ふたば系ゆっくりいじめ 697 おちびちゃん用のドア

おちびちゃん用のドア 17KB


虐待-普通 悲劇 自業自得 自滅 野良ゆ 赤子・子供 現代 口は災いの元

「おなかへったよぉ……」
「ゆぅ……ゆぅ……」
「ちゅかれたよぉ……」
「ゆひぃ……ゆひぃ……」
「おちびちゃん、がんばってね! もう少しだよ!」
 子まりさと子れいむ、それより小さな赤まりさと赤れいむ、そして大きな親れいむの五
匹のゆっくり一家が街中を這っていた。
 野良ゆっくりであるこの一家は、狩りの最中だ。そして子供たちの様子から容易に察す
ることができようが、不調も不調、まったく獲物を得ることができていなかった。
 親れいむも、もう少し、と励ますものの、もちろんなにかアテがあるわけではない。そ
れどころか、アテにしていた二つのゴミ捨て場が、一つは既に人間がゴミを回収してしま
っており、もう一つは先に来ていた別の野良一家に占領されていて追い返されてしまって
いた。
「ゆゆぅ……すこしぐらいわけてくれてもいいのに……」
 親れいむは、先ほどの、たっぷりと生ゴミが積み上がった「狩場」と、そこで我が物顔
でむーしゃむーしゃする一家を思い出して恨めしげに言った。あの一家がお腹いっぱい食
べて持ち帰っても余ってしまうぐらいの量だった。それなのに、自分たちだけで独り占め
して、ゆっくりしていない連中だった。
 成体一匹、子供二匹のこちらと違って、あちらは成体二匹、子供五匹という戦力であり、
喧嘩をしても勝ち目は無かった。戦力にはならずにむしろ集中的に狙われて真っ先に殺さ
れかねない赤ゆっくりが二匹いるのも不利だった。
 しょんぼりとする親れいむだが、実はあの後すぐに人間がゴミ回収に現れてゆっくりた
ちも「ゆっくりゴミ」として回収されてしまっていたのだから、むしろれいむ一家は運が
良かった。
「ゆぅぅぅ、しょうがないから、ここの草さんを食べようね」
 とある民家の庭にやってきた一家は、そこで苦い草を食べることにする。
「むーしゃむーしゃ、にがにがー」
 あまりの苦さに目に涙が浮かぶほどだ。それでも我慢して食べればゆっくりの持つ餡子
変換能力によって少しは足しになる。
「ゆぷっ」
「ゆっ、吐いたらだめだよ!」
「ゆっくちできないよ!」
「ゆぴぃ……」
 嘔吐しそうになった赤まりさを姉二匹が嗜め励ます。
「ゆぅ……」
 まったくもってゆっくりしていない食事風景に親れいむは心を痛めた。
「みんな、日向ぼっこしようね!」
 殊更元気な声で子まりさが言った。
「ゆゆん、日向ぼっこはゆっくちできるね!」
 すぐさま子れいむもそれに和す。
「ゆっきゅち!」
「ひなたぼっきょ!」
 妹二匹も嬉しそうに言った。
 まだ所々に赤ちゃん言葉が抜けていないのにお姉さんらしさを見せる子供に、親れいむ
は感無量であった。
「ゆん! それじゃあここで日向ぼっこしようね!」
「「ゆわーい!」」
 苦い草しか無いその庭だが、日照には恵まれていた。
 ゆっくり一家は思い思いに陽光を浴びてゆっくりした。
「ゆぅ……ゆぅ……ゆぅ……」
 四匹の子供を抱えたしんぐるまざーれいむは日頃の疲労が一辺に出てしまったのか、す
やすやと眠り始めた。
 一方、遊びたい盛りの子供たちは、しばらくするとじっとしていられなくなった。
 すーりすーりしたり、こーろこーろしたり、追いかけっこをしたり、ゆっくり遊び始め
た。
「ゆゆ!?」
 やがて、大きなおうちを探検(と言っても外壁を見ているだけだが)していた子まりさ
が上を見つつ声を上げた。
「みんな、来ちぇ!」
「「「ゆゆっ?」」」
 呼びかけに他の三匹がやってくる。
「あれ見ちぇ、ちいさなドアさんがあるよ」
「ゆゆ、ほんとだ!」
「ちいちゃいね」
 壁に、小さなドアらしきものがついていた。その前に同じ高さの台が置いてある。
「ゆわあ、おうちはおおきいのにドアはちいちゃいにぇ」
「ゆ!」
 何気無く口にしたであろう赤れいむの言葉に、子まりさが反応する。
「ゆゆゆゆゆ」
「ゆ? どうしたの?」
「おかしいよ、ここはにんげんさんのおうちだよ!」
「ゆん」
 それは、親れいむによって教えられて承知していた。
「にんげんさんはおおきいのに、なんでこんなにちいさいドアがおうちについてるにょ?」
「「「ゆゆゆゆゆ!?」」」
 言われて気付いた。この小さなドアでは人間さんの赤ちゃんですら通り抜けられないだ
ろう。
「ゆぅ、なんだろうにぇ?」
「おちびちゃんたち、どうしたの?」
 そこへ、目を覚ました親れいむがやってきた。
 説明すると、親れいむも疑問に思ったらしく、ゆゆぅ、と唸った。
「ゆっ! まりさが行ってみるよ! おかあさん、あたまのうえに乗せちぇね!」
「ゆぅ……気をつけてね」
 心配しつつも、気になるのは事実であったので、親れいむは子まりさを頭に乗せた。そ
こから子まりさはドアの前に置いてあった台に飛び乗った。
「ゆぅぅぅ……ゆっ!」
 とりあえず押してみると、ドアは上の方にと開いた。
「このドアさん、あくよ!」
「ゆゆゆっ」
「ゆっ、わかっちゃよ!」
 赤れいむが叫んだ。
「きっと、これはれいみゅたち用のドアらよ!」
「「「ゆゆゆっ?」」」
 赤れいむ曰く、こんな小さなドアは人間さんは出入りできない、ということはこれは自
分たちのような小さくて可愛い子ゆっくり用のドアに違いない。
 そして、そこから導き出される結論は、このおうちに住んでいる人間はおちびちゃんが
大好きなとてもゆっくりできる人ということになる。
 餡子脳ゆえの楽観過ぎる観測だが、この一家はゆっくりをゴミのように扱うひどい人間
を見たことがある一方で、あまあまを人間に貰ったこともあった。
「ゆっくちできりゅにんげんしゃんなら、あまあまくれりゅよね!」
「あまあまたべちゃいよ!」
「ゆっ、まりさたちが中に入ってみるよ」
「ゆっ、ゆっ、でもドアさんが」
 期待に目を輝かす妹二匹に、意気込む子まりさだったが、子れいむが困った声を出した。
 押すと、確かにドアは上に開く。しかし、少し油断すると戻ってきてしまう。
「ゆっ、二人で一緒に押せば大丈夫だよ!」
「ゆゆっ、そうだね!」
 かくして……
「「ゆーしょ、ゆーしょ」」
「がんばっちぇ、おねえしゃん」
「がんばりぇ! がんばりぇ!」
「無理しないでね、気をつけてね」
 悪戦苦闘しつつも、姉二匹は、なんとかドアを上に押し開けて、生じた隙間を通り抜け
ることができた。
 バタン、とその瞬間、ドアが背中をこするようにして元に戻る。
「ゆ゛びっ!」
「いぢゃい!」
 それに悲鳴を上げたものの、それにもめげずに前に進む。
「「ゆーしょ、ゆーしょ」」
 前には、また同じドアがあった。
 二度目なので要領はわかっている。二匹はドアに押し潰されそうになりながらもなんと
かおうちの中に入ることができた。そこにあまあまが待っていることを疑いもしておらず、
それが原動力になっていた。
「ゆっ、ゆっ、ゆっ」
「あまあまはどこかにゃ?」
 子まりさと子れいむはそれぞれ別の方向に跳ねて行く。
「ゆっ、ねこさんがいるよ!」
 やがて、子れいむが丸くなって眠る一匹の猫を発見した。
「ゆっ、ねこさん、あまあまはどこにあるの?」
 普段は、子れいむもここまで無防備に猫には近付かない。カラスや鼠と同様、猫は野良
ゆっくりにとっては恐ろしい生物だ。
 しかし、ここのおうちはなんといってもおちびちゃんが大好きなゆっくりできる人間さ
んのおうちであり、そこに住んでいるらしき猫もそうであろうと勝手に思い込んでいた。
 もちろん、そんなわけはねえのである。
 あまあまが食べられると感極まって、子れいむがもみ上げをぴこぴこと上下に激しく揺
すっているのもまずかった。
「にゃっ!」
 動くものを見れば「狩り」をする。
 それが猫の習性である。ゆっくりに対する悪意の有無の問題ではないのだ。
「ゆぴっ!」
 子れいむは、思い切り猫の前足で叩かれた。
「ゆ゛ああああ、いぢゃいよぉぉぉぉ!」
 甲高い大声を上げる。それに一瞬猫は怯んだものの、一瞬だけのことで、すぐに激痛に
よって先ほどよりも早く激しくぴこぴこする子れいむのもみ上げに刺すような視線を注い
だ。
「れいむ、どうしちゃの!?」
 子まりさが悲鳴を聞きつけて跳ねてきた時には、子れいむは猫の前足によって完全に押
さえつけられていた。
「ゆゆ!? ね、ねこさん、やめちぇね! 痛がってるよ!」
 必死に制止しようとする子まりさなど、完全に猫の意識の外である。
「ゆぎぃ!」
 子れいむが一際大きな悲鳴を上げた。
 猫が噛み付いた。そして、その牙が子れいむの右目に深々と突き刺さったのだ。
「ゆっぎゃあああああ! れいびゅの、おめめぎゃああああ! やめぢぇぇぇぇ!」
 猫が頭を振る。
「ゆぎ、やべ、やべちぇ……ゆ゛っ……」
 子れいむは精神が耐えられる限度を超えた激痛によって気を失った。反応が無くなると、
猫は狩りを終えた。
「ゆ゛……ゆ゛……れ、れいびゅが……ひぢょいよぉぉぉぉ! どぼちでごんなごとすり
ゅのぉぉぉ!」
 全く予想だにしていなかった仕打ちに、子まりさが泣き叫ぶ。
「……」
「ゆぴ」
 そして、そんな子まりさを猫が興味津々といった感じに見つめているのに、ようやく気
付いた。
「や、やじゃあ、ごっち来ないでぇ」
 ガタガタと震える子まりさは、猫を誘っているようなものだ。
「おい、どうした」
 そこへ、一人の青年が現れた。子れいむの悲鳴を耳にして別室からやってきたらしい。
「ゆ゛わああああ、にんげんしゃん、だすげでえええ!」
 未だに「ここの人間さんはゆっくりできる人」と思っている子まりさは、必死に助けを
求めた。
「え? ゆっくり? なんだなんだ。なにがあった」
「ゆひぃ、ゆひぃ、ねこさんがれいびゅを、ゆ゛あああああ」
「ん? あ、こっちにも一匹いるな」
 青年は、ぴくりとも動かなくなっている子れいむに気付いた。
「で? なにがあった」
 青年は、子まりさに話を聞いた。その間、猫はもう興味を失ったようで、子まりさのこ
となど完全無視して毛づくろいをしていた。
「あー、そっから入ってきたのか……それにしても、ゆっくりのおちびちゃん用のドア、
ねえ」
 青年はそう言って苦笑して、もはや我関せずと昼寝している猫を見た。
「あれは、あいつ用の出入口だよ」
「ゆゆ?」
 それから、青年は説明したが、ただでさえ動転している子まりさが理解できたとは言い
難い。
「まあいいや、さっさと帰れ。二度と来るなよ」
 ゆっくりに対して、感情と呼べるようなものを抱いていない青年は、勝手な思い込みで
家に侵入してきて飼い猫にこっぴどく痛めつけられたのに同情もしない代わりに、駆除し
たりしようともしなかった。
「ほれ、こっち開けてやるから」
 子ゆっくりの小さな体で必死にドアを開けて入ってきたのであろうことを察した青年は、
その猫用ドアの横にあるテラスタイプの窓を開けようとした。
 縦長の窓で床についているが、地面までは距離があるので手に乗せて外に出してやろう
と思っていた。
「ん?」
 と、子まりさに手を差し伸べようとしたところで、庭に大きなれいむがいるのに気付い
た。
「親か」
 青年は、窓を開けた。
「ゆっ、お兄さん! ゆっくりしていってね!」
「はいはい、ゆっくり」
「れいむのおちびちゃんが遊びに行ってるはずなんだけど、知らない?」
「おにいしゃんはゆっきゅちできりゅ人らよにぇ!」
「あまあまちょうらい!」
「お、もっと小さいのもいたのか……で、おちびは……確かにいるんだけど」
 そう言って、青年は屈んでから、両手を親れいむに向けて差し出した。
「ゆっ、おちびちゃん!」
「ゆひぃ……お、おかあしゃぁぁぁぁん!」
「ゆ!? ど、どうしたの? ゆっくりしてね!」
 青年の手に乗った子まりさに嬉しそうな笑顔を向けた親れいむだが、子まりさが泣いて
いるのを見て困惑する。
「ゆぴゃあああああん、れいびゅが、れいびゅがぁぁぁ!」
「ゆゆゆ? れ、れいむがどうしたの? ゆっくりしてね! ゆっくりしてねえええ!」
「まりしゃおねーしゃん、なかにゃいでえ!」
「れいみゅおねーしゃんはどうちたの?」
「あー、そのな」
 ゆっくりたちの様子を見て、さすがにバツが悪そうに青年が部屋の奥に入ってすぐに戻
ってきた。
 その手の上には、全身傷だらけで息も絶え絶えな子れいむがいた。
「お、おちびぢゃんがあああああ! どぼじだの? なにがあっだのぉ!」
「どうも、うちの猫にやられたみたいだな」
 と、青年が親れいむの前に子れいむを置く。
「おちびぢゃん、おちびぢゃぁぁぁん!」
「ゆ゛……おがあ、じゃん……ゆっぐち、できないぃぃぃ」
「ゆっぐちぢでえ! おちびぢゃん! ゆっぐちぃぃぃぃ」
「まあ、死にゃしないだろ、たぶん」
 最も深い傷は右目のそれであるが、その他は全て浅く表面を傷つけているだけだ。痛い
ことは痛いだろうが、中枢餡は無事だろう。
「これに懲りたらもう来るなよ」
「ゆびぃぃぃ、れいびゅぅぅぅ、まりざが、まりざがちいざなドアさんを見つけなければ
ごんなごとにはならながっぢゃのにぃぃぃ!」
「おねえじゃん、ゆっぎゅち、ゆっぎゅちちでえええ!」
「ぺーろぺーろすりゅよ! ぺーろぺーろ」
「おねがいだがら、おめめをあげでええええ」
「……」
 嘆き悲しむゆっくり一家に、さすがに哀れさを催した青年は何か菓子でもくれてやろう
と思った。
「おい、ちょっと待ってろ」
 と言って、台所に行こうとした時、その背中に、憎悪に凝り固まった親れいむの声がぶ
つかってきた。
「ゆるざないぃぃぃ、仕返じじでやるぅぅぅ!」
「へ?」
 言うちゃ悪いが、そんな身の程知らずな言葉が飛び出すとは思っていなかった青年は、
呆けた顔をれいむたちに向ける。
「ま、まりざもや゛るよ!」
「ゆ゛、それにゃら、れいびゅも!」
「ま、まりじゃも、ちがえちすりゅよ!」
「いやいやいや、お前ら、俺に仕返しって……」
 そんなことできると思ってんのか? と言おうとするのを、親れいむが遮る。
「人間さんには勝てないよ」
「……なんだ、わかってんのか」
 それならば、まあ、怒りの持って行き場が無くてできもしない仕返しなどと叫び散らし
ているだけか。
「仕返しずるのは、ねごだよ!」
「ん?」
「れいびゅをごんなにじだのは、ねごだがら、ねごに仕返しじでやる!」
「……あ?」
「ねごなら、れいぶだぢが力を合わせれば勝でるよ!」
「ゆん! そうだよ!」
「ねこしゃんをせいっさいっ、すりゅよ!」
「れいみゅおねーじゃんとおなじにじでやりゅ!」
「……なんだと」
 いや、無理だろ、と思っていた青年だったが、あまりにも凄まじいゆっくり一家の怨嗟
に顔を強張らせた。
 青年は飼っている猫のことを溺愛しており、傷一つつけられるのもゾッとする事態であ
った。
 そして、青年の思考は深みにはまっていった。普通ならば、ゆっくりごときに子猫なら
ともかく大人の猫がやられるはずなどないと思うだろうが、しかし、ゆっくりはなんとい
っても知恵がある。餡子脳といえど、知恵はあるのだ。そして、群れることもある。
 あのれいむたちが野良ゆっくり仲間に呼びかけて数を集めて、その上に作戦を立ててき
た場合、彼の愛する猫が無傷でいられる可能性は100%ではない。
 青年もふと我に返って、ただでさえその日々の暮らしに追われる野良ゆっくりが、猫、
しかも人間に飼われているそれを襲撃するのに手を貸すはずはないなと思ったりもしたが、
それでも100%ではない。
 脳天気にゆっくり生きている饅頭といった認識を覆すれいむたちの思わぬ怨念に、青年
も当てられていた。危機に瀕しているのが愛猫だというのもそれに拍車をかけていた。
「みんな、きょうは帰るよ! 仕返しはまた今度だよ!」
「ゆっ、ゆっぐちりがいじだよ!」
「ちかえちちようにぇ!」
「ぜったいちようにぇ!」
 傷付いた子れいむがいるので、とりあえずは引き上げるようだ。親れいむが、そっと子
れいむを口に入れようと舌を伸ばした時、青年が言った。
「ちょっと待て」
「ゆ? 今更謝っても遅いよ!」
「そうだよ! もうゆるさないよ!」
「まりしゃたちちかえちすりゅよ!」
「ちかえち! ちかえち!」
「あまあまやるから、ちょっと待ってろ」
 青年は急いで家の奥にと小走りしていった。
「そんなのでゆるじであげるわけないでじょおおおお! でもあまあまは貰うよ! 」
「そうだよ! ゆるざないよ! でもあまあまは貰うよ!」
「あまあまたべちゃいよ!」
「ゆわーい、あまあまらぁ!」
 青年はビニール袋を持って戻ってきた。
「ゆっ、はやくあまあまちょうだいね! でも仕返しは止めないよ!」
 そう言った親れいむを、青年は掴み上げてビニール袋に入れる。
「ゆべっ!」
「ゆわ、おかあしゃん、だいじょうぶ?」
 と言った子まりさも同じくビニール袋へ。
「ゆわー、おしょらをとんでるみちゃい~」
「ゆっきゅちできりゅよ!」
 赤れいむと赤まりさも同様の経緯を辿り、子れいむを除くゆっくり一家はビニール袋の
中におさまった。
「ゆ? どこにもあまあまなんてないよ!」
「そうらよ! あまあまはどきょなにょ!」
 当然である。あまあまをやる、というのはこいつらを足止めするための嘘だったのだ。
「れいみゅ、おこりゅよ! ぷきゅーすりゅよ!」
 赤れいむが、ぷくーと膨らんだ。
 ぐしゃ。
 目一杯膨らんだ赤れいむが上からの衝撃によって潰された。即死であった。
「ゆ゛ああああああ、おちびぢゃんがあああああ!」
「い、いぼうどがあああああ!」
「れいびゅぅぅぅぅ!」
 ぐしゃ、ぐしゃ、ぐしゃ。
 叫んだれいむたちに、次々に衝撃が襲い掛かる。
「ゆべ! やめでえええ!」
「いぢゃいぃぃぃ」
「きょわいよぉぉぉぉ!」
 ビニール袋に入れられて行動の自由が制限されているために一方的に攻撃にさらされて
しまう。
 衝撃の正体は、もちろん青年の踏みつけだ。
 彼は、このれいむたちに猫が仕返しされるのを防ぐ最も確実な方法を選択したのだ。
 この場で殺してしまえばいい。
 そうすれば、彼の愛する猫がこいつらに危害を加えられる可能性はゼロになる。
「やべでえええええ、あやばります、あやばりますがらああああ!」
 先ほどまでの怨念はどこへやら、親れいむは必死に懇願した。もともと恨みのような感
情を長く抱き続けるのには適していない饅頭である。
「おちびぢゃんだけは、おぢびぢゃんだけはゆるじでええええ!」
「ゆべ! ゆひぃぃぃ、まりじゃじにだくないよぉぉぉ!」
「ゆ! おねえしゃんがぺーろぺーろしてあげるよ! ぺーろぺ……ゆびゃっ」
 妹が痛がるのをぺーろぺーろしようと差し出した舌を思い切り踏み潰されて、子まりさ
は激痛に叫ぶこともできずに涙を流す。
「やめまず、仕返じなんでやめばずぅぅぅ、だからゆるじでえええ、おちびぢゃんだげで
もゆるじでえええ!」
「ゆ゛ぴゃあああん、おねえじゃん、ゆっぎゅちぢでえ!」
「ゆひぃー……ゆひぃー……」
 舌に続いて、体の半分を踏み潰された子まりさは微動だにせず、か細い呼吸をするだけ
になっていた。死ぬのは時間の問題であろうが、最後の幸福が訪れた。すぐに次の一撃が
来て、死ねたのだ。
「……しぶといな」
 袋の口を開けて中を確認した青年に向けて、親れいむと赤まりさは滂沱の涙に顔中をふ
やけさせながら命乞いをする。
「だずげでえええ、おぢびぢゃんだけでもだずげでええええ!」
「ころしゃにゃいでぇ、まりじゃ、もっちょゆっぎゅ」
 ぺしゃ、と赤まりさが潰された。中を見て、位置を確認した上で狙ったためだ。
「ゆ゛あ……あ、ああ……れいぶのおぢびぢゃんが……とっでもゆっぐりじたおちびぢゃ
んが……ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛」
 空ろなれいむの顔も、それから次々に落ちてくる青年の足によって潰れていき、やがて
中枢餡が二つに割られて絶命した。
「……ふぅ」
 青年は一息ついた。
「ゆ゛ひぃぃぃぃ」
 小さなその声の方を見れば、子れいむが左目を見開いて一連の惨劇を眺めていた。
「お前で最後か」
「や、やめで……もう、もうおうぢにはいっだりじまぜん。もう、もう来ませんがら」
 青年は子れいむをビニール袋に入れた。
「ゆ゛っぎゃあああああ! おがあじゃんがあああ! まりじゃがあああ! いぼうどだ
ぢがあああ!」
「うっさい」
 ぺしゃ。

「ふう……ゆっくりゴミって次いつだっけか」
「にゃお」
「おう、出かけるのか」
「にゃお」
「気をつけて行けよ、野良ゆっくりが多いからな」
 飼い主のその声に、猫はにゃふんとしたように見えた。
 あんな饅頭どもに自分が不覚をとるわけがないだろう、とでも言っているのだろうか。
 青年は、苦笑した。


                                 終わり


 おちびちゃん用のドア!

 んなわけねーだろ、このボケ





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感想

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  • 死んでよ
    -- 2014-09-04 16:00:27
  • にゃーん! -- 2013-07-30 20:29:05
  • ちょっとこわかったナー -- 2013-05-06 01:47:16
  • ぶっちゃけゆっくりが酷い目にあって死ぬなら何でもいいですネー
    理由なんて問題じゃないですネー -- 2013-03-22 21:12:49
  • このゆっくり親子はゲスじゃないしもちろん人間もゲスじゃない
    このゆっくり親子にふりかかった悲劇(笑)の原因はこの親子にあまあまをやった人間だな
    野良ゆっくりに限って言えば人間へ近づく=死亡フラグだからな
    気まぐれであまあまをやって人間への警戒心を薄れさせたのが元々の原因
    でもゆっくりごときどうなってもいいから気まぐれでやりたいようにすればいいけどねw -- 2011-06-21 20:11:19
  • ゴミ捨て場でゆっくりゴミとして回収されずに済んだり
    人間の家に侵入したのに見逃して貰えた所かあまあますら貰えそうだったりと
    割と運の良い一家だったのに身の程知らずな発言の所為で一瞬にして死亡エンドルートまっしぐらか。
    流石死ぬために生まれてきたナマモノだな。 -- 2011-02-11 22:13:29
  • 飼い主さん、身の程知らずな発言したようなボケ饅頭には、もっと苦痛と恐怖を与えさせないと…
    虐待鬼意山とかいんじゃないかな -- 2010-12-12 17:17:13
  • 飼い主の目の前で「猫に復讐してやる」って宣言しても
    その飼い主に妨害、ないし駆除される可能性を
    微塵も考えない辺りがゆっくりクオリティなんだろうな。 -- 2010-11-29 23:20:44
  • オチがつまらなすぎる -- 2010-11-03 00:49:55
  • お前ら・・・ -- 2010-11-02 19:49:32
  • ↓↓↓↓>「お前の家に末代まで出現してやる!群れで現れてやる!」

    うわ!怖! めっちゃ怖!! 夜もおちおち寝てられなくなるわ・・・。 -- 2010-10-29 21:48:04
  • コメントが凄いなw

    ふむ…猫を飼ってる身としては、お兄さんのやった事は、同じ立場になったらたぶん私もやるな。
    勝手に不法侵入して、危険とわかってる猫に近付いて子供を殺されて、飼い主の目の前で仲間を集めて復讐すると言う。
    前半部分でも迷惑なのに、害獣として駆除されてる立場の生物がペットに危害を加えるとなれば、駆除するのも当然だと思うなぁ。

    ゆっくりが害獣扱いされてなくて、猫が散歩中に酷い事をしたのなら、同情はするけどもね。
    猫の役目は、古来から鼠退治にゴキ退治さ。古来より続く己の職分を本能で果たしたのなら寧ろ褒める。
    …でもゴキの屍骸見せに来るのは簡便してください(;; -- 2010-10-26 21:57:19
  • 人間だって子供を~って言ってるやつは頭おかしいのか?
    ここそういうところじゃねーから

    そういう意見を言いたかったら、まず畜産関係者とかその辺で虫を潰してる小学生にでも言ってろよ
    人間だったら~って仮定がおかしい事も気づかない餡子脳じゃしょうがないんだろうけど -- 2010-09-15 20:43:45
  • ゆっくりは潰すものだよ。ゆっくりの都合なんて知ったことじゃないよ。ゆっくりは不幸せになるために生まれてくるんだよ。ゆっくりは無様に死ね。
    -- 2010-09-04 11:00:28
  • 餡子脳の捕らえ方が個人で違うんだろ
    言えばわかる、基本欲望に忠実で我侭なだけで、心や言葉が通じるとこは人と同じなんだ ってレベルもあれば
    もはや状況にあわせた鳴き声、殺意も謝罪も心からじゃなくてもはや言葉はただの反射 ってレベルもある

    今回の作中人間はゆっくりを知恵があり言葉を話す能天気な饅頭って捕らえてる
    知恵を持ってる(と思ってる)相手が殺意を露にしたらそりゃ危険を排除したがるのは普通だ
    俺らは意思表示できないゴキブリにだってホイホイやバルサンで排除しようとするのに
    もしゴキ様が意思表示して「お前の家に末代まで出現してやる!群れで現れてやる!」なんて言われたらたぶん専門の業者呼ぶ

    自分から見て作中人物やゆっくりがどうだこうだでぶつかるだけじゃなくて
    作中の世界観でゆっくりの能力や人間からゆっくりがどの程度のレベルで認識されてるかってのも考慮すれば荒れずに済むんじゃね -- 2010-08-25 20:37:24
  • ゲスゆじゃぁない気がするなぁ
    自分の所有物に危害を加える恐れが出た時点で害ゆは確定だけど -- 2010-08-24 02:33:53
  • 「もちろん、そんなわけはねえのである。」で笑った -- 2010-08-13 01:40:32
  • 長いコメント多すぎ。
    面白かったか、面白くなかったかでいいじゃない?で、これは面白かったww -- 2010-08-12 22:15:04
  • >まとめるのが下手でごめんよ…あと説教臭くてごめんよ…
    そんなことないっスよ、言いたい事は大体わかったし、どうしても意見が違う時は説教くさくなるものさ

    まあ、確かに架空の人物とはいえ、自分とは違うからと言ってクズと呼ぶのはやりすぎたなあ
    その点は確かに反省します、相手が実在の人間じゃないと思ったら強きに出てしまってね
    私は別にゆっくり愛好家でもないんだけれども、それにあまり敬意を払ったつもりもないんだけれど
    ゆっくりだろうがゴキブリだろうが自分や家族に害がないのにいきなり殺すのは嫌いなだけだわ
    相手を傷つけずに被害を回避する手段があるならそっちを選択するほうが楽だしね

    まったく関係ないことだが、猫愛好家として一言
    外に自由にでれるように放し飼いにしてるんなら人間外の生物との喧嘩や闘争に飼い主が手を出すなよなー
    そんな大切なら室内飼いしてろって事よ、ただでさえ猫は野良猫や鴉、蛇と喧嘩したりするんだからさ
    飼い主が手を出していいのは、自分の猫が他の生物を傷つけた時の謝罪くらいだろうよ

    >虐スレ住人のセリフとは思えないな
    ほんとだなっ 自分でも不思議なくらいだっ
    このSSを読んだ時、素直に感じた感想だからそのまま書いたんだが正直ここまで反応があるとは思わなかった… -- 2010-07-28 18:11:23
  • >仕返しすると言ったこの程度のことでゲスゆや害ゆ扱いするのはどうかと思う

    いやいや、既に家に侵入しあまつさえ飼い猫に危害を加える旨の発言をした時点で(少なくとも猫の飼い主からすれば)害ゆ決定だろ。
    そもそも野良ゆが善良か害ゆかをじっくり見極めた上で善良なら温情ある措置をとる…なんて手間のかかることまずやらねえよな。愛好家でもない限りは、さ。だからそれをしないというこの程度のことで人を頭が賢くないクズ扱いするのはどうかと思う。
    要は、野良ゆの人格(ゆん格?)にそこまでの敬意を払ってやらなくてもいいんじゃないか?そうでなくとも払う敬意の量は人それぞれでいいんじゃないか?みんながみんなあんたと同じように野良ゆに多大な敬意を払えるわけではないんじゃないか?自分のゆっくりにおける基準を人に押し付けてそれから逸脱する人を中傷するのは愚かなことなんじゃないか?ということ。
    そして、人間の行動原理はみんな違うんだから自分が理解しがたい行動をしたくらいで頭が賢くないクズとか言うべきじゃない、ということ。

    まとめるのが下手でごめんよ…あと説教臭くてごめんよ… -- 2010-07-28 13:18:08
最終更新:2010年01月15日 22:20
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