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*メタルギア 【めたるぎあ】 |ジャンル|ステルスアクション(戦略諜報アクション)|&ref(mg1_msx.jpg,,width=120)| |対応機種|MSX2|~| |開発元|コナミ開発3課|~| |発売元|コナミ|~| |発売日|1987年7月13日|~| |定価|5,800円|~| |プレイ人数|1人|~| |配信|【Wii】バーチャルコンソール&br() 2009年12月8日/800Wiiポイント|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)((バーチャルコンソール版で付与されたレーティングを記載。))|~| |備考|『メタルギアソリッド3 サブシスタンス』&br()『メタルギアソリッド3(20周年廉価版)』&br()『メタルギアソリッド HDエディション』に収録|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[メタルギアシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー 80年代後半に、英雄的かつ狂人とも云われた一人の傭兵によって南アフリカの奥地に生まれた武装要塞国家「アウターヘブン」(OUTER HEAVEN)。~ 今この「アウターヘブン」で全世界の戦争史上を塗り変えてしまうような恐るべき殺戮兵器が開発されているという。~ その最終兵器の情報収集のために派遣された特殊部隊「FOX HOUND」の一人グレイ・フォックスは、~ 数日後の「メタルギア……」という連絡を最後に消息を絶ってしまう。~ フォックスの謎の失踪は最終兵器の噂を裏付けるものなのか? 再びFOX HOUND部隊に任務が下る!~ &br() 今回の侵入者はFOX HOUNDの新米隊員“ソリッド・スネーク”。~ 彼の任務はグレイ・フォックスの消息を追い、「メタルギア」の正体を探り破壊すること。~ ソリッド・スネークは無線機だけを手に((「身元を明かさないために他の装備は全て現地調達」と言う規則。小型高性能無線機が身元的に一番やばいんじゃないかと言う気がしないでもないが。))、単身、初めての戦場へと向かう。~ 果たして彼は任務を遂行出来るのか!?~ 無線機からFOX HOUND総司令官ビッグボスの声がする。~ &br() ''「ソリッド・スネーク! これは訓練ではない、実戦だ。幸運を祈る……」'' ---- **概要 世界中で高い評価を得ているステルスアクションゲーム『メタルギア』シリーズの記念すべき第1作。~ プレイヤーは主人公ソリッド・スネークとなって敵基地に潜入し、最終的には敵の最終兵器「メタルギア」を破壊するのが目的。~ &br() ---- **特徴 -基地内を巡回する敵兵士にはそれぞれ「視界」という概念があり、発見されなければ攻撃を受けることはないが、発見されてしまうと画面内の兵士が一斉に攻撃モードとなりスネークを狙ってくる。 --攻撃モードは画面内の敵を全滅させるか別の画面に移動することで解除される。 --本作では敵の視界は一直線のみなので、少しでも軸をずらせば発見されなくなる。 ---発見された時に表示されるマークは&font(140%){[ ! ]}(白い吹き出し)と&font(140%){[ !! ]}(黄色い吹き出し)の二種類があり、黄色い吹き出しの方は基本的に画面を移動するだけでは解除されず、レベルに応じた人数の敵兵を倒すかエレベーターに逃げ込む必要がある。 -ストーリーにもある通り、基地潜入直後は無線機以外に何も持っていない状態であり、武器・装備などのアイテムは全て基地内で現地調達することになる。 --そんな状態で唯一最初から所持しているアイテムが''「タバコ」''。使用することも出来ず装備しても何も起こらない、一見すると無駄なアイテムのようだが……? //申し訳程度のネタバレ回避 -使用出来る武器は7種類。~ ただしサイレンサー(消音器)の付いていない武器は発射した瞬間に敵に発見された扱いになってしまうため、うかつな発砲は命取りとなる。 --ハンドガン…直線に飛ぶため正確に敵を仕留められる反面、連射ができないので多数の敵を相手にするのは不向き。サイレンサー装備可能。 --サブマシンガン…連射式なので多数の敵も仕留められるが、弾道が安定しないため正確さには欠ける。サイレンサー装備可能。 --プラスチック爆弾…セットすると一定時間後に爆発。その性質上動かない敵を攻撃するために使う。 --地雷…地面に設置して、その上を通った敵にダメージを与える。これでしか倒せないボスも存在する。 --リモコンミサイル…発射後、自分で操作して目標に当てる事ができる。操作中は動けなくなる。 --グレネードランチャー…グレネード弾を発射する。ボスにも通用する威力。 --ロケットランチャー…ロケット弾を発射する。最高の威力を誇り、これでしか倒せないボスも存在する。 -この他、武器を使わない''パンチ攻撃''も使用可能。 --一般兵士を三発で殺害、一~二発で止めればしばらく気絶状態にできる。リーチは短いが音が出ず、道中での事実上の主力攻撃となる。 --パンチで倒すと時々レーションや弾薬を落とすので緊急時の補給にも使える。 -無線機は周波数を合わせることによって色々な相手と通信し、攻略のヒントを得ることが出来る。 --武器について詳しい者、ボスキャラの弱点を教えてくれる者など、様々な人の助言を受けられる。自力攻略には必要不可欠だ。 --プレイヤーに対して外部から通信が入ることもある。ちなみにこれは同じエリアを通る度に何度でもまったく同じ通信が入る。誤って内容を読み飛ばしてしまった場合には有り難いが、あまり何度も聞いていると鬱陶しく感じるかもしれない。 -基地内の個室には拘束された捕虜が居ることもあり、一定数の捕虜を助けると階級が上がってライフの上限やアイテム・弾薬を持てる数がアップする。~ しかし逆に誤って捕虜を殺害してしまうと階級が下がってしまう。また、有益な情報を持っている捕虜もいる。 --後半のボスキャラなどは特定の武器以外でダメージを与えられないため、誤って捕虜を殺してしまうと弾薬が足りずどう足掻いてもボスを倒せない状態になってしまうことも。 ---捕虜を殺害してしまった場合は以前に捕虜を救出した場所に再配置されるため、完全な詰み状態になる心配はない。 ---それどころか捕虜を殺すと全ての捕虜が復活するので、周回してレベルを手っ取り早く上げるという裏技が存在する。 //((復刻版で確認。MSX版でもそうだったかどうかは分からない)) //↑原作MSX版でも確認できます。当時コナミ自身が出していたコナミMSX紹介本「MSX-U」で、あろうことか公式自ら「ビル1の段階で階級を最高ランクにする裏技」として記載されています。 ---なお、最大階級は比較的早めに達成できるので捕虜を全員助ける必要はない。攻略のフラグにも関わらないので、ストーリー上の重要人物であるペトロヴィッチやヘレンでさえも… -個室やトラックの中に置かれた弾薬などの消費アイテムは部屋を出入りする度に復活する。 &br() ---- **評価点 -''ハード性能という枷を逆手にとったゲーム設計'' --開発スタッフが当初上層部から言われていたのは『[[魂斗羅>魂斗羅シリーズ]]』のような戦争ゲームを作ることだったが、MSXの性能では多くの弾やキャラクターを表示させるのに不向きであったため、逆転の発想として生まれたのがこの「誰にも見つからず戦わないようにして進む」ゲームであった。 ---派手なシーンは自ずと少なくなってしまったが、少ない色味や淡白な演出さえも、ステルスミッションの緊張感を高めるスパイスに変えている。 -''ステルスゲームの完成形を作り上げた'' --とにもかくにも、「ステルス」というゲームコンセプトにアドベンチャー要素やどんでん返しのあるストーリーを取り入れ、1つの大規模な作品として成立させたのは見事。1作目であることを考慮すると完成度の高さは驚嘆に値するほど。 ---ステルスゲーム自体はいくつか前例があったが、アクションゲームの一部という粋を出られず、更に当時は先に挙げた『魂斗羅』や『戦場の狼』といった撃ちまくるゲーム、いわゆる「ランボー・スタイル」が主流であった。対してこの作品は隠れる事が全てであり、そのゲームデザインが設定と密接に関わっている。 ---システム面でも、無線によるアドバイスなど演出として昇華できている。 -''プレイヤーの工夫を試せるゲーム性'' --全体的に敵の攻撃力が高く、その上プレイヤーには不可能な斜め方向への射撃なども駆使してくるため、何も考えずにゴリ押ししていてはあっという間に死亡してしまう。そのため、「いかに戦うか」ではなく「''いかに戦わないか''」というプレイが必須となる。 ---しかし敵の配置と武器性能を頭に叩き込めば、どんどん敵兵を排除していく暗殺者まがいのプレイができる他、それでいて消費アイテムの使用を大きく抑えることができ、通り一遍のゲームバランスにはなっていない。 -''良質なBGMとその使い所の巧みさ'' --基本的にBGMは1曲が延々流れるのみだが、「こっそり忍び込む」という本作にぴったりマッチした曲調であり耳に残りやすい。発見時やボス戦、終盤では緊迫したBGMとなりメリハリが効いている。 ---通常時のBGMは本シリーズを代表する楽曲として、その後もアレンジや収録の機会に恵まれている。 &br() ---- **問題点 -装備アイテムの切り替えが煩雑。特に扉のロックを解除するカードキーは最終的には8枚にもなり、扉を一つ開けるだけでも相当の手間を取らされることになる。 --おまけにカードには一切の互換性が無く、装備中のカードと扉のレベルが一致していなければ開けられない。セキュリティレベルは実際にカードを持って扉に接触するまで分からず、ゲーム後半でも当然のようにレベル1や2の扉が存在するため常に総当たり作業を強いられることになる。 ---そしてアイテムは一度に一つしか装備できないため、毒ガスで満たされた部屋からカードキーで脱出する際にはわざわざガスマスクを外さなければならない。このため微量だが必ずダメージを受ける羽目になる。 -個性豊かな武器が揃っているものの、そのほとんどは使用した瞬間に敵に発見されてしまうためもれなく使いにくくなってしまっている。結局、一部のボス戦を除いてサプレッサーハンドガン(+パンチ)で十分ということになってしまいがち。 --一応、サブマシンガン(サプレッサー使用可能)以外はどの武器も使用する場面があるので完全に不要というわけではない。潜入が任務である以上派手な武器は適さないのである意味リアルであるとも言える。 -ボスキャラにダメージを与えた際に特殊なエフェクトや効果音が一切無いため、使用した武器が効いているのか効いていないのか判断出来ない。 --後の復刻版では『メタルギア2』と同様のダメージエフェクト&効果音が追加されている。 -アイテムを入手した際に方向キーを押しっぱなしにしていると一瞬でメッセージウィンドウが閉じてしまい、何を入手したのか分からなくなってしまう。 -通信の周波数を記録する機能がないので自分でメモをとるなどして覚える必要がある。もっとも潜入工作任務だと考えれば、設定上はメモさえ禁止だが… -途中データのセーブ・ロードができるが、対応している媒体がカセットテープのみなので、既にカセットテープを使っていないFD世代のユーザは''「セーブする環境が無い!」''状況に陥ることになる。なお「コナミの新10倍カートリッジ」を併用すればFDにどこでもセーブを行うことが可能。 -パッケージイラストのソリッド・スネークの立ち絵が、映画「ターミネーター」の未来で戦っているカイル・リースの丸パクリであるのは、ネット社会でなかった当時であっても見る人が見ればわかる事実… ---- **総評 多くの続編作品が製作された現代の目から見るとシステム的・グラフィック的には見劣りするかもしれないが、現行作まで受け継がれている要素も多く、ゲームバランスも意外と良好。~ 大作シリーズの原点として、興味があるならばプレイして決して損はしない作品と言えるだろう。 ---- **余談 ***その後の展開 -MSX版発売から5ヶ月後の同年12月にファミコンに移植されたが、問題の多い劣化移植として低評価。詳しくは[[こちら>メタルギア (FC)]]。 --ただし、欧米ではMSXが殆ど流通していない((米国はコモドール64が圧倒的に強かったためMSX1で早々に撤退。逆にソビエト、ブラジル、イスラム圏等では普及していた。尤もソビエトに関しては「対共産圏輸出規制」によりMSXより高性能なパソコンの輸出が禁じられていた事が原因だが(言い換えれば、ソビエト(軍)自身が開発したコンピューターを民生用に廻す気はさらさら無かったらしい)。欧州はイギリスはZX Spectrumが強かったが、それ以外の国ではMSXがある程度普及した。韓国も普及していたがこれは安価な海賊版ソフトが大量に流通していたためで、メタルギアの海賊版もTopiaから発売されていた。))為にこれが人気を博し、KONAMIアメリカにおいて独自の続編『[[Snake's Revenge]]』が開発されている。 ---ちなみにヨーロッパ圏ではメッセージが翻訳された正規のMSX2版がコナミから発売されている。ただしメッセージの容量が多くなったせいか無線によるアイテムの説明がばっさりカットされている。 -1990年7月にMSX2における続編の『[[メタルギア2 ソリッドスネーク]]』が発売された。 --小島秀夫氏がPCソフト・[[スナッチャー]]を製作途中の帰りの電車にて、1年後輩のプログラマーから「メタルギアの大ファンなのでぜひ続編を作ってほしい」と言われ感動し、一晩で草案を作成した。((角川書店 メタルギアソリッドネイキッド P63 後輩の一声で誕生した「メタルギア2」の項参照)) -『2』共々長らくプレイするのが困難な状況であったが2004年に携帯アプリとして復活し、さらにその後『メタルギアソリッド3 サブシスタンス』などに『2』と共に復刻版が収録され、容易にプレイ出来るようになった。海外でもこれによって原作を知る機会が多くなった。 --復刻版では、原作では片仮名と英数字のみだったメッセージが漢字平仮名交じりになった他、ボスにダメージを与えた際のエフェクト追加や通信のショートカットなど細かい問題点が解消され、プレイしやすくなっている。 -2009年にはWiiのバーチャルコンソールでも配信されている。こちらは復刻版ではなく原作のMSX版であり、''別売りのWii用キーボードが無いとセーブが出来ない''という難点があるが、VCそのものの機能を利用した中断セーブは可能。 ***その他 -MSX版メタルギアの終盤、メタルギア格納庫前の高圧電流トラップはレーションで体力回復しながら強引に突破するという方法が正攻法((通信でもそう指示される。))だったが、リモコンミサイルで隠されたスイッチを破壊する事で高圧電流をストップできるという隠し要素が近年発見され話題になった。 --復刻版ではこの隠し要素は再現されていない。MSX版メタルギアの移植版であるWiiバーチャルコンソール版では可能。 --この隠し要素に関して、「スネーク以上にステルスしていた」と称賛される一方、当時のPC雑誌に掲載されていたので既存の情報だという証言も一部で見られる。 --MSX版では「セーブ・ロード画面を呼び出して戻ると高圧電流が無力化している」というバグ技が存在するため、実は何も頑張らなくても回避が可能。
*メタルギア 【めたるぎあ】 |ジャンル|ステルスアクション(戦略諜報アクション)|&ref(mg1_msx.jpg,,width=120)| |対応機種|MSX2|~| |開発元|コナミ開発3課|~| |発売元|コナミ|~| |発売日|1987年7月13日|~| |定価|5,800円|~| |プレイ人数|1人|~| |配信|【Wii】バーチャルコンソール&br() 2009年12月8日/800Wiiポイント|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)((バーチャルコンソール版で付与されたレーティングを記載。))|~| |備考|『メタルギアソリッド3 サブシスタンス』&br()『メタルギアソリッド3(20周年廉価版)』&br()『メタルギアソリッド HDエディション』に収録|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[メタルギアシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー 80年代後半に、英雄的かつ狂人とも云われた一人の傭兵によって南アフリカの奥地に生まれた武装要塞国家「アウターヘブン」(OUTER HEAVEN)。~ 今この「アウターヘブン」で全世界の戦争史上を塗り変えてしまうような恐るべき殺戮兵器が開発されているという。~ その最終兵器の情報収集のために派遣された特殊部隊「FOX HOUND」の一人グレイ・フォックスは、~ 数日後の「メタルギア……」という連絡を最後に消息を絶ってしまう。~ フォックスの謎の失踪は最終兵器の噂を裏付けるものなのか? 再びFOX HOUND部隊に任務が下る!~ &br() 今回の侵入者はFOX HOUNDの新米隊員“ソリッド・スネーク”。~ 彼の任務はグレイ・フォックスの消息を追い、「メタルギア」の正体を探り破壊すること。~ ソリッド・スネークは無線機だけを手に((「身元を明かさないために他の装備は全て現地調達」と言う規則。小型高性能無線機が身元的に一番やばいんじゃないかと言う気がしないでもないが。))、単身、初めての戦場へと向かう。~ 果たして彼は任務を遂行出来るのか!?~ 無線機からFOX HOUND総司令官ビッグボスの声がする。~ &br() ''「ソリッド・スネーク! これは訓練ではない、実戦だ。幸運を祈る……」'' ---- **概要 世界中で高い評価を得ているステルスアクションゲーム『メタルギア』シリーズの記念すべき第1作。~ プレイヤーは主人公ソリッド・スネークとなって敵基地に潜入し、最終的には敵の最終兵器「メタルギア」を破壊するのが目的。~ &br() ---- **特徴 -基地内を巡回する敵兵士にはそれぞれ「視界」という概念があり、発見されなければ攻撃を受けることはないが、発見されてしまうと画面内の兵士が一斉に攻撃モードとなりスネークを狙ってくる。 --攻撃モードは画面内の敵を全滅させるか別の画面に移動することで解除される。 --本作では敵の視界は一直線のみなので、少しでも軸をずらせば発見されなくなる。 ---発見された時に表示されるマークは&font(140%){[ ! ]}(白い吹き出し)と&font(140%){[ !! ]}(黄色い吹き出し)の二種類があり、黄色い吹き出しの方は基本的に画面を移動するだけでは解除されず、レベルに応じた人数の敵兵を倒すかエレベーターに逃げ込む必要がある。 -ストーリーにもある通り、基地潜入直後は無線機以外に何も持っていない状態であり、武器・装備などのアイテムは全て基地内で現地調達することになる。 --そんな状態で唯一最初から所持しているアイテムが''「タバコ」''。使用することも出来ず装備しても何も起こらない、一見すると無駄なアイテムのようだが……? //申し訳程度のネタバレ回避 -使用出来る武器は7種類。~ ただしサイレンサー(消音器)の付いていない武器は発射した瞬間に敵に発見された扱いになってしまうため、うかつな発砲は命取りとなる。 --ハンドガン…直線に飛ぶため正確に敵を仕留められる反面、連射ができないので多数の敵を相手にするのは不向き。サイレンサー装備可能。 --サブマシンガン…連射式なので多数の敵も仕留められるが、弾道が安定しないため正確さには欠ける。サイレンサー装備可能。 --プラスチック爆弾…セットすると一定時間後に爆発。その性質上動かない敵を攻撃するために使う。 --地雷…地面に設置して、その上を通った敵にダメージを与える。これでしか倒せないボスも存在する。 --リモコンミサイル…発射後、自分で操作して目標に当てる事ができる。操作中は動けなくなる。 --グレネードランチャー…グレネード弾を発射する。ボスにも通用する威力。 --ロケットランチャー…ロケット弾を発射する。最高の威力を誇り、これでしか倒せないボスも存在する。 -この他、武器を使わない''パンチ攻撃''も使用可能。 --一般兵士を三発で殺害、一~二発で止めればしばらく気絶状態にできる。リーチは短いが音が出ず、道中での事実上の主力攻撃となる。 --パンチで倒すと時々レーションや弾薬を落とすので緊急時の補給にも使える。 -無線機は周波数を合わせることによって色々な相手と通信し、攻略のヒントを得ることが出来る。 --武器について詳しい者、ボスキャラの弱点を教えてくれる者など、様々な人の助言を受けられる。自力攻略には必要不可欠だ。 --プレイヤーに対して外部から通信が入ることもある。ちなみにこれは同じエリアを通る度に何度でもまったく同じ通信が入る。誤って内容を読み飛ばしてしまった場合には有り難いが、あまり何度も聞いていると鬱陶しく感じるかもしれない。 -基地内の個室には拘束された捕虜が居ることもあり、一定数の捕虜を助けると階級が上がってライフの上限やアイテム・弾薬を持てる数がアップする。~ しかし逆に誤って捕虜を殺害してしまうと階級が下がってしまう。また、有益な情報を持っている捕虜もいる。 --後半のボスキャラなどは特定の武器以外でダメージを与えられないため、誤って捕虜を殺してしまうと弾薬が足りずどう足掻いてもボスを倒せない状態になってしまうことも。 ---捕虜を殺害してしまった場合は以前に捕虜を救出した場所に再配置されるため、完全な詰み状態になる心配はない。 ---それどころか捕虜を殺すと全ての捕虜が復活するので、周回してレベルを手っ取り早く上げるという裏技が存在する。 //((復刻版で確認。MSX版でもそうだったかどうかは分からない)) //↑原作MSX版でも確認できます。当時コナミ自身が出していたコナミMSX紹介本「MSX-U」で、あろうことか公式自ら「ビル1の段階で階級を最高ランクにする裏技」として記載されています。 ---なお、最大階級は比較的早めに達成できるので捕虜を全員助ける必要はない。攻略のフラグにも関わらないので、ストーリー上の重要人物であるペトロヴィッチやヘレンでさえも… -個室やトラックの中に置かれた弾薬などの消費アイテムは部屋を出入りする度に復活する。 &br() ---- **評価点 -''ハード性能という枷を逆手にとったゲーム設計'' --開発スタッフが当初上層部から言われていたのは『[[魂斗羅>魂斗羅シリーズ]]』のような戦争ゲームを作ることだったが、MSXの性能では多くの弾やキャラクターを表示させるのに不向きであったため、逆転の発想として生まれたのがこの「誰にも見つからず戦わないようにして進む」ゲームであった。 ---派手なシーンは自ずと少なくなってしまったが、少ない色味や淡白な演出さえも、ステルスミッションの緊張感を高めるスパイスに変えている。 -''ステルスゲームの完成形を作り上げた'' --とにもかくにも、「ステルス」というゲームコンセプトにアドベンチャー要素やどんでん返しのあるストーリーを取り入れ、1つの大規模な作品として成立させたのは見事。1作目であることを考慮すると完成度の高さは驚嘆に値するほど。 ---ステルスゲーム自体はいくつか前例があったが、アクションゲームの一部という粋を出られず、更に当時は先に挙げた『魂斗羅』や『戦場の狼』といった撃ちまくるゲーム、いわゆる「ランボー・スタイル」が主流であった。対してこの作品は隠れる事が全てであり、そのゲームデザインが設定と密接に関わっている。 ---システム面でも、無線によるアドバイスなど演出として昇華できている。 -''プレイヤーの工夫を試せるゲーム性'' --全体的に敵の攻撃力が高く、その上プレイヤーには不可能な斜め方向への射撃なども駆使してくるため、何も考えずにゴリ押ししていてはあっという間に死亡してしまう。そのため、「いかに戦うか」ではなく「''いかに戦わないか''」というプレイが必須となる。 ---しかし敵の配置と武器性能を頭に叩き込めば、どんどん敵兵を排除していく暗殺者まがいのプレイができる他、それでいて消費アイテムの使用を大きく抑えることができ、通り一遍のゲームバランスにはなっていない。 -''良質なBGMとその使い所の巧みさ'' --基本的にBGMは1曲が延々流れるのみだが、「こっそり忍び込む」という本作にぴったりマッチした曲調であり耳に残りやすい。発見時やボス戦、終盤では緊迫したBGMとなりメリハリが効いている。 ---通常時のBGMは本シリーズを代表する楽曲として、その後もアレンジや収録の機会に恵まれている。 &br() ---- **問題点 -装備アイテムの切り替えが煩雑。特に扉のロックを解除するカードキーは最終的には8枚にもなり、扉を一つ開けるだけでも相当の手間を取らされることになる。 --おまけにカードには一切の互換性が無く、装備中のカードと扉のレベルが一致していなければ開けられない。セキュリティレベルは実際にカードを持って扉に接触するまで分からず、ゲーム後半でも当然のようにレベル1や2の扉が存在するため常に総当たり作業を強いられることになる。 ---そしてアイテムは一度に一つしか装備できないため、毒ガスで満たされた部屋からカードキーで脱出する際にはわざわざガスマスクを外さなければならない。このため微量だが必ずダメージを受ける羽目になる。 -個性豊かな武器が揃っているものの、そのほとんどは使用した瞬間に敵に発見されてしまうためもれなく使いにくくなってしまっている。結局、一部のボス戦を除いてサプレッサーハンドガン(+パンチ)で十分ということになってしまいがち。 --一応、サブマシンガン(サプレッサー使用可能)以外はどの武器も使用する場面があるので完全に不要というわけではない。潜入が任務である以上派手な武器は適さないのである意味リアルであるとも言える。 -ボスキャラにダメージを与えた際に特殊なエフェクトや効果音が一切無いため、使用した武器が効いているのか効いていないのか判断出来ない。 --後の復刻版では『メタルギア2』と同様のダメージエフェクト&効果音が追加されている。 -アイテムを入手した際に方向キーを押しっぱなしにしていると一瞬でメッセージウィンドウが閉じてしまい、何を入手したのか分からなくなってしまう。 -通信の周波数を記録する機能がないので自分でメモをとるなどして覚える必要がある。もっとも潜入工作任務だと考えれば、設定上はメモさえ禁止だが… -途中データのセーブ・ロードができるが、対応している媒体がカセットテープのみなので、既にカセットテープを使っていないFD世代のユーザは''「セーブする環境が無い!」''事態に陥ることになる。なお「コナミの新10倍カートリッジ」を併用すればFDにどこでもセーブを行うことが可能。 -パッケージイラストのソリッド・スネークの立ち絵が、映画「ターミネーター」の未来で戦っているカイル・リースの丸パクリであるのは、ネット社会でなかった当時であっても見る人が見ればわかる事実… ---- **総評 多くの続編作品が製作された現代の目から見るとシステム的・グラフィック的には見劣りするかもしれないが、現行作まで受け継がれている要素も多く、ゲームバランスも意外と良好。~ 大作シリーズの原点として、興味があるならばプレイして決して損はしない作品と言えるだろう。 ---- **余談 ***その後の展開 -MSX版発売から5ヶ月後の同年12月にファミコンに移植されたが、問題の多い劣化移植として低評価。詳しくは[[こちら>メタルギア (FC)]]。 --ただし、欧米ではMSXが殆ど流通していない((米国はコモドール64が圧倒的に強かったためMSX1で早々に撤退。逆にソビエト、ブラジル、イスラム圏等では普及していた。尤もソビエトに関しては「対共産圏輸出規制」によりMSXより高性能なパソコンの輸出が禁じられていた事が原因だが(言い換えれば、ソビエト(軍)自身が開発したコンピューターを民生用に廻す気はさらさら無かったらしい)。欧州はイギリスはZX Spectrumが強かったが、それ以外の国ではMSXがある程度普及した。韓国も普及していたがこれは安価な海賊版ソフトが大量に流通していたためで、メタルギアの海賊版もTopiaから発売されていた。))為にこれが人気を博し、KONAMIアメリカにおいて独自の続編『[[Snake's Revenge]]』が開発されている。 ---ちなみにヨーロッパ圏ではメッセージが翻訳された正規のMSX2版がコナミから発売されている。ただしメッセージの容量が多くなったせいか無線によるアイテムの説明がばっさりカットされている。 -1990年7月にMSX2における続編の『[[メタルギア2 ソリッドスネーク]]』が発売された。 --小島秀夫氏がPCソフト・[[スナッチャー]]を製作途中の帰りの電車にて、1年後輩のプログラマーから「メタルギアの大ファンなのでぜひ続編を作ってほしい」と言われ感動し、一晩で草案を作成した。((角川書店 メタルギアソリッドネイキッド P63 後輩の一声で誕生した「メタルギア2」の項参照)) -『2』共々長らくプレイするのが困難な状況であったが2004年に携帯アプリとして復活し、さらにその後『メタルギアソリッド3 サブシスタンス』などに『2』と共に復刻版が収録され、容易にプレイ出来るようになった。海外でもこれによって原作を知る機会が多くなった。 --復刻版では、原作では片仮名と英数字のみだったメッセージが漢字平仮名交じりになった他、ボスにダメージを与えた際のエフェクト追加や通信のショートカットなど細かい問題点が解消され、プレイしやすくなっている。 -2009年にはWiiのバーチャルコンソールでも配信されている。こちらは復刻版ではなく原作のMSX版であり、''別売りのWii用キーボードが無いとセーブが出来ない''という難点があるが、VCそのものの機能を利用した中断セーブは可能。 ***その他 -MSX版メタルギアの終盤、メタルギア格納庫前の高圧電流トラップはレーションで体力回復しながら強引に突破するという方法が正攻法((通信でもそう指示される。))だったが、リモコンミサイルで隠されたスイッチを破壊する事で高圧電流をストップできるという隠し要素が近年発見され話題になった。 --復刻版ではこの隠し要素は再現されていない。MSX版メタルギアの移植版であるWiiバーチャルコンソール版では可能。 --この隠し要素に関して、「スネーク以上にステルスしていた」と称賛される一方、当時のPC雑誌に掲載されていたので既存の情報だという証言も一部で見られる。 --MSX版では「セーブ・ロード画面を呼び出して戻ると高圧電流が無力化している」というバグ技が存在するため、実は何も頑張らなくても回避が可能。

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