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クラッシュ・バンディクー4 さくれつ!魔神パワー - (2016/09/13 (火) 23:53:37) の1つ前との変更点

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*クラッシュ・バンディクー4 さくれつ!魔神パワー 【くらっしゅ・ばんでぃくーふぉー さくれつ!まじんぱわー】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B00005UF72)|&amazon(B00006JJ7M)&br()&amazon(B0000CGAF2)| |対応機種|プレイステーション2&br()Xbox&br()ニンテンドーゲームキューブ|~|~| |発売元|コナミ|~|~| |開発元|Travellers Tales (トラベラーズテイルズ)|~|~| |発売日|【PS2】2001年12月20日&br()【Xb】2002年10月24日&br()【GC】2003年12月4日|~|~| |定価|【PS2】6,800円&br()【Xb/GC】4,800円(共に税別)|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |廉価版|PlayStation2 the Best&br()2002年10月17日/2,800円(税抜)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|ゲーム性は従来通りの出来&br()長すぎるロード時間が大きなマイナス点&br()モサッシュ・バンディクー&br()''シリーズ凋落の始まり''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[クラッシュ・バンディクーシリーズリンク>クラッシュ・バンディクーシリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 人気シリーズ『クラッシュ・バンディクー』シリーズの第4作目。PS2に進出した最初の作品である。~ 本作から日本での発売元がSCEではなくコナミとなった。開発元も異なり、『[[1>クラッシュ・バンディクー]]』『[[2>クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!!]]』『[[3>クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周]]』を制作したノーティドッグではなくトラベラーズテイルズへと移っている。~ 開発会社が変わった経緯については[[クラッシュ・バンディクー]]の記事を参照。 **ストーリー 過去3回にわたってネオ・コルテックスの世界征服の野望を阻止してきたクラッシュ。~ 失敗を重ねてウカウカにどやされたコルテックスはクラッシュを倒すため、自身が作り出した秘密兵器であるスーパーバンディクー「クランチ」を投入する。~ さらにこのクランチの力を存分に発揮すべく、ウカウカは強大な力を持つ4体の魔神たちの封印を解いてしまった。~ これを知ったクラッシュは再びコルテックスの野望を打ち砕くため、新たな冒険に立ち向かうのだった。 **特徴 -ステージクリア方式など、基本的なシステムは『[[3>クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周]]』までと同じ。 -ステージは隠しステージ5面を含め全30面。 -新たな乗り物が多数登場する。 -前作で乗り物のステージでしか使用できなかったココが、単体でプレイヤーキャラとして使えるようになった。 -BGMはJosh Mancel氏から、Andy Blythe氏とMarten Joustra氏((彼らは作曲家コンビとして、関わるほぼ全作品で共作している。))に担当が変更。従来のようなコミカルな曲がある中、シリアス路線を打ち出した曲が新鮮で、メロディ・アレンジ・楽器の使い方も上手く高品質。なのだが…(詳細は後述)。 **評価点 -ゲーム性は『3』を踏襲しており、往年のシリーズのファンや初めてクラッシュをプレイする人まで楽しめる。 --前作までのクラッシュのアクションは全て登場しており、それに加えてニトロ箱の上を爆発させずに歩くことができる「ソロソロあるき」が追加された。 --『3』にもあったレース面や水中面やシューティング面に加え、CRカプセルによる転がって進んでいくステージ((クラッシュ・バンディクーシリーズの生みの親である、マーク・サーニー氏の処女作『マーブル・マッドネス』をパk…もとい、意識したステージである。))などさらにステージの種類が増えた。 --ダイヤ集め・タイムアタック・隠しステージといったやりこみ要素は前作から変わっていない。 -これまでは出番が乗り物を使うステージ限定だったココが通常ステージでも使えるようになった。 -次世代機進出により上がった画質。 -''全ステージでBGMが異なっている''。 //メディアはPS2だとDVDじゃないので削除。DVDはXbox版だけ、GC版は独自規格。 --ただし、ボーナスステージのBGMはステージの種類ごとに固定で、ドクロコースなどに突入してもBGMが変わらないのだが…。 -『2』から続いている救済処置(一定回数死亡でアクアク付与)の要素は健在。 **問題点 -ロードが多い上に長い。 --本作で最も非難されている問題点。ロード時には長い場合''20~30秒''ほど待たされる。さらに「電源を入れてゲームが始まった時」「タイトル画面からスタートした後」「ステージに入る時」「ステージから出る時」とその機会が多く、ゲームテンポをかなり悪くしている((なお、Xbox版・GC版では改善されている。))。 --過去のシリーズでもロードはあったが、どの作品においても10秒あるかないかで殆ど気にならない程度であった。 -キャストの変更 --なぜか今作以降キャストが変更されるようになった。また、操作時のクラッシュに山口勝平の音声が使われていない。『[[2>クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!!]]』でも山口氏の新録セリフが没になっていたが…。 --今作ではココの声優(池澤春菜→小暮英麻)が変更された。セリフは多くないのだが、やはり往年のファンから聞くと違和感を感じる。 --ただし、ココ以外のキャラの声優は変更されていないのが救いか。 -全体的に挙動がもっさりしている。 --本作で始めてクラッシュに触れるのならさほど感じないかもしれないが、過去作のプレイヤーからしたら一目瞭然。 --ジャンプ・ハイジャンプ時には特にもっさり感がある。 --『2』『3』の時にあったスライディング後の硬直をスピンアタックでキャンセルする小技が使えなくなっている。 --金網にぶら下がって移動するシーンはこれまでのと比べると驚くほど遅い。本作でもタイムアタックがあるためにこの仕様はイライラを募らせてしまう。 --リンゴバズーカの照準合わせが妙に厳しくなっており、ちまちまとした微調整を強いられる。 -ボス戦にアクアクを連れていけない。 --地の魔神・風の魔神戦は特殊なボス戦なので仕方がないとして、水の魔神・炎の魔神・ラスボス戦のような普通に戦う局面でもアクアクが連れていけないのはきつい。ノーミスで倒さなければならない。((ただし過去作でもアクアクを連れていけないボス戦はあったがいずれも特殊なボス戦であり、普通に戦う局面のボスはアクアクを使用可能。)) ---ボス自体は攻撃パターンも多くなくそれほど強くないため、ボス戦の難易度を低さをこの点でごまかしているような感じがする。 -ステージでのBGMにリピートがない。 --BGMが終わると再び最初から再生されることの繰り返しとなるため、違和感を覚えやすい。 -ステージのバランスが悪い。 --全体的に見てもステージ1からいきなり雪山のステージ。構成も滑る床に爆弾箱、ニトロ箱と一通りの仕掛けをそろえている上、アクアクによるアクション要素の解説もない(というか、今作ではアクアクのヒント自体が存在しない)ためこれまでのシリーズに比べ初心者に厳しい。にも拘らず、ノーミスで来ると進めるドクロステージまでもが登場している。 ---そしてステージ2という序盤でいきなり戦闘機「CRグライダー」に乗ってのシューティングステージになる((ただし、シューティングステージの難易度は3に比べると大幅に下がっている。))。 --一方で、後半のステージである20と22は妙に楽だったりと、各ステージの難易度がバラバラ。 --ステージごとの統一性もなく、前作のような「アラビアステージ」「古代ステージ」のようなカテゴリ分けがされていない。各々の魔神が司る属性ごとに分けられている訳でもなく、炎の魔神と言いながら雪山のステージが当たり前のように出たりする。 ---全体的に見ると要塞チックなステージが多く、そのために敵の出現率も偏っている。出現する敵も研究員、装甲兵、ロボットと似たような面子ばかり。 -水中ステージがダルい。 --今作にも水中ステージがあるが、全体的に長く、上下に広いうえに、薄暗くて柱や海藻が多いため視界が悪い。 --さらに、画面上空から速いスピードで落下してくる機雷の数が異常なほど多い((ほぼ等間隔に仕掛けられており、素通りしようとするとほぼ確実に食らってしまうため落下地点直前で待たなければならない。))。海藻や岩で隠れていたり、視界外から降ってくることも多く非常にめんどくさい。 --上下に移動する魚や、クラッシュの動きに合わせて上下に移動するダイバーの敵もいるので、一気に進むのが危険な状況になっている。 --しかもステージの半分はサブマリンに乗って進まなければならなく、この状態でも攻撃を食らったら1ミス扱いになるのでテンポが悪い(前作では乗り物が破壊されるだけだった)。このため、常に敵や機雷を警戒して長いステージを慎重に進まなければならないためにストレスがたまる。 ---利点を挙げるなら、サブマリンは前作のディープアップルと違い下方向にも爆弾で攻撃できる点と、水中ステージでも竜巻スピンアタックができて一気に移動できるということ。ただしサブマリンに乗っている間は当然ながらスピンアタックは使えない。 -ステージ内の「違和感」に到達しても何も無い。 --前作まではステージ内に「違和感」というか「おかしなモノ」があり、それが隠しステージの入り口だった。 ---例えばそれは、階段状に積み上げられた弾まないニトロ箱・ゴール直前の大ジャンプ中に一瞬だけ見える足場・パパ熊が落ちた穴の底に僅かに見える足場・一つだけ絵柄が違う道路標識など。 ---今作にもそういったいかにも何かありそうな「違和感」はあり、到達するには往々にしてシビアな操作を求められる。 ---しかし、苦労してたどり着いても何も無いことが多く、肩透かしを食らう場面が非常に多い。と言うか、実のところ''本作にそういった隠しステージは1つもない''。そのためか、カラーダイヤもドクロコースに普通に置いてあるだけ。 -乗り物の使い勝手が悪い。 --CRサブマリンは前述したステージ構成の中をゆっくり動くのでスムーズに進めない。前作のディープアップルのような加速機能も付いていない。魚雷を発射できるが、肝心の機雷は隠れていることが多く、事前に破壊できないことも。また、上方向への攻撃は一切できない。 --CRバギーに乗るレーシングステージが存在するが、なぜか3のように穴に落ちたら落ちたそばからやり直しにならず、1ミス扱いになり最初からやり直しになる。 --CRバタフライはCRグライダーと同様の飛行マシンで、武器はホーミングミサイルである。しかしこのホーミングミサイルの性能が悪く、敵が多いにも関わらず敵一体に照準を合わせるのにいちいち時間がかかる上、狙いを付けたくない敵に照準を合わせてしまったりすることもある。 ---さらに、CRグライダーとは異なり気球の付いた箱はホーミングミサイルでは破壊できず、体当たりしないと破壊できない。ダイヤを狙う際は全ての気球にいちいち体当たりしなければならず、面倒なことこの上ない。 ---この乗り物を使うのがステージ9の1つだけなのは救いか。 --CRジャイロは『2』のジェットパックとまんま同じだが、これに乗るステージ15はとにかく奥の距離感が掴みにくく、ミスが多発する。 --CRローダーというロボットを操縦するステージもあるが、動き、特にジャンプにモッサリ感が強い。しかもジャンプで敵を倒せないという欠点もあり、攻撃動作のリンゴバズーカも照準を合わせることが困難で使い辛い。ボス戦以外ではわざわざ乗る必要性に疑問が浮かぶ。 --シリーズ恒例の背後から何かが迫ってくるいわゆる「追っかけステージ」があるが、最初のステージ以外は何かしらの乗り物に乗っている。 ---そのうちの3つは乗り物で加速し続けないとすぐ追いつかれる仕様になっている。もちろん操作方法に対してのフォローはなく((取扱説明書に書いてあるのみ。))、初見だと何故追いつかれて死ぬのかがわからない。 -ココが乗り物ステージ以外で使えるようになったのは評価点だが、いかんせん使い勝手が悪い。 --ココのアクションは「カンフーキック」「足払い」「ストンピング」「スピードシューズ」のみ。まともに使える攻撃方法は「カンフーキック」くらいで、クラッシュのダブルジャンプや竜巻スピンのように移動に有効なアクションに至っては皆無であり、クラッシュに比べると非常に扱いづらい。また、スピードシューズ以外のパワーアップ要素が追加されることもない。 ---ちなみに前述のココのアクションは、ココが「カンフー映画好き」という設定からなのだが、過去のシリーズにそのような設定・イメージは全くなく、単体で使用できるようにするために付け足しただけの設定に思える((なお、『クラッシュバンディクーカーニバル』で登場した際はクラッシュと同じくスピンアタックを使用している。))。 ---一応限られたアクションの中でどう動くか、という点で一風変わった冒険をしているという気になれなくはない。 -敵にやられた時のリアクションがほとんどない。 --ステージ、ギミック、敵の量と比較しても、普通に倒れる・幽霊になって昇天・身体の消滅が大半を占めており、凍る、黒コゲになるなどの面白いリアクションはごく一部のステージのみとかなり少ない。 ---機械の乗り物系は全部バラバラに崩れて終わるだけになっており、面白みゼロ。 ---前述の通りココが普通のステージでも操作できるようになったが、こちらも死亡パターンはその場で目を回して倒れるか、昇天の2パターンしかないと言っていい。 --これまでの作品では死亡時のモーションが豊富で面白いパターンも多かったため、死亡パターンが減ったのは残念な点と言える。 -古参のボスキャラの扱いが酷い。 --各ステージのボスは全て魔神の力を借りたクランチであり、古参のボスキャラと戦う機会はない。 --古参のボスキャラからはエヌ・ジン、エヌ・トロピー、タイニータイガー、ディンゴダイルが登場しているのだが、特定のステージでレースの対戦相手やお邪魔キャラ、敵キャラとして登場するのみ。 ---タイニータイガー、ディンゴダイルはOPムービー・ステージに登場しているものの、セリフが一切存在しない。また、エヌ・ジンとエヌ・トロピーはOPムービーとステージで登場し、セリフはあるのだが、OPムービーで一言のみ((なお、エヌ・トロピーの声優は風の魔人の声優も担当している))と、どれも扱いがひどい。なお、エヌ・ジンはキャストは同じではあるが何故か従来の侍口調ではなくなり、違和感を感じる((一人称が「私」、コルテックスを「あんた」呼ばわりするなど))。 --シリーズ通してラスボスを務めていたコルテックスに関しても、ラスボス戦でクランチとともに一応登場するのだが、攻撃してくるのはクランチのみで、コルテックスは攻撃をしないばかりかクランチに投げ飛ばされたりと散々な有様である。 **総評 過去作のゲーム性は失っていないが、その他の面で問題が多い作品。特にロード時間は致命的であり、本作の評価を下げた最大の要因となっている。~ 本作以降、クラッシュ・バンディクーシリーズの人気は低迷し始め、TVCMの放映がなくなるなど破綻気味となり、凋落の道を歩んでゆくことになる。 **余談 -本作より初登場の悪役・クランチは、真のEDで意外な結末を迎えることになり、以降は次作である『クラッシュ・バンディクー アドバンス』を除く全てのシリーズに登場している。 -本作唯一の攻略本は、ステージマップが''一切載っていない''という、[[初代>クラッシュ・バンディクー]]の攻略本以下の残念な物になってしまっている。ゲームの出来自体が残念と言われればそれまでだが…
*クラッシュ・バンディクー4 さくれつ!魔神パワー 【くらっしゅ・ばんでぃくーふぉー さくれつ!まじんぱわー】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B00005UF72)|&amazon(B00006JJ7M)&br()&amazon(B0000CGAF2)| |対応機種|プレイステーション2&br()Xbox&br()ニンテンドーゲームキューブ|~|~| |発売元|コナミ|~|~| |開発元|Travellers Tales (トラベラーズテイルズ)|~|~| |発売日|【PS2】2001年12月20日&br()【Xb】2002年10月24日&br()【GC】2003年12月4日|~|~| |定価|【PS2】6,800円&br()【Xb/GC】4,800円(共に税別)|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |廉価版|PlayStation2 the Best&br()2002年10月17日/2,800円(税抜)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|ゲーム性は従来通りの出来&br()長すぎるロード時間が大きなマイナス点&br()モサッシュ・バンディクー&br()''シリーズ凋落の始まり''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[クラッシュ・バンディクーシリーズリンク>クラッシュ・バンディクーシリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 人気シリーズ『クラッシュ・バンディクー』シリーズの第4作目。PS2に進出した最初の作品である。~ 本作から日本での発売元がSCEではなくコナミとなった。開発元も異なり、『[[1>クラッシュ・バンディクー]]』『[[2>クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!!]]』『[[3>クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周]]』を制作したノーティドッグではなくトラベラーズテイルズへと移っている。~ 開発会社が変わった経緯については[[クラッシュ・バンディクー]]の記事を参照。 **ストーリー 過去3回にわたってネオ・コルテックスの世界征服の野望を阻止してきたクラッシュ。~ 失敗を重ねてウカウカにどやされたコルテックスはクラッシュを倒すため、自身が作り出した秘密兵器であるスーパーバンディクー「クランチ」を投入する。~ さらにこのクランチの力を存分に発揮すべく、ウカウカは強大な力を持つ4体の魔神たちの封印を解いてしまった。~ これを知ったクラッシュは再びコルテックスの野望を打ち砕くため、新たな冒険に立ち向かうのだった。 **特徴 -ステージクリア方式など、基本的なシステムは『[[3>クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周]]』までと同じ。 -ステージは隠しステージ5面を含め全30面。 -新たな乗り物が多数登場する。 -前作で乗り物のステージでしか使用できなかったココが、単体でプレイヤーキャラとして使えるようになった。 -BGMはJosh Mancel氏から、Andy Blythe氏とMarten Joustra氏((彼らは作曲家コンビとして、関わるほぼ全作品で共作している。))に担当が変更。従来のようなコミカルな曲がある中、シリアス路線を打ち出した曲が新鮮で、メロディ・アレンジ・楽器の使い方も上手く高品質。なのだが…(詳細は後述)。 **評価点 -ゲーム性は『3』を踏襲しており、往年のシリーズのファンや初めてクラッシュをプレイする人まで楽しめる。 --前作までのクラッシュのアクションは全て登場しており、それに加えてニトロ箱の上を爆発させずに歩くことができる「ソロソロあるき」が追加された。 --『3』にもあったレース面や水中面やシューティング面に加え、CRカプセルによる転がって進んでいくステージ((クラッシュ・バンディクーシリーズの生みの親である、マーク・サーニー氏の処女作『マーブル・マッドネス』をパk…もとい、意識したステージである。))などさらにステージの種類が増えた。 --ダイヤ集め・タイムアタック・隠しステージといったやりこみ要素は前作から変わっていない。 -これまでは出番が乗り物を使うステージ限定だったココが通常ステージでも使えるようになった。 -次世代機進出により上がった画質。 -''全ステージでBGMが異なっている''。 //メディアはPS2だとDVDじゃないので削除。DVDはXbox版だけ、GC版は独自規格。 --ただし、ボーナスステージのBGMはステージの種類ごとに固定で、ドクロコースなどに突入してもBGMが変わらないのだが…。 -『2』から続いている救済処置(一定回数死亡でアクアク付与)の要素は健在。 **問題点 -ロードが多い上に長い。 --本作で最も非難されている問題点。ロード時には長い場合''20~30秒''ほど待たされる。さらに「電源を入れてゲームが始まった時」「タイトル画面からスタートした後」「ステージに入る時」「ステージから出る時」とその機会が多く、ゲームテンポをかなり悪くしている((なお、Xbox版・GC版では改善されている。))。 --過去のシリーズでもロードはあったが、どの作品においても10秒あるかないかで殆ど気にならない程度であった。 -キャストの変更 --なぜか今作以降キャストが変更されるようになった。また、操作時のクラッシュに山口勝平の音声が使われていない。『[[2>クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!!]]』でも山口氏の新録セリフが没になっていたが…。 --今作ではココの声優(池澤春菜→小暮英麻)が変更された。セリフは多くないのだが、やはり往年のファンから聞くと違和感を感じる。 --ただし、ココ以外のキャラの声優は変更されていないのが救いか。 -全体的に挙動がもっさりしている。 --本作で始めてクラッシュに触れるのならさほど感じないかもしれないが、過去作のプレイヤーからしたら一目瞭然。 --ジャンプ・ハイジャンプ時には特にもっさり感がある。 --『2』『3』の時にあったスライディング後の硬直をスピンアタックでキャンセルする小技が使えなくなっている。 --金網にぶら下がって移動するシーンはこれまでのと比べると驚くほど遅い。本作でもタイムアタックがあるためにこの仕様はイライラを募らせてしまう。 --リンゴバズーカの照準合わせが妙に厳しくなっており、ちまちまとした微調整を強いられる。 -ボス戦にアクアクを連れていけない。 --地の魔神・風の魔神戦は特殊なボス戦なので仕方がないとして、水の魔神・炎の魔神・ラスボス戦のような普通に戦う局面でもアクアクが連れていけないのはきつい。ノーミスで倒さなければならない。((ただし過去作でもアクアクを連れていけないボス戦はあったがいずれも特殊なボス戦であり、普通に戦う局面のボスはアクアクを使用可能。)) ---ボス自体は攻撃パターンも多くなくそれほど強くないため、ボス戦の難易度を低さをこの点でごまかしているような感じがする。 -ステージでのBGMにリピートがない。 --BGMが終わると再び最初から再生されることの繰り返しとなるため、違和感を覚えやすい。 -ステージのバランスが悪い。 --全体的に見てもステージ1からいきなり雪山のステージ。構成も滑る床に爆弾箱、ニトロ箱と一通りの仕掛けをそろえている上、アクアクによるアクション要素の解説もない(というか、今作ではアクアクのヒント自体がほとんど存在しない)ためこれまでのシリーズに比べ初心者に厳しい。にも拘らず、ノーミスで来ると進めるドクロステージまでもが登場している。 ---そしてステージ2という序盤でいきなり戦闘機「CRグライダー」に乗ってのシューティングステージになる((ただし、シューティングステージの難易度は3に比べると大幅に下がっている。))。 --一方で、後半のステージである20と22は妙に楽だったりと、各ステージの難易度がバラバラ。 --ステージごとの統一性もなく、前作のような「アラビアステージ」「古代ステージ」のようなカテゴリ分けがされていない。各々の魔神が司る属性ごとに分けられている訳でもなく、炎の魔神と言いながら雪山のステージが当たり前のように出たりする。 ---全体的に見ると要塞チックなステージが多く、そのために敵の出現率も偏っている。出現する敵も研究員、装甲兵、ロボットと似たような面子ばかり。 -水中ステージがダルい。 --今作にも水中ステージがあるが、全体的に長く、上下に広いうえに、薄暗くて柱や海藻が多いため視界が悪い。 --さらに、画面上空から速いスピードで落下してくる機雷の数が異常なほど多い((ほぼ等間隔に仕掛けられており、素通りしようとするとほぼ確実に食らってしまうため落下地点直前で待たなければならない。))。海藻や岩で隠れていたり、視界外から降ってくることも多く非常にめんどくさい。 --上下に移動する魚や、クラッシュの動きに合わせて上下に移動するダイバーの敵もいるので、一気に進むのが危険な状況になっている。 --しかもステージの半分はサブマリンに乗って進まなければならなく、この状態でも攻撃を食らったら1ミス扱いになるのでテンポが悪い(前作では乗り物が破壊されるだけだった)。このため、常に敵や機雷を警戒して長いステージを慎重に進まなければならないためにストレスがたまる。 ---利点を挙げるなら、サブマリンは前作のディープアップルと違い下方向にも爆弾で攻撃できる点と、水中ステージでも竜巻スピンアタックができて一気に移動できるということ。ただしサブマリンに乗っている間は当然ながらスピンアタックは使えない。 -ステージ内の「違和感」に到達しても何も無い。 --前作まではステージ内に「違和感」というか「おかしなモノ」があり、それが隠しステージの入り口だった。 ---例えばそれは、階段状に積み上げられた弾まないニトロ箱・ゴール直前の大ジャンプ中に一瞬だけ見える足場・パパ熊が落ちた穴の底に僅かに見える足場・一つだけ絵柄が違う道路標識など。 ---今作にもそういったいかにも何かありそうな「違和感」はあり、到達するには往々にしてシビアな操作を求められる。 ---しかし、苦労してたどり着いても何も無いことが多く、肩透かしを食らう場面が非常に多い。と言うか、実のところ''本作にそういった隠しステージは1つもない''。そのためか、カラーダイヤもドクロコースに普通に置いてあるだけ。 -乗り物の使い勝手が悪い。 --CRサブマリンは前述したステージ構成の中をゆっくり動くのでスムーズに進めない。前作のディープアップルのような加速機能も付いていない。魚雷を発射できるが、肝心の機雷は隠れていることが多く、事前に破壊できないことも。また、上方向への攻撃は一切できない。 --CRバギーに乗るレーシングステージが存在するが、なぜか3のように穴に落ちたら落ちたそばからやり直しにならず、1ミス扱いになり最初からやり直しになる。 --CRバタフライはCRグライダーと同様の飛行マシンで、武器はホーミングミサイルである。しかしこのホーミングミサイルの性能が悪く、敵が多いにも関わらず敵一体に照準を合わせるのにいちいち時間がかかる上、狙いを付けたくない敵に照準を合わせてしまったりすることもある。 ---さらに、CRグライダーとは異なり気球の付いた箱はホーミングミサイルでは破壊できず、体当たりしないと破壊できない。ダイヤを狙う際は全ての気球にいちいち体当たりしなければならず、面倒なことこの上ない。 ---この乗り物を使うのがステージ9の1つだけなのは救いか。 --CRジャイロは『2』のジェットパックとまんま同じだが、これに乗るステージ15はとにかく奥の距離感が掴みにくく、ミスが多発する。 --CRローダーというロボットを操縦するステージもあるが、動き、特にジャンプにモッサリ感が強い(立ち止まっている状態からジャンプするときは一瞬動きが止まってしまう)。攻撃動作のリンゴバズーカも照準を合わせることが困難で使い辛い。ボス戦以外ではわざわざ乗る必要性に疑問が浮かぶ。 --シリーズ恒例の背後から何かが迫ってくるいわゆる「追っかけステージ」があるが、最初のステージ以外は何かしらの乗り物に乗っている。 ---そのうちの3つは乗り物で加速し続けないとすぐ追いつかれる仕様になっている。もちろん操作方法に対してのフォローはなく((取扱説明書に書いてあるのみ。))、初見だと何故追いつかれて死ぬのかがわからない。 -ココが乗り物ステージ以外で使えるようになったのは評価点だが、いかんせん使い勝手が悪い。 --ココのアクションは「カンフーキック」「足払い」「ストンピング」「スピードシューズ」のみ。まともに使える攻撃方法は「カンフーキック」くらいで、クラッシュのダブルジャンプや竜巻スピンのように移動に有効なアクションに至っては皆無であり、クラッシュに比べると非常に扱いづらい。また、スピードシューズ以外のパワーアップ要素が追加されることもない。 ---ちなみに前述のココのアクションは、ココが「カンフー映画好き」という設定からなのだが、過去のシリーズにそのような設定・イメージは全くなく、単体で使用できるようにするために付け足しただけの設定に思える((なお、『クラッシュバンディクーカーニバル』で登場した際はクラッシュと同じくスピンアタックを使用している。))。 ---一応限られたアクションの中でどう動くか、という点で一風変わった冒険をしているという気になれなくはない。 -敵にやられた時のリアクションがほとんどない。 --ステージ、ギミック、敵の量と比較しても、普通に倒れる・幽霊になって昇天・身体の消滅が大半を占めており、凍る、黒コゲになるなどの面白いリアクションはごく一部のステージのみとかなり少ない。 ---機械の乗り物系は全部バラバラに崩れて終わるだけになっており、面白みゼロ。 ---前述の通りココが普通のステージでも操作できるようになったが、こちらも死亡パターンはその場で目を回して倒れるか、昇天の2パターンしかないと言っていい。 --これまでの作品では死亡時のモーションが豊富で面白いパターンも多かったため、死亡パターンが減ったのは残念な点と言える。 -古参のボスキャラの扱いが酷い。 --各ステージのボスは全て魔神の力を借りたクランチであり、古参のボスキャラと戦う機会はない。 --古参のボスキャラからはエヌ・ジン、エヌ・トロピー、タイニータイガー、ディンゴダイルが登場しているのだが、特定のステージでレースの対戦相手やお邪魔キャラ、敵キャラとして登場するのみ。 ---タイニータイガー、ディンゴダイルはOPムービー・ステージに登場しているものの、セリフが一切存在しない。また、エヌ・ジンとエヌ・トロピーはOPムービーとステージで登場し、セリフはあるのだが、OPムービーで一言のみ((なお、エヌ・トロピーの声優は風の魔人の声優も担当している))と、どれも扱いがひどい。なお、エヌ・ジンはキャストは同じではあるが何故か従来の侍口調ではなくなり、違和感を感じる((一人称が「私」、コルテックスを「あんた」呼ばわりするなど))。 --シリーズ通してラスボスを務めていたコルテックスに関しても、ラスボス戦でクランチとともに一応登場するのだが、攻撃してくるのはクランチのみで、コルテックスは攻撃をしないばかりかクランチに投げ飛ばされたりと散々な有様である。 **総評 過去作のゲーム性は失っていないが、その他の面で問題が多い作品。特にロード時間は致命的であり、本作の評価を下げた最大の要因となっている。~ 本作以降、クラッシュ・バンディクーシリーズの人気は低迷し始め、TVCMの放映がなくなるなど破綻気味となり、凋落の道を歩んでゆくことになる。 **余談 -本作より初登場の悪役・クランチは、真のEDで意外な結末を迎えることになり、以降は次作である『クラッシュ・バンディクー アドバンス』を除く全てのシリーズに登場している。 -本作唯一の攻略本は、ステージマップが''一切載っていない''という、[[初代>クラッシュ・バンディクー]]の攻略本以下の残念な物になってしまっている。ゲームの出来自体が残念と言われればそれまでだが…

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