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GUILTY GEAR X - (2016/10/06 (木) 20:20:24) の1つ前との変更点

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//文章量の割に目次が長くなってしまっており微妙に見辛い状態だったため、小見出し(***)を全て普通の太字に変更。 #contents(fromhere) ---- *GUILTY GEAR X 【ぎるてぃぎあ ぜくす】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&image(GGX.gif,width=180)| |対応機種|アーケード(NAOMI)|~| |販売元|サミー|~| |開発元|アークシステムワークス|~| |稼働開始日|2000年|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|ポイント||~|~|~| |>|>|CENTER:''[[ギルティギアシリーズ]]''| ---- **概要 アークシステムワークスの格闘ゲーム『[[GUILTY GEAR]]』の続編。ただし、ストーリー的には正式な続編ではなく、外伝として位置付けられている。~ 格ゲー人気の低下が決定的になってきた中、ゲーム業界ではさして名を知られていなかったサミーが突如として発表した超新星。ゲーマーを唸らせる魅力的な要素がこれでもかというほどに詰め込まれた革新作であった。 ---- **GGXでの追加・変更点 ''ゲームシステム'' -テンションゲージ --前作のカオスゲージは「テンションゲージ」と呼ばれる物に変わり、「攻めの行動を取るほどに上昇効率がアップする」特性が加えられた。 --攻め続けていれば相手に向かって移動しているだけでも溜まっていくが、逆に逃げ続けているとどんどん増えにくくなるばかりか、「ネガティブペナルティ」という強烈なペナルティが課せられてしまう。((テンションゲージが強制的に0になる上に、そのラウンドが終了するまで気絶しやすくなる。))待ちなどのチキン対策としてはかなり画期的だったといえるシステムである。 -ガードレベル --連続技補正と待ち対策を兼ねたシステム。攻撃をガードすると体力ゲージの下にある「ガードレベルゲージ」が増加し、溜まった量に応じて技のダメージ上昇および連続技におけるダメージ減少補正が緩和される。~ さらに、基準値を大きく上回るとゲージが点滅し始め、その状態で攻撃を食らうと強制的にカウンターヒットとなる。 --『ガードそのものは問題なく行い続けられるが、長続きするほど崩された時に大ダメージを受ける』という方向性は、当時流行していた「ガードクラッシュ」とは別のアプローチで待ち行為にリスクを負わせる画期的なシステムだった。 -ロマンキャンセル --テンションゲージを50%消費し、''通常・必殺技問わず攻撃動作を強制中断してしまう''大胆不敵な新アクション。本作の、ひいては後のアーク格ゲーの代名詞とも言えるシステムであり、隙の多い技のフォロー、腕前次第では連続技のさらなる発展を見込めるため、応用の幅は極めて広い。 ---ちなみにこの名称は「なんとなくのノリ」で決められたらしいがそのネーミングセンスは見事。 -一撃必殺技の仕様変更 --さすがに初代のシステムでは理不尽だと思われたのか、一撃必殺技の仕様は大幅に変更されてとても扱いづらくなった。 ---まず全ボタン押しで「一撃必殺技準備状態」になり、そこからコマンドを入れると発動する。ただし、1ラウンド中1回しか出せない上決めても1本取るのみ&外すとそのラウンドが終わるまでテンションゲージが消失するなど性能は大幅ダウン。魅せ技となってしまった。 ---この仕様は後発の『AC+R』まで続くことになる。『Xrd』では「相手にトドメを刺す時の選択肢にはなり得る」程度に条件が緩和され、狙う価値が出てきた。 ''新キャラクター''~ キャラクターデザインは引き続き石渡氏が担当。前作のキャラも多数登場するが、キャラ性能やデザインが大幅に変わっている者も多い。 -Dr.ボルドヘッド、クリフ、ジャスティスは登場しない。ただし、Dr.ボルドヘッドは似たキャラが登場しており、クリフとジャスティスは家庭用では使用可能なバージョンも存在する。 #region(ゼクスにて追加されたキャラクター一覧) -ファウスト --頭に紙袋を被った医者。設定や立ちグラフィックが前作のDr.ボルドヘッドを連想させるが…?((実は『SLASH』の予約特典DVDにおいて、ナレーターの井上喜久子女史が「ファウストの前身であるボルドヘッドが~」と解説している。)) --何を投げるかわからない飛び道具と、リーチの長い通常技が特徴。見た目に反して案外使いやすく、初心者にも比較的オススメできるキャラでもある。 --ドリフっぽい技やギャグ成分が多くいい意味で「狂っている」キャラだが、バックストーリーや勝利台詞はかなり大真面目。そのためかドラマCDや小説など、重要な脇役としての出番が多い。 --その極端な長身ゆえに食らい判定がかなり特殊で、さまざまなキャラに対ファウスト限定コンボが存在する。 -ジョニー --空賊「ジェリーフィッシュ快賊団」のリーダー。前作のメイのストーリー中に登場していたが、デザインを変えた上で使用キャラに抜擢。 --動きは遅めで、ダッシュがステップタイプのため瞬発力も低いが、刀を使った技は出が早くリーチに優れているため強い。 --しかしそれ以上に強烈なのが起き攻めである。詳しくは後述。 -御都 闇慈(みと あんじ) --日本壊滅の真相を追うジャパニーズ。舞うように戦う独特の戦闘スタイルを持つ。 --飛び道具と下段技を重ねることで、中下段同時攻撃(=実質上のガード不能連携)を行えるキャラ。 --一部の技には「ガードポイント」が存在しており、相手の技を受け流しつつ反撃することが可能。 --ちなみに上半身が裸なのでファンからの愛称は「半裸」で定着してしまった。「当たると痛いから本気で避けられる」とは本人の勝利台詞によるが、 GPで敵の攻撃を耐えている様となんだか矛盾している気がしなくもない。 -蔵土縁 紗夢(くらどべり じゃむ) --拳法家にして料理の達人。自分の店を構えるため賞金を狙う。語尾に「アル」をつける、コテコテの似非中国人喋りが特徴。 --徒手空拳で戦う格闘家ゆえ、技のリーチは短いがラッシュ力が強く、また、ブロッキングの様に相手の技を受け流すこともできるため接近戦が強い。 --「朝凪の呼吸」を行うことで、一部の必殺技を強化することが可能。強化された必殺技を絡めた連携、連続技は強力。 --ゲーム中の彼女の行動にはほぼ必ずパンチラが仕込まれている。気になる人はトレーニングモードでじっくりと確認してみよう。 -ヴェノム --アサシン組織の幹部。銀髪黒肌で穏やかな美形キャラだが、外見が色々と奇抜。 --ザトー=ONEに"盲目的な忠誠"を誓っている。本人にその気はないかもしれないが言動が"それ"っぽいため((ファウストの刺激的絶命拳(カンチョー)を喰らうと「あの方以外に!」と叫ぶなど。))「フォモ」などと呼ばれる事も…。 --ビリヤードをモチーフとした技を持つ。特に「ボール生成」を絡めた連携のバリエーションが豊富で、多角からのトリッキーな攻撃が魅力。しかし火力が低く切り返し技に乏しいため常に自分のペースを握り続ける必要がある。 -ディズィー --人間を素体とした生体兵器「GEAR」。ストーリーにおける最重要人物で、本作ではラスボスでもある。 --豊富な飛び道具と高い空中移動能力を駆使して戦うキャラ。しかし喰らい判定が大きいばかりか防御力が低いため、一端攻められると厳しい。技の性能にも一癖あるものが多い。 --彼女のみ一撃必殺技を持っていないが、代わりにテンションゲージを100%全て消費する強力な覚醒必殺技「ガンマレイ」を持っている。 --ラスボスであるのに儚げで、清楚で大人しい雰囲気を持つ美少女だが、いざ戦闘になるとそれとは裏腹に過激なファッションになる。そのギャップに魅了された熱烈なファンが多くつき、キャラ人気が非常に高いことでも知られる。 --PS版ストーリーモードでは、続編への伏線がちりばめられている。それが続編の発売時にちょっとした騒動になったことも。 #endregion ---- **評価点 ''爽快感あふれるゲームシステム''~ システムは概ね『[[ストリートファイターII]]』からの流れを継承しており、前作は「自由度の高いゲームシステム」が売りであった。本作でもそれらは全て継承され、変わっていない。 -二段ジャンプや空中ダッシュ、チェーンコンボ、ダストアタック、通常技ジャンプキャンセル、といった動作は、前作同様ほぼ全キャラに搭載されている。適当に操作しているだけでも非常にスピーディで派手な動きができる。連続技の要になるキャンセル行動も必殺技キャンセル・ジャンプキャンセル・ロマンキャンセルと多岐に渡る。 -攻め攻めのゲームバランスだが、それに劣らず防御システムも底上げされた。 --防御手段は「フォルトレスディフェンス(テンションゲージを消費して行う強化版ガード)」・「直前ガード(硬直を微妙に減らす)」・「デッドアングルアタック(ガードキャンセル技)」と豊富で、空中コンボもつなぎが甘い場合は受け身を取ることが出来る。 -地味な点ではあるが、先行入力が利きやすくなっていたりするなど細かい仕様が随所に存在する。これらの仕様を逆手に取って様々なテクニックが開発されていった。 -ゲームスピードが早い一方、ヒットストップはこれまでの格ゲーと比べて長い。 --このためヒット確認によるコンボ、つまり「通常技が当たったのを見てからガトリングコンビネーションに繋ぎ、〆に必殺技を出す」という行為が比較的容易である。 ''美麗なグラフィック''~ 使用基板がNAOMIとなり、グラフィックは大幅にパワーアップ。前作と比べればその差は一目瞭然である。 -ハイレゾで描きこまれたキャラクターはダイナミックかつ表情豊かに動き、エフェクトも派手。「格ゲーは苦手だけど、キャラは好き」という人達からの注目も大いに集めた。 --曲がりなりにも2Dのドット絵ではあるのだが、本作でのキャラアニメーションの作成手法はアニメのようなセル画である。~ 石渡氏が技の絵コンテを描き、それをアニメーション製作会社が動画として描き起こし、それをさらにゲームのドット絵へと落とし込んだ…と言う流れ。 -グラフィックのパワーアップのおかげで、必殺技も派手。テンションゲージを消費する「覚醒必殺技」はもっと派手。 ''BGM''~ 前作同様、石渡氏作曲のエレキギター全開のHR/HMが主体のBGM。 -前作でも人気であった「Holy Orders」「Suck a Sage」「Writhe in Pain」「Momentary Life」等の名曲はアレンジされて本作でも使われている他、多数の新曲も収録。BGMの評価は高い。 -中でも、ザトーvsミリア戦のBGM「Still in the Dark」は特に高評価の曲として有名。石渡氏もお気に入りの一曲である。 **賛否両論点 -AC版は音源がNAOMI基板の内部音源であったため、ギター音がかなり貧弱に感じられる。 --ただし、「これはこれでアリ」という声もある。というのも家庭用機への移植版では音源が強化されているのだが、その際にメロディーラインに若干のアレンジが加わっているため。 **問題点 ''ゲームバランス''~ 調整がまだ練りこまれておらず、様々なテクニックの開発の末に本作は「ひどいハメゲー」として知れ渡っている。 -本作では起き攻めが以降の作品よりも非常に強烈である。移動起き上がりが無いうえに中段技も発生が速いので見切るのが困難、さらに一部のキャラはガード不能連携まで行えてしまう。 --ゆえに起き攻めと起き攻め対策を覚えることが対人戦の基本となる。というか覚えないと一方的にハメ殺されてお話にならない。 ---これは次作以降にも言えることではあるが本作はダウン追い打ちの仕様が異なり、通常通りのダメージを与えられる上ダウン追い打ちを連続で当てると喰らった側は受け身とれずダウンしてしまう。(つまり今のシリーズよりコンボでダウンを奪いやすくダメージもよく伸びる。) -ダイヤグラム上位のキャラであるミリアとジョニーの性能が明らかにおかしい。両者に共通しているのは「起き攻めが極悪」である点。 --ミリアは設置系必殺技「HS版タンデムトップ」を重ねてからのガード崩しが強力無比。~ 中段、下段、投げ(さらに裏回りも加わる)、どれを取っても出が速くて見切りづらく、どの技を始動技にしてもダメージと気絶値を稼ぎつつ相手をダウンさせる連続技に移行できる。そして再びHSタンデムトップを重ね、気絶するか死ぬまで逃がしてくれない。 ---仮にこちらにターンが回っても、ゲージさえあればガードキャンセル技からコンボが繋がってしまうため、守りからもダメージを取りつつ起き攻めに移行できる(気絶させる事も可能)という理不尽ぶり。 ---各種通常技もいちいち嘘のように判定が強く、牽制を振り回して何か当たればそのままコンボに移行、ガードされてもそのまま固めに移行、と差し合いに関しても異常な強さを誇っていた。ただし防御力が低いため、ワンチャンスに高威力の連続技を決めればまだ勝利の目はある。それでも超高性能キャラであることは間違いなく、北斗のトキや戦国陸上のオクラの先駆けとなる強キャラとして有名。(もちろん、彼らほどぶっ飛んだ性能ではないが) --ジョニーには「霧ハメ」というセットプレイが存在し、''一旦霧ハメに移行されると、起き上がりにガード不能かつダウン回避不能の必殺技を死ぬまで重ねられ続ける''ことになる。~ 連携の隙を縫って脱出することは一応可能だが、熟練のジョニー使いから逃げることは「ほぼ無理」と言えるくらい非常に困難。しかも霧ハメに持ち込める状況が非常に多く、仕組みさえ知ってしまえばものの5分も練習すれば安定するくらい難易度が低い。 ---通常技や構えキャンセルによる隙消しも今と比べてかなり優秀でミリアに次ぐ強さを確立している。 -それ以下のキャラも「ドラゴンインストールがかけ直し可能でゲージさえ回収すれば永続できるソル」「完走は非常に難しいが即死までコンボが繋げる紗夢」「小技から1コンボで気絶させるディズィー」と上位キャラはどこかおかしい性能を持っている。 --ちなみ後のシリーズでエディ名義で登場し、多くの作品で最強の座についたザトーも本作では防御性能の低さから中堅あたりに留まっている。セットプレイの強さは既に存在しているもののそれほど本作の起き攻めは彼以外も強力なのである。 -また本作は非常に気絶しやすくガードレベルの降下も緩やか。一部の下位キャラクターまでもワンチャンスから気絶させてそのままラウンドを取れたりと非常に高火力なゲームになっている。 --これらのゲームバランスの特徴は緩和されつつも後のシリーズにも残されている。事故ゲーなどと呼ばれた「アクセントコア」も本作を意識して調整した結果だという。 -ボタン同時押しの優先順位より「チップの空中ダッシュ2Kを1KホールドPで出すと、2Kがフォルトレスディフェンスでキャンセルされて真下に落ちる」という「単発技フォルトレスディフェンスキャンセル」が見つかり、ここから「足払いフォルトレスディフェンスキャンセル(FDC)」→「FCD(フォルトレスディフェンスキャンセルダッシュ)」が発見されてしまった事で、ゲームバランスは世紀末に足を半ば突っ込んだ状態となった。 --FDCはガトリングコンビネーション(チェーンコンボ)の最後を足払いで締め、さらにその足払いの出かかりをフォルトレスディフェンスでキャンセルする((通常、ガトリングコンビネーション中の攻撃をフォルトレスディフェンスでキャンセルする事はできないのだが、なぜかガトリングコンビネーション中の足払いのみフォルトレスディフェンスでキャンセルできる事が発覚した))ことで、疑似的な通常技ロマンキャンセルが可能となるテクニック。「足払いに繋げられる技限定」という条件こそあるものの、テンションゲージの消費量が極小であるため連続で行える。 --FCDはFDCに前ダッシュの入力を複合させることで、通常技ロマンキャンセル前ダッシュの様な動きが可能となるテクニック。入力難易度が非常に高く安定させるには相当な修練を必要とするが、FCDを駆使することで超強力な固め連携、超威力の連続技+確定気絶、見えない崩し連携などが可能となるため、中級者以上の対戦では必須となる。 --このテクニックの発見はダイヤグラムにも大きく影響を与えた。コンボ火力が大幅上昇し、もともと強かった上位陣(特にミリア・ジャム・ディズィー)はさらに評価を伸ばした(ジョニーは恩恵があまり無かったが、霧ハメが強かったため問題なし)。逆にこのテクニックを利用してもあまり恩恵を受けられないキャラは悲惨な事に…。 -バグ・不具合 --数こそ少なかったがゲームバランスに影響を与えるバグ・不具合もあった。 ---「ミリアのジャンプHSの攻撃判定が縦方向に無限に伸びてしまう(しかも、一度発生してしまうと再起動しない限り永続)」 ---「カイがファウストに通常投げを行うと、演出の隙間に投げやダストアタックで割り込まれて反撃が確定してしまう」などが有名。 これらの理由から、本作は完全に「初心者お断り」のゲームとなっている。~ 操作性は良好で必殺技コマンドも出しやすく、CPU戦の難易度も低いというところまでは初心者向けなのだが、問題は対人戦。覚えるべき知識やセオリーが多く、FCDを筆頭とした高難度の操作テクニックを要求される技が多数存在するため、ハードルは非常に高い。~ ゲーセンの運営上(特に資金、設置スペースに関する問題)練習台を用意するのが難しいこともあり、初心者は家庭用発売までは練習がなかなかできない環境であった。 ''その他'' -キャラによっては一部技のモーションがカッコ悪いという声もある。(カイの立ちHSなど) --ただ、上にも書いたとおりグラフィック自体はたいへん綺麗であり、それよりも対戦バランスのほうが重要であったため、あまり問題点としては認識されていない。また、この辺りは開発陣も自覚があったのか、新作に移行するにつれ新たに追加・変更されたモーションは評価が良くなっている。 ---- **総評 人気が下火となった格闘ゲーム界にいきなり現れた綺羅星といえる存在であり、同時にアークシステムワークスを有名ゲームメーカーとして認知させ、さらに会社の方向性までをも決定づけてしまった作品。~ 前作という下地があったとはいえ、そこからの進化はまさに「昇華」としか言いようがない程に見違えており、しかもアーケード参入1作目にしていきなりこの完成度の高さであった。~ 過去の格闘ゲームの総決算+αとも言えるような詰め込まれたシステムと、それに支えられた動きの自由度とスピード感が売りの対戦ツールであり、このゲームの持つ魅力に取りつかれたプレイヤーは、多少のゲームバランスの悪さを気にせずやりこみ続けた。 また、美麗なグラフィックと個性豊かなキャラクター、ロック調のイカしたBGMなども大好評で、多数の新規ファンの獲得に成功。~ 格闘ゲーム界隈、ひいてはアーケード業界に新たな活気を呼び込むことに成功した。 ---- **移植 -DC版とPC版、PS2版、そしてなんとGBA版が発売された。 //PC版・GBA版については知識がないので詳しい人がいればお願いします。 //2001年11月10日 PC(Windows)版 ---- *GUILTY GEAR X(DC版) 【ぎるてぃぎあ ぜくす】 |ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51aik%2BefLKL.jpg,height=180)| |対応機種|ドリームキャスト|~| |販売元|サミー|~| |開発元|アークシステムワークス|~| |発売日|2000年12月14日|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(DC版) 上記ソフトの初の家庭用移植版。~ **変更点・評価点(DC版) -AC版のほぼ完全移植 --家庭用移植として問題のないレベルの移植となっており、アーケードの対戦をコンシューマに上手く持ち込んでいる。 -GGモードの搭載 --前作寄りにバランスを変更したモードが搭載された。 -音源の強化 --特にギターは強化されており、BGMの質を高めている。 --AC版とは若干メロディラインが変更されており、AC版の曲は残念ながら収録されていない。 **賛否両論点(DC版) -GGモード中のカイ --後にロボカイとなるキャラだが、新規グラで挙動がおかしいカイとなっている。 ---本作中では一切の説明がない為、「アレは何なのか」という憶測が飛び交いまくった。 **問題点(DC版) -致命的なものではないが若干の不具合も起きている。 --CPUへダウン追い打ちを当てても、受け身を取れるタイミングであるにも関わらず受け身を取らない。 --ガードレベルゲージのオーバーフローバグがAC版から引き続き残っている。 ---- **総評(DC版) アーケード格闘ゲームの家庭用移植として非常に無難な出来。~ 一部気になる点も存在するが、『GGX』を家庭用で遊べるという点で非常に評価の高かった移植作。 ---- *GUILTY GEAR X PLUS 【ぎるてぃぎあ ぜくす ぷらす】 |ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51JCDQBTPJL.jpg,height=180)| |対応機種|プレイステーション2|~| |販売元|サミー|~| |開発元|アークシステムワークス|~| |発売日|2001年11月29日|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(PLUS) DC版から1年遅れてのソニーハードへの移植。 **変更点・評価点(PLUS) -ストーリーモードの追加 --倒し方などでストーリーが分岐。格闘ゲームとしてはかなり多めのシナリオが搭載されており、一人プレイでも十分楽しめる量のシナリオとなっている。 --ここでGGモードのカイがロボカイであると判明した。 -AC&DC版での不具合の修正 -AC版では登場しなかったクリフとジャスティスの復活 -GGモードにも調整・追加が行われた。 --GGモード適応無しでGGモード性能のキャラが使用可能になった。 --GGモードキャラの再調整版(後のEXキャラ、当時はGG+キャラと呼ばれていた)が搭載された。 **問題点(PLUS) -せっかく復活参戦した2キャラの残念な点 --クリフのボイスは初代の使いまわしで、ジャスティスはボイスなしになっている((因みに初代ジャスティスの声優は『プリズマティカリゼーション』でやらかした射尾卓弥氏(当時は『森藤卓弥』名義)))。 -メディアがCD-ROMなのでロードがやや長い。 ---- **総評(PLUS) 遅れて発売されただけあり、相応に追加要素も多くなった家庭用移植版。~ キャラ人気の高い作品でもあるだけに、分岐ありのストーリーモードの追加は結構な好評となった。 ---- //GBAについては詳しくないので判定欄なしの補記の形にします。 *GUILTY GEAR X ADVANCE EDITION 【ぎるてぃぎあ ぜくす あどヴぁんす えでぃしょん】 |ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51XAABTMZ3L.jpg,width=180)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |販売元|サミー|~| |開発元|アークシステムワークス|~| |発売日|2002年1月|~| //|プレイ人数|1~2人|~| //|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~| 2002年1月 - 『』として発売。オリジナル必殺技や3対3といったチーム戦を楽しめる。 **概要(ADVANCE EDITION) まさかのGBA移植版。~ 色々な意味で「無茶しやがって…」という出来の移植になっている。 **変更点・評価点(ADVANCE EDITION) -GBAオリジナルのユニーク技 --「ヴェノムロケット13号」「ぶっきらぼうに全力で投げる」&bold(){「扇子で空を飛ぶ闇慈」}((厳密には闇慈が武器を用いて浮遊する技がある。))などのユニークな新技が存在し、その一部は後に逆輸入もされている。 -タッグマッチや3on3ができる。 --タッグマッチ時は『アクティブチェンジ』というシステムがあり、特定のコマンドを入力するとテンションゲージを消費して行動を強制終了させて即座にキャラチェンジをするというもの。擬似的なロマキャンとしても使える他、まさかの&bold(){ガード中}でもチェンジができる。 --3on3時は『デュアルコンビネーション』というシステムがあり、特定のコマンドを入力する事でテンションゲージを消費した後に、『KOF』のストライカーシステムのように、2番手および3番手の控えキャラを呼び出して援護攻撃させる事ができる。呼び出されたキャラは動作終了まで無敵状態なので攻撃をつぶされることはない。ただし、最後の1人だと控えがいないので使用不可。 ---まさに&bold(){「無茶しやがって…」}なシステムである。とはいえ、デュアルコンビネーションによる連携などを駆使でCPUと戦っていくのは中々に面白い。 **問題点 -グラフィックは初代並みかそれ以下まで劣化。 -ダメージ補正も激しく、5~6ヒットほどですぐに与ダメージが1ケタまで落ち込んでしまう。 -ネガティブペナルティやガードゲージが存在しない。 ---- **その後の展開 本作は全国で人気が爆発し、サミー主導の全国大会が実施されるまでに至った。~ その後もアーケードで長く遊ばれ続けていたが、より進化した続編の登場が待望されていたことは言うまでもない。~ そして後に発売された『[[GUILTY GEAR XX]]』は、その前評判に見事に応えた良作であった。
//文章量の割に目次が長くなってしまっており微妙に見辛い状態だったため、小見出し(***)を全て普通の太字に変更。 #contents(fromhere) ---- *GUILTY GEAR X 【ぎるてぃぎあ ぜくす】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&image(GGX.gif,width=180)| |対応機種|アーケード(NAOMI)|~| |販売元|サミー|~| |開発元|アークシステムワークス|~| |稼働開始日|2000年|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|ポイント||~|~|~| |>|>|CENTER:''[[ギルティギアシリーズ]]''| ---- **概要 アークシステムワークスの格闘ゲーム『[[GUILTY GEAR]]』の続編。ただし、ストーリー的には正式な続編ではなく、外伝として位置付けられている。~ 格ゲー人気の低下が決定的になってきた中、ゲーム業界ではさして名を知られていなかったサミーが突如として発表した超新星。ゲーマーを唸らせる魅力的な要素がこれでもかというほどに詰め込まれた革新作であった。 ---- **GGXでの追加・変更点 ''ゲームシステム'' -テンションゲージ --前作のカオスゲージは「テンションゲージ」と呼ばれる物に変わり、「攻めの行動を取るほどに上昇効率がアップする」特性が加えられた。 --攻め続けていれば相手に向かって移動しているだけでも溜まっていくが、逆に逃げ続けているとどんどん増えにくくなるばかりか、「ネガティブペナルティ」という強烈なペナルティが課せられてしまう。((テンションゲージが強制的に0になる上に、そのラウンドが終了するまで気絶しやすくなる。))待ちなどのチキン対策としてはかなり画期的だったといえるシステムである。 -ガードレベル --連続技補正と待ち対策を兼ねたシステム。攻撃をガードすると体力ゲージの下にある「ガードレベルゲージ」が増加し、溜まった量に応じて技のダメージ上昇および連続技におけるダメージ減少補正が緩和される。~ さらに、基準値を大きく上回るとゲージが点滅し始め、その状態で攻撃を食らうと強制的にカウンターヒットとなる。 --『ガードそのものは問題なく行い続けられるが、長続きするほど崩された時に大ダメージを受ける』という方向性は、当時流行していた「ガードクラッシュ」とは別のアプローチで待ち行為にリスクを負わせる画期的なシステムだった。 -ロマンキャンセル --テンションゲージを50%消費し、''通常・必殺技問わず攻撃動作を強制中断してしまう''大胆不敵な新アクション。本作の、ひいては後のアーク格ゲーの代名詞とも言えるシステムであり、隙の多い技のフォロー、腕前次第では連続技のさらなる発展を見込めるため、応用の幅は極めて広い。 ---ちなみにこの名称は「なんとなくのノリ」で決められたらしいがそのネーミングセンスは見事。 -一撃必殺技の仕様変更 --さすがに初代のシステムでは理不尽だと思われたのか、一撃必殺技の仕様は大幅に変更されてとても扱いづらくなった。 ---まず全ボタン押しで「一撃必殺技準備状態」になり、そこからコマンドを入れると発動する。ただし、1ラウンド中1回しか出せない上決めても1本取るのみ&外すとそのラウンドが終わるまでテンションゲージが消失するなど性能は大幅ダウン。魅せ技となってしまった。 ---この仕様は後発の『AC+R』まで続くことになる。『Xrd』では「相手にトドメを刺す時の選択肢にはなり得る」程度に条件が緩和され、狙う価値が出てきた。 ''新キャラクター''~ キャラクターデザインは引き続き石渡氏が担当。前作のキャラも多数登場するが、キャラ性能やデザインが大幅に変わっている者も多い。 -Dr.ボルドヘッド、クリフ、ジャスティスは登場しない。ただし、Dr.ボルドヘッドは似たキャラが登場しており、クリフとジャスティスは家庭用では使用可能なバージョンも存在する。 #region(ゼクスにて追加されたキャラクター一覧) -ファウスト --頭に紙袋を被った医者。設定や立ちグラフィックが前作のDr.ボルドヘッドを連想させるが…?((実は『SLASH』の予約特典DVDにおいて、ナレーターの井上喜久子女史が「ファウストの前身であるボルドヘッドが~」と解説している。)) --何を投げるかわからない飛び道具と、リーチの長い通常技が特徴。見た目に反して案外使いやすく、初心者にも比較的オススメできるキャラでもある。 --ドリフっぽい技やギャグ成分が多くいい意味で「狂っている」キャラだが、バックストーリーや勝利台詞はかなり大真面目。そのためかドラマCDや小説など、重要な脇役としての出番が多い。 --その極端な長身ゆえに食らい判定がかなり特殊で、さまざまなキャラに対ファウスト限定コンボが存在する。 -ジョニー --空賊「ジェリーフィッシュ快賊団」のリーダー。前作のメイのストーリー中に登場していたが、デザインを変えた上で使用キャラに抜擢。 --動きは遅めで、ダッシュがステップタイプのため瞬発力も低いが、刀を使った技は出が早くリーチに優れているため強い。 --しかしそれ以上に強烈なのが起き攻めである。詳しくは後述。 -御都 闇慈(みと あんじ) --日本壊滅の真相を追うジャパニーズ。舞うように戦う独特の戦闘スタイルを持つ。 --飛び道具と下段技を重ねることで、中下段同時攻撃(=実質上のガード不能連携)を行えるキャラ。 --一部の技には「ガードポイント」が存在しており、相手の技を受け流しつつ反撃することが可能。 --ちなみに上半身が裸なのでファンからの愛称は「半裸」で定着してしまった。「当たると痛いから本気で避けられる」とは本人の勝利台詞によるが、 GPで敵の攻撃を耐えている様となんだか矛盾している気がしなくもない。 -蔵土縁 紗夢(くらどべり じゃむ) --拳法家にして料理の達人。自分の店を構えるため賞金を狙う。語尾に「アル」をつける、コテコテの似非中国人喋りが特徴。 --徒手空拳で戦う格闘家ゆえ、技のリーチは短いがラッシュ力が強く、また、ブロッキングの様に相手の技を受け流すこともできるため接近戦が強い。 --「朝凪の呼吸」を行うことで、一部の必殺技を強化することが可能。強化された必殺技を絡めた連携、連続技は強力。 --ゲーム中の彼女の行動にはほぼ必ずパンチラが仕込まれている。気になる人はトレーニングモードでじっくりと確認してみよう。 -ヴェノム --アサシン組織の幹部。銀髪黒肌で穏やかな美形キャラだが、外見が色々と奇抜。 --ザトー=ONEに"盲目的な忠誠"を誓っている。本人にその気はないかもしれないが言動が"それ"っぽいため((ファウストの刺激的絶命拳(カンチョー)を喰らうと「あの方以外に!」と叫ぶなど。))「フォモ」などと呼ばれる事も…。 --ビリヤードをモチーフとした技を持つ。特に「ボール生成」を絡めた連携のバリエーションが豊富で、多角からのトリッキーな攻撃が魅力。しかし火力が低く切り返し技に乏しいため常に自分のペースを握り続ける必要がある。 -ディズィー --人間を素体とした生体兵器「GEAR」。ストーリーにおける最重要人物で、本作ではラスボスでもある。 --豊富な飛び道具と高い空中移動能力を駆使して戦うキャラ。しかし喰らい判定が大きいばかりか防御力が低いため、一端攻められると厳しい。技の性能にも一癖あるものが多い。 --彼女のみ一撃必殺技を持っていないが、代わりにテンションゲージを100%全て消費する強力な覚醒必殺技「ガンマレイ」を持っている。 --ラスボスであるのに儚げで、清楚で大人しい雰囲気を持つ美少女だが、いざ戦闘になるとそれとは裏腹に過激なファッションになる。そのギャップに魅了された熱烈なファンが多くつき、キャラ人気が非常に高いことでも知られる。 --PS版ストーリーモードでは、続編への伏線がちりばめられている。それが続編の発売時にちょっとした騒動になったことも。 #endregion ---- **評価点 ''爽快感あふれるゲームシステム''~ システムは概ね『[[ストリートファイターII]]』からの流れを継承しており、前作は「自由度の高いゲームシステム」が売りであった。本作でもそれらは全て継承され、変わっていない。 -二段ジャンプや空中ダッシュ、チェーンコンボ、ダストアタック、通常技ジャンプキャンセル、といった動作は、前作同様ほぼ全キャラに搭載されている。適当に操作しているだけでも非常にスピーディで派手な動きができる。連続技の要になるキャンセル行動も必殺技キャンセル・ジャンプキャンセル・ロマンキャンセルと多岐に渡る。 -攻め攻めのゲームバランスだが、それに劣らず防御システムも底上げされた。 --防御手段は「フォルトレスディフェンス(テンションゲージを消費して行う強化版ガード)」・「直前ガード(硬直を微妙に減らす)」・「デッドアングルアタック(ガードキャンセル技)」と豊富で、空中コンボもつなぎが甘い場合は受け身を取ることが出来る。 -地味な点ではあるが、先行入力が利きやすくなっていたりするなど細かい仕様が随所に存在する。これらの仕様を逆手に取って様々なテクニックが開発されていった。 -ゲームスピードが早い一方、ヒットストップはこれまでの格ゲーと比べて長い。 --このためヒット確認によるコンボ、つまり「通常技が当たったのを見てからガトリングコンビネーションに繋ぎ、〆に必殺技を出す」という行為が比較的容易である。 ''美麗なグラフィック''~ 使用基板がNAOMIとなり、グラフィックは大幅にパワーアップ。前作と比べればその差は一目瞭然である。 -ハイレゾで描きこまれたキャラクターはダイナミックかつ表情豊かに動き、エフェクトも派手。「格ゲーは苦手だけど、キャラは好き」という人達からの注目も大いに集めた。 --曲がりなりにも2Dのドット絵ではあるのだが、本作でのキャラアニメーションの作成手法はアニメのようなセル画である。~ 石渡氏が技の絵コンテを描き、それをアニメーション製作会社が動画として描き起こし、それをさらにゲームのドット絵へと落とし込んだ…と言う流れ。 -グラフィックのパワーアップのおかげで、必殺技も派手。テンションゲージを消費する「覚醒必殺技」はもっと派手。 ''BGM''~ 前作同様、石渡氏作曲のエレキギター全開のHR/HMが主体のBGM。 -前作でも人気であった「Holy Orders」「Suck a Sage」「Writhe in Pain」「Momentary Life」等の名曲はアレンジされて本作でも使われている他、多数の新曲も収録。BGMの評価は高い。 -中でも、ザトーvsミリア戦のBGM「Still in the Dark」は特に高評価の曲として有名。石渡氏もお気に入りの一曲である。 **賛否両論点 -AC版は音源がNAOMI基板の内部音源であったため、ギター音がかなり貧弱に感じられる。 --ただし、「これはこれでアリ」という声もある。というのも家庭用機への移植版では音源が強化されているのだが、その際にメロディーラインに若干のアレンジが加わっているため。 **問題点 ''ゲームバランス''~ 調整がまだ練りこまれておらず、様々なテクニックの開発の末に本作は「ひどいハメゲー」として知れ渡っている。 -本作では起き攻めが以降の作品よりも非常に強烈である。移動起き上がりが無いうえに中段技も発生が速いので見切るのが困難、さらに一部のキャラはガード不能連携まで行えてしまう。 --ゆえに起き攻めと起き攻め対策を覚えることが対人戦の基本となる。というか覚えないと一方的にハメ殺されてお話にならない。 ---これは次作以降にも言えることではあるが本作はダウン追い打ちの仕様が異なり、通常通りのダメージを与えられる上ダウン追い打ちを連続で当てると喰らった側は受け身とれずダウンしてしまう。(つまり今のシリーズよりコンボでダウンを奪いやすくダメージもよく伸びる。) -ダイヤグラム上位のキャラであるミリアとジョニーの性能が明らかにおかしい。両者に共通しているのは「起き攻めが極悪」である点。 --ミリアは設置系必殺技「HS版タンデムトップ」を重ねてからのガード崩しが強力無比。~ 中段、下段、投げ(さらに裏回りも加わる)、どれを取っても出が速くて見切りづらく、どの技を始動技にしてもダメージと気絶値を稼ぎつつ相手をダウンさせる連続技に移行できる。そして再びHSタンデムトップを重ね、気絶するか死ぬまで逃がしてくれない。 ---仮にこちらにターンが回っても、ゲージさえあればガードキャンセル技からコンボが繋がってしまうため、守りからもダメージを取りつつ起き攻めに移行できる(気絶させる事も可能)という理不尽ぶり。 ---各種通常技もいちいち嘘のように判定が強く、牽制を振り回して何か当たればそのままコンボに移行、ガードされてもそのまま固めに移行、と差し合いに関しても異常な強さを誇っていた。ただし防御力が低いため、ワンチャンスに高威力の連続技を決めればまだ勝利の目はある。それでも超高性能キャラであることは間違いなく、北斗のトキや戦国陸上のオクラの先駆けとなる強キャラとして有名。(もちろん、彼らほどぶっ飛んだ性能ではないが) --ジョニーには「霧ハメ」というセットプレイが存在し、''一旦霧ハメに移行されると、起き上がりにガード不能かつダウン回避不能の必殺技を死ぬまで重ねられ続ける''ことになる。~ 連携の隙を縫って脱出することは一応可能だが、熟練のジョニー使いから逃げることは「ほぼ無理」と言えるくらい非常に困難。しかも霧ハメに持ち込める状況が非常に多く、仕組みさえ知ってしまえばものの5分も練習すれば安定するくらい難易度が低い。 ---通常技や構えキャンセルによる隙消しも今と比べてかなり優秀でミリアに次ぐ強さを確立している。 -それ以下のキャラも「ドラゴンインストールがかけ直し可能でゲージさえ回収すれば永続できるソル」「完走は非常に難しいが即死までコンボが繋げる紗夢」「小技から1コンボで気絶させるディズィー」と上位キャラはどこかおかしい性能を持っている。 --ちなみ後のシリーズでエディ名義で登場し、多くの作品で最強の座についたザトーも本作では防御性能の低さから中堅あたりに留まっている。セットプレイの強さは既に存在しているもののそれほど本作の起き攻めは彼以外も強力なのである。 -また本作は非常に気絶しやすくガードレベルの降下も緩やか。一部の下位キャラクターまでもワンチャンスから気絶させてそのままラウンドを取れたりと非常に高火力なゲームになっている。 --これらのゲームバランスの特徴は緩和されつつも後のシリーズにも残されている。事故ゲーなどと呼ばれた「アクセントコア」も本作を意識して調整した結果だという。 -ボタン同時押しの優先順位より「チップの空中ダッシュ2Kを1KホールドPで出すと、2Kがフォルトレスディフェンスでキャンセルされて真下に落ちる」という「単発技フォルトレスディフェンスキャンセル」が見つかり、ここから「足払いフォルトレスディフェンスキャンセル(FDC)」→「FCD(フォルトレスディフェンスキャンセルダッシュ)」が発見されてしまった事で、ゲームバランスは世紀末に足を半ば突っ込んだ状態となった。 --FDCはガトリングコンビネーション(チェーンコンボ)の最後を足払いで締め、さらにその足払いの出かかりをフォルトレスディフェンスでキャンセルする((通常、ガトリングコンビネーション中の攻撃をフォルトレスディフェンスでキャンセルする事はできないのだが、なぜかガトリングコンビネーション中の足払いのみフォルトレスディフェンスでキャンセルできる事が発覚した))ことで、疑似的な通常技ロマンキャンセルが可能となるテクニック。「足払いに繋げられる技限定」という条件こそあるものの、テンションゲージの消費量が極小であるため連続で行える。 --FCDはFDCに前ダッシュの入力を複合させることで、通常技ロマンキャンセル前ダッシュの様な動きが可能となるテクニック。入力難易度が非常に高く安定させるには相当な修練を必要とするが、FCDを駆使することで超強力な固め連携、超威力の連続技+確定気絶、見えない崩し連携などが可能となるため、中級者以上の対戦では必須となる。 --このテクニックの発見はダイヤグラムにも大きく影響を与えた。コンボ火力が大幅上昇し、もともと強かった上位陣(特にミリア・ジャム・ディズィー)はさらに評価を伸ばした(ジョニーは恩恵があまり無かったが、霧ハメが強かったため問題なし)。逆にこのテクニックを利用してもあまり恩恵を受けられないキャラは悲惨な事に…。 -バグ・不具合 --数こそ少なかったがゲームバランスに影響を与えるバグ・不具合もあった。 ---「ミリアのジャンプHSの攻撃判定が縦方向に無限に伸びてしまう(しかも、一度発生してしまうと再起動しない限り永続)」 ---「カイがファウストに通常投げを行うと、演出の隙間に投げやダストアタックで割り込まれて反撃が確定してしまう」などが有名。 これらの理由から、本作は完全に「初心者お断り」のゲームとなっている。~ 操作性は良好で必殺技コマンドも出しやすく、CPU戦の難易度も低いというところまでは初心者向けなのだが、問題は対人戦。覚えるべき知識やセオリーが多く、FCDを筆頭とした高難度の操作テクニックを要求される技が多数存在するため、ハードルは非常に高い。~ ゲーセンの運営上(特に資金、設置スペースに関する問題)練習台を用意するのが難しいこともあり、初心者は家庭用発売までは練習がなかなかできない環境であった。 ''その他'' -キャラによっては一部技のモーションがカッコ悪いという声もある。(カイの立ちHSなど) --ただ、上にも書いたとおりグラフィック自体はたいへん綺麗であり、それよりも対戦バランスのほうが重要であったため、あまり問題点としては認識されていない。また、この辺りは開発陣も自覚があったのか、新作に移行するにつれ新たに追加・変更されたモーションは評価が良くなっている。 ---- **総評 人気が下火となった格闘ゲーム界にいきなり現れた綺羅星といえる存在であり、同時にアークシステムワークスを有名ゲームメーカーとして認知させ、さらに会社の方向性までをも決定づけてしまった作品。~ 前作という下地があったとはいえ、そこからの進化はまさに「昇華」としか言いようがない程に見違えており、しかもアーケード参入1作目にしていきなりこの完成度の高さであった。~ 過去の格闘ゲームの総決算+αとも言えるような詰め込まれたシステムと、それに支えられた動きの自由度とスピード感が売りの対戦ツールであり、このゲームの持つ魅力に取りつかれたプレイヤーは、多少のゲームバランスの悪さを気にせずやりこみ続けた。 また、美麗なグラフィックと個性豊かなキャラクター、ロック調のイカしたBGMなども大好評で、多数の新規ファンの獲得に成功。~ 格闘ゲーム界隈、ひいてはアーケード業界に新たな活気を呼び込むことに成功した。 ---- **移植 -DC版とPC版、PS2版、そしてなんとGBA版が発売された。 //PC版・GBA版については知識がないので詳しい人がいればお願いします。 //2001年11月10日 PC(Windows)版 ---- *GUILTY GEAR X(DC版) 【ぎるてぃぎあ ぜくす】 |ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51aik%2BefLKL.jpg,height=180)| |対応機種|ドリームキャスト|~| |販売元|サミー|~| |開発元|アークシステムワークス|~| |発売日|2000年12月14日|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(DC版) 上記ソフトの初の家庭用移植版。~ **変更点・評価点(DC版) -AC版のほぼ完全移植 --家庭用移植として問題のないレベルの移植となっており、アーケードの対戦をコンシューマに上手く持ち込んでいる。 -GGモードの搭載 --前作寄りにバランスを変更したモードが搭載された。 -音源の強化 --特にギターは強化されており、BGMの質を高めている。 --AC版とは若干メロディラインが変更されており、AC版の曲は残念ながら収録されていない。 **賛否両論点(DC版) -GGモード中のカイ --後にロボカイとなるキャラだが、新規グラで挙動がおかしいカイとなっている。 ---本作中では一切の説明がない為、「アレは何なのか」という憶測が飛び交いまくった。 **問題点(DC版) -致命的なものではないが若干の不具合も起きている。 --CPUへダウン追い打ちを当てても、受け身を取れるタイミングであるにも関わらず受け身を取らない。 --ガードレベルゲージのオーバーフローバグがAC版から引き続き残っている。 ---- **総評(DC版) アーケード格闘ゲームの家庭用移植として非常に無難な出来。~ 一部気になる点も存在するが、『GGX』を家庭用で遊べるという点で非常に評価の高かった移植作。 ---- *GUILTY GEAR X PLUS 【ぎるてぃぎあ ぜくす ぷらす】 |ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51JCDQBTPJL.jpg,height=180)| |対応機種|プレイステーション2|~| |販売元|サミー|~| |開発元|アークシステムワークス|~| |発売日|2001年11月29日|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(PLUS) DC版から1年遅れてのソニーハードへの移植。 **変更点・評価点(PLUS) -ストーリーモードの追加 --倒し方などでストーリーが分岐。格闘ゲームとしてはかなり多めのシナリオが搭載されており、一人プレイでも十分楽しめる量のシナリオとなっている。 --ここでGGモードのカイがロボカイであると判明した。 -AC&DC版での不具合の修正 -AC版では登場しなかったクリフとジャスティスの復活 -GGモードにも調整・追加が行われた。 --GGモード適応無しでGGモード性能のキャラが使用可能になった。 --GGモードキャラの再調整版(後のEXキャラ、当時はGG+キャラと呼ばれていた)が搭載された。 **問題点(PLUS) -せっかく復活参戦した2キャラの残念な点 --クリフのボイスは初代の使いまわしで、ジャスティスはボイスなしになっている((因みに初代ジャスティスの声優は『プリズマティカリゼーション』でやらかした射尾卓弥氏(当時は『森藤卓弥』名義)))。 -メディアがCD-ROMなのでロードがやや長い。 ---- **総評(PLUS) 遅れて発売されただけあり、相応に追加要素も多くなった家庭用移植版。~ キャラ人気の高い作品でもあるだけに、分岐ありのストーリーモードの追加は結構な好評となった。 ---- //GBAについては詳しくないので判定欄なしの補記の形にします。 *GUILTY GEAR X ADVANCE EDITION 【ぎるてぃぎあ ぜくす あどヴぁんす えでぃしょん】 |ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51XAABTMZ3L.jpg,width=180)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |販売元|サミー|~| |開発元|アークシステムワークス|~| |発売日|2002年1月|~| //|プレイ人数|1~2人|~| //|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~| **概要(ADVANCE EDITION) まさかのGBA移植版。~ 色々な意味で「無茶しやがって…」という出来の移植になっている。 **変更点・評価点(ADVANCE EDITION) -GBAオリジナルのユニーク技 --「ヴェノムロケット13号」「ぶっきらぼうに全力で投げる」&bold(){「扇子で空を飛ぶ闇慈」}((厳密には闇慈が武器を用いて浮遊する技がある。))などのユニークな新技が存在し、その一部は後に逆輸入もされている。 -タッグマッチや3on3ができる。 --タッグマッチ時は『アクティブチェンジ』というシステムがあり、特定のコマンドを入力するとテンションゲージを消費して行動を強制終了させて即座にキャラチェンジをするというもの。擬似的なロマキャンとしても使える他、まさかの&bold(){ガード中}でもチェンジができる。 --3on3時は『デュアルコンビネーション』というシステムがあり、特定のコマンドを入力する事でテンションゲージを消費した後に、『KOF』のストライカーシステムのように、2番手および3番手の控えキャラを呼び出して援護攻撃させる事ができる。呼び出されたキャラは動作終了まで無敵状態なので攻撃をつぶされることはない。ただし、最後の1人だと控えがいないので使用不可。 ---まさに&bold(){「無茶しやがって…」}なシステムである。とはいえ、デュアルコンビネーションによる連携などを駆使でCPUと戦っていくのは中々に面白い。 **問題点 -グラフィックは初代並みかそれ以下まで劣化。 -ダメージ補正も激しく、5~6ヒットほどですぐに与ダメージが1ケタまで落ち込んでしまう。 -ネガティブペナルティやガードゲージが存在しない。 ---- **その後の展開 本作は全国で人気が爆発し、サミー主導の全国大会が実施されるまでに至った。~ その後もアーケードで長く遊ばれ続けていたが、より進化した続編の登場が待望されていたことは言うまでもない。~ そして後に発売された『[[GUILTY GEAR XX]]』は、その前評判に見事に応えた良作であった。

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