シシムラ様/マルバス

登録日:2023/09/13 (水) 01:36:51
更新日:2024/03/20 Wed 05:26:17
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ばーさーる。



概要

『シシムラ様』とは『ダークギャザリング』に登場する悪霊。

京都府と滋賀県の境目にある滋賀県大津市の心霊スポット『国道1号線』にある廃屋に封印されていた悪霊。
黒い全身タイツを着たような肉体に、人間性を消失した霊特有の『四つん這い』の姿をした異常な外見をしている。
見た目は完全にロブ・ファウストの仮面演劇に登場する黒い服の男にそっくりである。
日照寺という寺には『神々しい獣』という伝承が残っているが、神々しいというよりかは禍々しい外見である。

大昔一夜にして村を滅ぼし、日照寺の僧侶に封印されたという。
現在では、『国道1号線』の廃屋の隠し地下室に即身仏で厳重に封印されていた。
この廃屋の近くにはこの封印を維持管理をしている日照寺があり、50年に一度現住職が即身仏になる事で数百年の間、封印を保ってい……た。
しかし、寶月夜宵不法侵入したあげく、封印を破壊したため現代に蘇ってしまった
(こうなったのは幻燈河螢多朗が何者かの助けを呼ぶ声を聞いたからで……?)

能力

四つん這いで動き回るが、超長い手足のおかげで思いの外、身体能力が高い。
また頭を潰されようが、切り落とされようが即再生して行動を再開するタフな肉体を持つ。
しかもなかなか成仏しない肉体を持つうえに、下記の『転生の呪い』で時間経過と共にシシムラ様は増え続けるので、非常に厄介。
シシムラ様を止めるには、超火力かつ広範囲技を持っていなければ厳しい。

転生の呪い

ばーさーる」(ヘブライ語で『肉』という意味)の一言で、まずその呪文を聞いた相手の意識を廃人同様に混濁させる。
次に、廃人化した生物を赤子のミイラ程度にまで縮小させる。
最後に縮小された生物をシシムラ様の腹にある5つあるポケットに入れると、入れたシシムラ様が消滅する代わりに入れた生物がシシムラ様に転生する
転生したシシムラ様は生前の事は何も覚えておらず、本能のままシシムラ様の数を増やそうとする。

同じく声を媒体にする霊として邪経文大僧正がいるが、大僧正のように長ったらしい経文を唱えることなく、大型の生物にも1秒程度で即作用する。
これだけなら上位互換だが、ターゲット自身の口を乗っ取って経文を唱えさせることで耳栓をしていようが音楽を聞いていようが無理矢理経文を聴かせることのできる大僧正に対し、
シシムラ様はそういった能力を持たないので、耳栓をすれば『転生の呪い』を無効化できる欠点があるため相互互換の関係にあるといえる。
ただし、身代わりで防御できるのはあくまで霊的な物理攻撃のみであるため、呪いを受けた時点で廃人化は避けられない。
加えて、呪いの影響下にいる限り縮小化は連続で襲ってくるため無限修復人形でなければジリ貧になってしまう。



マルバス


うふっ。うふふふふふ。

らぼーつ。


京都に何故か封印されていたソロモン72柱の1柱
上記の恐るべきシシムラ様はマルバスを現世に降臨させるための手下に過ぎない。
というか日照寺に伝わる神々しいシシムラ様というのは、本来はこちらの悪霊……いや、悪魔のことを指す
(ただし、由来を知らない夜宵は区別のためこちらのことをボスムラ様と呼んでいた)

シシムラ様が一定以上のエネルギーを集め終わると魔界の扉が現世に出現し、召喚される。
人型ながらも四肢と首が長い異形であるが、白く神々しい肉体に翼を持つ、一見すると天使のように見える姿をしている。
顔も髭とヤギの角を持つ以外は微笑みを浮かべる美少年に見えるが、実はその口とは別に顎の部分にもう一つ口がある。
そちらの口を開くと上の口が遠目で見れば鼻のように見え、ヤギの顔……つまり、悪魔そのものになる。

本来マルバスといえば獅子の姿をした悪魔として有名であるが、
こいつは召喚に必要なエネルギーが足りず不完全な姿で召喚された『汎用的な魔の姿(バフォメットフォルム)』であるためライオンの姿をとることが出来ない。
しかしそれでも神霊と呼ばれるほどの強さを持つ月蝕尽絶黒阿修羅と、マルバスと相性最悪の式神・前鬼の二人がかりでようやく倒せるほどの力を持つ。

そんなマルバスの完全体と同格の奴ら、計72柱を使役したソロモン王のポケモンマスターぶりに読者は恐れ戦いた。

来歴

弥生時代に渡来した怪しげな外国人たちが、現地の日本人約100人を生贄に捧げ、マルバスを降臨させる。
しかし生贄の数が足りず召喚は不完全だったが、それでも外国人たちはマルバスと血の契約を交わし、「日本人を全滅させる」事を望む。

その後契約に従い日本人を殺して回っていたマルバスとシシムラ様だったが、日照寺の僧侶が命がけで封印。
以後50年周期で日照寺の住職が即身仏になる事で封印を維持していた。

それから時が流れ現代。
現住職の賢行は迫りくる即身仏になる時期に恐怖していた。
そんな時妻がガンになった事をいいことに、寄り添う素振りを見せ欺きながら妻を即身仏にして、他の僧侶と補償金を着服する。
即身仏になった妻の霊は頑張って封印を保持していたが、素人であった事から封印が弱まり、
さらに現状に耐えられず「助けて」と外に声を出してしまった事で夜宵達が不法侵入し、マルバスが復活することになってしまった。


能力

一見すると天使のようなマルバスの白い体は、実は白く細長い毛がより合わさることでできており、分裂・集合が自由自在。
このため黒阿修羅のスケッチブックの呪いのような対象指定攻撃を受けた際には、
その対象を一本の糸だけ残して他の部位に糸を移動させることで、被害を一本だけに抑える事が出来る。

さらにこの糸は遠隔でも自在に操れるし増殖できる。
そのため、まず翼の羽を空間にまき散らし羽を対象に触れさせたところから侵食、糸を増殖させて相手の体を乗っ取り、
そこから頭を真っ二つにして脳髄を取り出し殺すという悪魔らしい残酷な殺し方を基本戦法とする。
さらに糸で乗っ取った相手はマルバスの意思で自在に動かす事もできる上、
硬い外殻を持つ相手には毛をドリル状にして砕くなどの応用も可能。

非常に強力な霊だが、毛という燃えやすい体の割に霊的防御力が高いため、炎系の攻撃をされると燃え尽きれず長時間苦しむハメになるという弱点がある。


余談

  • 日照寺の元ネタ
シシムラ様の封印を守っていた日照寺の元ネタはおそらく滋賀県大津市にある『月心寺』
なので正確には京都ではない(まあもっと言うと京都市の北東部は県境の認識があいまいになるが)
ちゃんと近くに廃墟の元ネタになった家も確認できる。Wiki篭りの皆は不法侵入しちゃダメだぞ。

  • 召喚時期
マルバスの召喚時期と封印時期で不明点が多い。
ここまで書いたようにマルバスとシシムラ様は時間経過と共に手下を増やす強大な悪魔である。
しかしマルバスは弥生時代に召喚され日照寺の僧侶に封印されている。
仏教は飛鳥時代に伝来したといわれているため、数百年も日本にいたのに日本人を全滅できていないという事になる。
夜宵は召喚された弥生時代に即封印されたと考えているため、本来は弥生時代にいた神主あたりが封印したのに、それが後の時代に日照寺の僧侶の手柄にされた……と言ったところか。
それか単に八百万の神々に侵略の邪魔をされていただけかもしれない。

単行本14巻にてこの辺の謎が明かされた。封印されたのは奈良時代
つまり弥生時代に召喚された後、1000年間日本列島を彷徨っていた事になる。
こうなったのにはいくつか理由があり、
  • 当時の日本は村と村が離れており、集落を探すのにも一苦労だった事
  • 当時の霊能力者がマルバスと戦えるほど強かったため、村人を逃がす事が出来た事
  • 八百万の神々が侵略の邪魔をしていた事
等が重なった事で、侵略が一向に進まず奈良時代に日照寺の僧侶に封印された――との事。



追記・修正は即身仏になってシシムラ様を封印してからにしてください。

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最終更新:2024年03月20日 05:26