

実はポケモン博士で、アニポケではプラターヌ博士ククイ博士に続く3人目(アニメオリジナルキャラクターとしては初)の「戦うポケモン博士」。
ポケモン博士と主人公が共に旅をするという展開は史上初となる。
特異な点は、前者2人は終盤・中盤からバトルを始めた上、あくまでバトルの主力は前作までの主人公たるサトシだったが、
フリードは序盤からバトルをする上、『ライジングボルテッカーズ』にバトルを得意とする人物が彼しかいない関係で、少なくとも序盤の内は主力であるという事。

……ただ、フリードはポケモン博士ながら後述の理由で「ポケモン博士」と呼ばれたくないという、今までのどのキャラクターにも無い目新しい設定がある。
なので、作中では「博士」を付けないでもっぱら呼び捨てされている。




人物

カントー地方出身の快活で行動力のある男性。オリオとは幼なじみ同士。
一人称は「俺」。若く見えるが作中描写から最低でも20代後半の様だ。

肌は褐色で白髪が特徴。顔立ちもなかなか整っているイケメン
目は垂れ目で、金色の瞳が印象的。またゴーグルを着用している。

快活でさっぱりとした性格。
また仲間思いで、トラブルに見舞われている時のバトルでは仲間を心配するあまりバトルに集中出来なくなる程。
子供であるリコとロイを預かってからは、まるで2人の兄か父親の様に心配性に磨きがかかっている。リコについては恩師の娘だからというのもあるかもしれないが。

加えて(そう呼ばれたがらないとはいえ)やはりポケモン博士だけあって、ポケモンの生態や技・特性などには詳しい。
実際、作中ではエクスプローラーズの一員であるスピネルが自分の手持ちのレアコイルをカモフラージュの為に、
野生の同族の群れに紛れ込ませていた折、フリードはその中の1体がトレーナーの指示を受けて動いていると見抜いた。
そして、その時に起きていたブレイブアサギ号の不調が何者かの策略によるものではないか、との疑念を抱き尾行を始めた程。

ポケモンに対する接し方はかなり真摯かつ熱心で、徹底したフィールドワーク主義者。
一度興味を惹かれるポケモンを目にすれば、日がな1日望遠鏡やカメラを使って遠くから対象を観察するなんて序の口。時には攻撃されるのを承知で真正面からポケモンに向かっていくことも。
このためかバトルの腕前は勿論、フリード本人の身体能力もピカイチ。
作中ではキャタピーたちの「いとをはく」を始めとした攻撃の数々をアクロバティックな動きで避けたばかりか、その糸を利用して逆にポケモンたちを縛り上げて見せもした。
とはいえ、この拘束はあくまでポケモンたちを落ち着けさせるのを目的としての事で、必要以上にポケモンを攻撃する事を嫌う節も見受けられる*1
ポケモンに対する豊富な知識や経験、いざとなれば自ら率先して動く行動力、人を惹きつける魅力に加えて人当たりも面倒見も良くて優しい。まさにみんなの頼れる兄貴と言える人物である。

しかし、報連相を頻繁に怠るという最大の悪癖を持つ。
かなり重要な情報をフリードが周囲に伝えないせいでややこしい事態を招いてしまうこともしばしば。
リコとのファーストコンタクトからして「リコの母親から依頼されて保護しにきた」ことを説明しないまま彼女をブレイブアサギ号に連れ帰っている。
アメジオの襲撃もあってゆっくり説明している暇も無かったのだろうが、御陰でリコからは若干の不信感を持たれていた(一応、「悪い人達では無さそう」と感じてはいた)。
訊かれないから意図的に隠しているのでは無く、本人的には既に話していたつもりだった為に指摘されるまで気づかない事が往々にしてある。
その度に仲間達から「またか」と怒られるが、当のフリード本人に気にしたり改めたりしようという様子は見られない……。


過去

カントー地方の学校でリコの母・ルッカの元でポケモンについて学ぶ。
その後は博士号を取得してポケモン博士になり、とある企業に就職。
ポケモンの研究に携わるが、しばらくしてから企業勤めが性に合わないと感じて退職する。
因みにフリードの就職から間もない頃にルッカは独身だったが、退職直後の回想シーンでは既にリコが生まれていて、
しかも5歳くらいの幼女になっていたので、彼が社会人として過ごした期間もそれくらいと思われる。

この頃は「天才ポケモン博士」と自称し、「全てのポケモンを調べ尽くした」と豪語していた。
しかしそれは裏を返せば研究への意欲が失くなっているという事であり、退職後はニート生活を送っていた

その最中、自身を心配したルッカに後述のキャプテンピカチュウを紹介される。
「そらをとぶ」を覚えている彼との出会いを通じて「個体ごとに違いがある」「世界中にはそんなポケモンがたくさんいる」「調べる事がいっぱいある」という事を改めて実感した。
かくして、まだ見ぬ景色や出会いを求めて旅を始める事を決意。自分を変えてくれたピカチュウをその旅へ誘い、それに応じた彼をゲット。新しい相棒として迎え入れる。

同時にそうした事に気が付かないまま「天才ポケモン博士」と名乗っていた過去を反省すると共に恥じ、その呼び方を使わない事を決める。
恐らくこれが「博士」呼びを嫌がる理由だろう。
因みにピカチュウ観察の経過報告をルッカにしていた際、通信越しではあるが当時の幼いリコともニアミスしていた。*2

こうして研究意欲を取り戻したフリードはランドウの漁船『アサギ号』をオリオに大改造して貰い*3、完成した飛行船を『ブレイブアサギ号』と名付ける。
船長の座は自分に熱意を取り戻させてくれた恩人、もとい恩ポケにして相棒のピカチュウに譲り、この時に船長の証たる帽子を贈って「キャプテンピカチュウ」と呼ぶ様になる。
(つまりフリードは『ライジングボルテッカーズ』のリーダーだが、船長も兼ねているわけではない)。
そして、キャプテンピカチュウが「ボルテッカー」で「ライジング(上る)」していた事に因み、『ライジングボルテッカーズ』を結成。今に至るのだった。


手持ち

リザードン

CV:三宅健太*4
テラスタイプ:あく
技:かえんほうしゃ、ドラゴンクロー、テラバースト(あくタイプ)、エアスラッシュ

フリードの恐らく最初のパートナーにしてエースと思われる。
また、飛行要員としても活躍するし、更には主人公チームでは初めてテラスタルも披露する万能ポジション。
因みにロイのホゲータに尊敬されている。
バトルの実力もキャップと互角に戦えるほど強く、アメジオら強敵相手に活躍する機会も多い。
ただし、屋内での戦闘においては飛行能力を存分に発揮出来ないためかキャップの方が優先して使われる傾向にある。

テラスタイプは「あく」。アニポケ最強タイプであるエスパータイプの技を無効化できる為、最高のチョイスといえる。

因みにフリードがニートだった時代はリザードンもやる気を失っていたが、彼が復活するとシンクロするかのようにやる気が戻っていた。
ポケモンがトレーナーに似るというのはこういうことかもしれない。

キャプテンピカチュウ(ピカチュウ)(♂)

CV:大谷育江*5
技:かみなりパンチ、かげぶんしん、ボルテッカー、そらをとぶ(?)

フリードの相棒ポケモン。
船長帽子を被ったピカチュウで、ポケモンながら『ブレイブアサギ号』の船長
船の行動指針は主に彼が決めているらしい。

「キャプテンピカチュウ」というのはニックネーム。長いので「キャップ」と呼ばれる場面が多い。
野生の個体だった名残か目付きは鋭く、また普段は尻尾で体を浮かせているのが特徴(これは後述の為の筋トレ)。
アニポケ世界でも未進化ポケモン=弱いという常識はあるので、キャップとバトルする事になったアメジオは「舐められている」と感じ怒りを露わにした。
世界チャンピオンも同種をエースにしていますが……。
なお、実際はとにかく鬼強い。アメジオのソウブレイズやオニキスのキョジオーンが相手でも引けを取らないのだ。

特筆すべき点は「空を飛べる」事。その方法は……、

「ボルテッカー」で円を描くように高速で回る。

中心にエネルギーの渦が発生するので、その中に入る。

鍛えられた尻尾をバネにして跳躍。上昇気流に乗って空高くまで打ち上げられる。

上空で尻尾をはためかせる事で、短時間のみ浮遊が出来る。

――といった具合。
これが出来るのは、キャップが通常の個体より軽くて足腰が鍛えられているからというだけでなく、何より死ぬほどの努力をし続けたからである。

そこまでして「そらをとぶ」を覚えたのは、空から夜明けの太陽が見たかった為。
つまり「まだ見ぬ素晴らしい景色が見たい」というがあった為、研究意欲を取り戻したフリードの「世界を見に行こう」という誘いに乗ってゲットされた。

なお、18話時点ではキャップの空を飛ぶ行為が「そらをとぶ」という技として確立しているのか、それとも「ボルテッカー」の派生技の範疇なのかは不明。
そもそも、アニポケにおいては前シリーズの頃から技としての「そらをとぶ」の存在が希薄という事もある。
というのも上記のリザードンが良い例だが、ひこうタイプのポケモンはみんな生態として空を飛べるので、技としての「そらをとぶ」が必要無いのだ。
「そらをとぶ」が無いので派生技の可能性もあるし、翼を持たぬキャップだからこそ、技として「そらをとぶ」を覚えているという考えもできる。

しかし、並み居るピカチュウよりも空中戦に長けているのは確か。
自身の尻尾を翼代わりにして多少の滞空、空中制御も出来、空に飛び上がっている間もまるで空を飛んでいると思わせる様な動きを見せる事がある。
因みにキャプテンの証たる帽子はバトル中でも脱がず、どれだけ激しい動きをしたり攻撃を受けたりしても外れる事は滅多に無い。
逆にキャップがこの帽子を外す様な攻撃を繰り出せば相当の実力者だと見なされた、あるいは将来有望だと期待を寄せて貰えているという意味。

技の構成を見ればわかる通り、完全な近距離物理アタッカーとしてサトシの個体とは差別化されている。
サトシのピカチュウは「アイアンテール」を覚える事で短い手足を使わずに済ませてアニメ映えさせていた。
その点、キャップは「かみなりパンチ」のエフェクトと高速戦闘を行ってアニメ映えさせているのだ。

一方で弱点(?)も一応持っており、周りからかわいいと言われると「かわいいアレルギー」を発症してくしゃみが止まらなくなってしまい、状況によってはバトルが不利になってしまうこともある。

演じる大谷氏はサトシのピカチュウを演じていた事で有名で、個体は違えどピカチュウ役での続投となった
アニポケ世界において、サトシのピカチュウ以外の個体を大谷女史が担当するのは実はなかなか無いケース。
ただ、サトシの個体とは違いキャストクレジットは最後だし、出ない回もあるなど、準レギュラーといった立ち位置か。


余談

  • デザイン原案を担当したのはゲームフリークの金子智美氏。


  • Cパート前のおまけコーナー『フリード博士のポケモンゼミ』も担当している。



追記・修正は飛行船で世界を巡ってからお願いします。

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最終更新:2024年04月15日 20:06

*1 4話でリザードンがむしタイプやくさタイプのポケモンたちに攻撃しようとした際には「お前の炎はさすがにマズイ」と制止している。

*2 リコはこの事自体を覚えていなかったが、後にこの話を聞かされた際に「すべては繋がっている」と思い至っている。

*3 なおランドウは漁船を譲る事自体は承知していたが、飛行船に改造されるとまでは聞いていなかった。フリードの報連相をしない癖はこの頃からか……。

*4 マードックと兼任。第23話のエンディングクレジットで判明。

*5 サンゴと兼任。