プロクラブのラグ対策

お知らせ 2013/06/12

ラグ改善状況

一部のユーザに発生していたプロクラブのラグが改善された模様です。

以下は改善されたec光の友人に協力いただき確認したtracertの結果です。

改善前

tracert ***.***.***.***
1 <1 ms <1 ms <1 ms ***.***.***.***
2 3 ms 2 ms 2 ms ***.***.***.***
3 2 ms 2 ms 1 ms ***.***.***.***
4 2 ms 2 ms 2 ms ***.***.***.***
5 2 ms 2 ms 2 ms ***.***.***.***
6 15 ms 15 ms 16 ms KOC-0004.gw3.osa1.asianetcom.net [203.192.150.1]
7 19 ms 18 ms 18 ms te0-3-0-3.wr2.osa0.asianetcom.net [61.14.158.40]
8 74 ms 75 ms 75 ms te0-0-0-0.wr2.hkg0.asianetcom.net [61.14.157.6]
9 74 ms 73 ms 73 ms gi15-0-0.gw5.hkg3.asianetcom.net [61.14.157.138]
10 74 ms 73 ms 74 ms po0-0.gw2.hkg3.asianetcom.net [202.147.16.206]
11 133 ms 137 ms 137 ms RHI-0001.gw2.hkg3.asianetcom.net [203.192.178.66]
12 135 ms 134 ms 135 ms vl901.core1a.hkg1.rackspace.net [120.136.47.12]
13 135 ms 132 ms 135 ms aggr102a-2.hkg1.rackspace.net [120.136.47.57]
14 137 ms * 138 ms ***.***.***.***

改善後

tracert ***.***.***.***
1 <1 ms <1 ms <1 ms ***.***.***.***
2 3 ms 3 ms 3 ms ***.***.***.***
3 3 ms 4 ms 4 ms ***.***.***.***
4 3 ms 4 ms 2 ms ***.***.***.***
5 2 ms 2 ms 3 ms ***.***.***.***
6 14 ms 14 ms 14 ms KOC-0004.gw3.osa1.asianetcom.net [203.192.150.1]
7 16 ms 19 ms 18 ms te0-2-1-0.wr1.osa0.asianetcom.net [61.14.157.145]
8 62 ms 65 ms 64 ms te0-2-0-0.wr1.hkg0.asianetcom.net [61.14.157.69]
9 62 ms 61 ms 62 ms gi11-0-0.gw5.hkg3.asianetcom.net [61.14.157.102]
0 62 ms 62 ms 62 ms gi9-0-0.gw2.hkg3.asianetcom.net [202.147.16.94]
11 67 ms 67 ms 68 ms RHI-0001.gw2.hkg3.asianetcom.net [203.192.178.66
12 67 ms 67 ms 69 ms vl901.core1a.hkg1.rackspace.net [120.136.47.12]
13 72 ms 70 ms 71 ms aggr102a-2.hkg1.rackspace.net [120.136.47.57]
14 * * * 要求がタイムアウトしました。←EAの香港サーバがicmpプロトコルを拒否するように変更した模様


  • asianetcom.netは日本-香港間を接続している通信会社でその一部にボトルネックがあったようです。
  • 比較するとasianetcom.net内の通過するゲートウェイが変更されているようで経路制御を変えたのかもしれません。
  • rackspace.netはEAサーバが収容されている香港のデータセンタです。
  • 最終行のタイムアウトはEAサーバがpingやtracertで使用するicmpというプロトコルを拒否設定にしたものと思われます。
  • EAサーバが収容されているrackspace.netまでの遅延が明らかに軽減されていることからラグの改善はasianetcom.net側の改善によるものと推測されます。
  • 今回ご協力いただいたeo光の友人はISPに改善要望をあげていましたので、友人の声に対する改善だったのかも知れません。
  • コミュファ光の友人も改善されたとのことなのでasianetcom.netの経路だったと思われます。
  • シーズンにおける香港ユーザとの対戦についても改善された可能性があります。
  • 香港のデータセンタにサーバを収容している他のゲームでも同様の改善があったと見込まれます。



これまでの記事


一緒にクラブでプレイしている仲間のAさんがプレイ中にラグ酷いと嘆いておりました。
こちらは特にラグがもなく非常に快適で、他のメンバーも快適な方がほとんどでした。

Aさんの環境は
  • PCスペックは問題ないというよりFIFA13にはオーバースペック
  • 回線はeo光1GのFTTH
  • FIFAシーズンは普通に対戦が可能

プロクラブのプレイ中にどこと通信しているのか確認してみました。
ゲームのプレイに関する通信はUDPがメインだと聞いておりましたのでツールを使って確認したところ

.***.***.*** UDP US EA

.***.***.*** UDP US EA

.***.***.*** UDP HK


3つの候補に絞られました。

11対11を実現するためには、FPSのマルチのようにサーバを中心にスター型接続が想定されるので、上記3つのうちの何れかがプロクラブのサーバではないかと考えられます。
更に上記3つのうちアジア圏にあるのは3つ目の香港のみなので、これをプロクラブにおけるアジアサーバと想定してみました。

tracert ***.***.***.***
上記コマンドにてルートを検証した結果、国内の各IX等までは遅延の差がほとんどありませんでしたが、日本⇒香港のルートに約2倍の差があり、ここがボトルネックと思われます。

以上のことからラグを解消するためには、日本⇒香港のルートを変更することが必要であり、変更しなければラグは解消されないという結論に達しました。

ISPにこのような事象に対する改善策として香港へのルート変更を申し出しましたが「無理」との回答でした。
Aさんの契約しているeo光は回線とISPが一体となったサービスでISPを変更することが出来ませんでした。
また回線を変更するにも違約金が発生するため、これも現実的ではないとのことでした。

以上のことから自力でのルート変更の方法を模索してみました。
①外部PROXYサーバ経由によるルート変更
②VPNサービス等によるルート変更

①についてはOriginがPROXYに対応していないようで、接続が出来ませんでした。
②についてはFlyVPNというVPNサービスにて試したところ、ルートが変更となりうまく接続出来ました。しかも、遅延も思った以上に少ない状況でした。
FlyVPNの無料サービスには時間制限と1日当たりの接続回数に制限があることから、FIFAをプレイするためには有料サービスに契約する必要があります。
それでも高額な違約金を払うより負担が少ないことから、Aさんは有料サービスを契約してFIFAをプレイすることにしました。

  • FlyVPNのサーバはいくつかありますが、香港なたは東京サーバに接続しているようです。
  • 中部電力系FTTHのユーザの方も同じ状況でVPN経由での接続にて改善されました。
  • ラグの原因はたくさんの要因が考えられますのでこの事例と同様に多くの方が改善されるとは限りません。

NTT系FTTH及びISPからのping結果

  • 自分のping結果です。
  • FTTH及びISPは共にNTT系です。
  • Aさんの結果はこの2倍~3倍でした。

.***.***.*** に ping を送信しています 32 バイトのデータ:

.***.***.*** からの応答: バイト数 =32 時間 =68ms TTL=52

.***.***.*** からの応答: バイト数 =32 時間 =66ms TTL=52

.***.***.*** からの応答: バイト数 =32 時間 =67ms TTL=52

.***.***.*** からの応答: バイト数 =32 時間 =64ms TTL=52


.***.***.*** の ping 統計:

   パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
   最小 = 64ms、最大 = 68ms、平均 = 66ms
最終更新:2013年06月12日 11:57