ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4485 ぱるすぃのじぇらすぃ
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ankoss
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『ぱるすぃのじぇらすぃ』 13KB
愛で 観察 希少種 失礼します
愛で 観察 希少種 失礼します
※ 「anko4205 れみりゃ修行する」のキャラが少し出てきます。
チートあきです。
「ぱるぱるぶんがふそくしてきたわ」
ゆっくり用座布団に座ったぱるすぃが突然そんな事を口にした。
「ぱるぱるぶん?」
飼い主の男が瞬きをしてぱるすぃを見つめる。飼い始めてから三年ほど経つが初めて聞
く言葉だった。何かしら嫉妬に関わる言葉なのだろう。
男に向き直り、ぱるすぃが頷く。
く言葉だった。何かしら嫉妬に関わる言葉なのだろう。
男に向き直り、ぱるすぃが頷く。
「しっとするとたまるのよ。しないとへっていくの。さいきんめっきりしっとしなくなったせいか、
ぱるぱるぶんがかなりふそくしちゃったわ」
「そういえば、前は青い空が妬ましいとか何かにつけて妬んでたな」
ぱるぱるぶんがかなりふそくしちゃったわ」
「そういえば、前は青い空が妬ましいとか何かにつけて妬んでたな」
昔は何でもかんでも妬ましいとぱるぱるしていたが、最近はめっきり妬まなくなっていた。
年齢とともに落ち着いてきたのだろう。
部屋の隅っこに置かれている小さな丸木、数本の釘とトンカチ。丸木は大きな板に固定さ
れ、叩いても吹っ飛ばないようになっている。ぱるぱるセットと呼んでいるもので、何かに強
烈に嫉妬した時は丑の刻参りのようなことをしていた。
しかし、かなり長い間放置されている。
年齢とともに落ち着いてきたのだろう。
部屋の隅っこに置かれている小さな丸木、数本の釘とトンカチ。丸木は大きな板に固定さ
れ、叩いても吹っ飛ばないようになっている。ぱるぱるセットと呼んでいるもので、何かに強
烈に嫉妬した時は丑の刻参りのようなことをしていた。
しかし、かなり長い間放置されている。
「で、それが減ると何かマズいのか?」
「ええ。ぱるぱるぶんがふそくすると、ぱるすぃはしんじゃうのよ。いっしゅのひゆっくりしょう
ね。さいだいを100とすると、いまのぱるぱるぶんは8.5くらい。これは、もうれっどぞーんにと
つにゅうしているわ」
「ええ。ぱるぱるぶんがふそくすると、ぱるすぃはしんじゃうのよ。いっしゅのひゆっくりしょう
ね。さいだいを100とすると、いまのぱるぱるぶんは8.5くらい。これは、もうれっどぞーんにと
つにゅうしているわ」
あっさりと答えるぱるすぃ。
男は眉を寄せ、
男は眉を寄せ、
「それ、マズくね?」
「まずいわ。どうしましょう?」
「まずいわ。どうしましょう?」
緊張感なく、ぱるすぃが身体を傾けている。命の危機だというのに、その様子が全く感じ
られない。そもそもついさっきまで気付いていなかったようにも見える。
られない。そもそもついさっきまで気付いていなかったようにも見える。
「とりあえず何か妬めばいいんだな? 今日は快晴の空だぞ」
男は窓を開け、空を指差した。秋の澄み切った空。雲ひとつなく、ひたすら青い空。昔は
青い空や珍しい形の雲にも嫉妬していた記憶がある。
しかし、ぱるすぃは棲んだ瞳で空を見上げ、
青い空や珍しい形の雲にも嫉妬していた記憶がある。
しかし、ぱるすぃは棲んだ瞳で空を見上げ、
「ああ。あおいそらがとってもすてきね。ほんのりつめたいかぜも、ふゆのおとずれをかんじ
させてくれるわ」
「重症だな」
させてくれるわ」
「重症だな」
『あなたの街のプラチナさん』
テレビに映る文字。
ゆっくり専用ゆーちゃんねるの人気番組である。プラチナバッジのゆっくりを紹介する内容
だ。放送は不定期だが、毎回個性豊かなプラチナバッジが紹介される。
とりあえず妬める優秀なゆっくりを見せるということで、この番組である。
リポーターの女性がマイクを手に持ち笑顔を見せていた。
ゆっくり専用ゆーちゃんねるの人気番組である。プラチナバッジのゆっくりを紹介する内容
だ。放送は不定期だが、毎回個性豊かなプラチナバッジが紹介される。
とりあえず妬める優秀なゆっくりを見せるということで、この番組である。
リポーターの女性がマイクを手に持ち笑顔を見せていた。
「今回ご紹介するのは、神降地空手道場のぱちゅりーさんです。ゆーれんじゃーの人気キャ
ラぷろふぇっさーまちょりー役で有名ですね」
「こんにちはみなさん。ぱちぇはぱちぇよ」
ラぷろふぇっさーまちょりー役で有名ですね」
「こんにちはみなさん。ぱちぇはぱちぇよ」
ミシミシッ。
登場したぱちゅりーが拳を握り締める。
無骨な筋肉を持つ胴付きのぱちゅりー。まちょりーだった。身の丈二メートル近い長身に
分厚い筋肉。腰に黒帯を巻き、袖は無く、スカートの左右にスリットが付けられていた。生
足とドロワが見えている。頭の帽子にプラチナバッジが光っていた。
無骨な筋肉を持つ胴付きのぱちゅりー。まちょりーだった。身の丈二メートル近い長身に
分厚い筋肉。腰に黒帯を巻き、袖は無く、スカートの左右にスリットが付けられていた。生
足とドロワが見えている。頭の帽子にプラチナバッジが光っていた。
「はっ!」
バキッ
ぱちゅりーの手刀が分厚い木の棒を切断する。
「とりゃぁ!」
バキッ。
振下ろされた拳が、分厚い氷を叩き割った。
大きな丸太を前に、ぱちゅりーが腕を交差させる。
「はちもんとんこう! だいさんせいもん、かいいィッッ!」
その身体を青い輝きが包んだ。ように見えた。白目を剥き、歯を食い縛るぱちゅりー。軋
むような音を立て血管のような模様が浮かび、口元から生クリームがこぼれ、身体が一回
り大きくなる。謎の原理で限界を超えた力を出しているようだった。
むような音を立て血管のような模様が浮かび、口元から生クリームがこぼれ、身体が一回
り大きくなる。謎の原理で限界を超えた力を出しているようだった。
「むうううきゅうううううあああああ!」
ガガガガガガガッ、ドガコンッ!
超高速の連打から、丸太を真っ二つに叩き割るぱちゅりー。
テレビ画面でスキンヘッドの男と、まちょりーが組み手をしている。
「ゆっくりばなれしすぎてて、しっとするようそがみつからないわ」
ジト眼でテレビを眺めながら、ぱるすぃが冷や汗を流していた。
嫉妬するには相手がある程度自分に近いところにいる必要がある。少なくとも想像できる
領域にいることが条件だ。このぱちゅりーはぱるすぃの理解の外にいる。
プラチナバッジにはこのような規格外のゆっくりが多い。
嫉妬するには相手がある程度自分に近いところにいる必要がある。少なくとも想像できる
領域にいることが条件だ。このぱちゅりーはぱるすぃの理解の外にいる。
プラチナバッジにはこのような規格外のゆっくりが多い。
「まー。もう少し普通にゆっくり探そうな」
そう言って、男は携帯電話を取り出した。
「ふーははははは!」
ヒュヒュヒュヒュンッ!
高らかに笑いながら、ぱるすぃの周りを高速移動するきめぇ丸。友人の飼っているきめぇ
丸だった。ぱるすぃが嫉妬できる手頃に有能なゆっくりとして白羽の矢が立った。
丸だった。ぱるすぃが嫉妬できる手頃に有能なゆっくりとして白羽の矢が立った。
「おお、さーくるさーくるぅ! あーんど、りばーすっ!」
円を描く高速の動きから、逆回転。
目を丸くしているぱるすぃの周囲を疾走するきめぇ丸。
目を丸くしているぱるすぃの周囲を疾走するきめぇ丸。
「さらに、とらいあんぐるぅぅ! さんじげんりったいいどうぅぅぅ!」
さらに三角形に走り、最後にぱるすぃの頭上を飛び越え、立体的に高速移動を決める。
旋風が起こるほどの速度だ。
最後にぱるすぃの正面にぴたりと止まって、ドヤ顔を見せる。
旋風が起こるほどの速度だ。
最後にぱるすぃの正面にぴたりと止まって、ドヤ顔を見せる。
「すごいわ。さすがきめぇまる!」
「はっはっは。とうぜんですよ!」
「はっはっは。とうぜんですよ!」
緑色の目を興奮に輝かせるぱるすぃと得意げに仰け反るきめぇ丸。
「……」
数秒の沈黙。
それから、きめぇ丸が視線を落とす。
それから、きめぇ丸が視線を落とす。
「そこは『そのすばやいうごきがねたましい!』とかぱるってくれないと、このきめぇまる『お
おのろいのろい』とみくだせないじゃないですか……」
おのろいのろい』とみくだせないじゃないですか……」
少し悲しげに吐息した。
きめぇ丸は他者を見下す習性がある。何かにつけて他者を妬むぱるすぃとは本来なら相
性がいいのだが、素直に感心されたり驚かれたりすると見下しずらいらしい。
きめぇ丸は他者を見下す習性がある。何かにつけて他者を妬むぱるすぃとは本来なら相
性がいいのだが、素直に感心されたり驚かれたりすると見下しずらいらしい。
「ごめんね。ふつうにみとれちゃったわ」
素直に謝るぱるすぃ。
「このびみょーなきぶんをなんとひょうげんしていいかわかりませんね」
視線を泳がせ、きめぇ丸が身体を傾ける。
男はぱるすぃに声を掛けた。
男はぱるすぃに声を掛けた。
「無理?」
「むりみたい」
「むりみたい」
「すてきなあおぞらね。このまま、おっこちてしまいそう」
男に抱えられたぱるすぃが快晴の空を見上げ、そんな事を呟いている。
飼いゆっくりと外を歩く時は、抱えるかケージに入れるかするのが望ましい。ゆっくりの足
では人間の徒歩に付いていくだけでも、大きな負担となってしまうからだ。眼を放している
間に事故にあう可能性もある
飼いゆっくりと外を歩く時は、抱えるかケージに入れるかするのが望ましい。ゆっくりの足
では人間の徒歩に付いていくだけでも、大きな負担となってしまうからだ。眼を放している
間に事故にあう可能性もある
「なんか悟っちゃった感じのぱるすぃを嫉妬させるって、どうすりゃいいんだ?」
何か嫉妬できるようなものを探して、男は街を歩いていた。しかし、そう都合良く見つかる
ものではない。普通のぱるすぃなら何でも嫉妬できるのだが。
ものではない。普通のぱるすぃなら何でも嫉妬できるのだが。
「はっ」
不意にぱるすぃが身体を跳ねさせた。
「どした」
その問いに、尖った耳をぴこぴこ動かしながら、視線で右を示す。
「こっちからぱるぱるうぇーぶをかんじるわ。おにいさん、ごー!」
「ぱるぱるうぇーぶって何だろう?」
「ぱるぱるうぇーぶって何だろう?」
疑問に思いつつも、男はそちらに向かった。
公園にて、一匹のありすが植えられた木を見上げている。
カチューシャに付けられた緑と白の四角い地域ゆっくりバッジ。貼られている星シールは
二枚。この公園のリーダーを務めるありすだった。
カチューシャに付けられた緑と白の四角い地域ゆっくりバッジ。貼られている星シールは
二枚。この公園のリーダーを務めるありすだった。
「このじきはおちばがおおくてたいへんなの。でも、ざっそうはそんなにはえないし、おちば
もはけばあつめられるから、らくといえばらくね」
「すごいわねー。ぱるすぃにはそうぞうもつかないわ……」
もはけばあつめられるから、らくといえばらくね」
「すごいわねー。ぱるすぃにはそうぞうもつかないわ……」
ぱるすぃが感心したように頷いている。
公園の管理が地域ゆっくりの仕事だ。雑草を抜いたりゴミを捨てたりなど、内容は手足の
ないゆっくりでもできる単純なものである。この時期は落ち葉を掃き集めることが主のよう
だった。時々やってくる飼いゆっくりの相手をするのも、仕事の一部らしい。
公園の管理が地域ゆっくりの仕事だ。雑草を抜いたりゴミを捨てたりなど、内容は手足の
ないゆっくりでもできる単純なものである。この時期は落ち葉を掃き集めることが主のよう
だった。時々やってくる飼いゆっくりの相手をするのも、仕事の一部らしい。
「ちいきゆっくりってたいへんなのね」
ぱるすぃの言葉に、ありすは得意げに笑ってみせる。
「たいへんよ。でも、はたらいておきゅうりょうもらってせいかつするっていうのは、なかなか
いいものよ。かいゆっくりにはないじゅうじつかんがあるわね」
いいものよ。かいゆっくりにはないじゅうじつかんがあるわね」
噂によると、このありすは元飼いらしい。家庭の事情で飼えなくなり、地域ゆっくりになっ
たと聞いた事がある。地域ゆっくりには飼いゆ出身も少なからずいる。
たと聞いた事がある。地域ゆっくりには飼いゆ出身も少なからずいる。
「すごいわー……。そんけいしちゃうわー……」
緑色の瞳をきらきらさせながら、ぱるすぃはありすを見つめていた。
ありすとぱるすぃから少し離れたベンチに座り、様子を眺める男。その近くに、ちぇんとみょ
んがいた。お飾りに付けられたバッジに貼られた星はひとつである。
んがいた。お飾りに付けられたバッジに貼られた星はひとつである。
「あれ、なにしてるみょん?」
不思議そうに訊いてくるみょん。
地域ゆっくりがどのような事をしているかを説明するありすと、尖った耳をぴこぴこ動かし
ながら感心したり驚いたりしているぱるすぃ。社会科見学という言葉が浮かぶ。ある程度
真面目な飼いゆっくりには、地域ゆっくりは仕事をして自立している大人に見えるらしい。
男はみょんに目をやり、
地域ゆっくりがどのような事をしているかを説明するありすと、尖った耳をぴこぴこ動かし
ながら感心したり驚いたりしているぱるすぃ。社会科見学という言葉が浮かぶ。ある程度
真面目な飼いゆっくりには、地域ゆっくりは仕事をして自立している大人に見えるらしい。
男はみょんに目をやり、
「いやなぁ、かくかくしかじかなわけで」
「まるまるうまうまかみょん」
「まるまるうまうまかみょん」
何とも言えぬ表情でみょんが、ぱるすぃを眺める。
「この場合は『真面目に仕事して自活できて妬ましい、ぱるぱる!』てな具合にならないけ
ないんだが、普通に羨ましがってるな。全然ぱるぱるできてないぞ」
「きしょうしゅもたいへんなんだねー。わかるよー」
ないんだが、普通に羨ましがってるな。全然ぱるぱるできてないぞ」
「きしょうしゅもたいへんなんだねー。わかるよー」
ちぇんがしたり顔で頷いていた。
「これか……?」
男は瞬きをして、二匹のゆっくりを眺めた。典型的な野良れいむとまりさである。さきほど
見ていた地域ゆっくりたちに比べると、明らかに醜く頭も悪そうだった。
ぱるぱるウェーブを辿ってみたら、見つけたのがこのれいむとまりさである。
見ていた地域ゆっくりたちに比べると、明らかに醜く頭も悪そうだった。
ぱるぱるウェーブを辿ってみたら、見つけたのがこのれいむとまりさである。
「ゆふふ。ゆっくりしてないにんげんが、きょうもれいむたちにしっとしてるよ」
「ゆへへ。おい、くそじじぃ、しっとはみぐるしんだぜ」
「ゆへへ。おい、くそじじぃ、しっとはみぐるしんだぜ」
目を細め、口元に薄笑いを浮かべ、男を見上げている。
空き地に住み着いている野良らしい。リボンも帽子もボロボロであちこち泥で汚れている。
碌なものを食べていないのか身体も細い。見る限り、辛い現実を誤魔化すために人間が
自分たちに嫉妬していると自分に言い聞かせているようだった。
空き地に住み着いている野良らしい。リボンも帽子もボロボロであちこち泥で汚れている。
碌なものを食べていないのか身体も細い。見る限り、辛い現実を誤魔化すために人間が
自分たちに嫉妬していると自分に言い聞かせているようだった。
「うらやましいわ、あなたたちがとってもうらやましいわ」
男に抱えられたまま、その二匹を食い入るように見つめるぱるすぃ。一見するとぱるすぃ
が羨んだり妬んだりする要素はないのだが。
が羨んだり妬んだりする要素はないのだが。
「あなたたちみたいにしっとできたら、きっとぱるぱるぶんたくさんんたまるわね」
「確かに」
「確かに」
男は苦笑いとともに頷く。
「ゆゆっ!?」
反応したのはれいむとまりさだった。きっとぱるすぃを睨み付け、
「なにいいってるの? れいむたちはにんげんにしっとなんかしてないよ!」
「ぎゃくなんだぜ! くそにんげんどもがまりさたちにしっとしてるんだぜ!」
「ぎゃくなんだぜ! くそにんげんどもがまりさたちにしっとしてるんだぜ!」
しかし、言い張る声は微かに震えている。現実逃避という自覚はあるようだ。その自覚を
無理に誤魔化して、今の辛い状況は人間が自分たちに嫉妬して意地悪しているせいと言
い聞かせているようだ。
しかし、ぱるすぃはマイペースに続ける。
無理に誤魔化して、今の辛い状況は人間が自分たちに嫉妬して意地悪しているせいと言
い聞かせているようだ。
しかし、ぱるすぃはマイペースに続ける。
「あいてがじぶんをねたんでるっていいはる。うーん……そういうねたみかたもあるのね。
レベルたかいわー。すごいわね、あなたたち」
レベルたかいわー。すごいわね、あなたたち」
今まで何かに嫉妬する時は単純にぱるぱるしていた。この二匹のようなひねくれた嫉妬
の方法は考えも付かなかったのだろう。素直に感心していた。
の方法は考えも付かなかったのだろう。素直に感心していた。
「れいむたちはゆっくりしてないくそにんげんなんかに、しっとなんかしてないよ!」
「あのくそにんげんたちが、まりさたちにしっとしていじわるしてるんだぜ。そうにきまってる
んだぜ!」
「あのくそにんげんたちが、まりさたちにしっとしていじわるしてるんだぜ。そうにきまってる
んだぜ!」
と、男に目を向ける。自分たちが人間に嫉妬しているという自覚はある。しかし、そうでな
いと言い聞かせないと辛い現実を受け止められない。その妄想を何らかの形で肯定してほ
しかったのだろう。
いと言い聞かせないと辛い現実を受け止められない。その妄想を何らかの形で肯定してほ
しかったのだろう。
「………」
「……」
「……」
見つめ合う二匹と一人。
「ぷっ」
その滑稽さに、思わず男は吹き出した。
「ゆあああああ! おばえらがっ、れいぶだぢに、じっどじでるんだああ!」
「ばりざだぢはっ、にんげんなんがに、じっどじでないんだぜえええ!」
「ばりざだぢはっ、にんげんなんがに、じっどじでないんだぜえええ!」
泣きながら突っ込んでくる二匹。
「うおっ。馬鹿が移る前に帰るぞ」
ぱるすぃを抱えたまま、男は逃げ出した。飼いゆっくりを頭の悪い野良ゆに触れさせるの
は教育上良くない。体当たりされて靴やズボンが汚れるのもイヤである。
二匹がぎゃあぎゃあ騒ぎながら追い掛けてくるが、追い付くことはなかった。
は教育上良くない。体当たりされて靴やズボンが汚れるのもイヤである。
二匹がぎゃあぎゃあ騒ぎながら追い掛けてくるが、追い付くことはなかった。
「おもしろいかたちのくもがうかんでいるわね」
窓辺に置かれた座布団に座り、ぱるすぃが空を見上げている。空に浮かぶ波状雲。細い
棒のような雲がいくつも並んでいた。
棒のような雲がいくつも並んでいた。
「色々妬んでいる時より健康そうに見えるんだが」
男はぱるすぃを眺め、思った事を口にした。
以前頻繁にぱるぱるしていた時よりも、精神的に安定しているように見える。また肌の艶
もあり、髪の毛もきれいで、全身から余裕も感じられた。
以前頻繁にぱるぱるしていた時よりも、精神的に安定しているように見える。また肌の艶
もあり、髪の毛もきれいで、全身から余裕も感じられた。
「そうかもしれないわね。でも、ぱるぱるすることはぱるすぃのそんざいいぎなのよ。だれも
ねたまなくなったら、ぱるすぃはぱるすぃでいられなくなっちゃうわ」
ねたまなくなったら、ぱるすぃはぱるすぃでいられなくなっちゃうわ」
一部のゆっくりは自分の存在理由を持っている。有名所では植物を育てたがるゆうかや、
ひたすら速く動くきめぇ丸、何かを守りたがるめーりんなど。それができないことは、大きな
ストレスになってしまうらしい。
ぱるすぃの場合は嫉妬である。
ひたすら速く動くきめぇ丸、何かを守りたがるめーりんなど。それができないことは、大きな
ストレスになってしまうらしい。
ぱるすぃの場合は嫉妬である。
「仕方ないか」
男は卓袱台に置いてあった封筒を手に取った。
「ところでな。叔母さんちのやまめちゃんの事なんだがな」
「やまめ、げんきにしてるかしら?」
「やまめ、げんきにしてるかしら?」
親戚の家で暮らしているやまめ。ぱるすぃとは子ゆっくりだった頃から親友である。ぱるす
ぃが男に貰われるまで一緒に暮らしていた。今でも時々顔を合わせている。
静かに男は告げた。
ぃが男に貰われるまで一緒に暮らしていた。今でも時々顔を合わせている。
静かに男は告げた。
「近々結婚するそうだ」
「!?」
「!?」
ぱるすぃが緑色の目を見開く。
男は封筒から取り出した写真をぱるすぃに見せた。
一匹のゆーぎと一緒に並んでいるやまめの写真である。他にも一緒に食事をするやまめ
とゆーぎの写真、幸せそうにすーりすーりする写真、ゆーぎが頭にやまめを載せている写
真などがある。絵に描いたような幸せなカップルの姿。
男は封筒から取り出した写真をぱるすぃに見せた。
一匹のゆーぎと一緒に並んでいるやまめの写真である。他にも一緒に食事をするやまめ
とゆーぎの写真、幸せそうにすーりすーりする写真、ゆーぎが頭にやまめを載せている写
真などがある。絵に描いたような幸せなカップルの姿。
「な、な……!?」
写真を凝視し、ぱるすぃは身体を震わせた。
そして。
そして。
シュタッ!
ぱるすぃが写真を咥え、走る。
部屋を横切り久しく使っていなかったぱるぱるセットに駆け寄り、丸木に写真を叩き付け
た。さらに近くに散らばっていた釘を咥え、勢いよく写真に突き刺す。かなり柔らかい木材
なので、ゆっくりの力でも釘を刺す事はできる。
パルスィは転がっていたトンカチを咥えた。
部屋を横切り久しく使っていなかったぱるぱるセットに駆け寄り、丸木に写真を叩き付け
た。さらに近くに散らばっていた釘を咥え、勢いよく写真に突き刺す。かなり柔らかい木材
なので、ゆっくりの力でも釘を刺す事はできる。
パルスィは転がっていたトンカチを咥えた。
「くおおあああああ! ふるえるぞぱるすいぃ! もえつきるほどじぇらしいぃ! きざむわ、
たましいのぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱる!」
たましいのぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱる!」
コンコンコンコンッ!
涙を流しながら、凄まじい勢いでトンカチを釘に叩き付けている。
「どだ……? ぱるぱる分は溜まったか?」
あまりの勢いに、ちょっと引きつつ、男は尋ねた。
今までぱるすぃが嫉妬する姿は何度も見てきたが、これほど苛烈に嫉妬することはなか
った。それほど衝撃だったのだろう。やまめの結婚話はある意味切り札と考えていたが、
効果は予想以上のものだった。
今までぱるすぃが嫉妬する姿は何度も見てきたが、これほど苛烈に嫉妬することはなか
った。それほど衝撃だったのだろう。やまめの結婚話はある意味切り札と考えていたが、
効果は予想以上のものだった。
「ぱるぱるぱる、とうぜん100パーセントふるちゃーじよっ! うっわ、ねたましい、ねたまし
すぎるわああっ! ぱるぱるぱる、このうらぎりものがあああッ! しねえええ! しんで
しまええええ! ぱるぱるぱるぱるぅぅっ! りあじゅうばくはつしろおおおおお!」
「元気になって何よりだ……」
すぎるわああっ! ぱるぱるぱる、このうらぎりものがあああッ! しねえええ! しんで
しまええええ! ぱるぱるぱるぱるぅぅっ! りあじゅうばくはつしろおおおおお!」
「元気になって何よりだ……」
嫉妬に狂うぱるすぃを眺めながら、男は小さく呟いた。
過去SS
anko4467 事情聴取
anko4458 どうあがいても絶望
anko4439 ぼうぎょ 255
anko4420 心無い天使
anko4406 罪と罰
anko4386 ゆっくりゲスになってね!
anko4377 勝手に生えてくる
anko4373 ものもらい
以下省略
anko4467 事情聴取
anko4458 どうあがいても絶望
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以下省略