ふたば系ゆっくりいじめ 372 新世代清掃工場

新世代清掃工場 12KB


※<宣伝>『ふたば系ゆっくりいじめ 128 れいむとまりさがだーい好き!!』の続き、というか世界観を共有しております</宣伝>
 D.OあきさんのSS内の地名、設定をお借りしています










「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!はなずんだぜ!!ま゛りざをはなずんだぜええ゛え゛えぇ゛ぇぇ!!!」
「だずげでね!!いや゛だよ!!ここはゆっぐりでぎないよおお゛おぉぉ゛ぉ!!!」
「ゆっぐり!ゆっぐりいいいぃぃぃ!!れいぶゆっぐりじだいいいい゛ぃぃぃ゛!!!」
「ゆっぐりざぜでえ゛ええ゛ぇぇ゛ぇ!!!」





さて、一つ。
『ゆっくり』というデタラメなモノについての、お話をしよう。
これは、近年になり初めて解明された事実である。



究極的には。
ゆっくりは、『すべての無生物に対して餡子に変換する能力を保持する』。










        新世代清掃工場










虹浦市、という都市がある。
日本で初めて、『市』レベルの範囲でゆっくりの被害に悩まされた都市として、未だ人々の記憶に焼き付いている筈だ。
ゆっくりによる景観破壊、騒音公害、児童に対する悪影響、及び野良ゆっくり自体の攻撃性。
都市部における対ゆっくり用マニュアルは、この街の経験を基に作り上げられたといっても過言ではない。
そのお陰、と云うべきかどうかは分からないが、虹浦市の特色はずばり『ゆっくり』となった。
(噂では、この政策により市に対して何らかの特別予算が下りたというが、真相は明らかではない)

実験農場、実験森などといった、ゆっくり用ビオトープを造った虹裏町。
その隣、湯栗町では、日本全国の中で最もゆっくり産業が盛んな事で有名だ。

虹裏町から電車で数本離れた場所にある、ここ、泥輪町も同様である。
ここでは、如何にゆっくりを『資源』として利用するか、その事についての研究、施設建設が行われている。



例えば。
ここ数年でようやく理論の完成を経た―――――ゆっくりによる、ゴミ処理場、とか。










彼女らの一日は、機械の駆動音によって始まると言って良い。
一日中、1年通して碌な光を浴びない彼女らにとって、時間を計るには音を聴くしかないからだ。
ここは、密室である。
光も、音も、空気も、希望も、絶望も―――全てが閉じ込められた場所。
尤も、彼女らはそれを気にかける風も無い。
全ては最初からこうだったのだから。

100×100メートルという途方も無く広い空間に、彼女たちは大体1000匹単位で棲んでいた。
ここは先祖代々からの住処であり、世界そのもの。
今日も彼女たちは、規則正しく一日を過ごすだろう。

部屋の隅で眠りから覚めた彼女たちは、ゆっくりと起き上がる。
ゆっくりと、左を見、右を見、そして、上、天を仰ぎ見る。
彼女たちはそれから暫くは動かない。
じっと、塞がれた天井を見つめ続ける。

この部屋の中、1000匹が全て同様の行動を取っていた。
それはあたかも祈りのような、一種の荘厳さすら漂わせている。
彼女たちの祈りの対象、信仰するものは、ただの天井であった。
何故ならば、それは天の恵みを齎してくれるものだから。

ガシャン、と、天井に穴が開いた。
彼女たちの祈りが届いた―――わけではない。
それは最初から決まっていたこと。
やがて、その穴から無数の塊――『何か』――が降ってきた。

凄まじい轟音を立てて地面に降り積もっていく『何か』。
彼女たちは、そこ目掛けて走り寄って行く。
あれこそ、天の恵み。
願いが届いた証拠。今日を生き抜くための糧。
そう疑わずに、彼女たちは『食事』を開始した。





「はふはふはふがつがつがつがふがふがふ………」
「がつがつがつ、ガッ!?ぎぎ、がっ!……がつがつがつ………」
「がしゅがしゅがしゅ、んぐぐっ!?ん、ぐぐ、~~~~~ッ!?……ん、ごぐん……」

一心不乱に食べ続ける彼女たち。
それこそが生き甲斐であるかのように。
それこそがこの世に生まれた役目であるかのように。
一心不乱に、脇目も振らず、ただひたすらに、貪り喰らう。

『何か』が格別、美味しいと言うわけではない。
いや、むしろ逆だ。
先ず、苦い。辛かったりもする。えぐみもあるだろう。
食べるのにこれほど不適切なものは無い。
食感も酷いものだ。
ふわふわ、モチモチなど縁遠く、ガサガサ、ゴワゴワ……時には歯を立てることすらできないものもあった。

つまり、彼女たちが食べているのは、食物では、無い。

だが、そんなことは瑣末なことだった。
例えどんなものだろうと、口に入れて、強引に飲み込みさえすれば『食べれる』のだ。
故に食べる。それ以外の選択肢は無い。
それに、彼女たちは考えもしなかったが――もし食べねば、この部屋はその『何か』に埋まっていただろう。

見れば、彼女たちの内の一匹が張り裂けそうなほどに膨らんでいる。
誰がどう見ても食べ過ぎだった。
いや、むしろ彼女たち1000匹に比べて、食べるべきものは多すぎる。
これは当然の事といえただろう。

そういう時彼女たちは、重い身体を引きずりながらも部屋の四隅へと這いずって行く。
そこには、小さな穴―――謂わば、汲み取り式便所のようなものがあった。
決まりの内の、1つ。
おといれは、"そこ"ですること。
張り詰めた身体を元に戻すように、凄まじい勢いで『餡子』を排泄する。
終わればまたもとの場所に戻り、再び貪り始めるのだ。





やがて、全てを食べ終える彼女たち。
ゆっくりごちそうさまでした―――と、天井に対して再び祈りを捧げた。
だが、まだ終わりではない。
彼女たちの経験によれば、一日に齎される天の恵みは先ほどのを含め、3回ある。
次が来るのは、8時間後。
だがそれを知る術は、彼女たちには無い。

だから。
彼女たちは次が来るまで眠り出す。
食べ尽くせぬほどの『食べ物』をくれる、天井に感謝しながら。










つまるところ、彼女たちの生活はそのように完結していた。
寝て、起き、食って、出して、また寝る。
これの繰り返し。
彼女たちは終生この行動を繰り返すのだ。



ゆっくりコンポスト。
ゆっくりをゴミ箱として飼い、ゴミを処分させる。
規模の大小を考慮しなければ、それが一番近い答えだろう。










ゆっくりが、あらゆる無生物――それこそ、金属だろうと何だろうと、
餡子に変換する能力がある事は既に冒頭で述べた。

最初は誰もがその説を信じなかった。
ゆっくりがそのようなものを食べる所など見たことがない。
試しにゆっくりに石を食わせたところ、そのまま吐き出した――など、否定の意見が噴出した。
確かに、そうだ。
ゆっくりは石を食べない。食べようともしない。



簡単である。
ゆっくりが『食べ物ではない』と認識しているから、そうなるのだ。



食べ物は、食べれるもの。
それ以外は、食べられない。
たったこれだけの単純な価値観が、ゆっくりの能力を決定的に制限していた。
石を本気で食べようとする者は居ないだろう。
それと同じだ。

それは逆説として、価値観さえ矯正すれば何であろうと食べられる、ということだった。
結果として、その矯正は時間が解決してくれた。
食べれない筈の物を食べるしかない環境に置かれ、適応したもの。
その子孫こそが彼女達と言うわけである。





もう分かっていると思うが、『彼女たち』とは即ち、ゆっくりの事を指している。
同様に、『何か』とは、粗大、焼却、不燃、その他諸々――― 一言で言えば、ゴミ、だ。
それらを破砕機にかけ、食べられる程度の大きさに砕いたものであった。

此処は、ゆっくりによるゴミ処理場、その栄えある第一号として建設された施設。
ゆっくりはここに住み、毎日ゴミを喰らって、生き延びている。





無論、ゴミを食物として扱っているのだから、その汚れは凄まじいものとなる。
おまけに身体を洗えるような場所、存在――つまりは水――の存在すら、ゆっくり達は知らなかった。
舌で舐め取り、身体を清潔に保つと言う行動自体も忘れていた。
ただ汚れるままに任せるしかない。
だが、彼女たちはそんなことに頓着しなかった。

顔面、つまり身体全体が油の黒ずみに染まり、所々に埃が付着している。
普通のゆっくりならば命よりも大切にする飾りが、汚れようと破れようとお構いなし。
しかし此処のゆっくりたちは争わない。敵を作らない。
ゆっくりの飾りは何かしらの役割を持っていると言う説があったが、
少なくともこのような環境に於いては、飾りなどは必要ないようだった。
ゴミに仲良く群がる1000匹の汚饅頭というのは、壮絶な光景と言う他に無い。










過去の清掃工場は、焼却処理の際二酸化炭素を排出する、
また残渣の処理を埋め立てに頼るしかない、などの問題点があった。
それに対し『ゆっくり清掃工場』は少なくとも問題を一つクリアしていると言って良い。
ゆっくりは、可燃ゴミだろうと不燃ゴミだろうと残渣であろうと何であろうと、
火など使わず、まったくエコに『食べる』だけなのだから。

また、『ゆっくり清掃工場』はもう一つのメリットも存在した。
ゴミを変換した物体、餡子の再利用である。
『部屋の四隅に設えられた、汲み取り式便所』とは、全く以って名前の通りであり、
ゆっくり達の排泄物――つまりは餡子、をまた別の場所に溜め込むスペースの事を意味している。

糖分からはエタノールを精製することが出来、またそれは新世代のエネルギーとして注目を集めている。
そしてゆっくり達は排泄物として糖分の固まり、餡子を出す。
それはつまり何を意味するか。
最終処分場行きとなる筈だったゴミが、そっくりそのまま燃料として生まれ変わるのである。
エタノール精製の後に残る絞りカスもゆっくりの餌として『再利用』が可能だ。

ゆっくり自身の食欲も無尽蔵。
過去の清掃工場と比べてゴミの処理能力は劣っていない。
ランニングコストも格安。
廃棄物が限りなく少ないゴミ処理場として、『ゆっくり清掃工場』の名は徐々に世間に染み渡っている。





ちなみに、此処に居るゆっくりは全てれいむ、まりさ種である。
ゆっくりとは生殖能力が旺盛なナマモノだ。
ひとたび増えれば、そのスピードはハツカネズミ以上。
年中発情し、場合によっては一分以内に妊娠、出産を行うのだから、その増殖力は驚嘆に値する。

そのゆっくりの中でも、最も数が多いのが上記の二種だ。
一時期、ゆっくりペットブームが流行ったせいもあり、人々はこぞってゆっくりをペットにしたがった。
当然、飼われれば捨てられるゆっくりも居る。絶対数が増えれば、捨てられる数も増す。
そして、最も数の多い二種。
当然の結果として、町には野良れいむ、野良まりさが氾濫した。

野良となっても盛り、子を産み、増殖する。
ますます二種の数は増えた。
野良ゆっくりと言えば、れいむ、まりさの代名詞となるほどに増えた。
何も考えず、人間が煩わしくなるほどに増え続けた。

景観破壊、騒音公害等の被害を彼女たちは撒き散らした。
町の汚れに塗れ、いつの間にか性根が捻じ曲がり、人を見かければ罵倒の限りを尽くし、
終いには児童を攻撃するという暴挙を仕出かした。

気が付けば、野良ゆっくりの扱いは害獣、いや、害虫のそれと同じになっていた。
家の中に入り込まれたら殺す。見かけたら殺す。とにかく殺す。
立派なみんなの嫌われ者。
「れいむ、まりさ」という名前さえ忘れられ―――『害虫』という名が、彼女たちを表すことすらあった。



余談だが、れいむ、まりさ種以外のゆっくりは、意外なほど良好な態度で人間に受け入れられた。
或いは、二種が汚名を全て被ってくれるような形になった為だろうか。
少なくとも、れいむ、まりさ種のような扱いは受けることが無い。

広く愛玩動物――ありす種も、レイパーという突然変異種を除き――として飼われ、
また、中身が生クリーム、チョコというぱちゅりー種、ちぇん種は家畜として人気でもある。
一部では、人間の仕事を代行できるほどの能力を持つ個体も居るというが、
これは本筋と関係ないために省略する。



しかし、『ゆっくり清掃工場』がこの二種を再び日の当たる世界へと押し上げた。
文字通り、掃いて捨てるほど居る個体数。
他の種と比べて大抵の物を食べれる悪食。
加えて、中身が餡子という再加工のし難さ――それこそ、砂糖を抽出くらいしか出来ない――という点。
使い捨ての実験台、ゴミ処理のフィルターとしては最適であった。

彼女たちの名は「れいむ」であり、「まりさ」だった。
ほんの少し前までは「害虫」と呼ばれ、忌み嫌われていた。
そして、最近。
また彼女たちに、新しい名前ができた。





『ゴミ処理機』だった。
もう、彼女たちはゆっくりではない。
それどころか、一個の生命とすら見られなかった。
最早彼女たちは、部品なのだ。










「はふはふはふはふがふがふがふがふがっがっがっがじがじがじがじがじ………」
「がりがりがりごりごりごりぐぎっ、んぐぐっ、がりがりがりごりごりごり………」
「がしゅがしゅがしゅごぐん、がしゅがしゅがしゅごぐん、がしゅがしゅがしゅ………」

今日も今日とて、『ゴミ処理機』たちはゴミを喰らう。
そこに悲哀は無い。憤怒も無い。
食べれば幸せだから、そうあるべきだから食べ続ける。



毎日毎日、起きて、食べて、排泄して、寝る。
その単純な繰り返し。
だがそれを不満に思った事は無い。
彼女たちは十二分に満たされていた。

天に――正確には天井に――感謝もし、信仰もしている。
今日もお腹一杯食べさせてくれてありがとう。
この特異な環境が生み出した、宗教観。
他の幸せなど知らない。知る由も無い。
もとより彼女たちには、今以上の何ものも求める権利など与えられていないのだから。



奴隷には奴隷の幸福がある。
ただ道具として使われ、何も考えずにいられる幸福が。
事実、彼女たちは満たされていたし――この環境は、平和そのものだった。
遥かな過去、彼女たちの先祖が舐めた辛酸などとは、無関係の場所。

仮に、この場所から外に出れたとしよう。
その先に待っているのは、安寧など無い不安と、危険と、絶望のみのはずだ。
此処より一歩出れば、彼女たちは「害虫」なのだから。



なんの諧謔だろうか。
「ゆっくり」とすら呼ばれなくなった彼女たちが手にした生活、
其処にこそ求め続けた「ゆっくり」が在ったとは。
彼女たちはこれからも、一生、子々孫々まで、人間の為に尽くすだろう。
そして人間も、自らに奉仕するこの矮小な存在を嫌う事は無い筈だ。










なればこそ、彼女たちは幸せであった。
人間と彼女たち、互いに理想の関係が、此処に在った。










        おわり










   *   *   *   *   *
うむ、乱文ひどい。リハビリしなくては。

基本4種の中ではぶっちぎりでありすが好きだったりします。
金髪碧眼、可愛らしいカチューシャ、素直になりきれないものの思いやりのある性格。
レイパーという例外さえ除けば、相当可愛いと思う。
通常種6種の中ではみょんが好きです。
ありすもいいが、みょんも捨てがたい。
サラサラと流れる銀髪、(比較的)高い身体能力、真面目かつ朴訥な感じが非常に可愛らしい。

え?
れいむ?まりさ?
ゴミでも食ってれば良いんじゃないかな。

byテンタクルあき

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感想

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  • ら抜きが気になる -- 2016-10-04 01:53:07
  • ↓はいはい筆者よりえらいえらい。
    全員がお前と同じ考えじゃ無いんだよ、どんだけ自己中心なんだよ… -- 2016-01-31 09:55:50
  • 個人のえこひいきとか書かなくていい。
    まあ、この人引退したみたいだし、すっきりした。 -- 2012-11-25 23:40:12
  • 金属だけ食べ物じゃないって教えたら良くね? -- 2011-02-26 22:10:24
  • そこは思い込み補正で…
    虫は噛んで殺すし、草は生きてるとすら考えてないからっていう。 -- 2011-01-13 15:10:16
  • 金属は勿体無いなー
    全てが餡子のみになったらこの世界はどうなるのか、とちょっと終末が怖くなったぜ。

    ってあれ、無生物限定で餡子にするなら、草や芋虫とか食べられなくね? -- 2010-10-07 19:54:37
  • 核廃棄物も餡子にできるのかw
    ここまで出来ちゃうと不思議饅頭というより奇跡饅頭だなw -- 2010-09-29 23:54:12
  • 金属をあんこに変換させるのはマズいだろ
    そのうち資源不足に陥るぞ -- 2010-09-16 01:40:47
  • 個人的な好き嫌い主張はいらないな。 -- 2010-08-22 10:53:48
  • わかるよー とかいはなありすはかわいいけど
    でいぶと げすまりさは ゆっくりしぬしかないんだねー -- 2010-07-14 17:31:07
最終更新:2009年10月25日 20:55
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