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グラディウス外伝 - (2015/10/27 (火) 18:19:56) の1つ前との変更点

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*グラディウス外伝 【ぐらでぃうすがいでん】 |ジャンル|シューティング|#amazon(B0000C9JCE)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテイメント東京|~| |発売日|1997年8月28日|~| |価格|5,800円(税別)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[グラディウスシリーズ関連作品リンク>グラディウスシリーズ]]''|   **概要 -プレイステーションで発売された家庭用オリジナルタイトルであり、アーケード作品のIVに先駆けて発売されたグラディウスシリーズとしてはIII以来8年ぶりの新作。 -アーケードでは実装しづらい奇抜なアイデアの数々と熟成された2D技術による高い完成度。 -ハード性能の向上により従来のシリーズで問題視されていた処理落ちやチラツキが完全に解消され、基本難易度の取っ付き易さ、高次周での練られたギミック変化により間口の広さと奥深さを大幅に向上した、『グラディウス』の名に相応しい完成度となった。 -また、“外伝”の通りいくつもの実験的な要素が取り入れられている。 ---- **特徴 -四機の個性的な機種から自機を選択できるほか、独自の新装備も満載。 --従来作の装備は発射角や組み合わせが違うだけ、という既存装備のアレンジが多かったが、本作ではほぼ全ての機体が独自の装備を持っている。 --また、従来は極一部の装備しかできなかった2段パワーアップ((AC版IIIのスプレッドガン、FC版IIのオプション等。))が、本作ではミサイル/ダブル/レーザー枠が全ての機体でできるようになっている。 #region(選択できる四機) -『ビックバイパー』(ミサイル・ダブル・レーザー) --おなじみ主役機であり標準装備機体。LV2でミサイルは地面を貫通し、ダブルは斜め上に加え真後ろにも弾を出し、レーザーは光線が長くなる。クセがなく使いやすい兵装と、ダブルLV2使用時の安定感が魅力。 --パロディウスを含め続編を重ねる度に弱体化していたが、本作では2段パワーアップの恩恵により屈指の強機体に生まれ変わり、主役機の輝きを取り戻している。欠点は各武装ともLV1だと頼りない事。 --ダブルの性能は歴代最強で、圧倒的な攻撃範囲と連射力により状況を選ばずに運用できる。レーザーの威力も十二分に高い。初心者向けでありながら高次周でも十分戦っていける。 -『ロードブリティッシュ』(2WAYミサイル・リップルレーザー・ディスラプター) --『沙羅曼蛇』における相方機体。貫通力重視の新装備ディスラプターの搭載により、ビックバイパーとの明確な差別化が図られた。LV2でミサイルは地を這うようになり、リップルは残像が発生し攻撃判定が強化、ディスラプターは極太光線に変化する。 --前方制圧力に優れる反面、後方をカバーする武装を唯一持たない事と前方以外への火力不足から最弱とされ、スタッフから「報われない機体」と言われてしまった。 --リップルレーザーの火力はかなり高いのだが、一方地形に対する当たり判定が大幅に大きくなり地面に食われやすくなった。そのために地形が入り組んでいる箇所では非常に苦戦を強いられる。一方、ディスラプターは貫通性能が非常に優秀だが攻撃力・連射力が低く、扱いづらい。 ---あと、両武装とも弾がオレンジ系の色なので、敵弾が見えにくくなるのが地味に痛い。 -『ジェイドナイト』(スプレッドボム・ラウンドレーザー・パルスレーザー) --初登場機体。ラウンドレーザーは自機(またはオプション)を中心に円形に広がるレーザー。パルスレーザーは『III』のツインレーザーと同じ。LV2でボムは分裂弾になり、ラウンドレーザーは範囲が拡大、パルスレーザーは弾数が2列から3列になる。 --支援用の特殊兵装を有し、中でもラウンドレーザーによる道中の制圧力と、高威力のスプレッドボムが売り。その一方で対空火力が最低の為、オプションを駆使して補う必要がある玄人向けの機体。 --ラウンドレーザーは攻撃範囲に癖があるものの使いこなせば道中で中々の活躍を見せる。しかしスプレッドの性能は今一つでパルスレーザーの連射力もそれほど優秀ではなく、総じて火力に欠ける。 -『ファルシオンβ』(ローリングミサイル・オートエイミング・グラビティバレット) --初登場機体。オートエイミングはサーチ機能を持つ速射弾、グラビティバレットは高威力広範囲の爆発力を持つ。ミサイルはLV2で移動範囲が拡大し、オートエイミングはサーチ範囲が拡大、グラビティは攻撃範囲が拡大する。 --接近戦に特化しており、自動で敵を狙うオートエイミングや圧倒的火力のグラビティバレットで敵をねじ伏せる。ビックバイパーと比肩する強機体であるが、射程の短さが災いする場面では苦戦を強いられやすい。 --ビックバイパーと比べるとやや癖が強いものの、高次周での強さは抜群。難点の攻撃範囲もオプションとオートエイミングを駆使してカバー可能。ただしミスからの立て直しは厳しい。 #endregion --「?枠」の防御装備も、おなじみシールドとフォースフィールドに加え、地形接触死を防ぐ「ガード」と3秒だけ完全無敵になる「リミット」が追加。防御面もバリエーション豊富に。 ---リミットにより、地形を通り抜ける戦法が可能に。 --ちなみにIIIにあった「!枠」は無い。 -二人同時プレイが可能であり、機体の組み合わせにより幅広い戦略が生まれる。 --大抵のシューティングゲームでは二人同時プレイが出来ても装備の画一化や限られたパワーアップアイテムの取り合いによりその魅力を十二分に発揮できていなかったが、本作は機体(装備)の差別化や潤沢なパワーアップカプセルの入手等によりこれらの問題を払拭している。 -本作はパワーカプセルがやたらと出る上に、パワーアップゲージの順序を変更できる「ゲージエディット」機能があるため、これまでのグラディウスにないアグレッシブな復活パターンを作る事ができる。 --上記のゲージエディットシステムもあり、ミスした後の復活が従来作に比べかなり容易になっている。シールドを最初または二番目に持ってくるのはお約束。 -シリーズやジャンルのお約束に縛られず、かつグラディウスとしての統一感を損なわない多彩なステージギミックの数々。 --歴代シリーズボスの残骸と戦うスクラップ地帯。 --敵・味方を問わず、レーザーを予想外の方向へ屈折させるクリスタルステージ((但しファルシオンβのみはグラビティバレット装備のため屈折しない。))。 --突如後方に大型ブラックホールが出現し、地形を崩壊させながら後方へ飲み込んでいく山岳&ブラックホールステージ。 --高速スクロールで壁をぶち抜きながらボスと戦い、そのまま要塞ステージへ突入。 --シリーズお馴染みの雑魚を大型化・大幅強化したボスの存在。 --二周目専用の隠しボスが存在。 -SFCの流れを汲む回転機能を用いた演出の進化。 --四方を囲み画面ごと大回転するビッグモアイ。 --レーザーの反動で本体ごと回転を始める「レーザーテトラン」。 ---一面のザコからグルグル回っている所など表現の進化を感じざるを得ない。 ---本作の演出具合は同社SFCシューティング『アクスレイ』を彷彿とさせるものがある。二足歩行メカも登場。 ---- **音楽 -ハードでCD音源を使えるため当然ながら表現力が大幅に増加し、さらにステージモチーフとの一体感を重視した構成になっている。 --雪原でオーロラが掛かると同時に解放されるシンセフィルターとそこへ被さる疾走感あるベースライン。 --透明感とスピード感を醸し出す高速アルペジオのクリスタルステージ。 --オーケストラヒットとサンプリングボイスで妖しさを増したモアイステージ。 --空中戦から要塞突入への流れと曲調をシンクロさせた最終ステージ前半。 -ただし過去作のグラディウスシリーズとは作風がかなり異なるため、否定的な意見がないこともない。 ---- **問題点 -ロゴデザインが微妙(「GRADIUS」という英字と「外伝」という漢字の組み合わせだが、そのデザインセンスが…)。「良作なんだからもっとカッコいいデザインにすればいいのに…」とファンからは惜しまれた。 -スタッフロールが日本語ゴシック体フォントという空気を読まないエンディング。 --後のPSP『[[グラディウス ポータブル>グラディウス ポータブル/パロディウス PORTABLE]]』では、従来シリーズのフォントを使用した英語に変更されている。 -PSではプレイ中処理落ちはないが、一部の後期生産型を除くPS2ではブラックホールステージで終始処理落ちする(プレイできないほどではない)。 --尤も、当時はPS2発表以前だったため仕方のない事ではある。ちなみに『[[第4次スーパーロボット大戦]]』も同じ現象が起こる。 -ボスのデザインが鋭角的で、派手なカラーリングである点は好みが別れる。 --これまでのシリーズのはるか未来という設定からか、他作品のように「ボスとしては」旧作のボスが再登場ということもなく、唯一デス(デスダブル)のみが登場。ボスラッシュステージで過去ボスが1体だけで他はすべて新ボスというのは後の「Ⅳ」と同様である。 ---ただしステージ2に攻撃してくるステージギミックとして過去ボスの残骸が多数登場したり、同ステージのコアボスを破壊するとコアからゼロスフォースが現れる(Ⅳでも類似した演出がある)、最終ステージのラストでは『沙羅曼蛇』シリーズからのおなじみのボスが顔見世するなどステージギミックや演出としては頻繁に使用されている。 ---ちなみにデスはスピンしながら登場する為立体的な形状が描写されるが、後の「Ⅴ」とは解釈が異なり厚みのある筒に近い形状になっている。 -様々なシステムを盛り込んだのは大きな評価点と言えるが、そのせいでこちらの火力がやや過剰気味。特にゲージエディットでリミットを最初に持ってくると大きく難易度が下がってしまう。その一方でロードブリティッシュの火力が他3機体と比べて貧弱で、前述の技を駆使しても苦戦を免れないという理不尽な扱いを受けている。 ---- **総評 アイデアとギミックを詰め込んだ傑作ながら、ゲーム雑誌のスクリーンショットなどでは悲しいほど迫力が伝わらず、「ちょっと解像度が上がっただけのグラディウスIII」「今更2Dシューティング」にしか見えなかったため、美麗な3Dゲームなどの影に隠れてしまった。~ 皮肉な事に正式ナンバリングである『[[グラディウスIV>グラディウスIV -復活-]]』がやや微妙な出来であったため後に再評価される。 ---- **余談 -『グラディウス ポータブル』にパック移植されているが、そちらでは二人同時プレイができない。二人同時プレイをしたい場合は、仕方がないのでPS版で遊ぶこと。 --設定で処理落ちをオンにしていると元のPS版にはなかった処理落ちが発生するので、設定で処理落ちをオフにすることをおすすめする。 -この作品で登場した自機4機とボスのデルタトライは遊戯王OCGでカード化された。 --ちなみにデルタトライは、過去のコナミのアーケード用シューティングゲーム『[[トライゴン]]』の自機「スーパー戦闘機」がモチーフとなっており、攻撃もトライゴンのドラゴンレーザー・ライトニングソードを使用してくる。倒すとドラゴンレーザーで自決するのは、かつての主人公機としてのプライドか、それとも敵の手に落ちたことの自責の念なのか。 ---さらに余談になるが、このドラゴンレーザー自爆はちゃんとモチーフがあり、元ネタのトライゴンで「ボスの体力を削る→ドラゴンレーザー使用→使用直後に体当りして自爆→暗転寸前に残ったドラゴンレーザーでボス撃破→復活地点に戻されるがボスの撃破点は入る」というハイスコアを狙う上で必須の残機潰しテクニックがあったのである。 ----
*グラディウス外伝 【ぐらでぃうすがいでん】 |ジャンル|シューティング|#amazon(B0000C9JCE)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテイメント東京|~| |発売日|1997年8月28日|~| |価格|5,800円(税別)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[グラディウスシリーズ関連作品リンク>グラディウスシリーズ]]''|   **概要 -プレイステーションで発売された家庭用オリジナルタイトルであり、アーケード作品のIVに先駆けて発売されたグラディウスシリーズとしてはIII以来8年ぶりの新作。 -アーケードでは実装しづらい奇抜なアイデアの数々と熟成された2D技術による高い完成度。 -ハード性能の向上により従来のシリーズで問題視されていた処理落ちやチラツキが完全に解消され、基本難易度の取っ付き易さ、高次周での練られたギミック変化により間口の広さと奥深さを大幅に向上した、『グラディウス』の名に相応しい完成度となった。 -また、“外伝”の通りいくつもの実験的な要素が取り入れられている。 ---- **特徴 -四機の個性的な機種から自機を選択できるほか、独自の新装備も満載。 --従来作の装備は発射角や組み合わせが違うだけ、という既存装備のアレンジが多かったが、本作ではほぼ全ての機体が独自の装備を持っている。 --また、従来は極一部の装備しかできなかった2段パワーアップ((AC版IIIのスプレッドガン、FC版IIのオプション等。))が、本作ではミサイル/ダブル/レーザー枠が全ての機体でできるようになっている。 #region(選択できる四機) -『ビックバイパー』(ミサイル・ダブル・レーザー) --おなじみ主役機であり標準装備機体。LV2でミサイルは地面を貫通し、ダブルは斜め上に加え真後ろにも弾を出し、レーザーは光線が長くなる。クセがなく使いやすい兵装と、ダブルLV2使用時の安定感が魅力。 --パロディウスを含め続編を重ねる度に弱体化していたが、本作では2段パワーアップの恩恵により屈指の強機体に生まれ変わり、主役機の輝きを取り戻している。欠点は各武装ともLV1だと頼りない事。 --ダブルの性能は歴代最強で、圧倒的な攻撃範囲と連射力により状況を選ばずに運用できる。レーザーの威力も十二分に高い。初心者向けでありながら高次周でも十分戦っていける。 -『ロードブリティッシュ』(2WAYミサイル・リップルレーザー・ディスラプター) --『沙羅曼蛇』における相方機体。貫通力重視の新装備ディスラプターの搭載により、ビックバイパーとの明確な差別化が図られた。LV2でミサイルは地を這うようになり、リップルは残像が発生し攻撃判定が強化、ディスラプターは極太光線に変化する。 --前方制圧力に優れる反面、後方をカバーする武装を唯一持たない事と前方以外への火力不足から最弱とされ、スタッフから「報われない機体」と言われてしまった。 --リップルレーザーの火力はかなり高いのだが、一方地形に対する当たり判定が大幅に大きくなり地面に食われやすくなった。そのために地形が入り組んでいる箇所では非常に苦戦を強いられる。一方、ディスラプターは貫通性能が非常に優秀だが攻撃力・連射力が低く、扱いづらい。 ---あと、両武装とも弾がオレンジ系の色なので、敵弾が見えにくくなるのが地味に痛い。 -『ジェイドナイト』(スプレッドボム・ラウンドレーザー・パルスレーザー) --初登場機体。ラウンドレーザーは自機(またはオプション)を中心に円形に広がるレーザー。パルスレーザーは『III』のツインレーザーと同じ。LV2でボムは分裂弾になり、ラウンドレーザーは範囲が拡大、パルスレーザーは弾数が2列から3列になる。 --支援用の特殊兵装を有し、中でもラウンドレーザーによる道中の制圧力と、高威力のスプレッドボムが売り。その一方で対空火力が最低の為、オプションを駆使して補う必要がある玄人向けの機体。 --ラウンドレーザーは攻撃範囲に癖があるものの使いこなせば道中で中々の活躍を見せる。しかしスプレッドの性能は今一つでパルスレーザーの連射力もそれほど優秀ではなく、総じて火力に欠ける。 -『ファルシオンβ』(ローリングミサイル・オートエイミング・グラビティバレット) --初登場機体。オートエイミングはサーチ機能を持つ速射弾、グラビティバレットは高威力広範囲の爆発力を持つ。ミサイルはLV2で移動範囲が拡大し、オートエイミングはサーチ範囲が拡大、グラビティは攻撃範囲が拡大する。 --接近戦に特化しており、自動で敵を狙うオートエイミングや圧倒的火力のグラビティバレットで敵をねじ伏せる。ビックバイパーと比肩する強機体であるが、射程の短さが災いする場面では苦戦を強いられやすい。 --ビックバイパーと比べるとやや癖が強いものの、高次周での強さは抜群。難点の攻撃範囲もオプションとオートエイミングを駆使してカバー可能。ただしミスからの立て直しは厳しい。 #endregion --「?枠」の防御装備も、おなじみシールドとフォースフィールドに加え、地形接触死を防ぐ「ガード」と3秒だけ完全無敵になる「リミット」が追加。防御面もバリエーション豊富に。 ---リミットにより、地形を通り抜ける戦法が可能に。 --ちなみにIIIにあった「!枠」は無い。 -二人同時プレイが可能であり、機体の組み合わせにより幅広い戦略が生まれる。 --大抵のシューティングゲームでは二人同時プレイが出来ても装備の画一化や限られたパワーアップアイテムの取り合いによりその魅力を十二分に発揮できていなかったが、本作は機体(装備)の差別化や潤沢なパワーアップカプセルの入手等によりこれらの問題を払拭している。 -本作はパワーカプセルがやたらと出る上に、パワーアップゲージの順序を変更できる「ゲージエディット」機能があるため、これまでのグラディウスにないアグレッシブな復活パターンを作る事ができる。 --上記のゲージエディットシステムもあり、ミスした後の復活が従来作に比べかなり容易になっている。シールドを最初または二番目に持ってくるのはお約束。 -シリーズやジャンルのお約束に縛られず、かつグラディウスとしての統一感を損なわない多彩なステージギミックの数々。 --歴代シリーズボスの残骸と戦うスクラップ地帯。 --敵・味方を問わず、レーザーを予想外の方向へ屈折させるクリスタルステージ((但しファルシオンβのみはグラビティバレット装備のため屈折しない。))。 --突如後方に大型ブラックホールが出現し、地形を崩壊させながら後方へ飲み込んでいく山岳&ブラックホールステージ。 --高速スクロールで壁をぶち抜きながらボスと戦い、そのまま要塞ステージへ突入。 --シリーズお馴染みの雑魚を大型化・大幅強化したボスの存在。 --二周目専用の隠しボスが存在。 -SFCの流れを汲む回転機能を用いた演出の進化。 --四方を囲み画面ごと大回転するビッグモアイ。 --レーザーの反動で本体ごと回転を始める「レーザーテトラン」。 ---一面のザコからグルグル回っている所など表現の進化を感じざるを得ない。 ---本作の演出具合は同社SFCシューティング『アクスレイ』を彷彿とさせるものがある。二足歩行メカも登場。 ---- **音楽 -ハードでCD音源を使えるため当然ながら表現力が大幅に増加し、さらにステージモチーフとの一体感を重視した構成になっている。また、従来のシリーズと比べ、メインテーマのモチーフを前面に出している珍しい作風になっており、オープニングや二週目以降の空中戦、高速ステージなどで分かりやすい共通フレーズが用いられている。 --特徴的なものでは、雪原でオーロラが掛かると同時に解放されるシンセフィルターとそこへ被さる疾走感あるベースライン、透明感とスピード感を醸し出す高速アルペジオのクリスタルステージ、オーケストラヒットとサンプリングボイスで妖しさを増したモアイステージ、空中戦から要塞突入への流れと曲調をシンクロさせた最終ステージ前半など。 --ボスラッシュは前半戦・後半戦の二曲構成になっているが、この内前半戦はシリーズとしては珍しく((といっても本シリーズのボスラッシュBGMは元々個性的なものが多いが))、哀愁漂うフレーズが特徴的である。 -ただし、従来のシリーズとは作風がかなり異なるため、否定的な意見がないこともない。 ---- **問題点 -ロゴデザインが微妙(「GRADIUS」という英字と「外伝」という漢字の組み合わせだが、そのデザインセンスが…)。「良作なんだからもっとカッコいいデザインにすればいいのに…」とファンからは惜しまれた。 -スタッフロールが日本語ゴシック体フォントという空気を読まないエンディング。 --後のPSP『[[グラディウス ポータブル>グラディウス ポータブル/パロディウス PORTABLE]]』では、従来シリーズのフォントを使用した英語に変更されている。 -PSではプレイ中処理落ちはないが、一部の後期生産型を除くPS2ではブラックホールステージで終始処理落ちする(プレイできないほどではない)。 --尤も、当時はPS2発表以前だったため仕方のない事ではある。ちなみに『[[第4次スーパーロボット大戦]]』も同じ現象が起こる。 -ボスのデザインが鋭角的で、派手なカラーリングである点は好みが別れる。 --これまでのシリーズのはるか未来という設定からか、他作品のように「ボスとしては」旧作のボスが再登場ということもなく、唯一デス(デスダブル)のみが登場。ボスラッシュステージで過去ボスが1体だけで他はすべて新ボスというのは後の「Ⅳ」と同様である。 ---ただしステージ2に攻撃してくるステージギミックとして過去ボスの残骸が多数登場したり、同ステージのコアボスを破壊するとコアからゼロスフォースが現れる(Ⅳでも類似した演出がある)、最終ステージのラストでは『沙羅曼蛇』シリーズからのおなじみのボスが顔見世するなどステージギミックや演出としては頻繁に使用されている。 ---ちなみにデスはスピンしながら登場する為立体的な形状が描写されるが、後の「Ⅴ」とは解釈が異なり厚みのある筒に近い形状になっている。 -様々なシステムを盛り込んだのは大きな評価点と言えるが、そのせいでこちらの火力がやや過剰気味。特にゲージエディットでリミットを最初に持ってくると大きく難易度が下がってしまう。その一方でロードブリティッシュの火力が他3機体と比べて貧弱で、前述の技を駆使しても苦戦を免れないという理不尽な扱いを受けている。 ---- **総評 アイデアとギミックを詰め込んだ傑作ながら、ゲーム雑誌のスクリーンショットなどでは悲しいほど迫力が伝わらず、「ちょっと解像度が上がっただけのグラディウスIII」「今更2Dシューティング」にしか見えなかったため、美麗な3Dゲームなどの影に隠れてしまった。~ 皮肉な事に正式ナンバリングである『[[グラディウスIV>グラディウスIV -復活-]]』がやや微妙な出来であったため後に再評価される。 ---- **余談 -『グラディウス ポータブル』にパック移植されているが、そちらでは二人同時プレイができない。二人同時プレイをしたい場合は、仕方がないのでPS版で遊ぶこと。 --設定で処理落ちをオンにしていると元のPS版にはなかった処理落ちが発生するので、設定で処理落ちをオフにすることをおすすめする。 -この作品で登場した自機4機とボスのデルタトライは遊戯王OCGでカード化された。 --ちなみにデルタトライは、過去のコナミのアーケード用シューティングゲーム『[[トライゴン]]』の自機「スーパー戦闘機」がモチーフとなっており、攻撃もトライゴンのドラゴンレーザー・ライトニングソードを使用してくる。倒すとドラゴンレーザーで自決するのは、かつての主人公機としてのプライドか、それとも敵の手に落ちたことの自責の念なのか。 ---さらに余談になるが、このドラゴンレーザー自爆はちゃんとモチーフがあり、元ネタのトライゴンで「ボスの体力を削る→ドラゴンレーザー使用→使用直後に体当りして自爆→暗転寸前に残ったドラゴンレーザーでボス撃破→復活地点に戻されるがボスの撃破点は入る」というハイスコアを狙う上で必須の残機潰しテクニックがあったのである。 ----

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