フロイト(ACVI)

登録日:2023/12/13 (水曜日) 22:57:51
更新日:2024/04/16 Tue 08:48:06
所要時間:約 8 分で読めます




フロイト(Freud)とは『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』の登場人物。



プロフィール


所属:アーキバスグループ強化人間部隊「ヴェスパー」
肩書:ヴェスパー首席隊長・V.Ⅰ
搭乗機:AC「ロックスミス」
アリーナランク:01/S

CV:沖野晃司

  • アリーナテキスト
アーキバスグループ強化人間部隊 ヴェスパーの首席隊長

フロイトはアイランド・フォーの動乱において作戦成功率94.7%を記録した稀代のエースパイロットであり
「スネイル同様の調整を重ねているに違いない」 と周囲からは見なされている

しかし実際のフロイトは ACを駆ることを愉しみ日々の小さな上達を積み上げつづけた ただの人間である


概要


アーキバスが擁する強化人間部隊・ヴェスパーの首席隊長「V.Ⅰ」にして、本作のアリーナにおけるトップランカー

本編のストーリー開始前に勃発した「アイランド・フォーの動乱」において、任務達成率94.7%という驚異的な数値を叩き出したとされる。
その名前自体はチャプター1も序盤、ウォルターとスネイルの会話内で登場しており、621の壁越えへの参画を持ちかけてきたウォルターを突っぱねようとした際にV.Ⅰも参加する事、作戦のための人材不足を指摘され「あなたの駄犬にフロイトの代わりが務まるとでも?」とスネイルが発言している。
ストーリー本編、アリーナ共に登場は終盤。ルート分岐後のチャプター5「企業勢力迎撃」のミッションにて、起動したザイレムに侵攻。
多数のMT、LC及びHCの混成部隊を退けた621の前に姿を現す。


お前がレイヴンか…
ウォルターの猟犬とやるのは初めてだ、退屈させてくれるなよ

人物


「ACを駆る事を愉しむ」というアリーナでの説明文通り、企業間の闘争やコーラルの争奪といった任務など眼中になく、ひたすらに強敵との戦いのみを追い求める根っからの戦闘狂。
登場ミッションでは621の戦い方を「おもしろいな」と興味を寄せる一方で「目標はザイレムの掌握です。その駄犬は無視して構いません」というスネイルからの通信を「そうだったなスネイル。了解した」と答えながら切断した直後「さて、続けようか」と何事もなかったかのように戦闘を続行する傍若無人ぶりを見せつけている。
しかも英語音声だと「Let's continue.」と発言しており、ゲーム感覚で戦っている事がうかがえる。*2

この事や、首席隊長でありながらこれまで全く表舞台に現れず、次席のスネイルが部隊全体の取り纏めや作戦立案を行っていた事から、ヴェスパーのトップという地位にさえ大した価値を見いだしていない節がある。
先述のウォルターとの会話で、壁越えにおける人材不足とそれによりフロイトを担ぎ出す事を指摘している点、スネイルもそれを聞いて621の参画を認めている点から、アーキバスにとっても手綱を操りきれず扱いにくい人物と認識されているのかもしれない。

...一部隊の頭としては問題大アリな人物だが、アセンブルの件も含めてこの辺りは実力や実績によって周囲を黙らせているのだろう。
その無軌道さは、彼もまた621がラスティに指摘された「理由なき強さ」の権化であるとも言える。
役割を押し付けられたスネイルの胃が心配になるレベル。そりゃミシガン指揮下に入った途端気楽に仕事をこなすようにもなろうよ

搭乗機体


AC ロックスミス

  • 機体構成
部位 パーツ名 製造元
頭部 HD-011 MELANDER ベイラム
コア VP-40S アーキバス
腕部 VP-46S
脚部 LG-011 MELANDER ベイラム
右手武器 RF-024 TURNER ベイラム
左手武器 Vvc-770LB VCPL
右肩武器 SB-033M MORLEY ベイラム
左肩武器 Vvc-700LD VCPL
ブースタ FLUEGEL/21Z シュナイダー
FCS FC-006 ABBOT ベイラム
ジェネレータ VE-20A アーキバス
コア拡張 パルスアーマー

アサルトライフルレーザーブレード、肩部に火力を担当する拡散バズーカと変わり種の武装として「扱える者はそうはいない」とカーラが称するレーザードローンを搭載した中量二脚機。
機体エンブレムはロックスミス(鍵師)の名の通り、掲げられた左腕と掌に乗せられた鍵。

パッと見のアセンブルとしては比較的王道な攻撃寄りのバランス型だが、パーツの多くが敵対勢力であるベイラムグループの物で構成されているのが最大の特徴。
「任務に必要だと判断すれば敵対勢力のパーツも躊躇なく使用する」という点は4に登場した同じくトップランカーのベルリオーズがいるが、その搭乗機・シュープリスは所属企業のレイレナード製のアリーヤのフルフレームに肩部に有澤重工のグレネードとGA製のスタビライザーを採用している程度なのに対し、ロックスミスは武装どころかフレームまでベイラム側のパーツを搭載している。
それはそのまま搭乗者のイメージにも繋がるであろうACの顔である頭部パーツにすら及んでおり、そのアセンブルはもはや企業所属のエースどころか、まるで独立傭兵のような有り様である。

ストーリー終盤まで引っ張られて満を持しての登場。
爽やかだが不敵な強者の風格を漂わせているフロイトのイケボ。
そしてACの王道を征くヒロイックな機体構成。
強そうな要素がこれでもかと満載された本機のその実力はというと...



肩 透 か し

この一言に尽きる。

まず目につくのは全体的な火力不足。
アサルトライフルはプレイヤーも最初に握る事になるTURNER。
初期装備なだけあって選択肢が増えてくると全体的なパッとしなさが目立つ武装であり、プレイヤー視点ならば敢えてこれを選択する意義は薄い。
拡散バズーカ、レーザーブレードも単体の火力で見れば悪くはないが、本作のシステムであるスタッガーを活かすことで初めてその真価を発揮する武器であり、構成全体に渡ってそのスタッガーに陥らせるほどの衝撃力が不足しており、火力を伸ばしづらい。
レーザードローンは二次ロックが働かないため、動いていればほとんど当たらず、たまに衝撃値が維持できればいい程度。

内装と武装との噛み合わせも悪く、せっかくEN武器適性の高いジェネレーターを積んでいるにもかかわらず、そのEN武器適性が活きる武器を搭載していないのは致命的である。*3

過去作から続く傾向だが、CPUの操縦するACはバランス型で色々やらせようとするよりも、どこかに振り切った一芸特化型の方が強くなりやすいのである。
THE・バランス型のロックスミスもこの特徴にぴったりと当てはまってしまい、アリーナでの実力も

  • パルスガンの瞬間火力で瞬く間にこちらを消し炭にしてくる序盤の壁(ランク詐欺)と名高いV.Ⅵメーテルリンクのインフェクション
  • 本作の強武器である重ショ・肩軽グレに腕グレまで積んで高火力・重装甲のガチタンの強みをこれでもかと押し付けまくるG4ヴォルタのキャノンヘッド
  • 一見ネタアセンにしか見えないよくわからん構成のクセにAIによって的確な攻撃を適切なタイミングで放ってくるおかげでやたら強い六文銭のシノビ

...などなど代表的なところのみを挙げてみたが、下のランクにこれ以上の強敵と言える連中が登場するため、イマイチ影が薄い。
また、この頃にはワーム砲ことスタンニードルランチャーを始めとして強力な武器の入手や、フレームや内装も充実してきてアセンブルの自由度が高い事、何より直前のチャプターで、ACから逸脱した機体で本作でも最強クラスと名高いボス・CEL240と戦うことになるため、登場時期が悪かったというのもインパクトに欠ける要因か。
「トップランカーが思ったほど強くない」という現象はACシリーズでは割とよくある事なのだが、キャラクター性が濃い本作において、どうにも不遇感が否めないのは惜しいところである。



……ただし、そんなフロイトも実は、対峙する621次第で立派な強敵として立ち塞がってくる場合がある
それは近距離特化アセンで挑んだ場合

その秘密は肩武装の拡散バズーカ。中距離以遠ではカス当たりして威力も衝撃力も足りないように見えるが、近距離で食らうと圧倒的な秒間衝撃力であっという間にスタッガーを取ってくる。
そしてスタッガーを食らったあとに刺さるのが普段はほとんど仕事をしないように見えるレーザードローン。足が止まってしまえば一気にこちらのAPを削っていく。
レーザーブレードは言わずもがな。取り回しも良い方なので近距離で戦えば脅威にならないはずもなく、スタッガー追撃に使われてしまえば大打撃。アップデートによる腕の近接補正アップの恩恵も大きい。
リロードの隙を見て立て直すにも、レーザーブレードと拡散バズーカによって受けた衝撃を補助するのはなんと初期装備のTURNER。
前述したようにこれ単体のパワーは低いが、そもそも回避を前提にできる攻撃ではないライフルは、ばら撒かれるとACS負荷回復時間を稼ぐのは非常に困難。
それでいて戦う場所もザイレムの市街地であるためアリーナの開けた地形とは違い障害物が多く、上記の攻撃に引っかかる要因にもなっている。
フレームについても飛び抜けた点はなくとも「EN負荷を補いつつも高い姿勢安定性能を保つ」もので揃えられており、スタッガーを取って倒す戦法に中量二脚にしては少し耐性を持っている。
流石にジェネレーターについては他のものを選んだ方がいいとは思うが……トータルの機体としては近接戦に使ってみると意外なほどの強さを発揮する。
というか、FCSが本作2大近接特化型FCSの片割れであるABBOTなんで、中距離以遠が弱いのも当然っちゃ当然である


発売からしばらく経ってから実施されたアップデートにおいて武器の性能に調整が入り、ロックスミスの搭載する装備には軒並みアッパー調整が入った。
特に拡散バズーカの強化が著しく、前情報だけで舐めてかかるとしっぺ返しをくらう事は間違いない。
本体のパーツもアッパー調整が入ったものが多く、特に上記の通り腕の近接補正アップにより結果的にレザブレの火力が上がったのも痛い。FCSだけはナーフされた
さらにいつのアップデートからかは不明だが、ABを用いた詰めを多用してロックスミスの得意な近距離の間合いで立ち回るようにAIも強化。
それ以前はどうやらAIに不具合があったようで、中距離AIと頻繁に切り替わってしまうせいで攻撃が散発的になっていたようだ。
交戦レンジの問題とアップデートによる強化により、人によって評価が180°変わってしまうエネミーであると言えるだろう。意見が分かれてる時点でトップランカーらしくないと言えばそれまでであるが……
サイコロで出た目で装備を決めただの言われたりこれを見越して武器を選んでた説も浮上するなどつくづく廃人ゲーマーみたいな男である

このように議論・評価の分かれるフロイトだが、彼には更なる秘密があった。

その存在に関する考察


  • 過去作プレイヤーの具現化?
フロイトの「アイランド・フォーの動乱」における任務達成率94.7%という数字は、適当に高めな数値を当てはめているだけのように見えるが、実はこの数値、初代ACに由来している物ではないかという説がある。
初代ACは全パーツを収集するためわざと失敗させなくてはならないミッションがあり、その「全パーツを収集した場合」のミッション達成率がちょうどコレと同じ数値になるのだとか。
この事から、フロイトは「過去作からのプレイヤーのメタファーではないか?」と考察されている。
そのために貨物コンテナをぶっ壊すフロイトの姿が

  • 「ただの人間である」という点について
アリーナの説明文より。ヴェスパー隊長は全員がこの説明文においてどの世代の強化手術を受けたかが明記されているが、フロイトのみは世代等の記述はなく「ただの人間である」と記載されている。*4
この点も「強化人間という手段に頼らずアリーナのトップにまで登り詰めた」という過去作のACのプレイヤーと同じ軌跡であり、先述の説を補強する考察として挙げられる。
やはり調整のために強化を重ねているスネイルがクソデカ感情を抱いてないか心配になる

他には「強化人間という手段で手早く兵士としての力を手に入れても、日々の鍛錬を欠かさずトップにまで登り詰めた」といった彼の人間性などを比喩した物であるという解釈も出来るが、文面通りに受け取るならばやはり本当に非強化人間であるという説の方が有力か。
「強化人間部隊のトップが実は普通の人間」という異質感もロマンがあるし


余談


情報ログ「部品性能試験」の画像において2機のACの機影が映っており、それぞれの武器の構成から手前はスネイルのオープンフェイス、その下の平地に立っているのはフロイトのロックスミスと推測されている。
スネイルの実験に付き合って無人ACを相手にシミュレーションを行っていた場面と思われ、作中でチャティのサーカスが無人ACであることを即座に看破したのは、これらの経験があっての故か。

本作は特徴的で扱いやすい言い回しから、多くのキャラクターのセリフが「◯◯語録」としてネタに使用されるが、フロイトも数は少ないながら汎用性の高いセリフが多く、よく引用される。
また、こちらが被撃破時に聞ける「終わりか。面白いのはこれからだろう?動けよ」というセリフの妙に艶っぽいトーンや「このままお前とやりあいたい。そういう気分だ」という、ともすれば意味深に受け取れるセリフからゲイヴン扱いされることもあるが、勢力としては少数である。

本作の発売時期は『ウマ娘 プリティーダービー』のアニメシーズン3の放送が迫った時期でもあった。
そのアニメ版ウマ娘のレギュラーキャラであるチームスピカのトレーナーはフロイトと同じく沖野晃司氏がCVを担当しており、専業声優ではない沖野氏のアニヲタ的代表役としてイメージが強かったのもあって、
配信サイトでは「お前がキタサンブラックか」「ウマ娘だな、そういう動きだ」「動け...!キタサンブラック...!」等の本作のフロイトのセリフを引用したコメントが飛ぶ現象も散見された。
ついでに「フロイト、何を遊んでいるのです」と部隊をほっぽり出してトレーナー業に勤しむフロイトを諌めるスネイルの姿も

ヴェスパー部隊の面々の名前は、そのほとんどが著名な詩人や思想家から取られていると思しい。
フロイトの場合は相方(?)のスネイル共々、オーストリアの心理学者ジークムント・フロイトを由来にしていると考えられる。*5
愛用武器のドローンが巻貝、それこそまさしくカタツムリのようなデザインなのもそれを意識したものなのかもしれない。


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最終更新:2024年04月16日 08:48

*1 出撃前にエアの願いを蹴って決別している。

*2 なお、この他にも英語音声だとチャティに対する言動が日本語版よりも辛辣になっている。

*3 レーザーブレードとレーザードローンはEN武器だが、それぞれ出力が独立しているためジェネレーターの影響を受けない

*4 ただし強化手術を受けていないとは書かれておらず「スネイルのように調整を重ねているに違いないと見られているが、そうではない」という文脈であるため、フロイト本人が強化人間かどうかについては不明瞭となっている

*5 芸術家サルバドール・ダリが師と仰いだ人物で「頭の中にカタツムリ(スネイル)が詰まっている」と評し、彼の自宅の前に止まっていた自転車とその上にいたカタツムリからインスピレーションを受けて制作された作品がある。