登録日:2023/12/09 (土曜日) 11:45:00
更新日:2023/12/27 Wed 23:04:31
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強奪
装備魔法
このカードを装備した相手モンスター1体のコントロールを得る。
相手のスタンバイフェイズ毎に相手は1000ライフポイント回復する。
【概要】
遊戯王OCGにおける魔法カードの1枚。
初登場は2000年4月の
第2期パック「Magic Ruler -魔法の支配者-」からで、OCGの中でも極めて古参カード。
絵柄は男性が荷物を別の男性に奪われて逃げ去る瞬間の情景。後に革命を起こされる国の一幕であろうか。
現在は禁止カードとなっているが、現役時には当時のデュエリストではデッキに組み込んだことのない者はほとんどいないであろうかつ、相手に使われた経験のない者は一人もいないであろうほどに環境とともにあったパワーカードであった。
その性能は一言で言えば、数ある
コントロール奪取系カードにして装備魔法カードの中でも最強格の1枚。
現在は
制限カードである《
心変わり》と双璧を成している。
このカードの強みを簡潔に説明すれば、
「発動条件が無く、永続的にコントロールを奪うことができ、攻撃や効果の使用にも一切の制限が無い」
ことになる。
現在のコントロール奪取系カードを知っている人からすれば論外のパワーカードであるのは一目瞭然だろう。
細かく利点を解説すればこのようになる。
現在のコントロール奪取系カードは《心変わり》や《精神操作》などの初期のカードを除き、なにかしらの条件やコストを払って発動できるものがほとんどである。
モンスター効果も《
No.11 ビッグ・アイ》のようにどんなデッキでも出せるわけではない重いものがほとんど。
霊使いではコントロール奪取に成功するためには入念な準備と運が味方してやっとである。
かなり緩い条件でコントロール奪取できる
グレイドルも特定の条件での破壊か戦闘破壊という段階を踏む必要があるが、《強奪》にはそれもない。
大概のコントロール奪取カードは《心変わり》のように「そのターンのエンドフェイズまで」という制約がついている。
このため、奪ったモンスターをそのターンのうちに素材にして消費するか、そのターン中に勝利を確定しなければいけないというプレッシャーを使い手は強いられる。
だが《強奪》は奪いっぱなしにできるのでその心配はない。なにも考えずに使用しても「1:2」交換が成立する莫大な
アドバンテージを得ることができる。コントロール奪取系カードは成功すれば《
強欲な壺》以上のアドバンテージを得られる可能性があるが、《強奪》はその中でも発動条件の無さと特にかみ合っている。
上記のグレイドルにもこの点は当てはまり出張要員にもできるが、召喚権を消費することや専用デッキを構築しなければ十全に発動できないため、どんなデッキでも気にせず入れられる《強奪》とは汎用性では比べ物にならない。
- 攻撃や効果の制限。素材としての使用にも一切の制限がない
《大捕り物》など、特に近年のコントロール奪取系カードには「奪ったモンスターは効果の発動や攻撃ができない」といった何らかの制約がついたものも多い。
要するに強力な封殺能力持ちやフィニッシャー級の《ヴァレルロード・S・ドラゴン》だろうが《
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》だろうが奪っても自分の戦力にはできずに素材として消費することを最初から強いられるわけだが、《強奪》はそのままこちらの戦力にできる。
この点は《心変わり》と同等であるが、上記の永続的にコントロールを奪えることと組み合わさって、そのターンにとどめを刺せなかったとしても強烈な妨害効果が相手に向かうことになる。
この点は欠点と利点の両面を持っている。
利点のほうでは、装備カードのサポートを受けることができる。
説明不要の《
アームズ・ホール》でのサーチ・サルベージでの使いまわし。通常召喚権の消滅も相手モンスターの奪取に成功すれば気にならない。
これほどの超絶性能でありながら初出の
レアリティは最低の
ノーマル。
昔の
ストラクでも何度かノーマルで再録されており、サイフポイントの少ないお子様でも簡単に3積みできるほど手に入った。
登場から僅か1か月後に規制を入れてるのに当時のコナミは何を考えていたのか。
ちなみに当時の
再録パック「DUELIST LEGACY Volume.1」に収録された際にはスーパーレア、「
BEGINNER'S EDITION 1」ではウルトラレアに格上げされている。
これらの数々の利点が抜群に噛み合っていることで、最強のコントロール奪取カードにして最強格の装備カードと呼んで過言ではない。
とはいえこの世に完全無欠のカードというものは無い。かなり大きな欠点も背負っている。
利点も大きいが欠点も大きい。
まず装備カードの絶対条件として裏側モンスターには装備できないので、裏側モンスターは奪えない。この点は《心変わり》に明確に劣る。
装備状態が確定して初めて効果を適用できるのも装備カードの条件なので、発動に対して《
サイクロン》などで破壊されてしまうと奪えずに不発になる。
装備し続けることで効果を適用するため、奪った状態であっても《強奪》が破壊されればそのモンスターは相手の元に帰ってしまう。
一方で裏側表示に変更する《月の書》などでは条件が異なり、《強奪》の発動に対してその相手を《月の書》で裏側にされてしまった場合は対象不適切となってコントロール奪取はできないが、すでに奪ったモンスターを裏側にされても《強奪》は対象不在となって破壊されるが装備していたモンスターは《強奪》との関係がリセットされるのでモンスターは元の持ち主には帰らない。
- 相手のスタンバイフェイズごとに1000ライフ回復させてしまう。
インフレが進んだ現在ではほぼ無視できる欠点ではあるが、当時は《
光の護封剣》での時間稼ぎが有効な環境であったので、睨み合いになっているうちに相手のライフが万を超えてしまうという事態もままあった。
その為、奪ったモンスターは早々にリリース(生け贄に)してしまうのが定番だった。
一応《シモッチによる副作用》で
バーンしたりもできた。
先攻制圧が絶対正義のようになっている現在だからこその欠点と言える。
当たり前だが相手モンスターがいなければコントロール奪取カードは意味が無い。《心変わり》が制限復帰しながらも採用率の低いのはここにある。
だが0ターンで展開してくる
ティアラメンツのようなデッキもあるので、まったく無意味かというとそうでもない。
などの欠点によって対処方法は明確であり、もっとも有効なのは《サイクロン》などの速攻魔法で奪われる前に破壊してしまうこと。
そのため現役時は《サイクロン》を対《強奪》用に温存しておくのは基本戦術であった。
しかしそれでも『入れない理由が無い』というほどのパワーカードだったことは紛れもなく、制限と禁止を行ったり来たりした後に2007年9月以降はずっと禁止入りしている。
《心変わり》でさえ帰ってきて、しかも採用率がそんな高くない今では禁止カードにするまでもないのでは?
という意見もあるが、こちらには「奪いっぱなし」にできるという点と「装備カード」としての利点があるので難しいという話もある。
少なくとも制限復帰したら《
聖騎士の追想 イゾルデ》を使うデッキでは必須カードとなるだろう。
その場合は《焔聖騎士-リナルド》で即座にサルベージしてコントロール奪取するコンボが可能となる。
しかも戦士族をある程度使うデッキなら入る出張要員となるため、やはり制限復帰は難しいかもしれない。
海外では2015年1月に一度制限に緩和されたことがあったが、僅か3か月後に早々に禁止カードに逆戻りしている。
ちなみに、環境で活躍しまくった汎用パワーカードでありながらアニメで登場したことはない。
【類似カード】
(こちらでは『装備カードとなってコントロール奪取するカード』を紹介。その他の類似カードは《
心変わり》を参照)
アニメ
遊戯王5D'sで
十六夜アキが使用した、墓地の
植物族を除外することでコントロール奪取できる魔法カード。
比較的緩い条件で発動できるが、相手のターンになると奪ったモンスターが帰ってしまう。
一応さらに次の自分のターンには再奪取できるが、今の環境でそんな悠長が許される可能性は限りなく低い。
植物族には装備カードとのシナジーもほぼ無いため、《心変わり》の下位互換と呼んで差し支えないだろう。
フォーリン・ダウンと呼ぶ。調整された《強奪》としてはもっとも知名度の高いカード。
フィールドに「
デーモン」のカードがある場合でないと自壊する条件がついたが《強奪》のメリットはそのまま、相手ターンのデメリットが回復から自分に800のダメージと変わったものの、明確に《強奪》を意識したカード。
ただ維持条件自体は緩いが、相手モンスターを《迅雷の魔王-スカル・デーモン》などを呼ぶために生け贄にしたい場合でもまずは下級デーモンを呼ばないと使えなかったり、呼んだデーモンモンスターを《
奈落の落とし穴》で除去されてしまって腐ったりと、【デーモン】でも扱いにはよく考えて使う必要がある。
維持条件になるデーモンカードは魔法・罠でもよいため、《デーモンの斧》や《デーモンの宣告》でも可。
もちろんこのカードのためにデッキバランスを崩してしまっては本末転倒なのでよく考えて詰むこと。
デーモンがいなくても発動自体はできるため、《白竜の忍者》など何らかの方法で自壊を防いでしまえば《強奪》と変わりない運用ができる。
追記・修正は《鉄の騎士 ギア・フリード》を奪おうとして腰を痛めてからお願いします。
- このカード、下手に一度海外で返した際に即禁止戻りしたっていう面倒臭い実績があるのと装備は煙玉みたいなのすら禁止に行ってしまったって経緯があるから解除レースからは意外と外れてるカードっぽいよね。実際に使われるかはともかくとして -- 名無しさん (2023-12-09 12:22:42)
- イゾルデでこいつ落としてリナルド→こいつ拾って相手に装備→リンク4が簡単に繋がるし、先攻1ターン目に使えない点以外の欠点はほぼ無いな -- 名無しさん (2023-12-09 12:31:32)
- デッキによっては心変わりよりアクセスしやすいから下手すりゃ心変わりより凶悪って面もあるからなぁ。それに先攻制圧が主流とは言え、捲り札が増えた今は先攻1ターン目に全てを賭けるデッキより2・3ターン続けられる継戦能力があるデッキが台頭しつつあるから「1ターン目の展開途中で確保しておいて返しのターンに備える」なんて動きも出来そうだし… -- 名無しさん (2023-12-09 12:31:49)
- やしきずの禁止カード説明で出てきたのが印象的だった -- 名無しさん (2023-12-09 12:55:31)
- アニメで出るとしたらキースあたりが使ってきそう -- 名無しさん (2023-12-09 13:53:36)
- 近年の類似カードといえば御巫の誘い輪舞。 -- 名無しさん (2023-12-09 14:00:17)
- 相手が発動した効果は受けないというのを貫通できるのは大きい(装備魔法の効果は永続効果のため発動した効果ではない) -- 名無しさん (2023-12-09 20:37:49)
- マハーヴァイロ全盛期にメタとして使えた。 -- 名無しさん (2023-12-09 20:54:55)
- 制圧能力持ちパクってそのまま維持が出来るのはやっぱり強い -- 名無しさん (2023-12-09 21:16:32)
- ホルスの黒炎竜の全盛期には強奪で奪われないってのがすごい強みだった -- 名無しさん (2023-12-09 21:24:17)
- 後手捲りに強引なものが増えてるしこれぐらいは許されそうな気はするけど、やっぱ装備魔法っていうのが禁止解除を面倒にさせてる要素なのかね -- 名無しさん (2023-12-09 23:26:08)
- ↑上でも書いたし記事にも書かれてるけど、それに加えてそこそこ前とはいえ海外で「大丈夫だろと軽い気持ちで返したら即禁止戻りした」っていう実績があるのは結構珍しいよね -- 名無しさん (2023-12-10 02:24:18)
- 心変わりが許されてるんだから許されない理由は装備魔法であることだろうね。MDだと心変わり準制限で強奪禁止なんだからなおさら。 -- 名無しさん (2023-12-10 16:47:24)
- 死者蘇生が制限で許されてて早すぎた埋葬が未だ許されないのも装備魔法だからだしね。同じ効果なら通常魔法<<<装備魔法の関係はもはや絶対的なもの -- 名無しさん (2023-12-10 17:58:48)
- 強奪と言いつつ代金(ライフ)払ってる矛盾。全然釣り合いが取れないけど -- 名無しさん (2023-12-11 17:54:45)
- また海外で強奪帰って来たけど代わりにイゾルデが収監か。まぁイゾルデは色々悪さしてたからね… -- 名無しさん (2023-12-20 06:14:50)
- 海外でまた制限に戻ったけど前例があるしまた禁止に戻りそうな気がするな。もしも日本でも強奪が制限緩和されるとしたらどんな環境なのか気になる -- 名無しさん (2023-12-20 08:20:02)
- でもまぁ、本文でも言われてるけど先行じゃ役に立たないからな。自分から相手の場に強力なモンスターを召喚するカードでもあれば話は別だけどそんなカードあるわけ -- 名無しさん (2023-12-20 09:45:52)
最終更新:2023年12月27日 23:04