地球連合(ガンダムSEED)

登録日:2024/04/05 Fri 23:58:30
更新日:2024/04/16 Tue 22:33:43
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「何たる様だこれは!?ジョシュアが成功しても、パナマを落とされては何の意味も無いはないか!」

「パナマポートの補給路が断たれれば、月基地は早々に干上がる! それでは反攻作戦どころではないぞ!」

「ビクトリア奪還作戦の立案を急がせてはおるが……無傷でマスドライバーを取り戻すとなると、やはり容易には行かぬ」

「オーブは……オーブはどうなっておる!」

「再三徴用要請はしておるが、頑固者のウズミ・ナラ・アスハめ!どうあっても首を縦に振らん!」

おや?中立だから、ですか?
いけませんねぇそれは。皆命を懸けて戦っているというのに……人類の敵と

「アズラエル、そういう言い方はやめてもらえんかね。我々はブルーコスモスではない」

これは失礼致しました。しかしまた、何だって皆様この期に及んでそんな理屈を振り回しているような国を優しく認めてやっているんです?
もう中立だのなんだのと、言ってる場合じゃないでしょう

「オーブとて、歴とした主権国家の一つなんだ。仕方あるまい」

地球の一国家であるのなら、オーブだって連合に協力すべきですよ。違いますか?


――地球連合首脳会議での一幕





地球連合とは、『機動戦士ガンダムSEED』及びその続編『SEED DESTINY』『SEED FREEDOM』、外伝『SEED ASTRAY』シリーズに登場する国際組織。

本項では地球連合が保有する軍隊「地球連合軍」についても併せて記述する。




【結成経緯】

地球連合の前身は後の「プラント」となる工業コロニー群の建設に当たり資金提供した地球の主要国家「プラント理事国」。
当初は一基の研究施設から始まったラグランジュ5のコロニー「Zodiac」は次第に大規模化・複数化して行き、やがてC.E.38年に新型の天秤型コロニーで構成される新たなコロニー群が構想された。
これの建設資金を供出したいくつかの国家の中で最も代表的なのが大西洋連邦東アジア共和国ユーラシア連邦の三国だった。
以降大規模化して行ったL5コロニー群、後の「プラント」はこれら「プラント理事国(理事国)」が管理を行い、その代表は大西洋連邦が務める事となる。

やがてプラントは大規模化し理事国もプラントの高い工業力による生産品の恩恵で肥大化して行くが、理事国はプラントを正に植民地(コロニー)支配しその富を吸収し尽くし独占する事にプラントと非理事国の不満が蓄積される。
理事国からすればプラントは元々自分達の金で建造され成長した事と何より「不自然かつ脅威的」なコーディネイターを自由にする事への忌避感からか、プラントへの過酷な生産ノルマも自由を求める声への政治的・軍事的な圧力も決して緩めず、むしろ締め付けを強めて行った。
元々コーディネイターへの嫌悪感の根強い地球の大国、コーディネイターを強く縛る事自体はある意味当然の成り行きだった。

しかしそれによってプラントの独立の意思は潰えるどころか時期を経るごとに増々強まり、遂にはプラントの政治結社だった「黄道同盟」は政党と警察と軍隊を複合したザフトに生まれ変わる。
C.E.69年にはザフトは独自兵器「モビルスーツ」を正式に投入、プラントへの威圧目的でL5に進駐していた理事国の宇宙軍部隊を実力で排除、「自治権と対等な貿易権の要求」と「それが受け入れられない場合の輸出停止」を通告し更に禁止されていた食料生産を無断で開始するなど、プラントに武装蜂起されるも同然の事態に陥ってしまう。
その後話し合いの機会は何度か設けられたものの全て平行線に終わり、遂には回答期限だったC.E.70年1月1日の会議もテロでプラント側代表1名が死亡するテロ事件で流会となってしまう。
それだけならまだしもこのテロの実行者の背後には理事国が居た事が露見しプラントは激怒、輸出停止を実行した。
完全に自滅だがプラントに生産を頼り切りだった理事国はこれによって一気に窮乏、だがこの振り返ってみればおそらく開戦を踏み止まれる最後の機会で理事国は反省・自省するどころかプロパガンダ活動により地球市民の反プラント感情を植え付けて行く。
理事国軍の圧倒的な物量とこの時期のMSに対する楽観論からして、もう踏み止まるつもりなど無かったのだろう。

C.E.70年2月5日、国連主導で月面都市コペルニクスで改めて話し合いの場が設けられるも、出席者を狙った爆弾テロ事件「コペルニクスの悲劇」が発生、機材トラブルで遅刻していたプラント代表シーゲル・クラインを除き国連と理事国代表の全員が死亡する。
大西洋連邦は「理事国代表は全滅し、プラント代表は偶然遅刻し生き延びた」という事実を「プラントによる地球、延いては全ナチュラルへの宣戦布告」と曲解し断定、更に「コペルニクスの悲劇」で機能停止した国連に代わる新たな国際組織、地球連合の設立を宣言した。
C.E.70年2月7日に行われたこの「アラスカ宣言」により地球連合は誕生したのである。
プラントに宣戦布告し第1次連合・プラント大戦が勃発したのはこの4日後の2月11日の事だった。

言うなれば一本道で対向車に「お前がブレーキを踏め、お前がハンドルを切れ」と言い続け、減速も進路変更もしなかった末に衝突事故を起こした大型トラック群、それが地球連合である。



【概要】

「21世紀のファーストガンダム」たる『SEED』で主人公らが(当初)属する地球側組織「地球連合」がファーストガンダムの「地球連邦」のオマージュなのは明白である。
しかし、その内実については大きく異なっており、連邦が一年戦争の時点で設立から既に約80年を迎えようとしているのに対し、連合は「SEED」開始(ヘリオポリス崩壊)時点で設立から1年も経過しておらず、組織としては非常に歴史が浅い
そして、巨大化と老朽化による腐敗や事なかれ主義の進行が問題となっていた連邦に対し、「連合」は腐敗というより「過激思想・植民地主義の蔓延」と「強硬策の連発」が問題となっている。

元々地球側では遺伝子操作やその産物たるコーディネイターへの嫌悪感は強く、C.E.40年代に表出化し始めた「コーディネイターの段違いの優秀さ」と「コーディネイターの能力は子に受け継がれる」事実から非難も加速し始めていた。
更にはC.E.55年のS2インフルエンザ大流行によるナチュラルの大被害とそれに因むコーディネイターによるナチュラル殲滅作戦という陰謀論、それによる反コーディネイター感情の再発で、この時点で既にナチュラルのコーディネイターへの感情は最悪となっていた。
プラントに対する圧力に次ぐ圧力の根底にあったのが「能力的に勝るコーディネイターをしっかり支配しておかないと「下位種族」の自分達は良くて奴隷にされる、最悪虐殺、あるいは「駆除」されかねないという恐怖にあったのは想像に難くない。

しかしプラントに対して「飴」を一切与えず締め付けだけで反抗心を抑えようとしたのは明らかに度が過ぎており、プラントが輸出を停止し理事国が日干しになりかけたのはほぼ自業自得と言える。
「植民地に舐められる訳には行かない」と「そもそも金出したの俺らだし」という強気に出る理由と「プラントの輸出品で大成長してしまったからもう今更止めらんない」「あいつらの大半は気色悪くておっかないコーディネイターだし」という下手に出たくない理由もあったものの、
コーディネイターに対する恐怖と嫌悪で引くに引けなくなったまま強硬な支配をし続け、世界を混迷の時代に持って行ってしまったのは間違いない。
正にクルーゼの言う通り、(プラントにも言える部分はあるとはいえ)「自ら育てた闇に食われた、それが定めと知りながらも突き進んだ連中」である。


地球連合は国際連合に代わる組織と表題して立ち上げられたが、結成経緯を見ての通り実際には言うほど国連の後継的存在でも国連ほど世界的な組織でもない
上記の通り「地球連合」とは言うものの実際には「旧理事国連合」「反プラント連合」という方が実態に即しているような組織なのと、プラントの恩恵で肥大化した理事国とそうでない非理事国の間でも対立が発生していたのとで、
地球にも存在する親プラント国家は地球連合と明確に敵対、中立国も不参加……という状況故に、地球連合に参加しているのは全体の2/3程度、地球圏の総人口で言えば約半分程度でしかない。
同じ理由で、「地球連合」と言いつつも第1次大戦の時点でその勢力は「オセアニア・南太平洋一帯」と「インド・南アジア一帯」と「北欧」と「アフリカ北半分」には及んでいない。
しかも南アメリカは中立宣言したのを開戦後まもなく軍事侵攻して無理矢理併合したもので、アフリカ南部も開戦後しばらくしてザフトの手に落ちている。
こういった事情から地球連合の内情は一枚岩とは程遠い、むしろ思想的にはバラバラの組織となっている。
本編でさえ同じ「地球連合軍内」でありながら大西洋連邦の最新鋭機をユーラシア連邦が強奪しようとする、逆に大西洋連邦もユーラシア連邦の影響力を削ぐ為に勝手に捨て駒にして磨り潰すなど、内面は非常に纏まりがない。

このようなお互いにお互いを仮想敵と見ている国家同士の連合体が一つの組織として活動できているのは「怖いし気持ち悪いコーディネイターが我々の金で建てたプラントで好き放題しているのは許せないから」という一点、「コーディネイターの乱暴狼藉を止めさせ首輪を嵌める」という最終目的だけは共有されているからに過ぎない。
そのお陰で反コーディネイター団体ブルーコスモスとの繋がりも深く、地球軍内部にすらブルーコスモス派の軍人も少なからず在籍し、上層部に至ってはほぼブルーコスモス思想に染まり切っていた。
それ故に『SEED』終盤の時期になると当時のブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルの発言力は地球連合上層部はおろか地球軍内部ですら強大化、最早地球連合軍自体がブルーコスモスの私兵と成り果てる有様で、アズラエルも本来は一介の民間人でしかないのに実質的な地球軍の総司令官的な存在と化していた


地球連合という集団を表せるもう一つの言葉は「大西洋連邦とその子分たち」である。
「理事国」だった頃から主導的立場だった事もあり、地球連合もまた大西洋連邦が率いる組織という感が非常に強く元の国連のような「国の枠を超えた組織」とは程遠い「大西洋連邦が主導し大西洋連邦が調停する組織」となっている。
地球連合のやることが全体的に乱暴に見えるのは「大西洋連邦のやることが全体的に乱暴だから」、国連ほど参加国が多くないのも「大西洋連邦と敵対している国が多いから」という面は多分にある。
劇中でも地球連合として何かするという時は大抵大西洋連邦が主導しており、いわゆる主人公チームであるアークエンジェルも大西洋連邦に所属している。
『SEED』終盤に至ってはほぼ地球連合≒大西洋連邦のような状況になりつつあり、理事国の頃からの「従わない奴は殴って言う事を聞かせる」とでも言わんばかりの態度は続編でも改善どころか余計に進行していた。


……とまぁ悪い要素を並べると碌でもない悪の組織にして味方同士で足の引っ張り合いばかりしてる連中にしか見えないが組織として強大なのは確かで、地球の小国など一捻りで潰してしまえる程の力を持っているのは確かである。だから問題とも言えるのだが。
「とにもかくにも物量に関しては圧倒的」という点は『SEED』も『SEED DESTINY』も通して描かれており、1次大戦の時点でザフトを物量で大きく上回る地球連合軍の勝利は当初誰も疑わなかったと強調されている。
『SEED DESTINY』の時代でオーブが中立を破棄し大西洋連邦の傀儡と成り果てたのも、地球連合が時折見せる狂暴さとその膨大な物量を敵に回すリスクを考えれば致し方ない面もあったし実際前の大戦でオーブが国防を完遂できなかったのもその物量に圧殺された面が大きかった。

また、大西洋連邦やブルーコスモス派の狼藉こそ目立つがそれ以外はそこまで極端ではなく、上の会話の通り連合首脳陣にはブルーコスモスと同一視されるのを不本意に思う者もいる。
血のバレンタイン」も地球連合の意思ではなくブルーコスモス派の独断と暴走であり、地球連合という組織としてはむしろブルーコスモスに振り回された側に近い。
Nジャマーキャンセラーのデータが手に入った際も、「プラントに早速核攻撃だ!」と息巻いていたのはブルーコスモス盟主ただ一人で、他の首脳陣は深刻なエネルギー危機の救済を優先したがっていたほど。
ブレイク・ザ・ワールドの後も戦争している場合でないほど各地で復興支援に回っていたりロゴスのやり口に我慢ならず離反したりと、
「文字通り組織全体がブルーコスモス同然」「比較的まともなアークエンジェルチームはむしろ異端」という訳ではなかったりする。


なお、地球連合の正式名称はO.M.N.IOppose Militancy & Neutralize Invasion)。
直訳で「戦争行為の反対と侵略の無効化」で、正に地球連合の実態が国連の発展形でも進化系でもない「コーディネイターの地球侵略を許さない連合」なのを示す正式名称と言える。
「Omni(オムニ)」とは「全体の」「総合の」といった意味でその点はいかにも「地球連合」っぽさがあるが、「ザフト」や「プラント」などとは異なり劇中では専ら『連合』と呼ばれており「オムニ」という呼称が用いられた例は作品内外問わず皆無。



【地球連合軍】

英語表記はO.M.N.I. Enforcer。作中では専ら地球軍、たまに連合軍とも略される。
地球連合自体が寄り合い所帯も同然なので、地球連合軍も「地球連邦軍」とは異なり「地球連合」という組織の常備軍ではなく連合参加国の軍が寄り集まった「連合軍」である。
実際「地球軍」として集まって行動している場面と「大西洋連邦軍」「ユーラシア連邦軍」「東アジア共和国軍」(時により加えてオーブ軍)が別々に行動している場面とがあるなど、
制服や主力兵器こそ基本的な規格は統一されてはいるものの組織としての纏まりは緩く、各勢力がいがみ合ったり独自に兵器開発を始めて独自に採用したりとむしろ体質的には『ジオン公国軍』に近いかもしれない。

前身となっているのはプラントの独立運動が加速し始めた時期にL5宙域に進駐した理事国三国の宇宙軍。
年表や上の結成経緯を見ても分かる通り「プラント理事国」が「地球連合」となってから開戦まで僅か数日しかないものの保有兵器の統一は早くに為されている。
元々仮想敵同士である理事国たちが元々同じ兵器を使用していたとは考えにくいため、主力兵器に限っては補給や整備の統一を目的に(おそらくは)大西洋連邦が供出したのかもしれない。
大戦中以降については大西洋連邦の兵器のライセンス生産も各国で行われている。
また「各国の兵器は規格は統一されているが基本はブロックごとに独立している」とする資料もあるため統一されているというより大西洋連邦の出番が多すぎてそう見えるだけの可能性もある。


最大の特徴は何といっても凄まじい物量
実際1次大戦序盤は圧倒的に数で少ないプラントを相手に膠着状態に陥る事を誰も予想せず、ユニウス条約で軍事力に制限が出てからはプラントの国力が地球連合より低い事から変わらず圧倒的な数的有利を保っている。
1次大戦で失った各地の拠点も、ザフトはボアズ・ヤキンに代わる宇宙要塞を1つしか建造せず、月面に同数の基地の建設が許可されたにもかかわらず設置しなかったのに対し、
地球軍は月面に2つの大規模基地を建設しており、二度に渡るジェネシスでズタズタにされたにもかかわらず僅か2年で大規模な宇宙艦隊を再建し、デストロイを始めとした巨大兵器も多数建造・配備している。
しかも2次大戦ではブレイク・ザ・ワールドの被害の復興に力を割かれて前大戦の様に全力を出し切れない状況ながらも地球各国を従えザフトを万端で迎え撃ち、ユウナも「例えヘブンズベースが落ちてもまだ月に拠点が2つも残っている」と完全に楽観視する程の物量を誇っている。
当初は火力も運動性も貧弱なMAや戦闘機や戦車などしか持たなかった正に「数だけ巨大な軍隊」だったがナチュラル用MSや巨大MAといった強力な兵器を運用可能となってからは質も磨きがかかり、「悪の組織っぷり、支配者層のどす黒さ」が高まるにつれ戦力の質も高まっている。

しかし二度の大戦で二度も宇宙軍が壊滅、更にロゴスも壊滅したとあっては流石の物量にも大きな打撃が入ったらしく、『SEED FREEDOM』に関連したホビージャパンでの福田監督のインタビューによると2次大戦後の地球軍はボロボロの状態との事。


ユニウス条約を守る気がさらさら無い様子も度々見られる。
Nジャマーキャンセラーの軍事利用が禁止されたにもかかわらず大量投入し、ミラージュコロイドもこいつらはたまたま一緒に行動しているだけで地球連合軍ではないという本当に最低限の言い訳しかしていない特殊部隊で使われていたりと、「敵の方が強くて危険だから仕方ない」「勝てば官軍」と言わんばかりに滅茶苦茶をしている。
流石に(核攻撃以外は)堂々とは運用せずこっそり投入するに留めていたものの、普通に戦っても強いのに搦め手にも手を抜かない点はちゃっかりしているとも余計に質が悪いとも言える。


「先進的・革新的」なザフトに対して地球軍は「保守的」な傾向が強く、兵器のデザインや性質、開発の傾向は堅実で無骨なものが多い。
コーディネイターを嫌いつつも優秀な兵器は認める傾向も見られ、ザフトのアサルトシュラウドやガイアの変形機構を丸パクリして役立てる貪欲もある。
一方、『SEED』世界のガンダムタイプを始めて開発した勢力にもかかわらず1次大戦以降では新たなガンダムタイプの開発をほとんど行っていないという点は良くも悪くも「ガンダム神話」に憑りつかれた宇宙世紀の連邦軍とは対照的。
2次大戦中に地球軍が開発した「ガンダム」といえばデストロイ一機種しかない。


階級は全15階級。
大将~准将、大佐~少佐、大尉~少尉、曹長、軍曹、伍長、上等兵、二等兵となっている。
何故か資料によって順位にばらつきがあり、「曹長の上に軍曹、その上に伍長」または「軍曹の上に伍長、その上に曹長」という不自然な順序になっている事がある。普通であれば上記の通り。
「准将」には階級章が無いのかハルバートン准将は少将と同じ階級章を着けていた。
階級章は黄色と青色の四角または帯、ラインの本数で表現された独特のもの。法則性自体は割と分かりやすいが、保守的な体質の目立つ地球連合が星と帯で表される現実でよく見られる階級章を廃して何故こんな所で独自性を出そうとしたのかは謎。

軍服は基本的に白と黒を基調とした詰襟。非常に分かりにくいが、ユーラシア連邦軍の軍服の基本色は薄水色。
ボトムスは男性用はスラックス、女性用は膝丈のタイトスカート。
また地球連邦軍と同様に、少年用は青、少女用はピンク(というより薄赤紫?)となっている。
トールはザフトの軍服の方が格好良いとボヤいていたように比較的無骨なデザイン。

歩兵用小銃としてベージュ色のブルパップ式アサルトライフルが採用されている。
P90タボールG36辺りが合体したような、無骨な兵器が多い地球軍にしては珍しいタイプのデザインで利き手を選ばないアンビ仕様が特長だがオプション装備の取り付けには限度があるとの設定。
また第2話などでマリューが使用していたシンプルなデザインの拳銃は、貫通性重視の6×19mm弾を使用したもの。装弾数は10+1発。



【歴史】

SEED

結成の経緯は上記の通り。また戦争の詳しい推移は第1次連合・プラント大戦の項目を参照。

本編開始の約半年前から長らく戦況は膠着していたが、ザフトのジョシュア攻撃作戦「オペレーション・スピットブレイク」によって状況が一気に動き始める。
内通者のリークによりスピットブレイクの攻撃目標を事前に察知した大西洋連邦軍はザフトの攻撃に合わせたジョシュアの自爆作戦を決行、
交戦中の敵国プラントと何も知らされていない組織内の政敵ユーラシア連邦の両方に同時に大打撃を与えることに成功、地球に於ける地球軍の優位を決定付ける。
大西洋連邦としては一挙両得の作戦大成功だが、大量破壊兵器により多くの仲間を失ったザフトは地球連合ひいてはナチュラルへの激しい憎悪を募らせユーラシア連邦もこれ以降大西洋連邦への反感を強めるなど、後々に大西洋連邦を困らせる大きな爆弾を生む事になる。

ザフト地上軍に大ダメージを与えた上にナチュラルでも操縦可能な地球軍初の量産MSストライクダガーもロールアウトしいざ反攻作戦……と行こうとした矢先、地球軍に残った最後のマスドライバー基地であるパナマ基地がザフトの攻撃で陥落してしまう。
宇宙への大規模物資輸送の要であるマスドライバーが失われては、このままでは反攻作戦どころか補給を断たれた月面のプトレマイオス基地がその前に消耗し切って日干しになってしまう……という訳で、まずはマスドライバーを確保すべく2番目に陥落したマスドライバー、ビクトリア基地の奪還とオーブのマスドライバー徴発を同時に勧める方針に出る。
地球連合によるイメージ戦略(という名の地球連合参加を求める恫喝)「ワン・アース」アピールによりほとんどの中立国が折れ地球連合に与した状況となってなおオーブは断固として地球連合への恭順を断り続けた事で遂に「地球の一国家でありながら地球連合に協力せず自国の安寧のみを求めるのは重大な裏切りであり、プラント支援国家と見做す」と難癖を付け武力行使に出る。
オーブも軍を展開し懸命に迎撃するも地球軍の物量の前に二日目には陥落、このオーブ解放作戦によりオーブを手中に収めるも、オーブ首脳陣が陥落直前にマスドライバーを爆破した事でマスドライバー確保には失敗した。
しかしまた後日に行われた「第三次ビクトリア攻防戦」でビクトリア基地のマスドライバーをようやく奪還、物資を次々にプトレマイオス基地に上げ、いよいよプラント直接攻撃の準備を本格的に進めて行く。
地球ではザフトの二大地上拠点であるジブラルタル基地を落とし、カーペンタリア基地へも攻撃を開始するなど各地の戦線を一気に押し返し、
更にコロニー・メンデルでの戦いでNジャマーキャンセラーのデータを得た事で核兵器が復活、全ての準備が整った事で開戦後しばらく以来約一年半振りのプラント直接攻撃作戦エルビス作戦が発動される。

プラントへの攻撃の前にまずはザフトの宇宙要塞ボアズを早速投入された核ミサイルを装備したメビウス部隊の一斉攻撃で一瞬にして壊滅に追い込み、更に続けていよいよプラントへの直接核攻撃を開始する。
しかし核ミサイル群は三隻同盟に全て迎撃された上にザフトの最終兵器「ジェネシス」の第一射で主力艦隊の40%が一瞬にして消滅、更に第二射でプトレマイオス基地から発進した増援艦隊の約半数とプトレマイオス基地そのものを失うという壊滅的被害を負ってしまう。
直後に核攻撃部隊「ピースメーカー隊」と、実質的に地球軍の総旗艦だったドミニオン及び同じく事実上の総司令官ムルタ・アズラエルも三隻同盟を前に敗北、全滅した事でこの時点で地球軍(宇宙部隊)は事実上の壊滅を迎えた

それでも残存戦力がジェネシスを破壊すべく戦闘を続行するが、地球軍どころか地球そのものをも滅ぼそうとするまでに暴走し始めていたプラント議長にしてザフトの総司令官に当たるパトリック・ザラが側近に射殺され、ザフト最後の要塞ヤキン・ドゥーエは自爆、ジェネシスも三隻同盟の奮闘で崩壊、更にザフト穏健派によるクーデターが成功した事でプラント臨時評議会議長となったアイリーン・カナーバから戦闘停止が呼び掛けられる。
あと一歩まで追い詰めていたとはいえ、「司令官」も「主力の半分以上」も「切り札」も「宇宙に於ける本拠地」も失い、最早プラントを攻撃する体力など残っていない地球連合と、
同じく「司令官が死亡」し、「要塞2つが失われ本国が丸裸」、「圧倒的な数的不利を覆し得る切り札ももう無い」上に「地上部隊が全滅するのも時間の問題」なプラント、
双方共に一撃必殺も一発逆転も戦闘続行さえも不可能かつ不毛なほどに激しく消耗した事で戦闘は停止、地球連合とプラントは停戦協議に入り翌年には正式に停戦条約が結ばれ大戦は終結した。

元々が種族間対立による戦争なので終戦を迎えてもなおプラントやコーディネイターに対する反感が完全に消える事は無かったが流石に厭戦気分が広まり、ブルーコスモス盟主アズラエルの戦死により地球軍内に蔓延していた影響力もいくらか減退して行く。


SEED DESTINY

大西洋連邦大統領はコープランドに交代し、ブルーコスモス盟主もブルーコスモスの支持母体にして世界各国の経済の黒幕「ロゴス」の幹部ロード・ジブリールが新たに就任した事で再び勢力を盛り返す。
あくまでコーディネイターを殲滅する事に拘るジブリールは、コーディネイターが地球そのものを滅ぼしかねない未曾有のテロ事件「ブレイク・ザ・ワールド」を引き起こした事を利用し地球各地の反コーディネイター感情を一気に再燃させ二度目のコーディネイター絶滅戦争を起こさせる。
コープランドとしてはまたしても戦争などしたくはなかったのだが結局ジブリールに押し負け、テロ犯は全員死亡とのプラントの発表を一度は連合も認めたのを反故にして「テロ犯の引き渡し」「賠償金」「武装解除」「議会解散」などを要求、
話し合いにも応じず「地球を壊滅させかねない被害を齎したテロ犯を匿い続けるプラントは地球連合にとっての脅威と見做せる」という難癖そのものとしか言いようがない理由で宣戦布告、二度目の大戦第2次連合・プラント大戦が勃発する。
しかし1次大戦を経ての厭戦気分の広がりやブレイク・ザ・ワールドが齎した凄まじい被害の復興に力を大きく割かれていたりユーラシア連邦が大西洋連邦の乱暴振りに痺れを切らし独立に向けて動き始めたりで、この時代の地球連合軍は1次大戦の時ほど「コーディネイターを倒せ!」で纏まってもいなければ、連合参加国が全力を出し切れている訳でもない
コープランド自身、ジブリールに頭が上がらない立場なので本当はそんな場合ではないがロゴスに表立って逆らう事もできないので嫌々開戦に動いたという感が非常に強かった。

ブレイク・ザ・ワールドの被害を受けて大西洋連邦は「軍事だけでなく、被害復興や支援を効率よく行うためでもある」同盟、「世界安全保障条約」への参加を地球各国に呼び掛ける(・・・・・)が、これが以前の「ワン・アース」アピールと同様の一緒にコーディネイターを絶滅させようキャンペーンの参加要求にして、「地球連合に加われ」という恫喝なのは明白だった。
大西洋連邦に擦り寄って勝ち馬に乗りたいセイラン家の影響が強まったオーブを含む地球国家の多くが同盟に参加し地球連合は実質的に地球の大半を勢力圏に収めるが、
一方でユーラシア連邦西部では地球連合からの独立運動が加速し始め、それを武力で無理矢理抑え込む為に力を割かれるなど、地球連合にとっての第2次大戦は反コーディネイター戦争の続きであるのと同時に地球連合の内乱二正面戦争の様相を呈して行く。

結局のところ、ジブリールの政治手腕に対してプラント新議長ギルバート・デュランダルのそれが大きく上回っていた事もあってロゴスが地球各地で再燃させたコーディネイターへの反感はあっと言う間に縮小、逆に乱暴な手にばかり出ていたために大西洋連邦への反感が強まっていた事もあってユーラシア東部はあちこちでザフトに無血開城したりザフトと協力して地球軍を駆逐したりと、ロゴスの目論見からは大きく外れる結果となった。
それまでロゴスの手先となって動いていたコープランドも大西洋連邦の実情はお構いなしに無茶ばかり言うジブリールを次第に疎むようになり軍の派遣要求を断るなど、ロゴスとジブリールの傀儡だったはずの大西洋連邦もその手から離れ始める。
やがて業を煮やしたジブリールは「ナチュラルの同胞を裏切った報い」としてザフトを受け入れたユーラシアの都市に巨大MSデストロイを放ち壊滅させるという暴挙に出る。
デストロイはフリーダムとインパルスがベルリンにて撃墜、デュランダルも「地球連合の裏には戦争を煽る『ロゴス』なる組織があり、真の敵たるロゴスこそを滅ぼす」と世界に向けて宣言する。
これが決め手となり地球連合も「あくまでデュランダルの言う事をまやかしと見做す勢力」と「デュランダルの宣言に呼応した反ロゴス派」に事実上分裂、反ロゴス派は地球軍から離反しロゴス幹部が立て籠もる地球軍地上総本部「ヘブンズベース」攻撃作戦に義勇軍として参加した。
世界各地の市民の反ロゴス感情も一気に爆発し各地で蜂起、更にヘブンズベースを陥落させた事でジブリールを除いたロゴス幹部メンバーの大半を逮捕もしくは死亡に追い込み組織としてのロゴスはここで事実上潰える。

オーブを経て月面ダイダロス基地に逃げ込んだジブリールは最終兵器「レクイエム」でプラント首都アプリリウスへの直接攻撃で一発逆転を図る。
だが第一射はジュール隊らの妨害によりアプリリウスを撃ち損じ、第二射はミネルバに阻止され発射自体を失敗、同時にまたしても脱出しようとしていたジブリールは今度こそ討たれ、ロゴスは完全に壊滅した。

その後、デスティニープランの発表を受けて月面アルザッヘル基地に上がったコープランド(既に反ロゴス派になっている)はプラントへの会談を申し込みつつ基地に所属する艦隊を動かすが、最早コープランドなどに興味は無いデュランダルは軍を動かした事を口実に接収したレクイエムでアルザッヘル基地を地球軍艦隊とコープランド諸共消滅させる
コープランドは死亡し宇宙の地球軍艦隊も壊滅状態に追い込まれるが、デスティニープランに反対しプラントと戦争状態になった(もしくは同盟によって地球連合から戦争を引き継いだ?)オーブ艦隊に生き残りが合流、レクイエムとメサイアの撃破を目標に戦闘を継続する。
戦場に到着したメサイアの二度に渡るネオジェネシス照射でレクイエムを生き延びた僅かな地球軍艦隊も多くが沈められるが、最終的にオーブ艦隊がメサイアとレクイエムを陥落させた事で戦闘が停止。
切り札どころか宇宙に置いてある戦力のほぼ全てを喪失し好戦派であるロゴスも壊滅した地球軍と、
2枚あった切り札が2枚とも無くなった上に同じく戦争を主導していたデュランダル議長も死亡、この上に未だ余力を残すオーブとまで全面戦争する理由も無いプラント
またしても双方ともにこれ以上の戦争状態の継続が無意味という状況になった事で二度目の大戦も集結した。

なお開戦は地球連合によるプラントへの宣戦布告だったが、終戦協議はオーブとプラント間で行われている。


SEED FREEDOM

本作はオーブとプラントとユーラシア連邦、そこから独立したファウンデーション王国がメインなので「地球連合」としての出番は少なく語るべき内容はほぼ無い。
後半で地球連合軍宇宙部隊が数分登場した程度の扱いとなっている。
組織としては存続しているが、さしもの地球連合も二度に渡る戦争で二度も宇宙部隊が壊滅したとあっては流石に疲弊しており、HJのインタビューで福田監督が語ったところによると『SEED FREEDOM』時代の連合はボロボロとのこと。

大西洋連邦大統領にはフォスターが就任、ブルーコスモス・ロゴス共に地球連合への影響力が急速に失われた事もあって幾分協調路線になっており、オーブのコンパス設立の呼びかけに応じ参加国の一つとなっている。
一方でユーラシア連邦は未だに大西洋連邦とプラントの双方に対する疑念が未だ晴れないのかコンパスには不参加。
中盤にコンパス・ファウンデーション王国と共同で行われたミケール大佐逮捕作戦でも、あくまでユーラシア連邦領内への立ち入りを一切禁止としていた。

地球連合軍内から駆逐されたブルーコスモス派も一部が脱走、残党化し元大西洋連邦軍ミケール大佐の指導の下で各地でテロを起こしている。
残党とはいえ元が巨大な思想にして地球軍中枢にまで食い込んでいる組織なのもあり、多数のMSや稼働状態に差はあれデストロイまで持っているというテロ組織としては破格の規模を有する。
少なくとも『SEED FREEDOM』開始までに「ミケールの名前をチラつかせつつコーディネイターが住む都市に特攻同然のテロ攻撃→反撃させ逆にプラントに領土を侵犯させる」というテロ行為を最低3回は実施、冒頭のオルドリン市での戦いで発生した428名をもってその犠牲者は5000人に達するなどその悪質さは厄介どころの話ではない*1



【参加国】

先述の通り、地球連合の参加国は地球国家の三分の二、総人口は75億人。
西暦末期に発生した「再構築戦争」により、その国名と国土は大きく様変わりしているが都市名までは変わっておらずかつてのものがそのまま使用されている。

  • 大西洋連邦
プラント理事国の主導的存在。つまり地球連合の主導的存在でもある。
首都はワシントン。大統領官邸としてホワイトハウスも現代からそのまま使われている。
北米大陸(アメリカ合衆国・カナダ・メキシコに中米諸国)にイギリス・アイルランド・グリーンランド・アイスランドを領土とする*2
地球連合軍の中核的な存在でもあり、その規模・発言力共に大きい。アークエンジェルやそのクルー達も大西洋連邦軍の所属。
オーブのモルゲンレーテ社と密かに結託し、GAT-Xシリーズなどの新兵器を密かに開発し、その後も後期GAT-Xシリーズにブーステッドマン部隊と、物量による力任せの攻撃のみならず新兵器の開発にも余念がない。
大戦終盤にはNジャマーキャンセラーのデータまで入手するなど、地球連合内での軍事的な優位性は常に維持している。

大統領制かつ共和制であり、地球連合に於ける大西洋連邦のポジションもあって大西洋連邦大統領はそのまま地球連合の代表に近い扱いとなる。
退かぬ、媚びぬ、顧みぬを地で行くジャイアニズム全開の強権的な国家であり、自身に反発する者に対して懐柔策など一切用いず逆らう奴は実力行使で黙らせるという方針はプラント理事国となってからは勿論なる前から一貫している。
それが出来る実力があるのが厄介で、『SEED DESTINY』の時代ではユーラシア連邦の影響力低下や東アジア共和国の一部の離反といった事態を招きながらなおザフトでも容易に倒せない大きな力を持っていた。
それでもブルーコスモスの力が低下しロゴスが壊滅した『SEED FREEDOM』の時代にまでなると流石に軟化、国力の低下もあってプラントやオーブとは強調路線になっている。

因みに、実はあのパトリック・ザラの出身国でもある。地球での人間の遺伝子操作が禁止された後に極秘で誕生したコーディネイターがパトリックだったという。

  • ユーラシア連邦
プラント理事国の一つ。
首都は当初はブリュッセル*3だったが後にモスクワに移動。
イギリス・アイルランド・北欧を除いたヨーロッパ諸国*4とロシア*5を領土とする。
MS開発では出遅れており(というか当初は興味自体無かった様子)、ストライクを接収しデータを盗用しようとするも失敗、それでもめげずに民間企業と共にMS開発を推進した。
結局ユーラシア独自MSは多くが試作止まりとなり地球軍はおろかユーラシア軍の主力にもならなかったがMSから巨大MAに転換したらしく『SEED DESTINY』の時代でようやく芽が出たとも言える。
また単位相光波防御帯「アルミューレ・リュミエール」と呼ばれる強力な防御兵装の独自技術を持っている。

1次大戦では大西洋連邦他と共にプラントと戦ったが、JOSH-Aではユーラシア連邦軍の多くが犠牲にされた事で地球連合内での発言力を大きく低下させられてしまう。
『SEED DESTINY』の時代ではそれら大西洋連邦の乱暴振りが遂に我慢ならなくなったのか、ザフトのメディア戦略成功と相俟って地球連合からの独立の機運が高まり始めるが、
大西洋連邦はそれをまたしても武力で抑え込もうとしたため各地で市民が弾圧されて反発は却って強まり、最後は巨大兵器デストロイで4つの都市を破壊された。
『SEED FREEDOM』の時代でもユーラシア連邦からの独立運動が活発化するなど国内に大きな火種を抱えており、大西洋連邦とプラントの両方への不信感からかコンパスにも参加していない。

プラント理事国の一つというだけあって大西洋連邦や東アジア共和国と並んで地球連合の中でも特に大きな発言力を持っている筈なのだがどういう訳か作中を通してババばかり引かされ続けており
大勢の兵士をサイクロプスの自爆に勝手に巻き込まれるわ、大西洋連邦に反発したら手酷い弾圧の末にデストロイで街を壊滅させられるわ、ユーラシア連邦自体もバラバラになりかけるわ、挙句の果てには全くの言いがかりで首都も壊滅させられると酷い目に遭い続けている。

  • 東アジア共和国
プラント理事国の一つ。
首都は台北。
日本・中国・台湾・朝鮮半島・モンゴルを領土とする*6
『SEED』『SEED DESTINY』通して本編では出番があまりなく詳細は不明。
『ASTRAY』では独自のMS「ライゴウガンダム」を開発している。

『SEED DESTINY』では北京や上海といった大都市にユニウスセブンの破片が直撃する大ダメージを負った様子がある。
それによってプラントへの反発が強まるかと思いきや、中盤ではロゴスへの反感が勝ったのか一部の戦力が義勇軍としてザフトに合流している。

  • 大洋州連合
非プラント理事国。
首都はウェリントン。
オーストラリアやニュージーランドをはじめとしたオセアニア諸国を領土とする。
地球の国家の中では特に親プラント路線であり、オーストラリア大陸北部にはザフト軍の地球最大拠点であるカーペンタリア基地が置かれている。

  • 南アメリカ合衆国
非プラント理事国。
首都はブエノスアイレス。
ブラジル他南米諸国を領土とする。
本編では直接の出番は無い。
設定によると、当初は1次大戦開戦直後のプラントの「積極的中立勧告」を受諾した事で中立化したものの、それとマスドライバー基地を保有する事を理由に地球連合に侵攻・制圧された事で以降地球連合に支配されてしまう。
理事国からの食料供給を断たれた際に食料輸入計画に賛同するなど、かねてからプラント寄りだったのかもしれない。

『ASTRAY』に登場するエドワード・ハレルソンの出身地であり、1次大戦最末期に地球連合からの独立戦争を仕掛けユニウス条約の国境線差し戻しで独立を回復。
しかし『SEED DESTINY』では世界安全保障条約締結の圧力に負けたのか再び地球連合勢力となっている。

  • 南アフリカ統一機構
非プラント理事国。
首都はナイロビ。
アフリカ大陸の南半分を領土とする。
ビクトリア湖を干拓して作られたマスドライバー基地を保有する事からプラントと奪い合いの対象にされており、開戦後2度に渡ってザフトの攻撃を受け2度目の攻撃で陥落、
その後大戦末期に再度奪い返し再び地球連合に戻るなど支配勢力が二転三転している。

  • オーブ連合首長国
中立国。
南太平洋ソロモン諸島に存在する国家で首都はオロファト。
元々は中立国だが、モルゲンレーテの技術力に目を付け一部勢力が地球軍と共に極秘裏に兵器開発を行っていた。
大戦終盤にはマスドライバー基地とモルゲンレーテを狙って軍事侵攻を仕掛け、結局両方とも自爆されてしまう。
その後降伏したオーブは大西洋連邦が暫定統治した。

『SEED DESTINY』では主権を取り戻すも、大西洋連邦寄りのセイラン家がオーブ宰相を務めていた事と世論に押し流される形で世界安全保障条約を結び実質的に地球連合に加わる。
2次大戦戦後は再び中立に戻っている。

  • 赤道連合
中立国。
インド・ベトナム・カンボジア・タイといった東南アジア諸国を領土とする。
インド洋が時々戦場になる程度で、物語には直接関わる機会は無かった。

原則として中立国だが、1次大戦終盤の「ワン・アースアピール」に2次大戦序盤の世界安全保障条約という圧力にはいずれも屈しており、大戦中は地球連合に加わっている。

  • スカンジナビア王国
中立国。
スカンジナビア三国(ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)を領土とする。
赤道連合と同じく直接的には物語に関わらず、二度の戦中の地球連合からの恫喝にはいずれも抵抗できず地球連合傘下への加入を余儀なくされている。
一方で、アークエンジェルを秘密裏に匿ったりデスティニープランに明確に反対したりコンパスのオブザーバーとなったり、内面はしたたか。

こちらはシーゲル・クラインの出身国。

  • 汎ムスリム会議
元親プラント国家。
アラビア半島他イスラム諸国を領土とする。
元々は大西洋連邦に反発する国家だった事から結果として相対的親プラント国家のような立ち位置だったが、『SEED DESTINY』では何があったのか地球連合に加わっている。


関連組織

元々は環境保護を訴える市民団体だったがこの時代では「青き清浄なる世界のために」のお題目の下で反コーディネイターテロを何度も起こす過激派勢力と化している。
本来は「地球連合内にブルーコスモスを抱えている」状態だったはずが、反コーディネイター思想が蔓延し過ぎていつの間にかブルーコスモスが地球連合を抱えているも同然の状態となってしまった。プラントはザフトを持っているが、ブルーコスモスは地球連合を持っている

詳細は個別項目を参照。

  • ロゴス
大規模産業の代表者で構成されている秘密結社。一般にはその存在は知られていない。
ブルーコスモスの支持母体にして、大西洋連邦の黒幕的な存在。つまりは同時に地球連合(軍)の黒幕。
「世界or○○国はほんの一握りの権力者によって都合の良いように操られている」という陰謀論で語られる存在そのものであり、少なくとも大西洋連邦は彼らの意のままに動く存在となっている。
デュランダルは「世界の戦争を全てコントロールし戦争によって利益を得ようとする武器商人の集まりであり、あらゆる平和を願う者の敵」の様に語ったが実態はもう少し複雑で、
カガリ曰く「ロゴスに何の関わりも無い国など無い」という程に地球のありとあらゆる産業や国家の中枢に深く関わっている。
そのためデュランダルがロゴスを公表し市民の反感を煽り、短期間で一気に壊滅に追いやられた事で世界中の政治と経済に大混乱が生じたが、デュランダルはその「世界的な政治経済の混乱」こそがロゴス撲滅の真の目的であり、自身の計画の最後のピースだった。

詳細はブルーコスモスの項目を参照。

  • アクタイオン・インダストリー
ユーラシア連邦の民間企業で、地球連合とザフトの両方と取引している。
ハイペリオンゲルフィニートといったMSを開発し、結局どちらも不採用となったがハイペリオンの方はアクタイオンの勢いに根負けする形で陸戦用として量産化に漕ぎ着けている。
またGAT-XシリーズをOEM生産し、更にその強化改修を目的とした「アクタイオンプロジェクト」を実施、誕生したMSはファントムペインが高い戦果を挙げている。
他にはサーペントテールのロレッタ等が使用しているパワードスーツ「グティ」の開発元でもある。

「アクタイオン」とはギリシャ神話に登場する、水浴び中の女神アルテミスをラッキースケベしてしまい殺されるというギリシャ神話にありがちな神のお陰で散々な目に遭わされた狩人の名前。

  • アドゥカーフ・メカノインダストリー
ユーラシア連邦の軍事企業。
アドゥカーフ製の兵器の多くはロシア系人名に由来している辺りロシア系企業か?
MSではなく巨大MAを主力製品としており、ザムザザーを始めとした『SEED DESTINY』に登場した巨大MA群は彼らが開発した。
それらが尽く陽電子リフレクターを装備している辺り、やはりユーラシア連邦はバリアの技術には秀でていたのかもしれない。
デストロイも彼らの開発だが、するとユーラシア連邦は自分が作った兵器で自分の領土を荒らされたことに……

「アドゥカーフ」の由来は「福田(FUKUDA)」のアナグラム(FUKUDA→ADUKFU)。

  • ザスタバ、ロムテクニカ
実在する東欧の軍事企業
ハイペリオンのビームサブマシンガンとビームナイフを製造している設定。

  • フジヤマ社
東アジア共和国の企業。
コスモグラスパーの開発に関わっている複数の企業の一つ。
またストライクEのデータを元にオリジナルMS「ライゴウガンダム」を開発している。

正式名称は「富士山」でも「藤山」でもなく「Future Japan Industrial Yield And Manufacturing」。

  • IDEX社
ライトニングストライカーを開発していた企業。
結局要求性能に満たなかったため開発は中止、モルゲンレーテに引き継がれた。

  • P・M・P社(P.M.P.社)
大西洋連邦の軍事企業。正式名称は「Propulsion Machinery Progress」。
スピアヘッドや、それを元にしたスカイグラスパーを開発している。
また完成こそさせられなかったものの、てんこ盛りストライカーことIWSPの設計も行っている。

  • マーズコロニー群
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY』より登場した火星の開発と火星圏のレアメタル採掘を行っているコロニー群。
居住者達は「マーシャン」と呼ばれ、マーシャンは地球居住者のことを「テラナー」と呼称し、年に一度運行される定期宇宙便で地球を行き来しており、マーシャンたちは火星では作れない珍しい食材を求めて希少金属を運んで来る。

C.E.70年代初期に築かれた人類の大規模コミュニティーのうちのひとつであり、その開発事業者はナチュラルたちであるが、過酷な環境ゆえに開発事業は困難を極めていた。
そこで火星コロニーの1基「オーストレールコロニー」においては、火星開発用コーディネイター「マーシャン」を作り出して事業や入植を進めていた。
年一度オーストレルコロニー使節団を載せた定期便が地球を訪れるが、彼らが事実上交流するのは同じコーディネイターとして友好関係にあるプラント、中立機関DSSDのみである。

「オーストレールコロニー」は少ない人員と苛酷な環境に対応するため、必要とされる職種に合わせて遺伝子調整されたメンバーによって構成されており、ギルバート・デュランダルは高い興味を示していた。


【関連人物】

地球連合サイド

  • アーヴィング
大西洋連邦大統領。設定上のみの存在。
プラント臨時評議会議長アイリーン・カナーバとユニウス条約を調印した。
『SEED DESTINY』開始前に任期切れで後述のコープランドに交代している。

  • ジョージ・アルスター
大西洋連邦事務次官。
フレイ・アルスターの父。
メビウス部隊がジンに全く手も足も出ない様に絶望したりアークエンジェルに応援に来てもらうどころか戦闘に巻き込まないよう逃がすというコープマンの判断に弱弱しく反論したりと、軍人ではないので仕方ないが肝が据わっているとは到底言い難い。
母を幼くして亡くしたフレイの事はその分彼が甘やかしており、また彼自身はブルーコスモスに近い思想を持っていた。
つまりフレイの現在のワガママで世間知らず気味なお嬢様にして大のコーディネイター嫌いという人格を形作った人物。
コープマンと共にモントゴメリでアークエンジェルと合流を目指すが、コープマンに促され一足先に脱出艇に乗り込もうとするも間に合わず死亡。

因みに担当声優はクルーゼと同じ関俊彦だが、単なる声優の兼ね役ではなく本当に声が似ているという設定。
これの影響でフレイが基地で遭遇したクルーゼを父と認識したせいで拉致られてこき使われる羽目になった。

ブルーコスモスの主要なスポンサーであるアズラエル財団の出身であり、ブルーコスモス盟主にして大西洋連邦国防産業理事。早い話が地球連合最高幹部の一人(「地球連合最高幹部」ではない)。
あくまで「地球連合」の首脳陣の一人であり民間人という立場だが、ブーステッドマン部隊のオブザーバーとして戦場に後方で参加、作戦にも口出しし始める。
1次大戦終盤には地球軍自体がブルーコスモスの傀儡に近い有様になった事で、その首領である彼は事実上の地球連合軍総司令官のような立場を取るようになる。

詳細は個別項目を参照。

アズラエル亡き後のブルーコスモスの新盟主にしてロゴス幹部の一人。
「プラン」なるものに従い今度こそコーディネイターを世界から抹殺しようと陰で様々に策を弄している。
大西洋連邦の黒幕的な存在であり、コープランドやファントムペインを介して地球連合や軍を裏から操……るには人心掌握と状況把握の能力に欠けていた感がある。
実の所は世情の変化等もあってアズラエル程に地球連合内で好き放題はできておらず、終始一人で空回っていた感が否めない。

詳細は個別項目を参照。

  • ジョゼフ・コープランド
『SEED DESTINY』の時点での大西洋連邦大統領。
大西洋連邦の中でも穏健派だが、大統領選挙での当選はロゴスの支援を受けたものであり、ロゴスによって擁立された実質ロゴスの表向きの顔役という立場であるため、ロゴスの老人共には大西洋連邦の小僧呼ばわりされている。
打倒コーディネイターに燃えるジブリール程好戦的ではない故に彼からは「臆病者」と軽んじられており、実際あまりに無理な事をし続けたりオーブを敵に回すのは避けたいと思っている一方でジブリールには表立って逆らえずにいる。
しかし初撃を空振り各地で敗戦と無理な併合の反動で各地で反乱頻発、そもそもユニウスセブン落下の被害の復興で手一杯という散々な状況に陥っても未だに強硬姿勢を取り続けるジブリールに呆れ返る(スペエディでは強い言葉で抗議し返す)など、
彼自身は対コーディネイターヘイトの煽動と戦争を続ける事にうんざりしており、大西洋連邦軍の黒海派遣も断るなど非協力的な態度を取り始める。
世論がアンチ・ロゴスで結束しつつある中で彼もジブリールとは距離を置くようになったのか、それまでは連絡を取り合っていたのがこの時期にはほとんどお互いに関わらなくなっていた。

最終的にいつの間にかアルザッヘル基地に移動しデュランダルにも会談を申し込んでいたが、オーブのデスティニープラン拒否の表明に呼応し「動きを見せた」地球軍艦隊殲滅の為にデュランダルが発射したレクイエムに巻き込まれて死亡した。
一応は話し合いの姿勢を示していたにもかかわらずデュランダルからは「どうすれば良いか指示してくれるロゴスも居ない、カガリ程頑張れもしないのに大変だなぁ(要約)」などとあからさまに小物として軽んじられるなど、作中のキャラからは終始雑な扱いであった。

  • フォスター
『SEED FREEDOM』の時代の大西洋連邦大統領。女性。
時流の変化に伴い、プラントやオーブとは協調路線を進めていたが……。


地球連合軍サイド

当時の地球連合の最新鋭艦とその運用メンバー達+母艦を失い身を寄せたムウ+機密保持の為に巻き込まれたヘリオポリスの学生数名で構成される。
当初大西洋連邦軍の兵士として戦っていたが、JOSH-A防衛戦の真実を知った事で離反・脱走した。
詳細は個別項目を参照。

  • ジェラード・ガルシア
ユーラシア連邦所属宇宙要塞アルテミス司令官。階級は少将。
グリマルディ戦線ではムウと同じビラード准将なる者の指揮下で戦った事があるらしい。
アークエンジェルが大西洋連邦軍の重要機密故に正式な軍内の識別コードが無いのを良い事に、補給をお願いして来たアークエンジェルを無下にしたばかりかストライクを奪いユーラシア連邦のものにしようとする。
「こんな少女がパイロットの訳はないだろうが」などと言いつつミリアリアを乱暴に取り調べようとしたり、その直後に名乗り出たキラを「こんな少年がストライクのパイロットの筈がない」と10秒で真逆の事を言い出して殴り掛かったり、キラをユーラシア連邦に勧誘しようとして無神経な事を言い放って後々まで尾を引くトラウマを植え付けたりと、横柄で乱暴な人物。
また「アルテミスの傘」の鉄壁の防御力を過信してアルテミスが絶対に安全と思い込むなど人間としては勿論軍人としても無能と言わざるを得ない。

結局ドック内まで侵入されたクルーゼ隊の迎撃を慌てて部下に命じていた所に、撃破され墜落して行ったメビウスが司令部に突っ込んでいったのに巻き込まれ戦死。




……したかと思われていたがなんと絆創膏で済む程度の怪我で生存して『ASTRAY』で元気に活躍する
今度はロウのレッドフレームを手に入れるべく基地の防衛に雇っていた傭兵部隊サーペントテールを使ってロウを捕まえようとするが欲を出して契約違反を働いたのが運の尽き、結局レッドフレームを取り逃がしたばかりかサーペントテールにも離反されてしまうのだった。




……がまだ出番は終わらず、防衛に雇っていたサーペントテールに離反されてしまったためにアルテミスが宇宙海賊によって再び陥落してしまったので、地球連合から再契約を受けたサーペントテールに救出される事に
ちなみにクルクルシュピンはこの時の出来事




……これでもまだ出番が終わらず、今度はユーラシア連邦のMS独自開発の為の特殊部隊「特務部隊X」の指揮官として再々登場しカナード・パルスの「飼い主」として相変わらず横柄に振舞う。
結局特務部隊Xの活動も実らなかった上に、クルーゼによるニュートロンジャマーキャンセラー流出という特大ブレイクスルーが追い打ちとなって軍内での立場がいよいよ危うくなって失脚の危機に瀕した所でカナードらに全ての責任を押し付けようとするが彼らにも離反されてしまった。
更に虎の子であっただろうハイペリオン2号機を刺客として差し向けるも、ほぼ大破状態で動けるだけ御の字という状態のハイペリオン1号機に瞬殺された上、コックピットを潰され損傷を最小限に抑えられた当該機は残骸も持ち逃げされ1号機の応急修理用パーツ取りの素体にされた。




……やっぱりまだ出番が終わらず、次は特務部隊X離反の責任を劾に押し付けるべく、ハイペリオン3号機を差し向けるが既にハイペリオン対策を用意していた劾に撃破されてしまい、
劾が制裁に向かったところで今度こそ出番終了
この後どうなったかは不明だが、『SEED DESTINY』以降の時系列で一切登場しないので、まぁ多分そういう事なんだろう。

「コロニーを出発した主人公たちが最初に立ち寄った味方基地の非協力的な司令官」なことから「SEED版ワッケイン」ということになるが、
頑固ではあるものの悪人ではなく後に善玉として再登場したワッケインとは異なりガルシアは無能な上に小物とポジションは同じでも人物は真逆。
なお、『ASTRAY』シリーズに出続けた結果、地味にキラの出生の秘密を知っている。こいつがキラの素性を世間に広めたりしたら厄介な事になっていた事だろう。サンキュー劾

  • ビダルフ
アルテミス所属。階級は少佐。
アークエンジェルに押し入った軍人達の一人。

  • 副官
ガルシアの副官。本名不明。
ガルシアの腰巾着。以上
あと髪型が特徴的

  • コープマン
地球連合軍第8艦隊所属、ネルソン級戦艦モントゴメリ艦長。階級は大佐*7。浅黒い肌と鉤鼻が特徴的。
アークエンジェルと合流しようとする第8艦隊先遣隊旗艦としてドレイク級2隻を率いて移動中にクルーゼ隊に捕捉され、合流まであと一歩という所でヴェサリウスの砲撃を船体に受け戦死。
アークエンジェルとの通信が可能になった際は孤軍奮闘して来たマリューらを激励する、クルーゼ隊に襲撃されても自分達の命よりも軍にとって最も重要であるアークエンジェルをあくまで逃がそうとするなど、軍人として非情だが合理的な判断の出来る気骨ある人物。
通信映像越しに「フレイの顔を見せてくれ」と焦るジョージを「すぐに直接見れますから」と宥めるなど落ち着きもある。
後から見れば彼もまた数少ない「まともな地球軍高官」の一人と言える。

  • ハルバートン
地球連合軍第8艦隊司令官。階級は准将。作中では専ら「ハルバートン提督」と呼ばれている。
何故か名前の表記ゆれが激しく、EDクレジットでは「デュエイン・ハルバートン」だったり、その一方で資料集や2024年の人気投票では「ドゥエイン・ハルバートン」「ドュエイン・ハルバートン」だったりする*8
「智将」の異名を持ち、MSの有用性を地球軍として一早く見抜き地球軍に於けるMS開発計画「G兵器開発計画」を立案し突っぱねられた後も水面下で続行する先見性の持ち主。
マリューの直属の上司に当たる人物であり、彼女からは深く慕われていたらしく再会した際は相当嬉しそうにしていた。
彼もまたマリューの事は可愛がっていたようで、しばらく連絡が取れないでいたマリューらの安否は深く気にかけ、アークエンジェルが激戦を潜り抜け第8艦隊と合流した際には彼らの労をねぎらっていた。
他にも、
  • 家族の安否が確認された事を自ら学生組に伝えて励ます
  • 実機をザフトに強奪された現状「G兵器の機密保持」を理由にキラを軍に拘束する理由は無いと除隊を認める
  • キラのパイロットとしての能力を惜しみ軍に引き留めるべく彼の家族を人質に取ろうとしたナタルを「ふざけたことを言うな! そんな兵が何の役に立つ!」と一喝する
  • キラと一対一で語らい、今までの戦いの礼をしつつ本当にこのまま軍を抜けて良いものかと悩んでいるのを察し「確かにキラの力は欲しいがキラ一人で戦争に勝てる訳じゃない。一番欲しいのは力以前に戦う意思がある者だ(要約)」とそれとなく除隊を勧める
  • これまでの苦労とこれからの困難への配慮から、アークエンジェルクルー達の階級を一つずつ上げてやる
といった具合に、部下をよく気にかけ卑劣には手を貸さずコーディネイターにも偏見が無いという、差別思想と過激派思想と覇権主義に凝り固まった奴らばかりの地球連合上層部としてはほぼ唯一と言っていい善良かつ誠実な軍人。
実際彼も地球連合上層部やアラスカ本部の人間を「ふん! 奴等に宇宙での戦いの何が分かる!」「利権絡みで役にも立たんことばかりに予算を注ぎ込むバカな連中は! 戦場でどれほどの兵が死んでいるかを数字でしか知らん!」と酷評している。
一方でアラスカ本部首脳陣もまたハルバートンのことを嫌っていたようでもあり、そういった意味では地球軍内では浮いた存在だったのかもしれない。

アークエンジェルをアラスカに送り届けるべく降下地点まで護衛するが途中でクルーゼ隊の襲撃を受け艦隊は全滅、自らもアークエンジェルと差し違えるつもりで突撃して来たガモフを高度限界を超えて迎撃に努めた事で座乗艦であるメネラオス共々軌道上で散った。
生きていれば複数の意味で孤立しがちなアークエンジェルの後ろ盾となってくれた筈の人物であり、また悩めるキラにとって数少ない頼れる大人でもあったハルバートンの早過ぎる退場は、「もう少し生きていれば」と惜しまれる事も少なくない。
なおこの時結果的にヘリオポリスの避難民を乗せた脱出艇を危険な状況で放出してしまいデュエルに撃ち落とされる事態を招いたと指摘される事も多いが、実際にはこのタイミングより前にも後にも脱出艇を出せるタイミングは無く*9、一概に間違った判断とは言えない。

「MS開発計画を推進し、孤立している主人公チームを気遣い補給を送ってくれる軍上層部の人間」という点はレビル将軍が近いが、あちらと比べて非常に出番が少ない上に早々に退場している。
または最初から善人として登場している点を除いてこちらこそがワッケイン枠だったのかもしれない。

  • ホフマン
ハルバートンの副官。階級は大佐。
アークエンジェルがヘリオポリスとアルテミスを壊滅させて来た事や肝煎りのG兵器が敵に回った事でハルバートンを皮肉る、キラをこのまま手放すのは惜しいと感じてどうにか留まらせられないかと策を弄するなど、善良なハルバートンとは真逆の典型的な嫌な軍人キャラだが学生組を平穏に社会に帰すべく本人も知らない間にいつのまにか軍人になっていた理由を丁寧に説明し*10、無くすなと念押しして除隊許可書を手渡すなどすべき仕事はしており無能ということはない。

G兵器を何としても墜とせと部下に命じるが、最後は沈んでいくメネラオスと共に戦死。

  • ウィリアム・サザーランド
地球連合軍アラスカ本部統合作戦室所属。階級は大佐。
ブルーコスモス思想に染まり切った過激派筆頭であり、(軍人でもない)アズラエルの副官的な、そして創作に出て来る「悪い軍の偉い人」のお手本的存在。
ハルバートンとコーディネイターの事は毛嫌いしており、それ故にコーディネイターの少年であるキラに守られたアークエンジェルもハルバートンがそうであれと願った「逆転の切り札」ではなく「コーディネイターに穢された艦」と見て冷遇した。
やっとの思いでアラスカに到着したアークエンジェルクルーらも査問会にかけてマリューらを「そうと知りながらコーディネイターに守られて何おめおめ生き延びて来たの?(要約)」と激しく糾弾、
長旅で疲れ切ったアークエンジェルを労うどころかコーディネイターなんぞに守られつつヘリオポリスにアルテミスに第8艦隊まで壊滅させるくらいならマリュー達は最初から死んでおくべきだったとでも言いたげな態度を取った。

詳細はブルーコスモスの項目を参照。

投薬、外科的措置、洗脳、幼少期からの訓練などで戦闘能力を強化された兵士。
名前以外の個人データは全て抹消されており、「生体CPU」と呼ばれるようにパイロットではなくナマモノのMS部品という扱い。
『SEED』では「ブーステッドマン」、『SEED DESTINY』では「エクステンデッド」と呼ばれるものが登場した。

詳細は個別項目を参照。

  • ダーレス
「オーブ解放作戦」に参加した地球連合軍第4艦隊司令官にして旗艦パウエル艦長。階級は少将。名前は小説版で判明。
小説版によると「全面的にその意に沿え」という軍令部からの指示でアズラエルには表面上素直に従っているが、軍人でもないのに我が物顔で旗艦艦橋でふんぞり返り作戦に口出しして来る彼の事は良く思っていない事から数少ないブルーコスモス派ではない上層部の可能性がある。
本編でもブーステッドマン3人組がフリーダムに苦戦している様子を見て嫌味まで口に出している。

小説版ではより明確に嫌悪感を示しており、侵攻作戦にかこつけて後期GAT-Xシリーズの実戦テストができるとウキウキするアズラエルに対して彼はオーブの軍事力を決して侮っておらず*11
「部下が死なずに済む分、降伏してくれた方が良いに決まってるのに軍事侵攻を物見遊山気分で見物とかふざけてんのか(要約)」と内心相当イラついていた。
その後「時間切れ」で3機が帰投して来た上に呑気な態度で「一時中止、全軍撤退」と命じたアズラエルにも憤りをぶつけるなど、終始彼に不満気だった。


  • 地球連合軍第81独立機動群「ファントムペイン」
ロゴス直属の非正規特殊部隊。
表沙汰にできない所謂「汚れ仕事」を担当するチームであり、書類上は地球連合軍ではなく「地球連合軍と関わりの深い外部組織の私兵」とする事でユニウス条約を無視した装備を保有している。
ロゴスが後ろ盾についているので彼らの潤沢な資金を生かして一般の連合軍部隊よりも先進的な装備を揃えている他、他部隊から資材や人員を自由に引き抜くことができるレベルの優先指揮権も有しているなど、その権限は非常に大きい。
構成員も強化人間や洗脳教育を施した孤児など表沙汰にできないメンバーで構成されているなど存在する事自体が危ういので一般兵レベルには知られていない。
本編に登場したネオが率いる部隊と、『C.E.73 STARGAZER』に登場したホアキン隊が存在する。

構成員の詳細はブルーコスモス、生体CPU、『C.E.73 STARGAZER』の項目を参照。

  • ルーカ
小説版オリジナルキャラ。
対カーペンタリア前線基地兵士。階級は曹長。
上からの命令で仕方なく現地民を徴用しており、兵士として命令には従いつつもその事に後ろめたさを感じており、混乱に乗じて脱走しようとした現地民を銃撃した兵士を止めるなど比較的良識派。妻子持ちでもある。
しかし殺された現地住民の姿を前に怒りを爆発させたシンが基地を殲滅に掛かった事で、現地民の虐殺には加担していないどころか止めようとした身である彼も戦死。
アニメでは描写不足の感があった「卑劣な行いをした敵基地と敵兵士を自己判断で根絶やしにしたシンの何が問題なのか、2回も殴られる程悪い事だったのか」を補強する存在。

  • 若い中尉
本名不明。対カーペンタリア前線基地に配備されているウィンダムのパイロット。
インパルスとの空戦中にビームライフルで機体を撃ち抜かれ「エリザベ――」と叫び戦死した。

小説版では、上記のルーカ曹長と同じく前線基地に所属しており、同郷であるという設定が追加されている。
基地司令の短期さを揶揄うジョークや「お化け(ファントムペイン)と女神(ミネルバ)の顔を拝んでくる」と言って出撃するなど気さくでおどけた性格だが、エリザベスという婚約者が写っている写真をルーカに照れながら見せる初々しい一面も。
出撃後は語られていないが、死亡フラグの建てすぎで本編同様に戦死したものと思われる。

  • ダイダロス基地司令
本名不明。階級は少将。
地球連合軍ダイダロス月面基地……つまりはレクイエムの基地司令であり、明言は無いが言動からして間違いなくブルーコスモス派。
オーブから一人で逃げて来たジブリールを迎え入れ、本気でレクイエムを撃つつもりがあるというジブリールを「それは頼もしいお言葉だ。嬉しく思いますよ」「最近は必要だと巨費を投じて作っておきながら肝心な時に撃てないという優しい政治家が多いものでね。それでは我々軍人は一体何なのかと、つい思ってしまうのですよ」と、
今から大量破壊兵器で民間人の大量殺戮をしようとしているというのに何の良心の呵責も無いどころかウキウキしてさえいるという最低な軍人。

レクイエム第一射でアプリリウスを撃ち損ない、第二射で今度こそ首都直接攻撃に向けて準備を進めるもミネルバ隊の奮闘によりそれもできなくなった後はジブリールはレクイエム放棄を決断、
「レクイエムを発射したドサクサで一緒にアルザッヘル基地にでも逃げよう」などと持ち掛けられるが結局一人で逃げたジブリールに捨てられる形でレクイエム第二射直前に基地に攻め入って来たデスティニーに司令部が破壊され戦死。
直後にジブリールも待ち伏せしていたレジェンドに始末されているのでどの道彼が生き延びる術は無かった。


外伝登場キャラ

元地球軍の戦闘用コーディネイター。
洗脳が不完全だったため脱走、以降は傭兵として戦っている。
アークエンジェルクルーのチャンドラと似ているが全くの無関係

詳細は個別項目を参照。

  • ソキウス
生体CPU実用化前に作られていた戦闘用コーディネイター。
全員外見はほぼ同じで、洗脳と薬剤による自我の破壊でナチュラルに服従するように刷り込まれている。
何れも名前は一部の例外を除き番号で管理され、「○○・ソキウス」と呼ばれる。
「コーディネイター兵士にナチュラルではほぼ歯が立たない」という問題への解決方法として作られたものなので、生体CPUやナチュラル用MS制御OS等の実用化によって不要となり、
ほとんどの個体が薬物の過剰投与のほか、新兵器の標的や生体CPUの実弾射撃演習の的(しかも乗せられていたMSは非武装であり、推進剤も最低限の回避行動が出来れば御の字というギリギリの量しか搭載されていなかったとされている)になるなどの形で処分されたが、一部の個体は脱走したり理解ある上官に逃がされるなどして生き残っている。
「まだナチュラルの役に立てていない」として処分前に脱走しロングダガーで一度は叢雲劾を破ったイレブン、セブンの二人組や、サハク姉弟が引き連れるフォー、シックス、サーティーン*12、当時の上官の計らいで東アジア勤務になったスリー・ソキウス等が代表的。
なお、サハク家に譲渡された3人のソキウスは弟のギナからは「人形」呼ばわりされるなど道具扱いされていたが、姉であるミナはダンスパートナーとして社交ダンスを教え、側近として重用するな「人間」として扱っている。

……ここまで読んで「これがコーディネイターを不自然な存在と忌み嫌い『青き清浄なる世界』を作ろうとする者のやる事か?」と思うだろうが実際作中でもそういう扱いである
そして連合製コーディネイターの脱走やソキウスの廃棄処分は、後に後述のデストロイのパイロット適正者の枯渇という形で支障を来たすことに……

  • ジャン・キャリー
数少ないコーディネイターの大西洋連邦軍兵士。煌めく凶星「J」の異名を持つ。
これは自身のイニシャルとコーディネイターの地球軍兵士である事を「ジョーカーのような存在」と自嘲した事に因むダブルミーニング。
白(というより明るいグレー)の専用カラーが施された鹵獲ジンを愛機とするが、これは他のエース専用カラーとは異なり裏切るかもしれない味方コーディネイターを監視しやすくするためという意味合いが強い。
後に同じく専用カラーのロングダガーに乗り換えパナマ基地防衛戦に参加、デュエルと互角に戦うも他の友軍機共々グングニールのEMPで機能停止、
無抵抗な敵の虐殺を厭ったイザークに見逃されて生還するもこの時期になるとナチュラルでもMSが扱えるようになったため彼の存在は地球軍にとって貴重な存在ではなくなり、次第に疎まれて行った事で地球軍を脱退、
ジャンク屋を経て三隻同盟に参加しこれまた引き続き白系カラーのM1アストレイで第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を戦った。その後はジャンク屋組合に身を寄せて研究に専念しているようである。
ゲームでは三隻同盟に参加後、同じ「地球軍所属だったコーディネイター」の縁でキラを気遣っている様子がある。

  • モーガン・シュバリエ
ユーラシア連邦軍兵士。階級は大尉。
夜戦を得意とした事と緻密な知略で組み立てられた作戦が却って一見無謀に見える事から月下の狂犬の異名を持つ。
大戦序盤のエル・アラメインでの戦いにて、バルトフェルド隊長が指揮するMS部隊に自身の指揮するリニアガンタンク部隊が惨敗した事でMSの有用性を痛感、地球軍のMS開発・配備を強く申し出る。
しかし当時のユーラシア連邦上層部はMSに興味は無く彼を疎んじたため大西洋連邦軍に事実上厄介払いされる形で移籍、
その後はストライクダガーのテストパイロットとなり、地球軍に於けるMS運用理論の基礎のほとんどを構築するという「地球軍のMS運用の父」とでも言うべき人物。
思考の柔軟性も併せ持っており、とある政治犯の護送任務をコーディネイターと合同で行う事になった際はそれを受け入れ、襲撃者に対しても合同で迎撃に当たっていた。
もしユーラシア連邦上層部にハルバートン程の先見性を持った人間が居ればあそこまで兵器開発で他勢力の後塵を拝する事は無かったかもしれない……。

後に希少な「特異な空間把握能力」の持ち主だった事が発覚、第1次大戦終盤はムウが受領する筈だったガンバレルダガーを愛機としていた。
『SEED DESTINY』ではガンバレルダガー及び専用の青系カラーのエグザスに搭乗している。
南米独立戦争中は二人目の刺客としてエドと相対するが、ジェーンに対して偽の情報を握らせた上でエドが攻撃目標とするミサイル基地までの最短経路となる宇宙空間で強襲を仕掛け、エドが幸運に恵まれていなければ仕留めていた程の策士振りを発揮した*13
数少ない「まともな、それでいて離反しなかった連合軍人」である。

元々は南アメリカ合衆国空軍パイロットだったが、開戦直後の武力併合により大西洋連邦軍所属兵士となる。
階級は中尉。MS戦は白兵戦を得意としており、装甲の継ぎ目を狙うスタイルでPS装甲持ちの機体にも渡り合っていたトップガンの一角。
戦闘機の主翼でMSを真っ二つにした(実際には二日酔い状態で戦場に出たら事故同然に電子戦用ディンに衝突したのが真相)エピソードと、撃破したMSのオイルを返り血の様に浴びていた様から切り裂きエドの異名を持つ。
しかし本人はその物騒な異名に似合わない陽気で気さくな人物。
乗機はソードカラミティ2号機が有名だが、必要に応じて複数のMSを乗り継いでいる。

詳細は個別項目を参照。

  • ジェーン・ヒューストン
地球連合海軍所属。階級は少尉。
大戦序盤にマルコ・モラシム率いる水中MS部隊に所属部隊を壊滅させられたことがあり、以降彼に復讐を誓い地球軍の水中用MS開発に尽力、
試作機フォビドゥンブルーのテストパイロットを務め、量産機ディープフォビドゥンの完成後は地球軍の水中MS部隊の指揮官として実戦に参加した。
件のモラシムはストライクに撃破されており既にリベンジの機会を失くしてしまった怒りを他のザフト水中部隊にぶつけた事で多数の戦果を挙げ、白鯨の異名が付けられる事となる。

実はエドワード・ハレルソンと恋人同士だったが、彼が祖国独立の為に地球軍を脱走した際に彼女を巻き込むまいと置いて行ったのだが、彼女はそれを一方的に捨てられたと思い彼を恨むようになってしまう……。
その後の展開はエドの項目を参照。

ちなみに彼女の功績でとあるザフト軍人からはかつての彼女のように目の敵にされているが、共演はしていない。
ギャグ全開の描写でエドは間接的に彼を煽っているが。

  • レナ・イメリア
地球連合軍兵士。階級は大尉。
カリフォルニアの士官学校の教官でもあり、ヘリオポリスで死亡した初期GAT-Xシリーズのパイロットとなるべきトップガン達は彼女の教え子だった。
左頬から背中にかけての桜の花びらのような痣と、彼女の高速で動き回りつつミサイルを乱射して敵機を撃破する得意戦法から乱れ桜の異名を持つ。

ナチュラルながら高い操縦技術や身体能力を持ち、教官用MSを高レベルで操縦することができたとされる他パイロットとしてMS開発チームにアドバイザーとして参加していた。
この「教官用MS」が鹵獲したジンなのだとしたらSEED時代の最初期にはコーディネイター並の能力を持っていたと言える*14
その強さと時折見せる女性らしさから士官候補生からの人気は高かった一方で、弟を失ったことを切っ掛けにコーディネイターに非常に強い嫌悪感と差別意識を持つ。
このことは八・八作戦(『MSV』OP冒頭)の「宇宙人はおとなしく宇宙に帰りなさい!」にも表れている。

乗機はバスターダガー他。
脱走したエドに差し向けられた三人目の刺客として登場した際はソードカラミティ初号機で彼を追い詰めており、砲撃機も格闘機もなんでも使いこなす驚異の万能選手である。
わかる描写の範囲ではモーガン同様、離反していないまともな連合軍人だが、モーガンと違いDESTINY以後の出番がないため、南アメリカ独立戦争後の去就は不明。

  • ルカス・オドネル
コーディネイターで元ザフトのエースでフジヤマ社預かりのパイロット。
…というのも、ザフトにいた頃ジストにわざと負け、捕虜になった経歴のため。
理由は「退屈だから」。デュランダルの人となりや世界情勢等を見抜くなど鋭い勘もあるが、彼本人の人となりは愉快犯のそれであり、連合じゃなくても危険視する存在。

  • ジスト・エルウェス
連合所属のハーフコーディネイター。
鹵獲され赤く塗装されたシグーに乗っているが、理由はジャン同様監視である。
さらにいえば連合内から不当な評価をされ*15、味方から誤射されたこともしばしばある。
一方でシグーアサルトに乗っているときの彼は、味方が撤退しなければ巻き添えをくらう戦い方のため、一概に彼を気の毒にも思えない事実もあるが…

ちなみにザフトにもハーフコーディネイターはおり、こちらも味方内でも快く思われていないが、兵器や兵士のスペックの質が連合より良く、良くも悪くも実力主義の方針から少なくとも監視されるような扱いはなく、場合によっては便宜を図ってくれることすらある*16
一応連合内における「コーディネイターやハーフコーディネイター」の扱いについてより詳しく言及したキャラだが、ジストですらまだマシな方とさえ言えた。

  • アンティ・ファクティスの兵士たち
SEED ECLIPSEに登場した謎の組織。活動実態からするとテロリストに近い。
正体は大西洋連邦が大戦初期に構成したハーフコーディネイターの特殊部隊。
内容は騙し討ち部隊。この上ない汚れ役である*17
一応軍人扱いされている場合もあり、例えばヴァレンティーナ・ビノンは准尉。*18
人権・市民権をエサに参加するが、この上なく表にできない部隊の上、「バケモノと人間の裏切り者との間にできた子」という認識からエサの約束は破棄された挙げ句、存在そのものを「なかったことにされた」。

  • コーネル少佐

ASTRAY「R」にて登場。ブルーコスモスのシンパでジャン・キャリーの連合軍時代の上官でもあった。
ジャンを拘束しようとドレイク級で急襲をかけるが、ロウが操るレッドフレームの装備する150ガーベラで船体を串刺しにされ、撃墜こそはされなかったが命からがら撤退した。

  • スリー・ソキウスの上官

名称不明。スリー・ソキウスが東アジア勤務になる前の上官。
地球連合の所属歴が長く、実績も挙げていたとはいえ、燃料以下の扱いであるソキウスに対しても一人の軍人として扱い、正当な評価ができる「できた人物」。
しかし、そこまで地位も高くなく、きな臭い世界情勢からスリー・ソキウスを庇いにくくなり、彼を生かす精一杯として世界情勢と無縁の東アジア勤務に異動させた。
このときにスリー・ソキウスに「生きろ」と言い、現在でも強く響いている。

  • エドモンド・デュクロ

元陸軍将校。詳細な所属先は不明。
戦車小隊の指揮官を務めた経歴があり、C.E.73時点でも「伝説の鬼車長」として有名。
現在はその経歴を買われたのか、D.S.S.Dに天下りして保安部長を務める。
その指揮能力は健在であり、友軍機との連携や遮蔽物を巧みに利用して肉薄、1発の近距離砲撃でジンの脚部を破損させ行動不能に陥らせた*19

  • バルサム・アーレンド

ユーラシア連邦所属。階級は不明。
「エンデュミオンの鷹」を真似て「アルテミスの荒鷲」の異名を名乗っているが、ムウとは違い実戦での戦果はなくあくまでシミュレーションでの戦績である。
ハイペリオン2号機のパイロットであり、2号機の機体左肩部にはシミュレーションで撃墜した7つの撃墜マークが存在する。
ガルシアの命令で脱走したカナード達を追撃するが、機体の性能を過信していた余り半壊状態のハイペリオン1号機のアルミューレリュミエールランサーでコクピットを潰され戦死した。
その後、2号機は1号機の部品取り要員修理に使用された。
ちなみにゲーム版では不死身の炭酸と声優繋がりである。

  • メリオル・ピスティス

特務部隊X所属。カナードの副官。
存在。部隊の強制解散を事前に察知し、乗艦のオルテュギアごと脱走した。以後は傭兵部隊Xにおいて依頼交渉や艦の運用などを担当し、カナードを補佐している。
表には出していないが、どうやらカナードに仲間以上の思いを抱いている模様。

保有施設

『SEED』

  • プトレマイオス基地
地球連合結成前のC.E.35年に大西洋連邦が月面プトレマイオスクレーターに極秘裏に建設した基地。
月面に勝手に軍事施設を建設したことは世界中から非難が殺到したが、大西洋連邦は「これは『宇宙の警察署』である」と開き直っている。
地球軍の宇宙に於ける最大の拠点であり、「月本部」と呼ばれる事も多い。
大戦序盤はここから地球軍艦隊が度々発進していた他、ヘリオポリスを脱出したアークエンジェルは当初ここを目指していた。
大戦終盤にはプラントへの直接攻撃に向けて戦力が集結し、大艦隊が進撃するが2発目のジェネシスの砲撃を受け壊滅。戦後もそのまま放棄されており兵器の残骸が残るばかりとなっている。

  • エンデュミオン基地
地球連合の月面基地の一つ。エンデュミオンクレーターに設置されている。
大戦序盤の「グリマルディ戦線」にてザフトの攻撃目標となっていた施設。軍事拠点ではなく資源採掘基地。
最終的に本来レアメタル採掘の為の装置だったサイクロプスで友軍ごと自爆、放棄された。


  • 新星
東アジア共和国が保有していたL4の資源衛星。
大戦序盤に発生した約1ヵ月に及んだ小競り合いの末に放棄、後のザフトの宇宙要塞ボアズとなった。

  • カオシュンマスドライバー基地
東アジア共和国が保有していた、台湾南部の高雄市に設置されたマスドライバー基地。
存在が明らかになっているマスドライバー基地4つの内、これのみ名称が不明。

本編第1話の数日前にザフトの攻撃により陥落、「オペレーション・ウロボロス」で失われた最初のマスドライバーとなった。

  • 宇宙要塞アルテミス
ユーラシア連邦の宇宙要塞。プトレマイオス基地建造発覚と同年のC.E.35年に建造開始された。
L3に設置されている。まきびしのような形状の小惑星をくり抜くように作られている。
プトレマイオス基地の建造発覚を受けて各国は宇宙軍の増強を開始しており、アルテミスもそんな折に建造が開始された。
ユーラシア連邦オリジナルの強力な防御兵装「アルテミスの傘」アルテミスの首飾りではない)により難攻不落を誇っていた……というより設置場所が辺境に近いので半ば放置されていた。
司令官のガルシアを始め兵士達は「傘」の防御力に慢心し切っており、ブリッツの潜入を前に瞬く間に壊滅した。

本編ではここで出番が終わっているが施設機能は無事だったようで『ASTRAY』では以降も度々登場しており、海賊の襲撃に遭ったり特務部隊Xの拠点として稼働したりといった様子が見られる。


  • ビクトリア基地
アフリカ大陸南西部にあるビクトリア湖を埋め立てて造られたマスドライバー「ハビリス」を擁する基地。
ユーラシア連邦と南アフリカ統一機構の共同事業としてC.E.21年に建造が開始された。
大戦序盤の第一次ビクトリア攻防戦にてザフトに襲撃され、この時点では迎撃に成功するもののアークエンジェルが砂漠に降下したのとほぼ同時期に行われた第二次ビクトリア攻防戦では遂に凌ぎ切れず陥落し、二番目に失ったマスドライバーとなる。
「オーブ解放作戦」の後に実施された第三次ビクトリア攻防戦で約半年振りに奪還に成功、以降最終決戦に向けて戦力の打ち上げに利用される。

  • アラスカ基地(ジョシュア)
地球軍最高司令部。「アラスカ本部」とも呼ばれる。
通称の「JOSH-A(ジョシュア)」とは「JOint Supreme Headquarters-Alaska(アラスカ統合最高司令部)」の略。
ベーリング海に面するノートン湾沿岸地下の「グランド・ホロー」と呼ばれる広大な空間に多数の施設が設置されており、メインゲートは滝に偽装されている。
地上にも多数の対空砲が設置されており、クルーゼ曰く核兵器の直撃にも耐えるとされる程に頑丈な施設。
第8艦隊と合流したアークエンジェルはここを新たな目標に設定し移動を開始する。つまりは「SEED版ジャブロー」。

ザフトが仕掛けた奇襲作戦「オペレーション・スピットブレイク」の目標となり大部隊に襲撃されるが、クルーゼが予め地球軍に情報を漏らしていた事で地球軍上層部はこれを事前に察知、
「おそらくは次の目標であろうパナマ基地に主力を移動させる」という体で不要と見做された戦力や大西洋連邦にとっての政敵であるユーラシア連邦軍を囮として残して司令部要員や有用な人材は退避させ、
ザフト戦力を引き込めるだけ引き込んだ後は地下に設置されたサイクロプスで何も知らずに残された友軍諸共ザフトを殲滅するという悪辣極まりない作戦を実施する。

ザフト部隊に対してあまりに少ない防衛戦力は次々に破られ、ゲートも次々に落ち遂にはメインゲートまで突破され内部への侵入も始まり……という所で遂にサイクロプスを起動させ、
何も知らなかった兵士とザフト部隊の8割を巻き込んで基地は10km四方を巻き込んで消滅、後には兵器の残骸と巨大な湖が残った(あくまでマイクロ波しか放っていないので「汚染」は残っていない)。
この時の被害でザフト地上部隊は大幅に弱体化し地球軍閉じ込め作戦「オペレーション・ウロボロス」は失敗に終わり、ユーラシア連邦もこの時の被害の煽りで発言力を大きく低下させ、
しかもこの損害をザフトの新兵器投入と報道し後々の地球各国の団結キャンペーン(という名の恫喝)に活かすという抜け目の無さである。人道的には最低最悪なのに戦略的には大成功と言う他ないのが腹立たしい所。
だが良い事ばかりでもなく、ユーラシア連邦は当然ながら激怒しアークエンジェルも敵に回るなど後々に大西洋連邦を困らせる火種を撒き散らす結果にもなっている。

後の作品にJOSH-Aとは全く関係ない別のアラスカのジョシュアが登場している。

  • パナマ基地
作中の地図からしておそらくパナマ南部のアスエロ半島に設置されたマスドライバー「ポルタ・パナマ」を擁する基地。
こちらは大西洋連邦と南アメリカ合衆国の合同で、ハビリスに先駆けるC.E.17年に建造開始している。
ポルタ・パナマは一直線に伸びたレールが特徴的なオーブの「カグヤ」とは異なり、山の間をぐるぐると周回して遠心力でスピードを稼ぐ構造となっている。
元々は地球連合に参加していない南アメリカ合衆国のマスドライバー基地だが、開戦直後の武力制圧で南アメリカ合衆国が大西洋連邦に飲み込まれた流れで地球連合の基地となった。

カオシュン、ビクトリアと立て続けにマスドライバーを失った地球連合の最後のマスドライバーなだけに、アラスカから移した大部隊に虎の子の最新鋭兵器であるストライクダガー部隊(その名も第13独立部隊)も配備していたが、
ザフトが投入したEMP兵器「グングニール」が放出した強烈な電磁波を浴びてストライクダガー部隊と基地司令部*20は機能停止、
マスドライバーもリニアレールの超伝導体が強力なEMPの影響で磁場を帯びてしまい構造体同士が引き寄せ合った事で自潰してしまった。
この時点でパナマは戦闘能力も拠点としての価値もほぼ喪失したが、ジョシュアで被った被害から復讐心を爆発させていたザフト兵士は完全に無抵抗となったストライクダガーや投降した兵士を「はっはっはっは! い~い様だな、ナチュラルのオモチャ共!」「ナチュラルの捕虜なんか要るかよ!」などと叫びながら虐殺し始めてしまった。

  • グリーンランド基地
小説版にのみ登場。ジョシュア自爆後に新たな地球軍本部となった基地。
小説ではアズラエルと地球連合上層部が度々会議を開いていた大きな水槽が設置された部屋もこの一室。
因みに、小説版の記述では会議室は地下に設置されておりあの大きな窓も水槽ではなく海そのものとなっている。


『SEED DESTINY』

  • アルザッヘル基地
プトレマイオスを失った地球軍が新たに設置した月面基地。プトレマイオスから南に行ってすぐ近くにある「アルザケル(アルザケール)」クレーターに設置されている。
『SEED DESTINY』の時代での宇宙軍の大型拠点で、第2次大戦開戦直後のプラント攻撃艦隊が発進した。
その後はしばらく宇宙は主戦場ではなくなったため出番も無くなっていたが、デスティニープラン発表に際して動きが見られた事からレクイエムを照射され、配備された戦力の大部分と共に壊滅した。

  • 対カーペンタリア前線基地
ザフトの大規模拠点「カーペンタリア基地」攻略の為にインド洋に面した土地に密かに建設されていた前線基地。30機のウィンダムやリニアガンタンク等々、大部隊と呼んで差し支えない戦力が配備されていた。
登場した時点で未完成で建設作業には現地住民を無理矢理徴用していたが、小説版では末端兵士にとってはそういう命令なので不本意ながら仕方なく行っていたとされている。
ガイアとの戦闘の流れでシンが迷い込む形で偶然発見、どさくさに紛れて逃げ出そうとした現地民を兵士が銃撃したのを目撃し激怒したシンが虐殺同然に徹底的に破壊し、ウィンダム部隊もミネルバとの戦闘で全滅したため完膚なきまでに崩壊した。

  • ガルナハン基地
カスピ海の南側沿岸の山岳地帯に建設された基地。
火力プラントを有するガルナハンの町を占拠し、ユーラシア西側のレジスタンス部隊とザフトに睨みを利かせるための橋頭保としての意味合いを持つ。
多数の対空砲が強力な防空網を構築し、地上から攻められる唯一の道たる峡谷には陽電子リフレクターを装備したMAゲルズゲーと陽電子砲ローエングリンが待ち構える「ローエングリンゲート」が設置されており、
以前に地上からの攻略を試みたザフト軍ラドル隊を瞬く間に壊滅に追いやった正しく最強の盾と最強の矛を併せ持った基地。
後にミネルバ・ラドル隊・現地レジスタンスの三者合同作戦によって陥落し、現地の地球軍は撤退した。
……が、ガルナハンの住民を武力で弾圧していたのが災いし、現地住民が逃げ遅れた地球軍兵士に報復し始め、リンチにされる、その場で勝手に銃殺されるといった後々問題になりそうな事態が発生した。

  • スエズ基地
スエズ運河を占領する中東最大級の大規模拠点。劇中では一度も戦場にはならず港湾部の一部しか映らなかったため全容は不明。
小説版によると『SEED DESTINY』の時代に新たに設置されたのではなく前大戦の頃から存在したとされている。
黒海に派遣されたオーブ艦隊が寄港し、同様に黒海に向けて作戦準備中だったネオらの乗るJPジョーンズも一時停泊していた。
『SEED DESTINY』時代はまだしも、『SEED』時代はスエズは親プラント勢力圏ド真ん中という立地なのだが果たして……。

  • ヘブンズベース
アイスランドに設置されている『SEED DESTINY』の時代の地球軍最高司令部。それだけあって施設も配備されている戦力も非常に大規模で多数の巨大MAが置かれている。
ジブリールを始めとした武装蜂起した市民の手から逃れたロゴス幹部が立て籠もっており、ザフトを主体とした「対ロゴス同盟軍」は降伏を勧告するが、
5機ものデストロイの先制攻撃や巨大対空掃射砲ニーベルングによる降下部隊殲滅で対ロゴス同盟軍に打撃を与え返り討ち寸前まで追い込む。
しかしミネルバ隊のエース達の活躍でデストロイは次々に落とされて行くうちに形勢は逆転、遂には白旗を上げた。

  • ダイダロス基地
月面の裏側ほぼ中央に位置するダイダロスクレーターに設置された基地。かつては資源採掘基地だった模様。
戦略兵器レクイエムが設置されている地球軍最大の切り札であり、それだけにデストロイを始めとした陽電子リフレクター付き巨大MA複数などの大戦力を配備していた。

詳細はレクイエムの項目を参照。


保有兵器

未来的なデザインのザフト軍兵器に対して、こちらはSFっぽさを含みつつも現代からの延長を思わせる「大人しめ」「堅実」「保守的」とも言えるデザインの傾向が強い。
Nジャマーによって核動力が使えなくなっているため、以下の艦船はいずれも通常動力艦。
兵器のネーミングには、大型船舶には軍人・政治家の名前が用いられている事が多い。
小型兵器や武装にはドイツ語と英語の単語が多く見られ、全体的に米軍と近しいネーミングセンスが窺える。
そういった意味ではリアルというか生々しい命名が為されている。


MA

地球連合軍宇宙部隊は当初はMAを主力としていた。
しかし宇宙世紀とは異なり、コズミック・イラの世界ではMAは「宇宙用重戦闘機の発展型」と定義されている。
なのでこれは「汎用性は低いがMSを上回る火力と防御力とスピードを持った巨大機が主力」ではなく、「(MSの前では)宇宙戦闘機に毛が生えたような小さめの的」が主力という意味である。
C.E.73年頃になると従来のような「ハイパワーな非人型巨大機」が登場している。

詳細は『モビルアーマー(ガンダムSEED)』を参照。


MS

連邦軍に当たる組織なだけに、MSのデザインもザフトのMSとは対照的にゴーグルヘッドで角ばったものが多い。
これまた連邦軍同様、特化した機能を持つ機種を増やすよりも基幹となるMSとそのバリエーションで多様性を持たせる傾向にある。

「G兵器」のコードネームで秘密裏に開発されていた地球連合軍最初の試作MS群。
コロニー・ヘリオポリスで開発されていた5機の「G」をザフト軍クルーゼ隊が強奪を図るところから『SEED』の物語は開幕する。
1次大戦終盤には更に3機が追加建造され、更にアクタイオン社が再建造し強化改造を施すなど、様々な面で「地球軍のMSの共通の先祖」と言える。
ダガー系列とは別枠でいくつかの機種は量産化もされている。

詳細は↑のリンクを参照。

G兵器の内唯一強奪を免れたストライクの簡易量産機。
1次大戦終盤に完成し、その物量でザフトやオーブを苦しめた。
実は厳密には「地球連合軍初の量産MS」ではない

詳細と派生機種は個別項目を参照。

ストライクの正式な量産機。
開発自体はこちらが先だったが数を揃える事を優先したために1次大戦中には僅かな数しか生産されなかったが、戦後は後継機「ダガーL」が登場するまで少しずつ更新されつつ生産が続けられC.E.75年でも纏まった数が運用され続けている。

詳細と派生機種は個別項目を参照。

C.E.73年時点の最新鋭機。
ダガー系のデータとノウハウが生かされつつも大きく様変わりし、スペックもストライクらGAT-Xシリーズと同等とされるが……。

詳細は個別項目を参照。

コズミック・イラきっての極悪非道兵器にして戦術兵器の皮を被った戦略兵器
いわゆる巨大MSや巨大MAの系譜であり、初登場時には単機で瞬く間にザフト軍のMS部隊と3つの都市を壊滅に追いやった

詳細は個別項目を参照。

大西洋連邦のGAT-Xシリーズに対抗する形でユーラシア連邦が開発した機体。
諸々の事情で試作型は3機のみの製造に終わったが、アクタイオン社があまりにしつこく粘るので後に陸戦型や量産型、無人型が登場している。

詳細は個別項目を参照。


宇宙用船舶

宇宙用大型戦艦。
主に艦隊旗艦に用いられる。高いMA運用能力を持つ宇宙母艦で、それなりの個艦火力も有している。

詳細は個別項目を参照。

宇宙用大型戦艦。
宇宙艦隊の主力艦艇の一つで火力に秀でるがMSの登場により大きい的と化した

詳細は個別項目を参照。

宇宙用小型護衛艦。
宇宙艦隊の主力艦艇の一つで機動力に秀でるがMSの前では中くらいの的に過ぎない

詳細は個別項目を参照。

『SEED』に於ける最新鋭艦。
オーブのモルゲンレーテ社との協力で建造された。

詳細は個別項目を参照。

1次大戦後に建造されたファントムペイン専用艦。
あくまで正規軍の装備ではないという建前からユニウス条約で使用禁止されたミラージュコロイドを装備している。

詳細は個別項目を参照。

  • マルセイユIII世級輸送船
旧式の宇宙用輸送船。カラーリングは茶色。楕円柱型の船体が特徴的。
既に旧式ということで民間に払い下げられたものも多く、「G」の正規パイロット達や護衛のメビウス隊はそれを逆手にとって民間船を装いヘリオポリスに入っていた。
本編ではそれ以外の出番はほぼ無いが、ロウ・ギュール一行の母艦「ホーム」はこれを改装した船である。
ホームにはクレーンが追加されるなどの改造が施されている。

  • コーネリアス級輸送艦
全長230m。
こちらは最新式の双胴型宇宙用輸送艦。カラーリングは山吹色。
アークエンジェルと同時期に建造されていた艦で、艦首の構造に共通点が見られる。
前方に加えて左右片面3枚のドアを備え、効率的な物資搬入を可能とする。
既に多くの艦が就役しており、各所でその姿を見ることが出来る。
本編では出番は多くはないが、スカイグラスパーを届けた第8艦隊所属艦など時々登場している。
通常の補給任務の他、地上から打ち上げられたシャトルから物資を引き継いで各拠点や艦隊に届けるのも本級の仕事。

地上に降りていたロウ・ギュールの一味が宇宙に戻った際も、地球に墜落したホームに代わる新たな母艦としてコーネリアス級ライアンに改造を施した「リ・ホーム」として活躍している。
リ・ホームは潜伏中の三隻同盟に補給を行った事があり、本編にも数秒ながらゲスト出演している。
その他にもコバヤシマル・ジューゾー所有の「ヒヨクマル」は「リ・ホーム級」の2番艦とされるが、何故かネット上ではガーティ・ルー級の改造艦とされている*21

  • スタージョン級大型シャトル
地上基地と宇宙を結ぶ大型輸送艦。
スペースシャトルを超巨大化させたような本体と、その後部に接続される分離式のこれまた巨大なブースターで構成される。
作中ではマスドライバーから打ち上げられ軌道上でブースターを切り離していたが、本体だけで宇宙まで上がれるかは不明。
見た目こそ古臭いがペイロードは凄まじく、後期GAT-Xシリーズ3機(合計重量約250t。スペースシャトル10機分!)や月基地に届ける大量の核ミサイルを余裕で搭載し宇宙まで上げるかなりの積載量を持つ。
客席も現代のロケットのような上を向いた状態で固定される窮屈なものではなく、旅客機のような広々として快適そうな空間となっている。座席は3×2配置。


地上用船舶

  • スペングラー(タラワ)級MS搭載型強襲揚陸艦
全長200m。
船体前方に大きな直線甲板、艦橋を挟んでV字にスキージャンプ型アングルドデッキと航空機用カタパルト2基に、後部に3つのヘリポートを持つ大型水上艦。
そこまで希少なものでもないのか、大規模基地やオーブ解放作戦ではダニロフ級ほどではないにせよ多数が停泊していたり作戦に投入されたりしている。
開戦以前から就役していた揚陸艦にMS運用能力を付与したもので、船体前方側面には左右2本ずつのコンベアー付きゲートがあり、船体前方の格納庫内のMSを立ったまま船体側面に送り出す事ができる構造。
上甲板前部にもMS用エレベーターがあり、速やかな艦載機の展開が可能。
搭載機数も多く、ダガー/ウィンダムタイプMSを6~8機、主力戦闘機スピアヘッド多数、更にザムザザーのような大型MAも運用出来るなど汎用性も高い。
ただし航空機用は設置されているがMS用カタパルトの類は持っていないため、搭載されたMSは自力で発進する必要がある。
使用されていないが、船首にはダニロフ級と同型と思しき連装砲、船体中央部にもVLSらしきものが窺える。

オーブ攻略戦で後期GAT-Xシリーズを搭載した第4艦隊旗艦パウエルやネオらが乗っていたJ.P.ジョーンズが代表的。
J.P.ジョーンズの由来は、アメリカ独立戦争で活躍したジョン・ポール・ジョーンズと思われる。
資料集では大抵「スペングラー級」と載っており、ミネルバのオペレーター、バートも同様に報告しているが、ミネルバのモニターには「タラワ級」と表示されていた。
区分はC.E.71年に運用されていたものが「タラワ級」、C.E.73年以降に運用されていた改良型が「スペングラー級」。

劇中では殆ど空母として描かれていた艦だが、ジェットストライカーが無かった『SEED』の頃は洋上から直接陸地までジャンプさせていた他、PS2ゲーム『機動戦士ガンダムSEED 終わらない明日へ』のMSV OPでは猛スピードで港に突っ込んでデュエルダガーを降ろすなど揚陸艦らしいシーンが描かれていた。
強襲揚陸艦って直接陸に突っ込むものだっけ…?

  • ダニロフ(デモイン/アーカンソー/ベーレンベレク/イサルコ)級イージス艦
全長約190m。現代のイージス艦は160m代でもかなりの大型扱いなのを考えるとかなり大柄。
旧式化しているとの設定の通り現代のイージス艦と大差ない、非常にベーシックな形状の水上艦。上部構造物が船体左右に大きく張り出した、一見トップヘビーでアンバランスそうな外見が特徴的。
ニュートロンジャマーの影響で原子力艦が軒並み無力化された為に急遽建造されたもので、大多数が地球連合軍構成国各地に配備されている。スペングラー級の護衛艦的存在。

地球軍の海上戦闘シーンでは必ずと言って良いほど多数が登場するが、地上版ドレイク級とばかりにやられ放題にやられるだけの役回りでしかない。
ザフトMSやザフト艦のミサイル攻撃の雨を浴びて粉々になったり甲板に這い上がって来たゾノ艦橋を「やめなさい!」された挙句フォノンメーザーを撃ち込まれたりバリアントで正面に風穴を開けられたりソードインパルスになます切りにされたりと色々な形でやられて行った。
敵MSに甲板上に乗られて撃破されることも多かった。
『SEED DESTINY』でミネルバのオーブ出港直後の戦いに至ってはミネルバが放ったミサイルと副砲の一斉発射で一瞬で3隻が粉砕された

艦首に250mm速射砲or連装艦対空ビームシステムを一基、船体前方にVLS、船体側面にミサイルランチャーとかなりの重武装を持つ。
船体側面にはアークエンジェルの多目的ランチャーと同じようなものが備わっているが使われたことは無い。
連装砲は実弾砲のSEでビーム砲のエフェクト(緑色の光条)を放つという不思議な装備だった(リマスター版でSEは修正された)。

上を見ての通りどういう訳か名称が異様に錯綜している艦
やはり資料集では大体「ダニロフ級」と載っており、こちらもバートは「ダニロフ級」と呼んでいる一方でモニターでは主砲が実弾式単装砲のものをデモイン級、ビーム兵器の普及に伴って連装対空ビーム砲に換装したものをアーカンソー級と区別・分類されている。
一方で「オペレーション・フューリー」に参加していた水上艦(外見はダニロフ級etcと同一)をチャンドラは「ベーレンベレク級」「イサルコ級」と呼称していたりと何故か全く安定していない(NATOコードのような「地球軍の正式名称とザフト軍呼称の違い」とされる事もあるが視聴者間の考察であって正式な設定ではない)。
建造時期や仕様・装備が大きく変わった時点で同型艦内に小分類を作るのは現実でも時たま見られるので*22、この混沌とした状況もそれに近いのかもしれない。

  • フレーザ級駆逐艦
『SEED DESTINY』にて登場。地球軍に広く普及している小型駆逐艦。
約165メートル級の比較的小柄な水上艦。ダニロフ級に対してこちらはほっそりしており、武装も相応に少なくこちらは単装砲のみ搭載。
艦橋上に設置された大きなブレード状アンテナが特徴的。
劇中では「よく見たら艦隊に交じっている」程度の存在感で特に目立ったシーンも無い。たまにソードインパルスに真っ二つにされるシーンがある程度。資料集にもほとんど載っていない。

『SEED FREEDOM』でもファウンデーション王国の港にもコレが停泊していたが、独立時に奪ったものだろうか?

  • 旧式駆逐艦
本編には登場しない。
Nジャマーの影響で原子力艦が軒並み無力化されたことに伴い、現役復帰した旧アメリカ海軍のアーレイ・バーク級などをはじめとする旧時代の艦艇群。
C.E.70年4月10日の珊瑚海海戦に数多くが投入されたものの、マルコ・モラシム率いる水中用MS部隊によって全滅したとされる。

  • クラオミカミ級護衛艦
本来はオーブ軍の旧式護衛艦だが、『SEED DESTINY』HDリマスター版では東アジア共和国所属艦が反ロゴス同盟に参加している。(放送版ではダニロフ級だった)
おそらくオーブ軍の払い下げなのだろう。

  • 潜水艦
名称不明。
ザフトのボズゴロフ級と比べればスマートだが、それでも現代の涙滴型潜水艦と比べてフィンやら推進器(?)やらでごてごてした印象。どちらもタイフーン級などに近い平べったい形状をしている。
人員や物資の輸送に特化した武装を持たない比較的のっぺりとした輸送型と、後部が三つ又状に分かれ艦首に多数の魚雷管などで武装した攻撃型の二種類が存在する。
JOSH-A脱出時にナタルらが押し込まれていたのは輸送型、サザーランドら基地の高官が乗り込み遠隔でサイクロプスを起動したのは攻撃型である。

  • ハンニバル級
『SEED DESTINY』にて登場。
全長250m。
レセップス級及びコンプトン級に対抗するべく建造された大型陸上母艦。
駆動系にはスケイルモーター式ではなくオーソドックスな装軌式を採用しており、あらゆる地形での運用が可能となっている。
中央の大型ドームにはデストロイ1機を搭載可能。甲板にも多数のMSを駐機させている。
作中にはロアノーク隊が乗るボナパルトが登場した。ボナパルトは艦内にエクステンデッドの調整施設を持つ。
武装もビーム兵器こそ無いものの、42cm無反動砲1基、60cm障害物破壊用臼砲4基、対空砲10基、8連装チャフ・フレアディスペンサー2基などかなりの高火力を誇る。

ネームシップの由来は現代にも通用する史上最強級の軍人ことカルタゴの将軍ハンニバル・バルカ、
ボナパルトはフランス革命期の軍人にして皇帝ナポレオン・ボナパルトと思われる。

劇場版『SEED FREEDOM』冒頭にもデストロイとウィンダムを運んできたもの思しきハンニバル級がチラッと背景に映っている。
その後のムウとマリューの会話から察するにコンパスに捕捉される前に逃走したようだ。


航空機

  • F-7D スピアヘッド
地球軍の多目的VTOL戦闘機。
空の主戦力として各地に配備されており、ベクターノズルとVTOLノズルの併用による垂直離着陸能力と優れた空戦能力を持つ。「SEED版TINコッド」か?
武装は機体両側面の20mm機銃4門と本体ウェポンベイに6発まで格納可能なミサイル。
ザフトの空戦担当のディンに比べて火力と旋回性で劣るが加速力と航続距離で勝り、不利ではあったもののパイロットの腕前によっては十分対抗可能であった。
C.E.73年にもなるとスカイグラスパーの制式採用やジェットストライカーの普及で二線級の兵器となっているものの、偵察・哨戒などでは未だ現役で使用されている。

機首の形状がどことなく似ている通り、スカイグラスパーの原型となった戦闘機でもある。

GAT-X105ストライクとの連携を想定した支援戦闘機であり、次期主力戦闘機。

詳細は個別項目を参照。

  • 対MS戦闘ヘリコプター
空対地攻撃ヘリコプター。
重装甲でテールローターが無く、ファーストガンダムのファンファンと似たローター2基を機体下部に並列に配置し後部にミサイルランチャーというデザインで、
機体中央から後部にかけてのタンデム複座式コックピットというおおよそ現代のヘリからはかけ離れた姿が特徴。これまた保守的なデザインの多い地球軍兵器には珍しい。
デザインを担当した山根公利氏によれば「隠密性を高める為に熱源となるエンジンやレーダーの反射が大きいローターを下部に配置した」とのこと。
運用はホバータンクに近く、主に低空での対MS戦闘を主任務とする。

武装は機首の20mmバルカン砲と水平尾翼と一体化した8連装ミサイルポッド2基。
通常戦力相手ならまだしも、劇中ではMSを相手にする事がほとんどだったためさしたる戦果は挙げられていない。

僅かながらオーブにも配備されているらしく、C.E.71年時には僅かながらその姿が確認出来る。
『SDガンダムGジェネレーション クロスレイズ』ではご丁寧に連邦仕様、オーブ仕様の両方のヘリコプターが登場している。違いは武装『名』と開発先くらい。

  • その他のヘリコプター
上記のもの以外に輸送ヘリや比較的現代のものに近い戦闘ヘリなどが多数配備されている。
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』では焼夷弾でジン・タイプインサージェントに止めを刺す活躍を見せた。

  • 長距離哨戒機
E-3やE-767にも似た、巨大なロートドームを背負った航空機。JOSH-Aなどに配備されている。
Nジャマーの登場で電子戦の重要性がこれまで以上に高まっている。
他の勢力ではMSを改造したものが用いられているが、地球軍では従来通りの航空機が使用されている。

  • 大型輸送機
大容量輸送機。第二次大戦でドイツが運用していたヘンテコ輸送機Me323ギガントを4発ジェット機化したような外見。
後部ハッチからホワイトベースのMSデッキの様な姿勢でリクライニングさせたMSを最大2機搭載でき、空中投下も可能。
オーブ開放作戦ではストライクダガーの空挺降下を行い少なからぬ戦果を挙げた。

大重量を支える為に車輪は前方には縦3輪2列、中央左右には縦5輪2列、合わせて16輪の車輪が備わっている。

  • 大型VTOL輸送機
主翼の根本に4発のローターを装備した大型輸送機。その名の通り不整地でも離着陸可能な能力を持つ。
どの資料集でも大型輸送機に比べて積載量は少ないとされているが、MS搭載数は4~5機とこちらの方が多く、カラミティ・レイダー・フォビドゥンの後期GATシリーズ3機やカオス+ジェットストライカー装備のウィンダム3機が余裕で収まる程のスペースを持つ。
カーゴドアは前方と後部の両方に設置されている。


陸上兵器

  • リニアガン・タンク
地球軍の主力戦車。後部寄りの砲塔や角ばった砲身が特徴で、ぱっと見で自走砲にも見える。「SEED版61式戦車」か。主なカラーリングはカーキ色または濃い目のブラウン。
人員は車長・砲手・操縦手の3人だが2名でも運用可能。履帯は前後左右に4つに分かれており、機動力と耐久力への配慮が見られる。
主砲には電磁リニアガンを採用しており、レールガンに威力で劣る代わりに耐久性が高く、弾頭はAPFSDSやHEATを主とするがミサイルなども発射可能とされ、直撃さえすればザフト製MSにも十分通用する。
その他にも赤外線照明弾、散乱チャフ、フレアなど多種多様な装備を併用出来る4連マルチロケットディスペンサー2基を備え、場合によってはフジヤマ社製熱紋追尾ミサイルの増設も可能であった。

走攻守のいずれにも優れた傑作との事だがザウート以外のMS相手に役に立っている場面は無い。
モーガンの部隊もバクゥ部隊に出て来られるまでは互角に渡り合えていたなど運用法によっては高い攻撃力と機動力を発揮することが可能であり、状況によってはジン、ザウートなどのMSを圧倒することも可能であったが、凄まじい地上戦能力を持つバクゥには手も足も出なかった。
MSの登場で旧式兵器となっていたものの、地球軍にMSが普及した後は火力を活かした後方支援で威力を発揮しており、最新の時系列であるC.E.75年においても現役であった。
特に『STARGAZER』第1話ではほぼ主役メカと言っても差し支えない活躍を果たした。

地球軍のみならずオーブ軍でも採用されている。こちらのカラーリングはオリーブドラブ。

  • 自走リニア榴弾砲
本体よりも長い砲身を持つ自走砲。リニアガン・タンクと違い前後2軸ずつ合計8輪の装輪式。リニアガンとFCSを直付けした簡素な構造で安価な為に大量生産されている。
こちらも複数両で固まり対空砲火に精を出しているがMSが相手では役には立てていない。
劇中では上陸して来たゾノに引っ叩かれるシーンが目立っている。

本来はザフトが地球に降下させたMS搭載カプセルの迎撃が役目だが、Nジャマーの影響をもろに受けて有効打にはなり得なかった。
その後はNジャマー環境下での戦術を確立したことに伴ってミサイルの迎撃が出来るくらいには回復したので主に拠点防衛に用いられた。

こちらもオーブ軍でも採用されている。

  • ブルドック
ブルドッ「グ」ではなくブルドッ「ク」で正しい。
車体後部に円筒状の4連装ミサイルランチャー二基を備えた戦闘車両。赤外線センサーにより命中率も高いが、MSに有効とは言い難い。
「トラック」と紹介されているがどちらかと言えばハンヴィーに武装を取り付けたような外見。
度々2両で一緒にジンに向けてミサイルを放っては返す刀で機銃を撃ち込まれ吹き飛ばされるのが仕事。つまりMS相手では(ry

これもオーブ軍で運用されている。

  • レーダー車
大型パラボラアンテナを積載する支援車両。
Nジャマーの影響下に置ける目の役割を果たしている。


その他の兵器

1次大戦ではメビウスで、2次大戦ではウィンダムで使用された大型核ミサイル。ある意味『SEED』の象徴

詳細は個別項目を参照。

  • 対空砲台
様々な種類がある。
機関砲とは思えない、大型砲のような重厚な発砲音を出している75mm地対空バルカン砲や、アークエンジェルのヘルダートと同型と思われるミサイルランチャー等が代表的。

元々はレアメタル採掘の為の氷を溶解させる装置だったもの。
エンデュミオン基地の自爆に利用して以降自爆装置として使用されている。

詳細は個別項目を参照。

  • ローエングリン砲台
『SEED DESTINY』にて登場。
ガルナハン基地を防衛していた大型の砲台。
アークエンジェル級が装備していた陽電子砲ローエングリンを地上砲台化したもので、ザフトの地上部隊一つ程度は一射で薙ぎ払う威力がある。

  • ニーベルング
『SEED DESTINY』にて登場。
ヘブンズベースに山に偽装される形で配置されており、ザフトお得意の宇宙からの降下部隊を纏めて殲滅する為の巨大対空ビーム砲。
通常レーザー版のジェネシスといった兵器で、ヘブンズベース上空ほぼ全域を覆う程の攻撃範囲と、その中のMSを残らず消滅させるという凄まじい威力を持つ。
当初はジェネシスに似た「照射空間を丸ごと加熱する極太レーザー」のような描写だったが、リマスター版では「無数のレーザー弾を撒き散らし、MSを一瞬で穴だらけにする拡散レーザー砲」といった兵器となった。
対空防御兵器としては非常に高威力だが、上に向けてしか使えないので前方から侵攻して来た艦隊に対しては無力。

月面ダイダロス基地に設置されている巨大戦略ビーム砲。
廃棄コロニーに偽装した巨大ゲシュマイディッヒパンツァーでビームを捻じ曲げ、地球を含め射程内のどこにでも砲撃できる驚異の兵器システム。
早い話がガンダム版反射衛星砲だが、あれは対艦兵器のレベルに収まっているのに対し、こちらはスペースコロニーや大都市を破壊できるほどの威力を有する。

詳細は個別項目を参照。


余談

ファーストガンダムの地球連邦に対応する組織だからそれを捩って地球連合……というより、
『SEED』には福田己津央監督が過去に参加した機甲戦記ドラグナーのオマージュが多数含まれている辺りドラグナーの主人公側勢力である地球連合のオマージュと思われる。
尤もドラグナー自体がガンダムもリメイク的な側面があるので結局巡り巡って地球連邦の捩りかもしれない。








追記修正は青き清浄なる世界の為にお願いします真の意味で融和と団結を目指せる方にお願いします。



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最終更新:2024年04月16日 22:33

*1 因みに実在のテロ組織「アルカイダ」が16年間で産んだ死者数は約4400人。MSという超兵器ありきの訓練された元正規軍とはいえ、それを上回る犠牲者を1年程度で出した事になる。

*2 後述の政治体制・外交姿勢といい、ほぼ領土を拡大したアメリカ合衆国と言えるかもしれない。

*3 ベルギーの首都。現実でもEU及びNATOの本部が置かれているヨーロッパの政治の中心地。

*4 現実におけるEU加盟国

*5 中近東や中央アジア諸国などの旧ソ連も含む

*6 資料によっては日本の北海道や中国の黒龍江省などはユーラシア連邦領となっている。

*7 トノムラは「コープマン少佐」と呼んでいるが、資料集の記述でもコープマンが着けている階級章でも階級は大佐。少し前まで少佐だったのかもしれない。

*8 因みにスペルは「Duane」。これの読み方は「デュエイン」「ドゥエイン」の他に「デュアン」もある。

*9 脱出艇を出したのは限界高度ギリギリまで下がり突出して来たガモフの迎撃を始めたタイミングだったが、これより前だとそれこそ戦場のド真ん中に脱出艇を放り出してしまうし、これより後だとメネラオスが脱出艇を抱え落ちしてしまう。

*10 「民間人が戦闘行為に関わると罪に問われる(現代でも同様)なので、日付を遡ってヘリオポリス襲撃以前に志願入隊していた……という事にした」というもの。法的には白とは言えない行為だが、本来は公式には無関係な中立国の民間人でありながら緊急時に命がけで手伝ってくれた学生組に最大限便宜を図ってくれたという事でもある

*11 ちなみにアズラエルはブーステッドマン3人組が追い返される様を見て「オーブの底力を甘く見ていた」とはっきり口に出しており、彼と違ってオーブを当初侮っていたのを言われるまでも無く認めている。

*12 第三次ビクトリア基地攻防戦にギナが協力した見返りとして、当時最新鋭機であったソードカラミティ3号機と共に譲渡されていた。3人とも精神を薬物投与によって徹底的に破壊されたため感情が欠落しており、時世を考慮すると廃棄予定だったソキウスシリーズの体のいい押し付け先にされた可能性が高い

*13 大気圏突入用のポッドを会敵時に真っ先に破壊、エドの乗機が固定目標への攻撃を前提とした武装のレイダー制式仕様であるのに対し、モーガンはガンバレルダガーに搭乗していたので圧倒的にエドが不利な状況だった。更に念押しである程度損傷させた所でガンバレルストライカーで大気圏へ強引に牽引して殺しに掛かるなど徹底的である

*14 DESTINY ASTRAYでは反応速度が並みのコーディネイターを凌駕していた。この時期には連合もモビルスーツを導入していたため、研鑽の成果の可能性も考慮しなければならない(それでも驚異だが)。

*15 ジャンも疎まれたが、彼の場合極力敵を殺さない方針も加味されており、尚更理解を得られにくい。

*16 これはナチュラル、果てはハーフコーディネイターにも一定の理解があるシーゲル・クライン政権下だったことも留意する必要はある。

*17 東アジアの第四軍は同士討ちを気にしないだけ(早い話死んだやつが悪い)であり、方針は根本的に違う。

*18 正確には「准尉扱い」。一応捕虜として扱われるように配慮されてはいるが、正規兵にはない階級である辺り、連合の体質が透けて見える。

*19 「どうせ1発しか撃てない(2発以上撃てる状況に持ち込めない)」と判断してリニアガン・タンクの主砲の発射速度などを限界まで引き上げた上での、文字通り「一発勝負」だった。しかも敵はジン1機に対し友軍は災害派遣された南米軍や現地駐留の連合軍の戦闘ヘリと戦車のみなど悪条件が積み重なっていた

*20 アニメでは司令部施設が吹き飛んだのはグングニール起動後の一斉ミサイル攻撃のダメージに見える描写だったが、小説版ではEMPによって生じた膨大なサージ電流で施設内の電子機器が一斉に火を噴いたのが原因とされている。

*21 実際に上下に重なった艦首デッキなど船体前方のシルエットは似ているが、構造自体はコーネリアス級を2隻上下に貼り合わせたようなデザインをしており、全体を見れば「船体が遥かに短い」「コーネリアス級の特徴である側面の3枚のドアがそのまま残っている」など、よく見れば、もといよく見なくてもガーティ・ルー級とは似ても似つかない。

*22 例えば旧日本海軍の吹雪型駆逐艦は、11番艦から先を綾波型、21番艦から先を暁型と呼ぶこともある。『艦これ』のプレイヤーなら馴染みがあるだろう。