登録日:2024/03/29 Fri 14:55:16
更新日:2024/04/17 Wed 21:50:33
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♦概要
BAYBLADE X(ベイブレードX)とは爆転、メタルファイト、バーストに続く4世代目のベイブレードシリーズである。
3世代目であるベイブレードバーストの最終商品発売からそう間を開けず2023年3月21日に概要が発表され、
その後の5月にはベイやスタジアムの詳細が発表、6月にはコロコロ魂フェスティバルIN東京おもちゃショー2023にて体験会及び先行販売、
7月15日に一般販売がスタートと、発表からの展開は非常にスムーズ。
一般販売の少し前からコロコロコミックで漫画の連載、10月からはアニメの放送も行われており最初からメディアミックスも盛ん。
"ベイブレードはスポーツへ"をテーマにこれまでとは一味も二味も違う新次元のベイブレードであることが強調されており、
子供が楽しめるホビーとしての姿勢は崩さないまま大人にも楽しめるコンテンツを目指している。
全体的に明るくビビットな色使いよりも黒や緑など落ち着いたデザインが多かったり、
シリーズ名が「BEYBLADE X」と英語表記が基本になっている点からもその方針がうかがえるだろう。
爆転からベイブレードのオリジンとカスタマイズ性、メタルファイトからコマの性能をグンと引き上げたメタルブレード、
バーストから革命をもたらしたバーストギミック、と歴代シリーズからそれぞれのいいところを引き継いだ集大成ともいえるシリーズとなっている。
♦ベイブレードXの特徴
・スタジアム・ルール
まず注目したいのは本シリーズ専用の新スタジアム「エクストリームスタジアム」。
これまでベイブレードのスタジアムというのは円形で、外周には均等に2~3か所オーバーポケットを配置、
残りはフェンスで囲ってあるというものが基本であった。
今回のスタジアムはその基本を大きく打ち破り、外形は四角。かつほぼ全面をカバーで覆われている。
外周付近には細かい凹凸の付いたレール「エクストリームライン」が設置されており、
このラインの凹凸が後述するベイの軸のギヤと噛み合うことでベイが急加速する「Xダッシュ」というギミックが本シリーズの目玉となっている。
エクストリームラインはほぼ円形だが上部のみスタジアム中央に向かって急カーブしており、Xダッシュしたベイは中央に勢いよく飛び出すことになる。
その軌道の延長線上にあたるスタジアム下部の1辺のみがオーバーポケットになっており、
特にその中央の6割ほどが「エクストリームゾーン」、残る左右2割ずつのエリアが「オーバーゾーン」と区別される。
バトルは4pt先取制で、エクストリームゾーンに相手を叩き込む「エクストリームフィニッシュ」が3pt、
オーバーゾーンに弾き出す「オーバーフィニッシュ」と相手を破壊する「バーストフィニッシュ」が2pt、
いわゆる持久勝ちの「スピンフィニッシュ」が1pt。
エクストリームラインの存在とこの獲得ポイントの重みによってかなりアタック優位なバランスに作られており、
歴代シリーズで続いた持久最強環境をどうにか改善しようとするメーカーの意図がうかがえる。
それを抜きにしてもXダッシュの急加速とそれによって起こる今までにない衝突のラッシュはメタルの重厚感と合わせて迫力満点。
バトルそのものが派手なので見ているだけでも楽しい。観戦自体がエンタメになるというのはスポーツ化の一要素でもあるだろう。
その激しさから互いのベイがよく吹っ飛ぶが、全面をカバーで覆っているうえオーバーポケットが1辺のみなので
いきなり両者が場外に吹っ飛んで即終了…なんてあっけない展開も起きづらい。
Xダッシュのおかげで、アタックタイプが中央の相手ベイにまともに当たれず外周をグルグル回ってほとんど接触もなく持久負け…という
歴代シリーズでどうしてもありがちだったつまらない展開もほぼ起きなくなっている。
・ベイブレード本体
大部分がメタルでできた接触部分「ブレード」
その直下でバーストギミックの根幹かつベイの高さを司る「ラチェット」
軸先とギヤの付いた「ビット」の3パーツ構成。
ブレードは外周など大部分がメタルで、中央にはビットチップやフェイスのように「ギヤチップ」という丸いパーツがあり、ベイを象徴するイラストが描かれたシールが貼られている。
メタベイのウィールより全体的に凹凸がしっかり出ており、より激しい弾き合いが起きやすくなっている。
ラチェットはブレードに付けて回転方向にカチッと回すことで固定。外周はプラ(PMMA)製で基本的に円形だが小さな突起を持ち、
そこに大きなダメージを受けると固定が外れてバーストする。
また形状が同じでも高さの違うパーツが複数あり、ベイの高さを決める役割も担っている。
低いほどラチェットに攻撃を受けづらい=バーストしづらく、高いほどバーストのリスクは上がるが傾いた際に下に擦りづらく持久面で有利になる。
ビットはラチェット中央の穴に差し込む細長いパーツ。硬いプラ製。先端が軸先でその少し上にギザギザのギヤを持ち、
ここがエクストリームラインと噛み合うことでXダッシュが発動する。
またビットだけが抜けて起こるバーストもあり、ラチェットと干渉する部分の太さでバーストしやすさが決まる。
基本的にディフェンス、スタミナのビットはバーストしやすい。
・その他ギア
ここでいうギアとは「装備」の意味の方。
ここまで出てきた「歯車」の方のギヤとは一貫して区別して表記されている。
冒頭にあるようにベイブレードXのキャッチコピーは「GEAR SPORTS」。
ベイやスタジアムの方の根幹であるギヤだけでなく、スポーツらしく装備や道具、ギアも重要だというダブルミーニングである。
もっとも大事なギアはベイをシュートするランチャーだろう。
今回のベイ取付部はメタルファイト時代のようなシンプルなフック状の爪が3本。
ブレード側にわかりやすく引っ掛ける箇所があり取り付けやすいうえにガタつかない、
シュート前に落下しにくい、シュートの際の引っ掛かりが少ない、と歴代でもかなり優秀。
2024年2月現在「ワインダーランチャー」、「ストリングランチャー」、「エントリーランチャー」の3種類が存在する。
ワインダーランチャーはその名のとおりのワインダー式。今までのワインダー式ランチャーは簡素な入門用といった位置付けで
サイズも小さくパワーも弱いものが多かったが、今回は大人でも握りやすい大きめのサイズ感。
パワーもストリングと差が生まれないようにしているとのこと。
気兼ねなく引ききれることもありこちらの方が強くシュートできるというブレーダーも少なくないだろう。
エントリーランチャーはその廉価版。本体が小さくなっており少々持ちにくいが案外そこまでパワーは落ちておらず、ある程度は戦える。
ストリングランチャーは紐を引いて回し、内部のバネで自動で巻き戻るタイプ。
こちらはバーストのものから大きな進化はないが、やはりシュート毎にワインダーを差しなおす必要がないのは非常に便利。
本体が大きいため外付けのグリップがなくても持ちやすい、引く際の抵抗がワインダーより少なく
シュートコントロールがしやすい等の利点があり、上級者の多くがこちらを使用している。
ただし紐の長さに限りがあるため考えなしに引っ張ると破損する恐れがあり、多少慣れが必要。
それ抜きでも内部の構造が複雑なためワインダー式より壊れやすいなど、欠点もある。
バースト時代のベイロガーに相当するデバイス「ベイバトルパス」もシリーズ初期から稼働している。
ランチャーに取り付けてシュートパワーを測定できるほか専用スマホアプリとのbluetooth連携で様々な機能が利用できる。
スマホアプリではベイコード読み取りやバトルパスでのシュート回数計測、
アプリ上での仮想バトルなどでベイポイントを獲得、それを消費してレアベイゲットバトルにチャレンジできる。
そのほか読み取ったベイコードによって自分の所持ベイが登録されていき、一覧が3Dモデル付きで見られるコレクション機能も。
・Xオーバープロジェクト
ブランド名の「X」はそのまま「未知数」「見えない」という意味の「X」や「過激」という意味の「eXtreme」などが込められていると思われるが、公式から明言されている物の一つに「crossover」があり、上に挙げた全ての世代のベイで遊ぶことができ、かつて遊んでいた元ブレーダーにも刺さるようになっている。
初代「
爆転シュート ベイブレード」からは基本となる「タイプの相性」や「改造要素」を引き継いでいる。
ベイの中央に丸いパーツがあり、そこにキャラクターが描かれているという点もビットチップがモデルになっていると思われる。
エクストリームダッシュの急加速もエンジンギアのようだし、工具も使わずに組み立て可能という点もらしい。
二作目「
メタルファイト ベイブレード」からは上記の通り「メタルブレード」を継承。
ギヤチップのデザインがグラフティー調な点や「直接ぶつかり合う金属パーツ」「高さを決めるパーツ」「軸先」という点から構造上の直接のモチーフにもなっていると思われる。
三作目「
ベイブレードバースト」からは「バーストギミック」を継承。
公式インタビューで「バーストギミックの搭載は
後付け」とぶっちゃけられているが、その分バーストロック用のスプリングが存在しない為組み立てやすい。
金属とプラスチックの融合というシリーズ中期からのデザインラインの引継ぎも行われていると思われる。
構造の上でのオマージュだけでなく、
X(クロス)オーバープロジェクトと銘打って往年の名機体をベイブレードXの構造でリバイバルする企画が発表されている。
プロジェクト発表時点で既にドランザーSの復刻が決定されている。
これらのベイは箱デザインに至るまで全て当時の物を引き継いでおり、ベイ本体も可能な限り復刻前に寄せたパーツ構成となっている。
本格化に先んじて行われた復刻投票でトライピオが爆転部門一位になり、その余りの規格外さで商品化を逃がしたりと珍事も起こった。
♦ラインナップ
・ベーシックライン(BX-○○)
初期から発売のナンバリングモデルで、正統派な性能と銘打たれている。
・ドランソード3-60F
ドラゴンモチーフのアタックタイプ。
ブレードのドランソードはアッパー形状の3枚刃で、外形はバーストのヴァルキリー(ヴィクトリー以降)に近い。
ラチェットの3-60は3枚刃で高さ6mmの攻撃寄りかつ低め。ビットのF(フラット)は平らな軸先でスタジアムを駆け回る。
積極的なXダッシュで速度の乗った急襲を得意とする攻撃型。ベイブレードXの醍醐味を存分に味わえる王道ベイである。
・ヘルズサイズ4-60T
死神モチーフのバランスタイプ。
ブレードのヘルズサイズはスマッシュ形状の4枚刃。刃はそこまで大きくなく、全体的に円に近い。
ラチェットの4-60はいなしやすい小さい4枚刃で低め。ビットのT(テーパー)はフラットの外周に傾斜の付いた所謂セミフラット。
叩き付けでの持久削り、Tによる暴れと終盤の粘りで様々な戦況に対応する万能型。
モチーフ、ブレード形状ともにバーストのデスサイザーを彷彿とさせ、実際にブレードは持久カスタマイズの定番となっている。
特にBビットを履かせた通称「ヘルサイボール」は、真っ先に槍玉に挙げられる環境カスタマイズである。
ただ、アタック優位のバランスのおかげで殿堂入りレベルの大暴れまではしていない。スタミナ系ブレードが軒並み食われているのはいただけないが。
・ウィザードアロー4-80B
魔導士モチーフのスタミナタイプ。
ウィザードアローは大型円形2枚刃かつメタルを外側に多く配置した外重心。強い遠心力を生み出し持久力が高い。
4-80は4枚刃で8mmと高め。B(ボール)は半球軸。中央付近を程よく動き回って相手のXダッシュをかわし、長く回り続ける。
持久特化だけあって回転の安定感は抜群。その代わりバーストもしやすいので注意。
・ナイトシールド3-80N
騎士モチーフのディフェンスタイプ。
ナイトシールドは少しゴツゴツした円形。3か所に肉抜きがあり、バンパーの要領で衝撃を吸収する。
3-80は3枚刃で高め。N(ニードル)はいわゆるシャープ軸で中央にどっしりと陣取る。
中央に陣取ると必然的にXダッシュの軌道に入るため、それを衝撃吸収で受け止めて守り勝つというまさに鉄壁のベイ。
実はブレード裏側に1か所だけメタルが盛られ、意図的な偏重心になっている。このおかげで思わぬカウンターを見せることも。
・ナイトランス4-80HN
ディフェンスタイプでいきなりナイトシールドの後継機…ではない。
今作では同モチーフで戦い方の違うベイがいくつも登場し、アニメでも同じ使用者が使い分けている。
ナイトランスは高い位置の3枚刃を持ち、上から押さえつけるのが得意なカウンター特化型。
HN(ハイニードル)はNより1mm背の高いシャープ軸。またNより傾斜が緩やかで気持ち暴れやすい。
全体的に背が高く上から受け止め弾き返すカウンター型。
…なのだが、その分ラチェットが剥き出しなのでめちゃくちゃバーストしやすい。誰が呼んだかX版ラグナルク
・シャークエッジ3-60LF
ランダムブースターVol.1のレア枠で、鮫モチーフのアタックタイプ。
シャークエッジはドランソード以上に急角度の分厚い大型アッパー2枚刃。LF(ローフラット)はFより1mm低いビット。
とにかく低い位置から相手をかち上げることに特化した超攻撃型。かち上げすぎてスタジアム上部の穴から相手を弾き出してしまうことも。
また下から攻撃すると必然的にラチェットを殴ることが多くなるためバースト力も高い。代わりに持久力は皆無。
・レオンクロー5-60P
ライオンモチーフのバランスタイプ。
レオンクローは側面がゴツゴツした防御刃、上面は波打っている攻撃刃と2つの面を持つ5枚刃。どちらを相手に当てるかで性能が変わる万能型。
5-60は5枚刃で低め。他のラチェットより刃が大きく分厚い。その分地面に擦りやすい欠点も。
P(ポイント)はFの中央に小さなボール軸が僅かに軸先に飛び出している。
水平に撃てば中央に留まり、傾けて撃てば大きく暴れる。バーストのF(フュージョン)に近い。
ブレード、ビット双方がシュートの仕方で戦い方を変える性能のため、相手ベイの理解や戦術、シュート技術がものをいう上級者向け。
ブレードは扱いにくいうえに軽いためあまり人気がないが、Pビットは逆に環境筆頭パーツの一つ。
序盤はFビットとほぼ同等の加速で存分にアタックして高ポイントを狙い、そこで決まらなくても
終盤は静かに持久するため序盤の攻めでスタミナを削った相手からスピンフィニッシュが拾える…という万能ビットである。
アタック力がありつつ重心バランスが整っているドランソード、フェニックスウイングあたりに履かせるのが定番。
・ヴァイパーテイル5-80O
ランダムブースターセレクトで登場した蛇モチーフのスタミナタイプ。
ヴァイパーテイルは下向きに伸びた6枚刃。上から相手を叩き付けて持久を削る戦法が得意とされるが、
割と刃がしっかり出ており弾く力も強め。下向きの刃でラチェットを殴りやすいためアタック運用されたりも。
5-80は分厚い5枚刃で高め。O(オーブ)はBより小径の半球軸で、より持久に特化したが踏ん張りがきかず一度傾くと立ち直りにくい。
ブレードの形状からカウンターが強く、スタミナというよりはディフェンス的な戦いになりやすい。そうなるとOビットが噛み合わないのが悩みどころ。
・ライノホーン3-80S
サイモチーフのディフェンスタイプ。
ライノホーンは径が小さく内側にメタルの詰まった内重心でゴツゴツした形状。
S(スパイク)は軸そのものがかなり細いシャープ軸。
この2種の新規パーツでビタッと中央に陣取って踏ん張り、すべてを弾き返すというコンセプトのベイ。
実際には重さがそこまでないこと、あまりに軸が細いことで踏ん張りがききにくくやたら吹っ飛ばされがち。
どうでもいいが、あまりの径の小ささのためオーバーポケットの中で壁に当たらず回り続けることがある。ぶっちゃけ復帰が絶望的なただのデメリット
・ドランダガー4-60R
ドランシリーズの2機目でアタックタイプ。
ドランダガーは緩いアッパー形状の6枚刃。
R(ラッシュ)ビットはFの軸を少し細くし、かつギヤの刃数が少ない。
Xダッシュの機動力が下がる代わりに持久力の減衰が少なく、何度もXダッシュができる。
総じて一撃の火力よりも手数を重視した仕上がり。爆発力に劣る分持久が少し伸びて安定性が増したほか、
暴れすぎて自滅オーバーというリスクも減っている。それでいて火力の低下は意外と気にならず、かなり扱いやすい。
・ヘルズチェイン5-60HT
ヘルズシリーズ2機目でバランスタイプ。
ヘルズチェインは下面が滑らかな曲面、上面が鎖状の凹凸のある形状という2層構造。
HT(ハイテーパー)はTを1mm高くしたもの。軸の形状に変化はない。
60ラチェットとハイビットの組み合わせで実質60と80の中間の高さになっており、
自分より低い相手はいなし、高い相手は弾く。相手の高さや自分の撃ち方で戦法を変えるテクニカルな機体。
だだ正直今回もブレードの攻撃性能が低く、下面を活かして受け流しに特化した方が活躍しやすい。ヘルズシリーズの宿命なのだろうか。
・フェニックスウイング9-60GF
鳳凰モチーフのアタックタイプ。一般販売ながらブレードが赤く塗装された豪華仕様。
フェニックスウイングは細かいモールドの施されたアッパー3枚刃。塗装されていることを加味しても明らかに重い。
9-60は3-60をベースにそれぞれの刃の間に小さな2枚刃を配置したもの。刃数が多い=致命打を受けづらく、気持ちバーストしにくい。
GF(ギヤフラット)はギヤが軸先まで伸びた極太フラット軸。バーストのJ(ジャギー)を彷彿とさせる。
”重さ×速さ=破壊力”を体現する重アタッカー。
重いブレードと極太軸の組み合わせでスタジアム狭しと暴れ回る姿はもはや破壊神である。
正直GFの暴れっぷりは過剰なレベルで、勢い余ってエクストリームラインに乗りきれないこともしばしば。
FやPを履かせても攻撃力は十分なので、ロマンと安定のどちらを取るか悩みどころ。
・ワイバーンゲイル5-80GB
ランダムブースターVol.2のレアとして登場した飛竜モチーフのスタミナタイプ。
ワイバーンゲイルは流線形状の4枚刃。非常に滑らかで、空気の通り道を作るような肉抜きもあるため空気抵抗が少ない。
GB(ギヤボール)はギヤが先端付近まで伸びてBビットより太い半球軸。
太い軸で体勢を崩さず、少ない空気抵抗で滑らかに回り続けるというコンセプトのベイ。
…なのだが、いかんせんGBが太すぎる。相当うまくシュートコントロールしないとアタック顔負けの大暴れと
伸びたギヤでのエクストリームダッシュで自らスタミナを消耗してしまう羽目になる。
しかも滑らかかつ軽いワイバーンゲイルでは暴れたところで大した有効打は与えられず、無駄足になりがち。
完全にアンチシナジーであり、デフォルトでは扱いにくさが否めない。
・ユニコーンスティング5-60GP
一角獣モチーフのバランスタイプ。
ユニコーンスティングは大型2枚刃を持ち、それぞれ凹凸のある攻撃刃と滑らかな防御刃で形状が異なる。
GP(ギヤポイント)は、察しが付くだろうがギヤを軸先まで延長したPビット。
またしてもブレード、ビットとも2つの顔を持ったテクニカルなベイ。
しかも今回はブレードの刃ごとの違いなので、ブレーダーの技量ではどちらが当たるか決めようがない完全なギャンブルである。
ただそれぞれの刃の性能自体は悪くなく、このタイプでは珍しく割と好評。
・スフィンクスカウル9-80GN
ランダムブースターセレクトで登場したスフィンクスモチーフのディフェンスタイプ。
スフィンクスカウルはゴツゴツして厚みのある9枚刃のブレード。GN(ギヤニードル)はギヤが伸びたNビット。
連打9枚刃で相手の攻撃を分散しつつ弾き返すカウンター型のベイ。
ブレードの凹凸がハッキリしており、そこそこの重さもあるため弾く力は本物。
ただ重心の偏りがナイトシールドの比じゃないレベルでキツく、かなり体勢を崩しやすいのが難点。
GNビットは他のギヤビットほど軸先近くまではギヤが来ていないため、能動的に動けるほどではない。
軸そのものが太く終盤に粘るのはメリットだが、体勢を崩しすぎるとギヤが下に擦ってロスになる側面も。
・ユニークライン(UX-○○)
2024年3月から始まった新たな製品ライン。
ベーシックラインでメタル製だったブレードのランチャーへのフック部をプラ製に変更し、
その分のメタルを外側に配分することで固有に性能に特化したシリーズとされる。
あくまでこれまでの上位互換などではないため、ベーシックラインとも並行して商品展開されている。
ギヤチップはシールのカバーが廃された上でランチャーフックと一体化し、造形が施されているだけの物になった。
シールは直接貼ってあるうえにエクストリームダッシュの際にビットと共に回転する機構もオミットされるなど簡素化が目立つ。
一方でブレードの金属部にはコーティングのようなものがされており、現状全ての機種がメタルコートされているような状態になっているが、初期のメタベイのようにバトルの度に削れて歴戦の個体になっていくので注意。
・ドランバスター1-60A
ユニークラインでも先陣を切る3機目のドラン。アタックタイプ。
ドランバスターはブレード全体を剣に見立て、剣先にあたる1枚刃での一撃に特化した設計。
裏側を見ると剣先側の下半分にメタルが集中しており、かなりの偏重心になっている。
剣がモチーフの1枚刃ということでバーストのエクスカリバーを想起する人も多いだろう。
1-60も1枚刃で、セットした際の刃の位置がドランバスターの剣先と一致するようになっている。
A(アクセル)はFと同じ軸先で、ギヤ部分が太く刃数も多くなったもの。
偏重心と急加速から繰り出される攻撃はまさに一撃必殺。
その分安定性やスタミナは一切かなぐり捨てており、ユニークラインのコンセプトをありありと体現している。
・ヘルズハンマー3-70H
こちらもユニークライン開始と同時に登場した3機目のヘルズ。バランスタイプ。
ヘルズハンマーは波打って分厚いスマッシュ形状の3枚刃。
メタベイのスクリューウィールに形状が近く、上面はアッパーとしても機能しそうである。対して側面は滑らか。
3-70は新しい7mmの高さのラチェット。
H(ヘキサ)は六角推の形をしたシャープ軸。軸が太くて傾斜も少なく、姿勢保持能力に優れる。
ギヤ形状はAと同じ太く刃数の多いもの。防御的な性能だがバランスタイプ準拠でバーストはしにくい。
とにかくスマッシュに特化しており、ハンマーの名のとおり相手を上から叩き伏せるベイである。
・ウィザードロッド5-70DB
上記2機とともに登場した2機目のウィザード。そしてハブられるナイト もちろんスタミナタイプ。
ウィザードロッドは円形に近い滑らかな5枚刃。径が大きいうえに外重心で、遠心力に特化している。
5-70も刃が分厚く遠心力に優れる。
DB(ディスクボール)はギヤの上に円盤状のガードパーツがついたBビット。その分1mmかそれ以上背も高い。
重量と遠心力を稼ぎつつ、傾いた際の支えにもなっている。あと見た目がかなりトライピオ
丸い、重い、ブレないと3拍子揃ったかなり理想的なスタミナタイプ。
遠心力のおかげもあって持久で右に出る者はおらず、多少攻められても崩れない安定感を誇る。
・その他モデル(BX-00系)
いわゆるレアベイといった特殊なベイや、過去作ベイの復刻モデルが該当する。
キャンペーンやB4ストアなどの限定品も含まれるが、ここでは新規ベイのみ紹介する。
・コバルトドレイク4-60F
専用アプリのレアベイゲットバトルでのみ入手できる正真正銘のレアベイ。
ドラン系列とは異なるドラゴンモチーフのアタックタイプ。
ブレードのコバルトドレイクはアッパー形状の4枚刃。限定品らしく、コバルトの名前どおり青い塗装が施されている。
刃数が多い分刃の大きさこそないが、ドランソード以上の重量で相手を吹き飛ばす重量級アタッカー。
アッパーの角度もきつく、うまく潜り込んだ時の破壊力には目を見張るものがある。
ベイブレードX開始当初から存在しており、激レアかつアタッカーとしても最強という全ブレーダー憧れの存在
…だった。フェニックスウイングの登場によって最重量の座を奪われ、塗装ブレードの唯一性も失われてしまった。
もちろんレアなことには変わりないので、喉から手が出るほど欲しい存在ではあるが。
・ドランザースパイラル3-80T
ベイブレードの原点たる爆転シリーズの四聖獣の一角、朱雀モチーフのドランザーが最初のリバイバルベイとして登場。本家同様バランスタイプ。
爆転時代のドランザーS(スパイラル)はSシリーズの機体でドランザーとしては3代目になるが、
このあたりからアニメが始まって爆発的な人気を博したので実質最初のドランザーとして扱われることが多い。
ブレードのドランザースパイラルは本家のアタックリングとウェイトディスクを合わせた形状。
さすがにアタックリングをそのままメタル化すると鋭利すぎて怪我をする恐れがあるためだろう。おかげで外形はほぼディスクなので割と円に近い。
本来の2枚刃の片側だけなぜかメタルが盛られており、とんでもない偏重心ベイと化している。
通常の製品ラインと比べて軽めなのも合わさり、跳ねるような不規則な軌道で暴れまわるじゃじゃ馬。
本家の軸先は攻撃と持久をマニュアルで切り替えられるギミック付きだったが、さすがに再現はされなかった。
そのため挙動は似ても似つかないが、飛び跳ねて上から攻撃する姿がスピンファイヤーボムに見えなくもない…かもしれない。
・フェニックスフェザー
月刊コロコロコミック2024年1月号付録という形でブレードだけが登場した。
雑誌付録というまさかの形式での登場である。
鳳凰モチーフのアタックタイプ。
玩具としてはプラ部分がドランソードの流用であり、メタル部分を新造してフェニックスウィングの先行体験用パーツに仕上げている。
「超軽量型」と謳われているが実際の重量はそのドランソードよりわずかに軽い程度。
最も、その適度な軽さと空気を切り裂く羽のような形状の3枚刃によって
スピードだけならフェニックスウィングに勝るとも劣らないエクストリームダッシュが可能。
ウィングを入手する前にこれで目を慣らそうねという意図である。
あくまでブレードのみの付録であるためラチェットとビットは付属しないが
アニメや公式動画ではドランソードと同じ3-60Fがデフォルト改造として扱われており、
実際の玩具でもバトルエントリーセットに付属の赤いドランソードとブレードを交換することでアニメ版のカラーを再現可能。
♦余談
タイプの入れ換え
旧シリーズを遊んだことがある人ならピンと来たと思うが、ディフェンスタイプとスタミナタイプの軸先形状の担当は従来と入れ替わっている。
具体的にはこれまでディフェンスタイプのベイは接地面積を稼ぎ安定感を高める為か半球状の軸先が多く、スタミナタイプは摩擦を減らし持久力を稼ぐべく細い軸先が採用されていたが、Xシリーズではこの担当が入れ替わっている。
これはメタベイの「ZERO G」システムと同様にスタジアムがより過激になった事で、形状ごとにそのタイプらしい動きが変化したと思われる。
ちょうど変化したタイプが同じディフェンスとスタミナなのもそれを伺わせる。
モチーフとランチャーフックの関係
各ベイブレードによってランチャーフックの形状は同じ場合と違う場合があるが、よく見るとBXラインの機体はモチーフごとにランチャーフックの形状が揃えられている。
中央に向かって走る線、ランチャー側フックが通るレールの辺りに長方形。
- 実在する生物がモチーフ(シャークエッジ及びチームズーガニックの使用機)
根元の辺りに丸、その中に六角形。
- 幻獣がモチーフ(ワイバーンゲイル、フェニックスフェザー及びチームユグドラシルの使用機)
菱形が爪のように二つ重なった形状。
フェニックスウィングのみ例外として外側の菱形が大型化して刃の一部となっている。
追記・修正はXダッシュしながらお願いします。
- 発売1週間以内や発売前の情報を削除しました。 -- 名無しさん (2024-03-31 08:31:28)
- ベイブレードくわしくないけどバトルは点数制なんだな -- 名無しさん (2024-04-01 20:27:17)
- ラバーやメタル、POM(ポリアセタール)の軸やフリー回転する軸とかをどのように出してくるのかがちょっと楽しみ -- 名無しさん (2024-04-02 00:23:44)
- 左回転出てくるの楽しみ、あとモーターや飛び出す刃とか内臓のギミックベイも来て欲しい -- 名無しさん (2024-04-02 15:12:34)
- 金属の塊がガッツンガッツンぶつかるから生半可なギミックだとすぐに壊れそうでちょっと怖い -- 名無しさん (2024-04-02 17:50:36)
- 左回転はコバルトドレイクの後継機で初登場しそう -- 名無しさん (2024-04-06 15:35:04)
- ガチャポン/食玩のシューターが面白い作りしてる。ベイはシールが違うだけっぽいけど、クリアにギンギラで子供心をそそる -- 名無しさん (2024-04-06 17:06:40)
- バーストとかXダッシュとか知ってるベイブレードと全然違う。メチャクチャ進化してるんだね -- 名無しさん (2024-04-07 11:57:03)
- 最近始めたけどすっげぇ面白い。金属のぶつかり合いがたまらない -- 名無しさん (2024-04-10 00:03:04)
- トライピオに(開発陣が)負けたシリーズ(物は言いよう) -- 名無しさん (2024-04-17 21:50:33)
最終更新:2024年04月17日 21:50