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ドラゴンクエストVI 幻の大地 - (2020/10/03 (土) 18:51:05) の1つ前との変更点

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*ドラゴンクエストVI 幻の大地 【どらごんくえすとしっくす まぼろしのだいち】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068HWX,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81kBLvKr3ML.SL160.jpg)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|32MbitROMカートリッジ|~| |発売元|エニックス|~| |開発元|ハートビート|~| |発売日|1995年12月9日|~| |価格|11,400円(税抜)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|転職システム復活&br;特技の台頭による呪文の価値の暴落&br;良くも悪くも考察の余地のあるストーリー&br;粗削りながらもドラクエらしい良作|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ドラゴンクエストのシリーズの第6作で、リメイクを除くとSFC最後のナンバリング作品。~ ''「発見」''をテーマとする本作では((当時各メディアで流行ったのが「自分探しの旅」だった。))、自分の住む世界と「幻の大地」を行き来しながら冒険を進める。~ 開発元は前作までのチュンソフトからハートビートに変更され、この作品から監修も含めてチュンソフトがシリーズに基本的に関わらなくなっている。((これ以降チュンソフトが関わっているドラクエシリーズはトルネコの不思議なダンジョンシリーズのみとなっている。))((降りる際に、中村光一氏が語った理由が「割に合わない」であった。予算や収入の面もあっただろうが、どうやら開発の所帯が大きくなり過ぎて調整役だった中村氏は相当、辟易していたとされる。)) ---- **ストーリー >「仲間たちと共に大魔王との決戦に挑むも、返り討ちにあう」…そんな悪夢を見た主人公は、ベッドから転げ落ちて目を覚ます。 > >山奥の村ライフコッドに妹のターニアと暮らす主人公は、村長の依頼でふもとの町まで使いに出かけることになった。~ しかし、ふとした事故で主人公は「大地に開いた奇妙な大穴」に落ちてしまう。 > >落ちた先にあったのは、自分の住んでいた世界と同じようでいて、同じではない奇妙な世界。~ 自分からはその世界の人々の姿も声も認識できるが、自分の姿が見える人は誰もいなかった。~ どうにかライフコッドへ帰り着いた主人公は、それがこの世界とは異なるもう一つの世界「幻の大地」であることを知る。 ---- **特徴・評価点 本作は過去作で好評を得た要素を取り入れながら、進化したグラフィック・操作性・BGMによって、当時のRPGの中で高いレベルの完成度を誇る作品となった。 ''シリーズ屈指の広大なマップ'' -主人公の住む世界(上の世界)とは別に「幻の大地(下の世界)」という全く同じ広さのマップが存在し、不思議な井戸を覗きこんだり、上の世界の大穴から落ちたり、階段で行き来する。 ---マーメイドハープを使用して移動する「海底」、終盤に訪れる「はざまの世界」も合わせると、舞台の広大さはシリーズ屈指となっている。 //「上の世界は、下の世界の住人の見ている夢」であるため、ベッドで寝て、起きたら異世界ということもある。 //↑地味にネタバレのためコメントアウトしました。 --城・町・村や、シナリオに関係ない小屋等も含め、訪問場所も多い。 --また両世界は密接な間柄にあり、どちらの世界にも存在する町では状況が正反対になっていたり、ほんの些細な部分ではあるが確かな関係と違いを感じさせる要素もちらほら隠されており、独特な雰囲気を出している。 -ストーリーの本筋は中盤まではいわゆる「一本道」で進行するが、移動手段が増えると世界中を隅々まで探索してまわるような作りになっており、訪れる場所の中にはストーリー攻略に必須ではない「寄り道ポイント」が複数用意されている。その中には大きな見返りがある場所もある。 ''転職システム'' -『[[III>ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]』に登場した転職システムが復活。ゲーム序盤の終わりごろに「ダーマ神殿」で転職できるようになる。(レベル20前後) --職業は下級職9種、上級職6種、勇者、特殊なモンスター職2種の計18種類。上級職は下級職を複数マスターすることで転職できるようになり、モンスター職は就くには「○○のさとり」というレアアイテムが必要。 ---職業につくとステータスパラメータに○○%(実際は分数での補正)という形で補正がかかる。また、上級職ではその職についている間はさらにステータスが上昇したり、特殊効果が発生する。戦闘系の職業は攻撃やHPが上がり、MPなどが下がるなどの変化を見せ、非戦闘系の職業との差別化を図ることで職業ごとの個性にもなっている。 ---職業についた状態で戦闘に勝利すると、その地域で設定されている「熟練度上昇限界レベル」よりレベルが低いキャラは戦闘回数(熟練度)が増えて職業レベルが上がる。職業レベルは8段階存在し、成長するたびに新しい呪文や特技を覚える。覚えた特技・呪文は転職しても消えることはない。~ ストーリーを進めずに職業レベルを一気に上げて上級職になることは、キャラのレベルが熟練度上昇限界レベルを超えてしまうために不可能に近い。しかし、一定の地域からはすべての場所で限界レベルが無制限になるので、両方のレベル上げが両立できるようになるなど、レベルアップとは別の「経験値」が設けられたことでキャラクターの育成の幅が広がった。 -各キャラクターは基本的には従来と同様にレベルアップでも呪文・特技を覚えるが、レベル20程度を境に自発的な習得は止まってしまう。&br;つまり、転職前ではキャラごとに個性があらかじめ設定されているが、転職可能になった先からは''プレイヤー自身がキャラクターの個性を決めていく''のである。 --また、今回『勇者』が職業として追加された。ドラゴンクエストシリーズファンからは「『勇者』というのは選ばれた特別な存在じゃないと駄目、世の中に何人も居るのは有り得ない」と反発もあったものの、この仕様には「特別な血筋でない人やスライムの様なモンスターですら、夢見て諦めずに努力すれば勇者にだってなれる」というメッセージが込められている。 //そうなの? ---主人公のみ勇者になるための条件が緩和されており、他のキャラより勇者の資質があるという設定となっている。主人公が勇者に転職するために必要な戦闘回数は選択する職業によって差はあるが最速500回程度。これより多くの戦闘が必要なルートもあるが、それでも普通にプレイしていれば終盤には無理なく勇者になれる。 ---主人公以外のキャラクターの道のりは険しく、最短でも約2,300回程度となっている。 --前作では終盤になると戦力外になるキャラ((爆弾ベビーやくさったしたいなど))が多かったが、キャラ格差があるとはいえ、この職業システムによって「完全に役立たず」となることはなくなった。 ''仲間モンスターシステム'' -『[[V>ドラゴンクエストV 天空の花嫁]]』に引き続き採用。特定の条件で敵を倒すと、戦闘終了後に一定の確率で仲間にすることができる。全18種類。 --モンスターも人間キャラクターと同様に転職でき、レベル上限も前作より上がっている者が多いが、極端に低い者も散見される。 --モンスターの管理は、前作に登場した「モンスターじいさん」ではなく、人間と同じ「ルイーダの酒場」に統合された。 ''グラフィックの進化'' -32メガビットと当時のSFCとしては大容量のROMを用いており、グラフィック・操作性・サウンドの品質も大きく向上した。&br;特にグラフィックとサウンドの作り込みは前作を大きく凌駕したと高く評価されている。 -今では当たり前となった、敵モンスター攻撃時のアニメーションも今作が初。((前作までは呪文やとくぎで光る演出のみだった。)) --特殊な例外((カガミ系の敵(それらが「モシャス」で仲間をコピーした状態も含む)、某パーティメンバーが当初敵として出現したときの2者のみアニメーションがない))を除き全てのモンスターがアニメーションする。 --これまで他のRPGでも同じ試み自体は散見され、また効果音は原則としてアニメと同時には乗らない簡素な演出ではあったが、有名シリーズで取り入れられたことがプレイヤーに与えた衝撃は大きい。 -''移動・操作性'' --町中やダンジョンでの移動速度が上がり、地形などに半身が引っかかっても自動で避けてくれるようになった。それに比べてワールドマップだけが『遅い』ため、町ごとの距離感等を演出することにも繋がっている。 --戦闘中、前回使ったコマンドのカーソル位置が記憶されるようになった。 --主人公だけの特技「おもいだす」。これはゲーム中のNPCとの会話を、Xボタンで記憶して一定数表示する会話ログ・メモのような機能で、レベルが上がると表示数が増える「もっとおもいだす」「ふかくおもいだす」と、不要な記憶を削除する「わすれる」を習得する。 ---SFC版発売当時はスマホはもちろんパソコンも一般家庭には少なく、つまりはインターネット上の攻略サイトは存在しなかった。公式攻略本(定価 2,000円で、上下巻)を持っていない限りは町人の情報をヒントにダンジョンを攻略する必要があったため、非常に便利な機能だった。 --「とびら」コマンドが自動化され、対応している鍵を持っていれば扉に触れるだけで自動で開くようになった。後述の「ふくろ」のおかげで鍵をうっかり所持し忘れることもなくなった。 -瞬間移動呪文「ルーラ」の消費MPが1と前作までの8より大幅に軽減され、移動にかかるコストが激減した。これにより広大な世界でも移動にかかるプレイヤーの負担が減り格段に遊びやすくなった。 -''アイテム整理'' --持ちきれないアイテムを入れることができる''「ふくろ」''が初登場、アイテム預り所まで行く必要がなくなり、 アイテム管理のわずらわしさが軽減された。&br;以降の作品でも「ふくろ」は続投され、「預かり所」は「ゴールド銀行」というお金だけを預かる施設に変更された。 --「どうぐせいり」コマンドで、全キャラクターの装備品と一部の貴重品以外をふくろに収納できるようになった。 --「アイテム」コマンドから直接アイテムを装備できるようになった。(前作までは「そうび」コマンドからしかできなかった) -''当時としては最高級のサウンド'' --SFCとしては最高レベルの音色・音質を実現した。どの音色も魅力たっぷりで、プレイヤーを魅了させる。 --崎元仁氏が編曲に参加したことにより、これまでのドラクエとは一線を画した、ベースとドラムが大活躍するロック調の曲もあり、良い意味でプレイヤーの予想を裏切った。 --サウンドデザインは『[[イーハトーヴォ物語]]』でマイナーながらも一部で高い評価を得ていた多和田吏氏。((すぎやま氏も『イーハトーヴォ物語』をプレイしたことがきっかけでの起用だと語っている。)) --BGMは演出の面でも効果的にはたらいている。魔物を連想させるシーンでは敢えて共通のフレーズを使用したり、町・娯楽施設といった人々が暮らすシーンも同じ曲をアレンジして用いたり、バリエーションは豊富。序盤のフィールド曲などは後から聞くと物語の盛大なネタバレになっていると判るのだが、それをそうと感じさせない見事な構成になっている。 --ドラクエとしては初めて、フィールドやダンジョンのBGMが流れている時にエンカウントでBGMが途切れ、戦闘後にBGMが戻った際、途切れた部分から再生されるようになった。 ---過去作では、戦闘後に途切れた部分からではなく最初から再生されてしまうので、BGMの序盤しか把握されず全貌を知らない人が多く、BGMの序盤以外を生かせていなかった。 ---今作以降、いちいち最初から再生されなくなったことで、BGMの全貌が多くのプレイヤーに把握され、BGM全体が生かせるようになった。 ---ただしラストダンジョンのBGMのみ、戦闘後に最初から再生されてしまう。恐らく意図しない不具合で、リメイク版では修正されている。 ''ラスボスに関して'' -本作のラスボスは強さ・ストーリーの両面で非常に印象深いものとなっている。 #region(ネタバレ注意) -本作は職業システムによって、終盤になるにつれて特技・呪文・仲間が充実してくるためにゲームバランスは徐々に緩くなっていくが、ラスボスはそれまでのボスと比べて急に強くなり、戦闘時の難易度は歴代ラスボスの中でもトップクラスと言える。 --第1形態は2つの玉を持った老人。高めの素早さから1ターンに1~3回行動をし、「激しく燃えさかる炎((敵全体に大ダメージを与える火炎系最上級特技。「燃えさかる炎」とは異なるが魔法ではない))」「念じボール」など防御無視の全体攻撃をしてくる他、「もうどくのきり」「マホカンタ」などの搦め手も備えている。「第1形態なのだから小手調べ」といったレベルではない。 --第2形態は筋骨隆々の魔人の姿となり、その攻撃力は本作最高の410。それを「バイキルト」で高め、「ルカナン」でこちらの守備力を下げ、「まわしげり」で全体攻撃してくる。ほぼ確実に先手を取る「しっぷうづき」や防御を固める「スカラ」「だいぼうぎょ」も使う。行動回数はランダム1~4回行動となっているが、3回以上の行動をしてくる確率は低いのが救い。 --第3形態は巨大な顔と両手に分裂。実質的に常時3~4回行動となり、消耗したこちらのパーティーを激しい攻撃で追い詰めてくる。最大の特徴は''左手がザオリクを使う''ということ。本体を最初に倒したり、全体攻撃を連打してHPの低い右手を最初に倒したりすると、左手が完全な状態で復活させてくるのは本作を語る上で欠かせない話((右手も、蘇生呪文・ザオラルを唱えるのだが、左手と比べて優先順位が低く、成功確率も復活時のHPも半分なのであまり語られない))。 --演出面でも、ラストバトル中は作品中で唯一敵の行動アニメーションに合わせて効果音が鳴る仕様で、迫力が巧みに演出されている。 -ストーリー上においても、人間の夢や希望を奪って侵略する、自らの脅威となる存在を次々と封印・破壊し、易々と復活させないよう強力な魔王に守護させるなど非常に狡猾に立ち振る舞う。 --前作『V』同様その存在が明かされるのは終盤になるが、それまでも存在を仄めかすような描写もあり、また存在発覚後も重要人物の1人を主人公達の眼前で抹殺したり、街1つの人間を全て石や動物に変えるなどの暴虐で存在感を見せつけたりする。 --そのため、ゲーム上・シナリオ上ともに非常に強力な、ドラクエシリーズでも屈指の名魔王と言えるだろう。 #region(……のだが。裏ボスのネタバレ注意。) -ある条件を満たして裏ボス(ダークドレアム)を倒すと「この裏ボスが一時的に味方となり主人公たちの代わりにラスボスを倒す」という特殊エンディングが見られる。~ その戦いぶりは「先程主人公と戦った時は思い切り手加減してやっていた」と言わんばかりに、ラスボスの全ての攻撃を全く受け付けず、その後完膚なきまでに蹂躙しつくすというもので、イベントでの一時的な仲間であることを差し引いても極悪すぎる。 --なお、このイベントで撃破すると、ラスボスの台詞が変化するなど、お遊びにしては芸が細かい。 --このイベントのインパクトのせいか、この裏ボスは『バトルロード』や『IX』での登場時、非常に強い魔王として『V』の裏ボスと並んで別格扱いされている。 #endregion #endregion ''おまけ要素'' -『V』で好評だったクリア後のおまけ要素として、隠しダンジョン、裏ボス、隠し職業・仲間モンスター、隠し装備などが存在する。 -ちいさなメダル --今作では累積交換方式となり、100枚まで交換アイテムが用意されている。 -途中での名前変更 --中盤以降、「命名神マリナン」に仕える神官と会話することで、仲間の名前を任意のタイミングで変更することが出来るようになる。 ---さらに仲間だけでなく、なんと「ふくろ」にも好きな名前をつけることができる。 --ただし、「ああああ」といった同じ文字を4つ並べただけの適当な名前や、下品でふざけた内容のキーワードを名前にしてしまうと「命名神の怒りに触れた」ことになり、高額な罰金を払わないと名前を変更出来なくなる((このとき注意しなければならないのは、高額な罰金を支払った直後の名前変更の際に、入力をキャンセルしたり、変更前と同じ名前を入力したりすると、「名前を変えないのか」と言われ、罰金だけを取られてしまう))ペナルティも存在する。 --また、他の仲間キャラクターや重要人物の名前は付けられないようになっている。 --この命名神は本作以降、後のシリーズでも恒例となった。 -ベストドレッサーコンテスト --キャラクターステータスの「かっこよさ」を装備で補ってコンテストに出場する。男性のみ、女性のみ、モンスターのみなどの縛りもある。また、ボーナスポイントがもらえる装備の組み合わせを探すのも一興。 -3か所のカジノ(問題点に記述あり) --前作では1か所だったものが分散され、交換できるアイテムが異なる。 --スロットマシン、ポーカーのみ。 -スライムかくとうじょう --仲間にしたスライム系モンスター((スライム、ホイミスライム、スライムナイト、キングスライム、はぐれメタルのみ))をAIで戦闘させる。 ---こちらは一匹で参戦だが、敵は複数。呪文特技・装備が揃わないと難易度は高い。 ---施設内には、パーティーをスライム系のみにした場合にだけ入れる場所がある。この場合は「ご主人様」が居ないために試合に出ることができない、施設内のスライムと会話ができるなど細かい演出もある。 ---- **賛否両論点 本作はシリーズの中でも特に評価が割れやすい作品でもあった。 ''ストーリーに関して'' -ストーリーや人物像の詳細をぼかした表現が多く、プレイヤーの想像に任せるタイプの物語構成をしている。 --イベントシーンの回想や町の人との会話でその一端をうかがうことはできるが、やや遠まわしな表現が多く、細かい部分は不明瞭なままエンディングを迎える。オープニングのドラゴンやエンディングのバーバラに関する部分、ラストシーンなどの意味深なイベントにも明確な説明はない。 --特に仲間の1人であるミレーユは、エピソードがぼかされていて謎が多い。 ---出自の設定に関しても、弟がいるなど優遇されており掘り下げる余地が多くありそうだが、出自に関して対象年齢的に詳細を語りづらい(と推測される)部分があるためか、各メンバーの中で最も不明確で謎が多いまま。 ---また主人公やハッサンと違って初登場時ですでに実体を取り戻しているが、これもオープニングでムドーに敗れたあとどのように実体を取り戻したのか描写されない。 -途中のクエストが「おつかい」のようなものが多い。 --行く先々で人助けをするのもこのシリーズの醍醐味ではあるが、この作品から深刻度の薄い依頼を受けることが多くなる(儀式に行きたがらない王子のお供をしてくれ、○○を取ってきてくれ、など)。しかも依頼人の態度があまり良くないことも多い。 --主人公たちが嘘をつく((結果的に事実に反することではないのだが))ことになるイベントがあり、それを行わなければ話が進まない。それが遠因となって後味の悪い結末を迎えたゲーム内のキャラクターもいるなど、取り返しのつかないことをしたことになる。 //この賛否両論について、サブイベントが少ないほうがいいという話はあまり見ないのですが、本編の長さ的には適度な量という評価があるため、上記の記載は削除、および改変の余地があると思います。 --初代からプレイヤーの年代が変化してきているため、長寿シリーズとしてはしかたない部分ではある。 -''「ベストドレッサーコンテスト」でストーリー進行に必須な重要アイテムが手に入る''のだが、そのコンテスト会場の場所が分かり難い。 --コンテスト会場は「岩山に四方を囲まれた狭い盆地」であり、船ごと海に潜って海底の道を通ることでようやくたどり着ける。 --一応、後述のアモスイベントの過程でフィールド中に立て札のある小島を発見でき、その立て札に「オシャレさん募集。トルッカのすぐ近くに会場」とコンテスト会場の所在地のヒントが書かれているが、その立て札がある小島に上陸できるようになるのはアモスイベントからかなりストーリーが進行してからであり、プレイヤーが立て札の存在を忘れてしまっている可能性がある。 ''職業に関して'' -キャラクターの育成要素が増えたため、強化の楽しみを熟練度稼ぎに依存する部分が多くなった。 --純粋に戦闘で勝利した回数によってのみ上昇するので、経験値稼ぎにおけるメタルスライム系のような近道がない。ボスを倒しても「1回」扱い。 --また重要な仕様の一つに「エリアごとに一定以上のキャラクターレベルに達した以後、そこでいくら戦ってもそのキャラクターには熟練度が加算されない。」というものがある。&br;つまり、戦闘回数が熟練度になることを目的として、序盤の村周辺で弱い魔物を倒し続けても熟練度を稼げない。また、大量の経験値が入る魔物を倒してしまうと本来稼げるはずだった熟練度分の戦闘ができなくなってしまう((ただし、後半のエリアは上限が撤廃されるため「レベルを上げ過ぎて熟練度を稼ぐ場所がなくなる」ということはない))。 --つまり、熟練度が上がるギリギリの地域で戦闘することが効率のよい熟練度稼ぎだが、それだと敵からもらえる経験値は少なくなってしまう。レベル上げ・お金稼ぎと熟練度稼ぎを両立させないようにしたバランス取りとなっている。 ---この仕様の存在自体は作中で明言されているが、その戦闘で熟練度が稼げたのか否かはその場で明言されないため、気づかないまましばらく戦っていたが一向に熟練度が上がらないことでようやく気づいた、というケースも多々あった。 -職業によって戦闘中の格差が大きい。 --下級職は前衛系職業以外におけるHPのマイナス補正が大きい。特に魔法使いはMPが+10%になる((賢さも増加するが、賢さは意味のない数値である。詳細は後述))のと引き換えに「力、身の守り、最大HPが''全て-40%''」と強烈なマイナス補正をかけられてしまう。最大HPの減少は魔法使いでなくともかなり響く為、HPはマイナス補正無しにするだけでも使い勝手は大きく向上したはずなのだが…。 ---ただし馬車の入れないダンジョン内でも、馬車内の仲間に経験値が入り、移動中に馬車内の味方でもダンジョン内の味方に呪文を使える仕組みとなっているので、戦闘要員と育成・援護のメンバーを使い分ける必要がある。 -上級職は複数の下級職を重ねて就けるものだが、下級職9職のうち使いやすい職業「戦士・武闘家・魔法使い・僧侶」4職とそれ以外の特殊な職業5職とで、就ける上級職の選択肢に大幅に差があるアンバランスな設定。 --前者はバトルマスター・魔法戦士・賢者・パラディンの4職。条件となる下級職が重複するため効率よくそれぞれの職業に就ける一方、後者は2職マスターでなれるスーパースターと3職マスターでなれるレンジャーのどちらかのみ。スーパースターは最もマスターが早いのだが、レンジャーはそれも無い上にパラメータ補正・習得特技・職業特性のどれもが今一つという三重苦を背負っている。 --熟練度をMAXにした職には、獲得する熟練度のもったいなさから就く理由がなくなってしまう。ボス戦の際にパラメータ補正と職業特性を得るために転職することは有効だが、そのためにダーマ神殿まで戻らないといけなくなる。 -職業が(悪い意味で)個性を出すことがやりにくい仕組みになっている。 --転職によって覚えた呪文・特技はその後さらに転職しても忘れることが無く増えていくため、同じ職業で育てた他のキャラと習得呪文・特技が揃ってしまうため個性が消えてしまう。 ---ただし、クリアまで普通に進めている限りではマスターできるのはおよそ上級職1つ、のんびり進めても2つ程度。戦士系・魔法系・補助系など進んだ道によって経験できる職が違うので、同じ職業のキャラ同士でない限りこの問題は避けられる。 --また、キャラの能力値や装備できる装備品についてはキャラ依存。これによって、「(武闘派キャラの)ハッサンを魔法使いにする」など元々のキャラの個性に反する育て方をしようとすると強くならない。 ---キャラの能力値は元々の数値に職業ごとのパーセント補正をかける仕様になっている。 ---装備品の例としては、1度の呪文で2回分の効果が得られる強力な装備「山彦の帽子」はバーバラやミレーユなど魔法使い系のキャラしか装備できないが、代わりに魔法使い系キャラは攻撃力が高い装備が乏しい。 -ゲームをはじめから開始してすぐに転職できるわけではないので「転職システムによる多彩な成長」を目的にプレイするとしばらくお預けを食らうことになる。 --本作のストーリーは物語冒頭から仇敵として登場する「魔王ムドー」を倒すのを境として第一部・第二部に分けることができる。第一部はキャラの個性が決まっており、ストーリーも言われた通りに進めていく一本道傾向が強いが、第二部では転職システムが使用できるようになり、また先述した通り明確な目標も示されなくなるため進行の自由度が高くなる。 --総じて、ムドーは魔王らしい強さや倒した時の達成感、真ムドー戦の専用BGMから評価する声は多い。しかし、「ムドーを倒すという目的を果たしたあとは明確な道筋が示されない」「転職によるパワーアップに見合う強さのボスがしばらく出てこない」((むしろムドーよりも強いボスをすぐに出さなかったからこそ、ムドーの存在感が特別なものになったとも言える。))などの点から、逆に「ドラクエ6はムドーまでがメイン」という意見も聞かれる。 #co{ -転職ができるようになるまでが長い。転職システムを利用せずに、本作屈指のボスである魔王「ムドー」を倒す必要がある。 --ムドーとは合計3回戦うことになり、特にムドーの城での2戦目は無限に手下を呼んでくる上に、高い守備力と呪文耐性を持ち、自然回復までするので苦戦を強いられる。さらに続け様に3戦目(真ムドーや本気ムドーと呼ばれる)となると、「こおりつくいき」、「いなづま」のコンボで1ターンに全員が瀕死ダメージを受けたり、「まぶしいひかり」「あやしいひとみ」などの絡め手も使ってくる。 ---一方でこちらは、この時点で全体をフォローできる呪文を習得できないため、回復も補助も後手に回りやすい((主人公のホイミ、ミレーユのベホイミ、チャモロのベホイミとベホマ、ザオラルのみ))。このハードルの高さが、転職までの道のりを険しくしている。 --さらにムドーの城突入後はムドー戦直前のイベントを発生させるまでは城から出る事ができず、戻るには1度全滅(=ゴールド半分)しかない事も難易度を高くしている要因でもある。((しかもこの仕様は説明されないため気付かないケースもある)) //---ムドーに敗北すれば通常全滅扱いになってゴールドが半減するので、このペナルティを避けたいのならムドーの城突入からムドー撃破までを一発で突破しなければならないが、仮にムドー戦で全滅してしまっても、次回のムドーの城再突入時には城から出られるようになるために難易度は幾分下がる。 ---また、全滅しても、ゲントの村の長老に話しかければ仲間全員を無料で蘇生させてくれる為、この事を知っていれば蘇生の為の出費は抑えられ、リトライも容易。 --ただ、理不尽に強いというわけではなく、下記のアイテムやとくぎなどを有効に使うことが攻略となる。 ---チャモロが加入時に持っている「ゲントの杖(戦闘中に道具として使用するとHP回復、「ベホイミ」効果。回数制限なし)」で回復がカバーできる。ベホイミを使えない主人公に持たせるケースが多い。 ---ムドー戦直前にはハッサンが通常攻撃の2倍の威力を持つ「せいけんづき」を習得。ただし、真ムドー相手には命中率が大幅に下がってしまうので効果的ではなくなる。 ---「ほのおのつめ」を戦闘中に使うと「メラミ」となって高いダメージを出せる。しかし、ハッサン用の強力な装備なので「ハッサンに装備させず他キャラに道具として使わせる」という発想に辿り着くプレイヤーはそう多くない。そもそも、宝箱のあるフロアへ行く方法の気づきにくさから回収できない可能性すらあった。 //--ムドーを倒すためにレベル上げしすぎてしまい、転職解放直後にもかかわらず、しばらく熟練度限界レベルに引っかかったと勘違いしてしまうプレイヤーもいる。 //調べて見たけどムドー直後の熟練度限界レベルはモンストル周辺が22、海上やアークボルト周辺は24。炎の爪無しでもレベル18~19ぐらいあればムドー倒せるし、何かの縛りプレイじゃなきゃここまでレベルを上げるなんて無いと思うけど。ただ、熟練度限界レベルに引っかかってるか確認する方法がちょっと面倒だから引っかかってないのに引っかかってると思い込んでるというのはあると思うけど。 //一部修正・復活。ちなみに、プレイヤーみんながみんな熟練者でない上、ムドーの難易度からしてレベル22程度は普通にあり得る範囲(特にハッサン) //炎の爪が取れる事を当時は知らない人も多かったし、せいけんづきがあたりにくいのも意外と気づきにくい --総じて、ムドーは魔王らしい強さや倒した時の達成感、真ムドー戦の専用BGMから評価する声は多い。しかし、「ムドーを倒すという目的を果たしたあとは明確な道筋が示されない」「転職によるパワーアップに見合う強さのボスがしばらく出てこない」((むしろムドーよりも強いボスをすぐに出さなかったからこそ、ムドーの存在感が特別なものになったとも言える。))などの点から、逆に「ドラクエ6はムドーまでがメイン」という燃え尽き症候群を引き起こすプレイヤーも。 //システム面に関してはどう考えても多数の呪文、特技を使い分けられて戦略性が上がるムドー後の方がメインじゃね ///整理予定} -職業「魔物使い」の使い勝手が悪い。 --モンスターを仲間にするには「魔物使い」の職業に就いたキャラを馬車から出して戦わせないとモンスターは仲間になってくれないが、この職業のスペックが著しく低い。 ---ステータス補正があまりに貧弱で実用性が低い。 ---習得する特技は独特なものの、実用性の高いものは少ない。 ---また魔物使いをマスターすることでなれる上級職は前述のレンジャーのみ。 --ただし、仲間モンスターの重要性は本作においても高い。ウェイトの大きな要素であることには違いない。 ---加入時期が序盤の割にハイスペックな「くさったしたい」や、早期に「ベホマラー」と「ベホマズン」を習得する「ホイミスライム」は強力な助っ人となる((本作ではベホマズンは転職での習得は不可能。ホイムスライムとランプのまおうのみが覚えられる。))し、AI行動をするさくせんにすると1ターンに2回行動をしてくれる「キラーマシン2」と「ランプのまおう」などは大変強力。 ---このような全職業でも最大級の恩恵を受ける以上は低ステータスでも我慢して使わざるを得ないバランスにしているという見方もある。これでステータスも良ければ他の下級職とバランスが取れなくなる。 --ただ、そもそも職業育成の仕様から長い間同じ職業についているのは損であり、特定のモンスターを仲間にしようとして戦闘を繰り返すとそのキャラの育成が他キャラよりも遅れてしまう面もある。 ''その他'' -ゲームバランスについて。本作では後半になると仲間・呪文特技の充実により徐々に難易度が下がっていくが、逆に前半の難易度はかなり歯ごたえがある。 --まず最初の冒険からして、始まりの村を出たらいきなりダンジョンである。しかも、そのダンジョンではこちらは1人旅なのに対して最大で敵4匹同時出現があるため、最弱ザコのぶちスライムに殺された人も多かった。 ---最初のダンジョンの宝箱には有用な装備品が入っているが、それを取って生きて帰ってくるだけでも至難の業。 ---RPGに慣れたプレイヤーでない限り、初期費用で装備を整えたり、ダンジョンに入る前にレベル上げをしたりしておかないと、間違いなく全滅する。 --その後も難易度が下がることはなく、次のシエーナ周辺では一人旅なのにこちらの行動を1ターン封じてくる敵が2種類も出てきたり、攻撃力が高い上に最大6匹で出現し回復までしてくる敵がいたりする。その次のトルッカではルカニ+集団戦法をかましてくる。 --そして次の目的地まで超長丁場というところで、キアリーが無い段階でバブルスライムが毒を盛ってくる。「キアリーがあるからお役御免」になることが多かった毒消し草のありがたみが分かった人も多い。 --その次も難易度は緩まず、ダメージの大きいヒャドやギラ、厄介なルカナンが容赦なく飛んでくる。 --序盤における超重要アイテムが手に入る塔では、異様にエンカウント率が高い。 --極めつけがトラウマモンスター・ストーンビースト。 ---地底魔城より登場するが、大半のステータスが同時期に登場する敵より軒並み高い上、何よりこの時点ではかなりの威力を持つベギラマを唱えてくるのがとにかく脅威。SFC版では同時に出現するのは最大2体となっているが、それでも2体からベギラマを2連発で受けてパーティが壊滅なんてことはザラである。  --ムドーの島やムドー城の敵も、かなり後の敵が先取りして出てくるので手強い。そしてムドーそのものも鬼のような強さ。 --…と、物語前半はとても歯ごたえのある難易度。本作が初めてのRPGだったり、あるいはRPGに不慣れなプレイヤーは、前半で投げてしまったという人も。 -そして後半は徐々に難易度が下がっていくのだが、ラスボスは非常に強いので油断できない。 --総合して、「本作はRPGとして歯ごたえのある難易度である」というのが一般的な認識である。 -モンスターから得られるG(ゴールド)の額が低い。1回の戦闘で1,000Gを超えることがほとんどない。 --雑魚モンスターに限っても、最高額がおどるほうせきの370Gと少なめ。((前作ではゴールデンゴーレムが1,023G))それでいて物語後半での物価は高騰する。 //一国の国王からの依頼をこなしても、褒美は物品が多く、現金でのリターンはほとんどない。 //褒美に金がもらえるイベントがないなんていうのはRPGではよくあること ---ちなみに、おどるほうせきの出現時期は序盤。それ以降、この額を超すモンスターが出現しないという点を鑑みるとやはりバランスを欠いてしまっている。 --商人((職業特性によって獲得ゴールドが増加するが、それでもマスターで+25%(マスター4人で+100%)と微々たるもの。商人のステータス補正も低く、マスター状態で戦闘させると職業の成長が遅れてしまう問題点もあるので有用な手段とも言いがたい。))や盗賊((職業特性の「敵が落とすアイテムを盗める」を使って、高く売れるアイテムを盗もうとしても確率が低いため効率は良くない。))でのバトル後効果を利用しようとしても、不便が多い。 --商人の特技「あなほり」で所持金の半分を掘り出す方法もある。66万ゴールド持っていれば33万ゴールドが掘り出せる(所持金99万ゴールドが最大のためそれ以上持っていても無駄になる)。ただし掘り当てる確率は数百分の1と非常に低い。 --ただ本作は序盤から終盤まで町やダンジョンで強力な装備品が多く拾える傾向にあり、極端な話ラスボス前まで装備をほとんど買わずに進めることもできる。また「くちぶえ」が導入され、戦闘間隔を短くすることができるため稼ぎ効率を上げることもできるようになっている。 //ムドーとの決戦直前に行くゲントの村では死亡したキャラを無料で復活できる等、資金面の配慮は多少ある。 //上記のものと被る上、資金面からこれを見るのは焼け石に水かと -ダンジョン外から魔法をかけられる --ダンジョン外の馬車で待機している仲間が、ダンジョン内の仲間に回復魔法や補助魔法をかけられる。「しのびあし」や「くちぶえ」も可能。 ---しかしながらムドーの城内部では、外で待機しているバーバラは呪文を使えない。 ---- **問題点 主に職業と特技のバランスに関して批判されることが多い。 ''いわゆる「特技優遇」の問題'' -いくつかの攻撃特技は、消費MPが0であるにもかかわらず呪文に匹敵するほど強力な効果を持つため、攻撃呪文の価値が大暴落した。 //-そもそも呪文の低迷も要因である。呪文の効果(ダメージ、回復量、変化量)が成長しない、消費MPも変化なし(賢者職のみ低減)、やまびこの帽子以外で成長がない(打撃系の特技は武器やバイキルトで成長する)、MP回復手段のアイテム入手が面倒、マホトラ系の回復量の乏しさ、後衛感が無いため敵の攻撃に晒されやすいetc... //それらのほとんどは初代の時点で当て嵌まる。作品毎に物理や特技がどんどん強くなっていって呪文が相対的に弱くなっていったのは事実だが、呪文の絶対的な強さは初代からほとんど変わっていない。 --代表的な存在が武闘家で習得できる格闘技。下級職で手軽に習得可能な割に威力や利便性が高く、後述する仕様もあって戦士系のキャラが放てば呪文以上の威力が出る。「まわしげり」による集団攻撃・「せいけんづき」、「ばくれつけん」による強化攻撃も完備。 ---さらに上級職ではバトルマスターで覚える「がんせきおとし」、パラディンで覚える「しんくうは」、特殊職業のドラゴンで覚えられる「かがやくいき」「しゃくねつ」などなど、上級攻撃呪文に匹敵・凌駕する威力を持つ特技が盛りだくさん。これらはすべて、''消費MP0''である。 --それに対して、呪文はほとんどが覚えた時点で既に(消費MPの割に)威力不足、または特技で代替できる威力となってしまっており、使いどころがない。 ---敵全体に150程度のダメージを与える上級呪文「イオナズン」でも、転職前に訪れるムドーの島に出現するレッサーデーモン(イオ系に耐性なし)ですら一撃で倒せないことがあり、かなり立場が悪くなっている。いくらレッサーデーモンのHPが高めとはいえ、あんまりなほどの威力不足である。終盤の敵だと3分の1も削れない事も。 ---単体に180~200ダメージを与える単体への最強呪文「メラゾーマ(消費MP10)」も、冒険終盤になりレベル30台後半にもなると攻撃力に恵まれたキャラには「せいけんづき(消費MP0)」に追い抜かれてしまう。((さらに、クリア後の冒険で仲間を鍛えていくと攻撃力も上がるので、比較的非力なキャラでもメラゾーマの威力を超えてしまう。))~ 今までに比べて味方キャラの攻撃力が高くなったとは言っても、「手軽に覚えられてしかも消費無しで無制限に使える特技」が「単体最強呪文」の威力すら上回ってしまうのは、あまりにもやり過ぎである。 ---勇者で習得できるシリーズ通しての最強呪文「ギガデイン(消費MP15/グループ/175~225ダメージ)」は、一見するとかなり強力に思えるが、その後すぐに「ジゴスパーク(消費MP25/全体/210~290ダメージ)」や「ギガスラッシュ(消費MP20/グループ/350~410ダメージ)」という、コストパフォーマンスを含めてギガデインより有用な特技を習得してしまうため、完全に立場を食われてしまう。 ---最も高い威力・範囲を持つこれらの攻撃呪文ですらこの有様なのだから、他の上級呪文の立場は推して知るべし。ついでにメラ系とデイン系以外は、中盤以降には耐性を持つ敵も多くなるので、ただでさえ不足している威力から、さらに軽減されてしまう。わざわざ唱える必要性自体皆無に等しい。 --しかも、魔法系職業はステータス補正や特性などにも恵まれていない。 ---下級職の魔法使いは最大HP・力・身の守りすべてが-40%補正で、後衛キャラを魔法使いにすると耐久のなさがさらに進行するし、前衛キャラでも厳しい数値となってしまう。魔法使いを極めて別の職業に就くころには習得した中級呪文はほとんど威力不足になっている。 ---そこから上級職になっても、魔法戦士は前述のように不遇気味な職業。もう片方の賢者は職業特性で消費MPを軽減できる(マスターすると半減)ためにお得感は出てくるが、その頃にはほぼ全ての攻撃呪文が威力不足でお役御免になっている(回復・補助呪文は別)。 --よって、攻撃呪文が性能を発揮できるのはミレーユが自力で序盤に覚える「ヒャド」や、魔法使いの職業で覚えられる「メラミ」「イオラ」「ベギラゴン」、魔法戦士が覚える「メラゾーマ」、そして主人公がイベントで習得する「ライデイン」くらい。それも習得直後の環境の話であり、少し育つとやはりそれらもお役御免になる。 ---一応「やまびこのぼうし」+「メラゾーマ」という方法により、最強レベルの火力まで押し上げることは可能((「ギガデイン」の方が耐性が低い敵が多く攻撃範囲も広いが、最速で勇者に転職できる主人公が「やまびこのぼうし」を装備できず、装備可能な他のキャラクターを勇者に転職させる必要があるため、実用性に乏しい。))。 //-特技優遇・攻撃呪文冷遇となってしまった原因は主に2つ。 -特技優遇・攻撃呪文冷遇となってしまった主な原因は「敵のHPを大きくインフレさせたにもかかわらず、攻撃呪文の威力は過去作と同じである」こと。 --今作から使用者の攻撃力を計算式とする剣技や格闘技などが登場し、特にクリアレベルを超えてもキャラの力(攻撃力に深く関わるパラメータ)の成長が鈍くならないようになったため、味方キャラの特技による火力が大幅にインフレしてしまっている。また、それ以外にも素の威力が高い特技が多数登場している。~ それに合わせて敵のHPも大幅に増えているのだが、攻撃呪文の威力は過去作のまま据え置きのために威力不足になるのは自明の理。 //高レベルになると力の成長が大きくなるというより、Vまでは高レベルだと成長が鈍くなったのが、VI以降は高レベルでもペースが変わらず成長するというのが正解 --敵も強力な特技を使用してくるため、それに合わせて味方のHPも前作までより高めになっている。一方、敵が使った場合のみ攻撃呪文の威力も前作までより上昇しているが、ブレスなど他の全体攻撃系の特技に比べるとあまり強くないのはそのまま。 //一応順番としては特技の威力を設定したのが先で敵のHPを設定したのが後だとインタビューで言っているので --もう1つ、副次的な原因として、「(特技は攻撃力やレベルの上昇によって威力が大きく上がっていくものが多いのに)呪文はレベルやステータスが上がっても、威力が上昇しない仕様のまま」なことも挙げられる。 ---素の威力の底上げがあったとしても、多少底上げした程度では、レベルや賢さでの威力上昇が無い限り、結局は終盤やクリア後の冒険で攻撃呪文が弱すぎになることは目に見えている。逆に素の威力を大きく上げ過ぎてしまうと、終盤のバランスは良くなっても、呪文習得直後のバランスが壊れる可能性がある。過去作に比べて冒険が進むほど敵のHPのインフレ具合が大きくなっていく本作において、この問題を上手く調整し解決するためには、呪文の威力上昇の仕様は必須であったと思われる。 ---例え素の威力は過去作と同じであっても、レベルや賢さで威力が大きく上がっていくのであれば、キャラを鍛え上げた際にそれにふさわしい高威力になり、攻撃呪文も最後まで活躍できたはずである。 ---説明書には、「賢さが高いと呪文の威力が上昇する」との記載がある。開発の当初ではその予定があったのかもしれないが、結局実装されなかったのが悔やまれるところ。 //正直、ほとんどの呪文が覚えた時点で威力不足なのに、ステータスで多少威力が上がった所で緩和されたとはとても思えない。少なくとも明らかに「主な原因」ではない。 //DQ8みたいに「威力上昇が始まるのが遅い」「最終的にも多少しか威力が上がらない」ようなショボい影響力ならその通りだろうが、攻撃力のステータスと同等の影響力をもって大きく威力が上がる仕様であれば、かなり緩和される。上級呪文もレベル99まで威力が大きく上昇していくのであればクリア後ダンジョンでも使えるようになるし、下級・中級呪文についても、威力上昇に必要なハードル(レベルや賢さの値)を下げて早くから威力上昇すれば(極端に言えば覚えた時点で既に威力上昇が始まっているくらいでもいい)、素の威力上昇とほぼ同じ効果があり、しかもその後も威力が上がっていく分攻撃呪文を長く活躍させることが可能で、後半を見据えすぎて素の威力を高めすぎたために習得直後のバランスが壊れるという問題も起きにくくなる。 --攻撃呪文はMPを消費して使う以上使用回数に制限があるし、回復呪文用のMPも考えると多用できない。そのため、攻撃呪文の方を高威力に、特技は低威力に調整するのが普通だろうが、これが全く逆になってしまったために起きた悲劇である。 //本作以降の作品についてはその作品のページでお願いします。 --一応、後述の「ねる」を使えばMPの問題だけは解消できる。また、1回の呪文で2回分の効果を得られる「やまびこのぼうし」を装備すれば優位性もある。 ---しかし、前者には「特技を使えばわざわざMPを回復する手間もいらない」「工夫しないと眠った状態で戦闘が始まってしまう」、後者には「防御力や耐性が他の頭装備より低い」「装備可能者が限られる」「入手時期は最速でもクリア直前(事前情報なしだとほぼクリア後限定)」などの問題があり、完全にはフォロー出来ていない。 -その他の呪文について --補助呪文も一部が被害を受けた。 ---特に痛いのが「メダパニ」。メダパニ自体、敵グループを混乱させるという非常に強力な呪文だが、何と消費MPが0で同様の効果を持つ「メダパニダンス」が登場してしまった。メダパニダンスは呪文ではないので、マホカンタなどで跳ね返されることも、怪しい霧で封じられることも無く、踊り封じを使ってくる敵もわずか1種類しかいないので、使えなくなる心配はほとんどない。しかも踊り子に転職すれば誰でも簡単に覚えられてしまう。 ---同様に、「ラリホー」も「甘い息」の完全下位互換になってしまっている。 ---一方で、消費MPは多いものの、より高確率で相手を眠らせる「ラリホーマ」は面目を保っている。 ---相手を幻惑する「マヌーサ」は、「すなけむり」「まぶしいひかり」に比べて効果の強さや持続ターン数などで差別化ができている。 ---「バイキルト」「スクルト」などステータス上昇系の呪文も特技にはそれに相当するものがなく、呪文の方が優位に立てている。アイテムで代用できてしまうが。 --回復に関しては、呪文が特技に比べ優勢ではある。 ---回復特技には味方全体を回復するスーパースターの「ハッスルダンス」や、自分のHPを500ポイントも回復する勇者の「めいそう」など強力なものが存在する。だが、前者は回復呪文「ベホマラー」と比べて回復量がやや小さい上にやまびこの帽子による2回発動の対象にならず、後者は習得することが困難であるうえに自分しか回復できず、移動中に使用することができない。 //---また、習得職業で見ると、呪文は賢者で「ザオリク」と「ベホマラー」を同時に習得できるのに比べて、スーパースターには「ハッスルダンス」以外に有用な特技が少なく、「めいそう」は主人公以外は隠しダンジョンクリアまでにまず習得できない。 //記載の意図が不明 ---任意の仲間1人のHPを完全に回復する「ベホマ」も重要。~ 前作以前でも終盤になれば極めて重要な回復手段であったが、本作では味方のHPも過去作よりもかなりインフレしているので、尚更ベホマの存在は大きい。そして、代用できる特技は存在しない。 ---また、状態異常の治療や蘇生を「確実に」「移動中に」できるのは呪文だけの特権である。魔法使いを極めたキャラでも僧侶から賢者になれば回復呪文のエキスパートとして活躍できるため、完全に存在意義を失ってはいない。 -一方で、一部の強力な呪文・特技の習得方法が容易すぎるため、序盤のバランスブレイカーになっている。 //その一方で本作では前作及び前々作と比べて敵が強くなっているため、結果的にバランスが取れていると言えない事もない。 //記載の意図が不明 --''メラミ''~ 魔法使い☆1(1回戦うだけでOK)で習得。単体に80前後のダメージを安定して与えられる上に、消費MPは4とお手軽。転職直後では前線キャラの特技よりも強く、魔法使いの面目躍如といったところであるが、誰でもすぐ習得可能なのはさすがに手軽すぎた。複数人に一気に覚えさせることで中盤を楽に進めるテクニックは「即メラミ」「火攻め」と呼ばれるほどであった。 --''まわしげり''~ 武闘家☆2で習得。敵1グループを攻撃することができる。ムチやブーメラン使いと違い、元々の攻撃力の高く強力な武器が装備可能な前衛キャラも使える為、ゼロコストの攻撃にしてはかなり強力。2体目以降は徐々にダメージは減っていくが、それでも汎用性が非常に高い。なお、名前は「蹴り」だが普通の攻撃と同じ扱いで装備している武器の攻撃力も加算される。ただし、武器の追加効果までは発動しないため、剣技等武器を使う特技との差別化は、武器の追加効果によって表現していると言える。 --''せいけんづき・ばくれつけん''~ 「せいけんづき」は武闘家☆5(ハッサンはイベントで習得)、「ばくれつけん」は武闘家☆8で習得。前者は岩石耐性のある敵には命中率が下がるもののダメージ2倍、後者はランダムターゲットとなるが合計でダメージ2倍。これらも武器の攻撃力が加算される。~ ただし、武闘家は成長が遅いのですぐに覚えられるわけではない。技の威力も上記の通りキャラの攻撃力に依存しているため、非力なキャラでも高威力を発揮できるわけではない。 --''ねる''~ 遊び人☆5で習得。「ねむり」状態になる代わりに、移動とともにHPとMPが回復する。本作はマップチップ1マスあたりを2歩で移動するため、ダンジョン内でも手軽にMPを満タンにできる。エリア切替後はしばらくエンカウントが発生しない仕組みなので階段付近では安全に回復できる。~ 一応、前述したように「特技を使えばわざわざMPを回復する手間もいらない」「このように階段付近で使わないと眠った状態で戦闘が始まってしまう」などの欠点はあるが、MP切れでダンジョンを引き返すことが減るのは非常にお得。 -また、こうした呪文・特技とは逆に、習得してもその時点では既に威力が低すぎて使い物にならない呪文・特技も数多く存在する。 --終盤でなれるドラゴン職の序盤に覚えられるのは「ひのいき」「つめたいいき」など序盤のザコが使うようなブレス攻撃だったり、前述の魔法使いで習得できる「メラミ」の後に覚えられるのがグループに20ダメージ程度の「ギラ」だったり。 --下級職で習得できる特技の中には、敵が使用する特技をそのまま引っ張ってきたために使い勝手に困るものが多い。「たいあたり(自分と相手に現HPの8割ダメージ、無効率高)」「ふしぎなおどり(敵のMP減少)」「どくのいき(毒状態は戦闘中には効果が無い)」など。 //--「しょうかん」もグラフィックが無くテキストだけなのでイメージがわかりにくい。 //これは問題点とは言えない //-熟練度習得のエリア別上限システム //--スタッフはおそらく「序盤に戻ってどんどん熟練度を稼がれるとバランスが崩れる」「現在進めている所で熟練度を上げてほしい」と判断したからこの上限をつけたと思われる。&br;だが、このシステムがあることで逆に「レベルを上げないように経験値の低い所(=なるべく序盤)で熟練度を稼げるだけ稼いでから行こう。」((実際の所、上限レベルは到達レベルよりもかなり高めに設定されているため、そういったプレイをするメリットは全く無いのだが、上限レベルを知る方法が無いというのが罠となっている))と一部のプレイヤーは考えてしまいやすい。 //---逆にこれがなければ経験値を稼ぎすぎるデメリットがないので、そういったプレイヤーでも「テンポよく倒せつつ一番経験値が稼げる程度の敵が出る地域」で稼いだかも知れない。 //---そもそも「レベルを上げないように経験値の低い所で熟練度を稼ぐ」ことが可能であるというのは、逆に考えれば熟練度上昇限界レベルがかなり余裕を持って設定されている事の裏付けでもあるのだが、そこに気付けるかどうかが本作のシステムを楽しめるかの鍵にもなっている。 //大半のとか皆稼いだはずとか決め付けるのもどうかと思う ///「おそらく」や「思われる」の記述が多い。いったん隠し。編集願う。 ''登場人物に関して'' -バーバラはHPなど耐久面が低くシステム上使いにくいキャラクターだが、''ストーリーの都合でパーティから外すことができない''。 --外せない理由付けも充分ではなく、バーバラが必要なイベントがごく一部存在したり会話が少しある程度で、それ以外のシーンでは他の仲間と同じく存在感がない。自由編成できるシステムであることが災いして嫌われやすくなってしまった。バーバラ関連のイベントの時だけルイーダから引き取れば済むことであった。 --逆に、ムドーの島突入時は彼女が強制離脱してしまう(こちらも離脱する理由は明確にされない)。前述したムドー戦の難易度もあり、ムドーの島or城でレベル上げをすると、ムドー戦後にレベル差が生じてしまう。 --ただしMPが高く、大ダメージを与える最強魔法「マダンテ」をイベントで覚える。((他には特殊職業「はぐれメタル」を鍛えて習得するか、はぐれメタルを仲間にするしかない))この魔法の専門役として「砲台」呼ばわりされることも。 -テリーは加入時期が遅いのに弱い。 --上級職「バトルマスター」に就いているのだが、それに必要なはずの''武闘家をマスターしていない''。前述の通り武闘家は有用な特技を覚えるのにもかかわらず使えないダメさ加減から、ネット上では「経歴詐称」と揶揄されている。 --加入レベルは23だが、この時期の公式攻略本で推奨されているパーティの平均レベルは約35であり、この値はかなり低くレベル格差がある。 //積極的に稼がないプレイでもレベル30前後になる //記載必要あるか --また、加入前のイベントで主人公達と対戦するが、そのグラフィックは''フィールド上のドットキャラを引き伸ばしたもの''(味方キャラに化ける呪文「モシャス」と同じ仕様)。アニメーションもしない。システム上で仕方ないとはいえ、''「テリー 1匹」''と表示され、イベントの雰囲気を壊してしまっている。 ---テリー以外の人間の敵は兵士や魔導士だと人型モンスターのグラフィックを流用したり、モンスターの流用でないグラフィックを持っている中年男の敵もいる。1匹という表記は仕方ないにしても、「なぜそこらの中年男にグラフィックがあってテリーはこれなのか」と思ってしまうのは当然だろう。モシャスや容量との兼ね合いがあったかもしれないが、そうだとしても専用グラフィックを作るならテリーの方であろう。 --さらに、彼が加入すると仲間にできる「ドランゴ」が作中トップクラスの強さを持つため、''「ドランゴ引換券」''という不名誉なあだ名までついた。また、加入時装備で珍しい武器防具を装備していることから、''「装備引換券」''とも言われ、加入直後にドランゴを仲間にして装備を外し、ルイーダの酒場に送られることも少なくなかった。 ---馬車の中で育てようにもスライム格闘場のための仲間スライムがパーティーの枠を一つとってしまうため、メインキャラの誰かは酒場送りになりがちとなり育っていない彼が選ばれることが多かった。 --ステータスの成長率も低く、同じバランス型の主人公やチャモロに比べると大きく見劣りする。おまけに''レベル99のステータスは人間の男性キャラの中で最低''であり、プレイヤー達からそのギャップをネタにされるようになってしまった。 --ストーリー上の経緯としてそれまで主人公達一行と何度も遭遇し、キザな言動やバトルレックス(後のドランゴ)を眼前で打ち倒して見せるなど、色々と「引き」を作り勿体を付けてきただけに仲間としての実際の強さへの見かけ倒し感は大きい。 ---だが、回避率が他のキャラが64分の1なのに対して、テリーは16分の1もある。バトルマスターの職業特性と重なって敵の攻撃を無力化しやすいという長所がある。 //---こうも弱さをネタにされていることはスタッフも認識していたらしく、リメイク版などでは(度合いはさておきとして)強化を受けている。 ///他作品の記述は不要 //--一応フォローすると、低レベルクリアやタイムアタックなどの制限プレイでは相対的な初期レベルの高さで非常に頼れるキャラとして持て囃されており、また、上記の特性など使いどころを考えれば充分活躍できるポテンシャルを持つ(逆に言えば、制限プレイでもなければ活躍できないということでもあるが)。 //限定状況の記載は不要では -アモスは人間キャラであるのだが強制加入ではなく、クリアに必要でない町のイベントで仲間になる少し特異な立ち位置のキャラクターである #region(イベントの詳細) -このイベントの途中で、とある真実をアモス本人に告げてしまうと、イベント終了後に''彼は既に街を去っており、二度と会うことができない。それ以降は仲間にすることができなくなる。''~ 仲間にしなくてもクリアはできるが、選択肢次第でここまで大きな変化が生じる時期限定イベントはシリーズ初だった。また、彼が街から去ってしまった場合の物語の展開はとても切なく後味の悪いものである。 --そもそも、本作はそれまでのシリーズと比べても会話中に「はい/いいえ」の選択肢が頻繁に登場する。((大抵の会話ではどちらを選択しても多少反応が変わるのみでストーリー進行に影響はない上、再び話かければ何度も選択肢を選ぶことができるケースが多い。))そのため、軽はずみに選択してしまった、もしくは反応の違いを知りたくて敢えて選択してしまい、イベントが終わっていることすら気づかないプレイヤーも多かったのではないだろうか。 --さらに、真実を告げる選択肢を選んでも、それに対してアモスが「またまたそんな冗談を!」とサラッと流してしまい、まだ町を去らずにそのまま普通に進行するため、その後ダンジョンをクリアしてイベントを終えるまで、もう既に取り返しの付かない状況になっている事態に気づきにくい。 ---ただし、イベント前後に「アモスに真実を告げてはいけない」と町の人達から釘を差されている上に、この時の選択肢は2回も念を押され、2回とも「はい」を選択しないと彼が去る結末にはならないため、この選択肢が何か重要な分岐点であると示すヒントには一応なっていた。 //--さらに、アモスが去った後に重要アイテムが手に入る所にいる『理性の草』に話をすると''まるで解決策があるかのようなセリフを言う''。 //---「何か相談事か?」と言われ、事情を話すと「それは困ったな…。しかしわしも雨が降らんで困っとるんじゃ。困った時はお互い様じゃの。」と、あたかも雨を降らせば見返りとして良い知恵を授けてくれるかのような物言いだが''雨を降らせるイベントなど存在しない''。 //---なお、この雨関連の台詞はアモスを仲間にしたか否かに関わらず言うため、いわば「これ以上理性の草関連のイベントは進まない(理性の草はもう冒険の役に立たない)」ということを示すイベント終了の証でもあるのだが、いかにも思わせぶりな言動だったため誤解してしまったプレイヤーも。 ///ここまで詳細な記述は不要では -また、彼のグラフィックは専用ではなく、街などに居る一般の戦士の流用である。加入が選択式なのでストーリーに絡むこともなければ固有イベントもない。ただ一緒に戦ってくれるだけの存在であるため、ひたすら存在感が薄い。エンディングでも彼の故郷(?)は出てこないし、パッケージでも省かれてしまっている。余談になるが、小説版では途中で嫁をみつけて離脱してしまうのでますます影が薄くなる。 --しかしその実力たるや、人間キャラクターの中ではかなり強い方であり、人間では彼しか習得できない特技「へんしん」を覚えている。加入が面倒な仲間モンスターと違って、確実に早期加入が可能な利点もある。 --攻略本では上記のグラフィックを元にイメージイラストが描き起こされている。 //--「外見がモブ戦士と同じ」「いてもいなくてもいい」という点では『Vに登場したピピン』と同系列である。だがどちらもリメイク版に追加された会話システムにより強烈な個性を獲得しており、またアモスには転職でプレイヤーの好きなようにカスタマイズできるという長所もある。 #endregion ''仲間モンスターに関して'' -仲間にできるモンスターの種類・酒場に預けられる定員が減ってしまった。 --仲間にできるモンスター18種類のうち、ルイーダの酒場に預けられるのは15匹。つまり、''どう頑張っても同時に全員は仲間にできない''。 ---仲間になる確率も(一部を除いて)全体的に低めで、16分の1(=6.25%)や32分の1(=3.125%)、64分の1(=1.5625%)という確率の壁が立ちはだかる。 -序盤のダンジョン「夢見の洞窟」を初めとしたいくつかのダンジョンでは、モンスターを仲間にすることができず、''「この仕様についてゲーム中に一度も説明が無い」''。仕様に気づかず絶対仲間にならない場所で無駄な戦闘を繰り返してしまったプレイヤーは多かった。&br;このため、有用な仲間モンスターである「スライムナイト」の加入時期が、中盤以降(スライム格闘場周辺)まで遅れた。 --Vジャンプの付録についてきた攻略冊子では「仲間になるモンスターでも、魔王の力の強い場所では仲間にならない」「夢見の洞窟に出現するスライムナイトは絶対に仲間にならない」と書かれており、仲間モンスターを最短で仲間にする為の場所もきちんと記載されていたが、いかんせんゲーム以外の媒体のために気づかないプレイヤーも存在した。 ---前作にも「仲間になるモンスターでも、魔王の力の強い場所では仲間にならない」設定は存在していたが、そちらでは終盤の敵本拠地2か所にしか設定されていなかった。その設定を知っていても、魔王の力が強いようには到底思えない序盤のダンジョンに設定が適用されているなどと想像するのは難しいのだった。 ''その他'' -本作でも前作、前々作に登場した「勇者と呼ばれる人物のみ装備可能」な「天空の武具」にあたる装備品が登場するが、前作までとは名称が異なっている(「てんくうの○○」→「(カタカナ)の○○」)。 --1作目2作目でのシリーズ装備に3作目で固有名称が与えられるのは「ロトシリーズ」の関係性を踏襲しているが、本作ではそれぞれが意味深な人物と思われる名称になっているものの、詳しく解説する描写等は一切無い。 //、また転職によって誰でも勇者になれる本作でなぜ主人公のみが装備出来るのかも不明。 //ストーリー内で、主人公のみが特別な存在であることは十分語られている。 //--一応、後半に天空城そっくりの構成をした城が登場する事や、名称が異なっているのは天空城が登場する前の時系列と思わせることもできないことはないが‥。 ///個人的考察は不要 //--主人公のみが装備出来る事については、主人公だけが上級職を一つマスターするだけで勇者に転職出来る事、転職無しでライデインを習得出来る事など、特別な素養を思わせる要素があるためと脳内補完できなくもないが…。 //具体的記述に改善求む -カジノが物足りない。 --今作ではポーカーとスロットの二種類で、デザインや演出も凝った物となっている。しかしながら、前作のスライムレース場のみならず『III』以来のモンスター闘技場がスライム格闘場((モンスター闘技場については、自分の育てたモンスターを使って戦いたいという要望に応えてスライム格闘場として生まれ変わったとインタビューで述べている。))に変わってしまった。 ---前作はカジノ出現時点で最強武器を手にする可能性があったが、今作ではカジノが複数あるため、その時点で平均より強い武器防具が入手できる程度になった。 -能力値「賢さ」が無効ステータス。説明書や公式ガイドでは「数値が高いと呪文の威力や成功率が上がる」とあるが、前述のとおり''本作にそんな事はまったくない''。前作の様にAIの命令厳守率に影響するわけでもない。 -特定のイベントで装備品以外の道具が勝手に袋の中に入る仕様があるのだが、その中にベストドレッサーコンテストも含まれている。 --コンテストに参加するたびに仲間の装備がとっかえひっかえでグチャグチャになってしまう。このアイテム整理を短時間に何度も繰り返すのが非常にかったるい。 -アイテムの設定にミスがある。代表的なものとしては「店売り品のたいようのおうぎが売却できない」「オルゴーのよろいをおしゃれなかじやで鍛えると耐性が消滅する」など。これらはDS版では修正されている。 -最高レベルにならない内に「はやてのリング」「星降る腕輪」で素早さを限界の500にしてしまうと、本来上がるはずの素早さが上がらなくなってしまう。 ---- **総評 難易度調整やストーリー解釈の大部分をユーザー側に委ねるという大胆な作りに賛否は分かれたものの、ゲームとしての完成度は高く、後のシリーズでも採用されるアイデアを多く輩出した高品質の作品である。~ また、全体的な難易度が上がっているにも関わらず安定しており、自由なキャラ育成や「ふくろ」なども相俟って遊びやすい。プレイヤー年齢層を幅広くとれた逸品であると言える、 しかし、本作の売りであった自由度の高さは、呪文・特技バランスの悪さを際立たせることにもなってしまい、また、仲間モンスターシステムが職業システムとうまくかみ合わずチグハグな出来になってしまった。 総じて、「将来のドラクエシリーズと比較すると荒削り」な出来ながら、「RPG全体と比較すれば十分な高水準」と言えるだろう。~ また、仲間モンスターと職業と馬車から由来する高い自由度、ムドーやラスボス、裏ボスといったボスの強さ、一風変わった世界観や大きく進化した演出など、問題は抱えつつも「突き抜けた何か」を持つ作品と言える。 ---- **その後の展開 -上記の通り本編では何かとネタにされがちなテリーだが、その反動からか、派生や外伝作品では非常に優遇されている。 --スピンオフ作品として幼少時代のテリーを主役にした『[[ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド]]』が発売された。 ---当時流行したポケモンタイプのゲームでありながら、配合システムなど独自のシステムで大ヒットを記録した。~ 今作をきっかけに生まれた「ドラゴンクエストモンスターズ」は現在も続く人気シリーズ。この作品でテリーとミレーユを知ったという人も多い。 --また、歴代ドラクエキャラが登場する『[[ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城]]』にも本作からはテリーだけがプレイアブルキャラとして参戦している。しかも弱かった本家と違い(むしろ設定通り?)作中屈指の強キャラという優遇っぷり。 ---更にその続編に当たる『[[ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり]]』にも、ハッサンと前作に続いてテリーが出演。2人が主役となるクエストも配信。 -月刊少年ガンガンにて『ドラゴンクエスト 幻の大地』の題で漫画化された。作画は神崎まさおみ氏、脚本はDQシアターも手掛けるとまとあき氏。オリジナル展開が多い『ロトの紋章』や『エデンの戦士たち』に比べると、ダイジェストも多いながら原作に忠実な内容になっており、それでいて(はざまの世界を除く)ストーリーの完全補完、少年漫画らしいオリジナルのキャラ付け(やや熱血よりな主人公ボッツ、生意気お坊ちゃん風なチャモロ、ゴメちゃんを彷彿させる「キズブチ」など)、元々アクション漫画を得意とする作者と破壊マニアのアシスタントによる戦闘シーンなど見どころは多い。全10巻なので中だるみなく読める。 --余談だが、作者は原作のラストシーンにどうしても納得ができず、堀井雄二氏に直談判して許可をもらい、オリジナル展開で締めたという逸話がある。 -2010年1月28日にニンテンドーDSでリメイクされた。[[詳細は別項を参照>ドラゴンクエストVI 幻の大地 (DS)]]。 //全体的なグラフィックの向上などがなされたが、結局多くの説明不足・未解明だった部分はそのまま、ミレーユについても未補完、意味のない追加要素の一方で仲間モンスターがイベントで仲間になるスライムだけになってしまうなどの劣化要素もあり、劣化移植として旧作ファンから批判されている。 //批判点に関しては当該記事の方で述べられてるのでこちらで書く必要ない。 --2015年6月11日には上記DS版をベースにした内容のスマートフォン(iOS・Android)版も配信されている(こちらもDS版の項目を参照)。 ---- **余談 -Yahoo!ゲーム、DQMVBコンテンツ内での「一番思い入れのある(ナンバリング限定)主人公は?」の2010年8月から9月に行われたアンケートでは、全9作中、『VI』の主人公はビリから2番目だった。さらに同日行われた「お気に入りの(ナンバリング限定でIXとDQMB出場のみ)大魔王は?」のアンケートでは全9作品中、意外な事に『VI』の裏ボスが第3位、本来のラスボスはビリから4番目という結果に終わっている。 -『IV』『V』が一般ファンからの人気が高いキャラを輩出していったのに対し、本作はメインキャラや敵・モブキャラに2chなど一部界隈で人気を持つキャラクターが多い。 --ハッサンの風貌とその強さ、期待を大きく裏切る弱さから「ドランゴ引換券」とあだ名をつけられたテリー、地底魔城のストーンビースト、裏ダンジョンのデススタッフ、しあわせの国のジャミラス、某農夫の「おりゃ クワこうげき!カマこうげき!!」、海底の宝物庫のキラーマジンガなど。特にキラーマジンガは未だに根強い人気を誇る。 -便利ボタンと会話記憶のボタン配置が本作のみ他作品とは異なっている。 --便利ボタンは『V』から導入された人との会話や宝箱や足下を調べることが1回のボタンで行えるボタン、会話記憶は前述の通り今作で導入された人の会話を心に刻み込んで見直せるメモのようなシステムである。 --だが、本作の便利ボタンはYボタン、会話記憶のボタンはXボタンとなっており、特に便利ボタンは同じSFCの『V』『I・II』ではXボタンだったため、過去作の感覚で便利ボタンを使おうとしてXボタンを押してしまい特に意味のない会話を記憶してしまうということも頻発する。 ---今作をベースに作られたリメイクの『III』では便利ボタンがXに戻り、会話記憶もYボタンに変更された(つまり本作とは配置が逆になった)。また、以降のシリーズはPS作品だとXボタンの場所にあたる△ボタンやDS以降の作品だとAボタンであったりするが、便利ボタンがYボタンに割り振られた作品は今作のみである。 //問題点の項目から移動。 -四魔王の最後の一人デュラン(前座も含む)に敗北すると、伝説の武具を全て奪われるという、ドラクエには珍しいとんでもないペナルティがある。再戦して勝てば戻っては来るのだが、すぐに再戦する場合、当然他の装備品は伝説の武具に劣るわけで((伝説の武具より性能が高い「メタル装備」は、この段階では盾しか手に入らない。その盾の入手条件もこの段階では非常に厳しい))、更なる苦戦は必至となる。 //DS版は未確認ですのでどなたか確認願います //DS版では奪われなくなった -物議を醸したゲーム批評の堀井氏のコメント --ゲーム批評にて、マスタードラゴン=バーバラを仄めかす等、賛否ある設定について言及、「バーバラがマスタードラゴン(笑)という話もあるんですよね。そこまでいっちゃうと逆にちんけになるような気がして、あえて言ってないんですよ。」…と答えている。 --他にも、ミレーユが実体化していた件等も答えているが、ドラクエⅥそのものが説明不足なのは意図的なものとしている。 ---当時の堀井雄二氏は割と物議を醸す事を言って面白がる所が多々あったので、これもその一つかと。 ---- //タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。) //ドラゴンクエストシリーズ,SFC,スーパーファミコン,スクウェア・エニックス
//要強化依頼期限を過ぎたため、判定を良作+劣化へと変更。18/12/12 *ドラゴンクエストVI 幻の大地 【どらごんくえすとしっくす まぼろしのだいち】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000UTH1XK,image=https://www.nintendo.co.jp/ds/software/yvij/package.jpg,width=160)&br;&amazon(B004EWF0FK,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/91vNjkN%2B3zL.SL160.jpg)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|1024MbitDSカード|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|アルテピアッツァ|~| |発売日|2010年1月28日|~| |定価|5,695円(税別)|~| |廉価版|アルティメットヒッツ&br;2011年2月3日/2,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~| |ポイント|''仲間モンスターシステム削除''&br;代替であるスライム仲間システムが更に微妙&br;SFC版の欠点が未改善なままの部分が多い&br要所要所で使い回し&手抜きが目立つ&br追加の会話システムは好評|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ]]''| //企業問題判定は撤廃されるので、判定もそれに伴って。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 SFCソフト『[[ドラゴンクエストVI>ドラゴンクエストVI 幻の大地]]』のリメイク作品。~ 原作は奥深いゲームシステム、シリーズトップクラスの自由度が好評を博していた反面、特技のバランスや伏線未回収のシナリオで批判されていた。 また同じ天空シリーズである『[[IV>ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』は(『[[VII>ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち]]』発売後)PSで、『[[V>ドラゴンクエストV 天空の花嫁]]』は(『[[VIII>ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君]]』発売前)PS2でリメイクされどちらも好評を得たものの、『VI』だけはリメイクされなかった為、その頃からもリメイクを求めるファンの声も多かった((余談だが、『VI』のリメイクがなかったため、公式設定であるのに6が天空シリーズであることを知らないドラクエファンも多かった。))。 そしてDSでの天空シリーズのリメイクがのちに正式に発表、ついに『VI』もリメイクされることになった。~ SFC版発売の1995年から実に15年の時を経てリメイク、当然のことながらファンの期待も大きかった作品だったが……。 ---- **問題点 ***仲間モンスターシステムの廃止・代替のスライムスカウトが中途半端 -最も目を引く問題点として挙げられるのが、''モンスターを戦闘で仲間にできるシステムが廃止されたこと''。リメイク『VI』における最大の問題点とされることが多い。 --代わりに世界各地にいるNPCスライムをスカウトして仲間にする。仲間になる条件はそれぞれのスライムで違い、すれちがい通信数やクリア後など条件を満たさないと仲間にならないスライムもいる。 --そもそも元のシステムも、堀井氏のコメントの通り中途半端なシステムであった事は確かである([[SFC版の記事>ドラゴンクエストVI 幻の大地]]を参照)。思い切って廃し、代替システムを取り入れるというのは、決して間違った方向性ではなかっただろう。''後述の問題さえなければ。'' //-しかし、SFC版でもいまいち使い出の無い職業「魔物使い」を連れていなければモンスターが仲間にならない、しかも強いモンスターは職業熟練度が足りないと仲間にならない、転職出来るのは中盤から、という微妙な仕様。転職を繰り返すシステムにおいて、高熟練度の魔物使いを連れていなければならないというのは育成における大きな負担であり、このシステムをほとんど利用しないプレイヤーも多い。堀井氏のコメントの通り中途半端なシステムであった事は確かであり、このシステムを廃し、新しい代替システムを取り入れる……というのは、決して間違った方向性ではなかっただろう。''後述の問題さえなければ。'' -問題は、代替システムとして搭載された''スライムスカウトシステムが元に比べ明らかに劣っている''という事。 --SFC版で仲間にできたモンスターは、イベントで仲間になる2匹を除けば18種類((ただし、セーブデータの制限で実際に仲間にできるのはそのうち15匹。))だが、DS版で仲間に出来るスライムは、SFC版でもイベントで仲間になった1匹を除くと7匹なので、約半分。 ---しかもそのうち3匹はすれちがい通信前提で、すれちがいをしない場合はクリア後にやっと仲間に出来るという有様。しかも発売当時から同シリーズ『IX』というすれちがい通信のライバルが存在したため、都会でも通信数を稼ぐことが難しかった。 ---特にSFC版の有用な仲間モンスターが削られたのは大きい。AIに任せると2回行動ができ壁役としても優秀な「キラーマシン2」や、ダントツの能力を誇るクリア後限定モンスターの「ランプのまおう」の特性を持つ仲間スライムは存在しない。 --また同一モンスターの複数加入も不可能となった為、''SFC版に比べ戦術の幅が確実に狭まっている''。 ---SFC版と違い、1人ずつ作戦が設定できるようにはなっているので、複数加入さえ可能なら逆に戦術の幅が広がるはずだったのだが…。 --スライムの加入時期や種類に合わせて店の品揃えが調整されているわけでもなく、「場違いに弱い装備品」「今更なタイミングで入手する武具」が多くなっている。スライム系が装備できる装備品はピエール(スライムナイト)以外ほぼ共通のためバリエーションも乏しい。 --スライムが仲間になる時期も全体的に遅く、困難なすれちがい通信の条件を満たさないとクリア後になってしまう者はもとより、そうでないものもSFC版に比べて今更感が漂う時期にようやく加入する。 ---SFC版ならば魔物使いに転職できるようになった直後に(魔物使いの熟練度さえ上げれば)スライム、ホイミスライム、キングスライム((エンカウントエリアはみ出しを利用する必要あり。))まで仲間にすることができる。つまりスライムの中ではスライムナイト、はぐれメタル以外は全て、序盤から連れまわせる。 ---しかしDS版では、スライムのうち最も早く仲間になるのはピエールだが、それでもホルストックのイベントをクリアしてから。もうこの頃になると人間キャラには基本職を1つマスターしている者がいてもおかしくない時期であり、確実に育成レベルに差が開く。もちろん、最初からいくつかの職を経験しているなんて事は無く、完全無職で仲間になる。 ---ピエールはこれでもまだ職1つ分の差で済むし、ストーリーを普通に進めていても出会う可能性の高い場所にいて、そもそもSFC版と比べて唯一人、加入時期が早くなっているスライムであるためマシな方。他のスライムは「空飛ぶのベッド入手後、武器屋の裏」「ベストドレッサーコンテストランク7優勝後」「魔法のじゅうたん入手後、グレイス城横」など、ゲーム後半になる者が多く、よほどのキャラ愛がなければ「今さらそんな時期にゼロからキャラを育てるか?」と言う根本的な問題になってしまう。 ---特に、最も簡単に・最初期に仲間になり、愛好者も多かったであろう「(ただの)スライム」はSFC版でも仲間になった「ルーキー」が担当しているのだが、仲間になる条件は「スライム格闘場を全ランク制覇」で変わっていない。単純な時期の遅さもだが、「ただのスライムでスライム格闘場を制覇する」と言う挑戦がシステム上できなくなってしまっている((スライム格闘場オーナーのスラッジ自身が「一番弱いと言われるスライムで優勝する事に意味がある!」などと力説しているのに、である))。&br()一応、「かがやくいき」習得イベントもそのままなので、仲間になる時期の遅さに反して戦力化は比較的容易な方だという救いはあるが…。 --まとめると、''中途半端なシステムを削除したはいいが、代わりにいれたシステムがもっと中途半端だった''というのが、劣化リメイクと呼ばれる要因であろう。仲間モンスターシステムが削除されても、代替となるシステムがしっかりしていればここまでの批難はなかったと思われる。 ---仲間モンスターシステムそのものを撤廃せず中途半端にスライム系だけが残されているのは、「『VI』にはスライム格闘場があり、流石にこの施設の存在まで削除は出来ないから」と思われる。 ---ただし欠点ばかりというわけでもなく、仲間になる場所と条件を把握しておけば特定のタイミングで必ず仲間にできる事から「魔物使いを連れていても強いスライムがいっこうに仲間にならず、スライム闘技場がクリアできない」という不満は解消されている。&br() また、ガンガン漫画版ではレギュラーキャラとして仲間だったのに原作ゲームでは仲間にならなかった「ぶちスライム」を始めとして、SFC版では仲間にできなかったスライムも仲間にできるようになっており、スライムに限れば種類は増えている。 ---SFC版では仲間にするのが非常に難しかったはぐれメタルを確実に仲間にできるというのも嬉しい。先述のすれちがい通信枠ではあるが。 -モンスターを仲間にするのに必要だった職業「魔物使い」は、上記変更に伴い勧誘能力を失った「魔物マスター」に変更されたが、存在意義がとても薄くなっている。 --職業特性は戦闘開始時にたまに「敵1体を眠らせる」「自分より弱い敵を1体立ち去らせる」といった独自のものに変更されているのだが、成功してもメリットが薄い上にそもそも発動確率が低く、戦略に組み込める程のものではない。 ---眠らせる確率は最終的に1/4まで上がるものの、眠り耐性を持っている敵には通用しない。メタル系には効くものの、立ち去らせる能力も併発することがある、と非常に使いどころに困る能力である。 --他の点は全く変化しておらず、ステータス補正はプラスがなくマイナスばかり。習得特技は役に立つがそこまで欲しいものでもない、なれる上級職は原作からして不遇なレンジャーしかなく、その土台としてしか機能していない……と、デメリットばかりが目立つ職業になってしまった。 ---ただし、仕様変更により覚える特技の有用性自体は上がっている。例として「かえんのいき」は敵のHPが全般的に下がったため中盤でも使っていくことができ、「やけつくいき」も敵版と同仕様になったため使いやすくなっている。上級職のレンジャーについても、後述のように「しのびあし」の弱体化により、即習得できる「トヘロス」や職業特性の逃げやすさが相対的に生きてきている。ただし魔物マスター自体のメリットがほぼ無いため速攻でマスターしたい「通過点」であることに変わりはないのだが。 --元よりモンスターを仲間にできるという点こそが最重要だった筈の職業なので、それがなくなった影響は非常に大きい。代わりに別の職業を入れる、強化を加える、いっそ存在ごと抹消する、などやり方はあったはずで処置に対する手抜き感が目立つ。 ***システム面の問題点 -[[SFC版>ドラゴンクエストVI 幻の大地#id_2c10b749]]で大きく批判された「特技優遇」や「バランスブレイカーな呪文・特技」の問題はそのまま。攻撃呪文の価値も暴落したままである。詳しくはSFC版の記事を参照。 --たとえば、武闘家とその特技である「せいけんづき」や「ばくれつけん」などはMP消費無しで高性能であるため、バランスブレイカーと批判する声があるのは相変わらず。魔法使いの「メラミ」即習得も変わっていない。 ---『V』とは違い、「山彦の帽子」が削除されなかったのは不幸中の幸い。最終盤以降になるが、終盤でも呪文の見せ場はある。 --「かしこさ」も相変わらず死に数値。SFC版の説明書の記述通り、呪文の威力補正値となっていればまだ良かったものを…。 --職業選択や戦術選択は自由であるため問題ではないとする声もあるが、「妥当なバランスにするために制限プレイをしなければならない」という状態になってしまっている点は擁護できない。 -SFC版で問題となっていたテリーの弱さについて対策を入れたものの、''メーカー側の致命的な誤解''により未解決のまま。 --かつて「ドランゴ引換券」などと呼ばれていた弱キャラのテリーは、加入時のレベルがSFC時代の23から28に上がり、かつ武闘家がマスター済みになったので、初期ステータスだけ見れば多少強くなり、便利かつ強力な武闘家の特技が使える為、そのまま即戦力として投入できなくもないレベルになっている。 //SFC版のテリーは武闘家をマスターしなくてもバトルマスターに戻れた。転職したら戻れなくなるというのはデマ。 --だが、ステータステーブル自体はSFCと同一のため、高レベルになるとやはり他のキャラに比べてテリーの力不足が目立つ。元々、テリーの最大の欠点は''最終ステータスの低さ''であり、単に''加入時の初期値が上がっただけ''では何の解決にもなっていない。 ---さらに、初期レベルが底上げされたことで余計に他キャラとのステータス差が目立ってしまうことに。 --テリーについて堀井氏は「はい、強くなります。期待してください」と語っていたが、上記の有様であるため''「何故弱キャラ扱いされているのかを分かってない」''と批判の対象になっている。 --また、テリー以外のキャラの基礎ステータス・成長率はほとんど変更されていない。原作でテリーはおろか仲間キャラでもトップレベルの性能を持つドランゴの強さもそのまま据え置き。それどころか後述する耐性変更のせいで、''底上げされたはずのテリー以上にドランゴが強くなっている''。このため、むしろ格差がさらに広がった。 --「AI任せにしておくと、剣士であるはずのテリーが仲間になった直後から武闘家の技ばかり使う」というのも新たに生まれてしまったネタ要素。性能的にはSFC時代より強力にはなっているのだが、それまでのストーリー上で培ったテリーのイメージからはややかけ離れてしまっている。戦士やバトルマスターの立場とは一体……。 --相対的に見るとさらに不遇になってしまってはいるが、仲間モンスターシステムが消去されたことで馬車の枠が空いたために入れやすくなり、皮肉にも使用率自体は上がった。 -キャラクターの持つ攻撃への耐性の仕様変化。 --人間キャラの耐性はほとんどが削除され、仲間スライムやドランゴなどモンスターキャラの耐性は敵として登場した時と同様になっている。 --特にドランゴは敵バトルレックスに合わせて耐性が大幅にパワーアップ((「状態異常に強耐性」から、「バギ・真空系無効」「ギラ・イオ・炎系に強耐性」「ほとんどの状態異常が強耐性~無効」))。''元からバランスブレイカー級に強かったのに更に強化される''という事態になってしまった。加えてライバルとなる仲間モンスターの減少により、本作ではドランゴが味方の中でほぼ最強に近い立場となっている。結果、通常プレイにおいてもドランゴをパーティに加えるだけでSFC版以上に圧倒的に冒険が楽になる。 ---SFC版と比較した時の欠点として「デイン系の弱耐性が削除され無耐性に」「ドラゴンぎりで1.5倍ダメージ」ともなってしまったが、ドランゴは元々守備やHPが非常に高いので大した問題にならない。これらの呪文や特技を使う相手はあまり多くないのも大きい。警戒が必要なのは、バイキルトを唱えた裏ボスのドラゴンぎりくらいである。もっとも今回は裏ボスのグランドクロスをも完全無効化できるようになったので差し引きゼロと言ったところではある。 ---仲間スライムたちもピエール(スライムナイト)やキングス(キングスライム)は強力な耐性を有している一方、原作から価値が低かったルーキー(スライム)やぶちすけ(ぶちスライム)は元が元なのでまともな耐性を得られていない。仲間スライムの装備品はピエール以外全員が共通しているので差を見い出せず、序盤の即戦力になるわけでもないので格差が目立つ。 --SFC版では人間キャラでも「バーバラは一部攻撃呪文に弱耐性」「テリーはやや回避率が高い」などの特性があったが、それらは「主人公とバーバラのバシルーラ無効((バシルーラは仲間キャラをルイーダの酒場に送る性能を持つ。この2人はルイーダの酒場に預けられないために残されたものと思われる。))」以外すべてが削除された。バランスに悪影響を与えるほどでもなかった上、キャラごとの個性が薄くなりがちな本作ではさりげない個性として機能していたため、わざわざ削除する必要性はなく、批判が多い。 ---特にミレーユは「絶対に混乱しない」というシリーズでも珍しい特徴を持っていたが、普通に混乱するようになってしまった。戦闘面はもちろん、ミレーユのキャラクター性すら壊したという批判が強く、SFC版経験者なら誰もが戸惑うはず。~ しかも、メダパニダンスで全体混乱を仕掛けてくるボスと2回戦うことになるのだが、行動パターンに調整は入っていない。1体目は「普段は打撃を担当する主人公とハッサンが混乱に翻弄される中、ミレーユをどう立ち回らせるか」が戦略の鍵だったのに運ゲーとなり、転職可能後に戦える2体目もわざわざ踊り子に就いておどりふうじを覚えないとこれまた運ゲーになる。ミレーユの耐性を前提に作られたボスなのにこのとおりのため、手抜きがひどい。一応、メダパニの成功率が下がっているのが救いか。 //((ミレーユ加入場所で入手できる「ほしのかけら」という装飾品に、オリジナルにはない混乱無効化の隠し効果が付与されたが、ほしのかけらの装備品としての効果は戦闘に影響しないかっこよさ上昇しか無いので、その隠し効果に気付かなくてどのキャラにも装備させていない可能性がある)) //DS版でもほしのかけらに混乱無効効果はないです。検証済み。 ---テリーはパラメータの低さを優れた回避能力で補えていたが、低い能力値を据え置きのまま回避力まで剥奪されたことにより、正真正銘の「引換券」と化している。そして何故か彼のみモンスターのように、敵として対峙した時に持っていた耐性(デイン系無効)が引き継がれていない。そこまでして人間側の耐性を付けたくなかったのだろうか。 --結果、''もともと強いキャラはさらに強く、弱いキャラはさらに弱く''という、バランス調整に於いて最悪の事態となってしまった。 -レベルアップ時のステータス上昇がランダムになった。オリジナルではレベルアップ時の上昇値は固定されていた。 --やり込み派のプレイヤーにとっては、吟味に膨大な時間がかかるので、レベルアップ時のステータス上昇のランダム化は評判が悪い。 --しかも、SFC版の上昇値が標準値となってはいるが、平均以下に傾くことの方が多い。そのため、見た目の上昇値のバラつきの範囲以上に吟味は難しく、SFC版以上に成長させるだけでもかなりの吟味を必要とする。 ---「標準値±25%幅でレベルアップの上昇値が変化。小数点切捨て」はランダム式の他のドラクエ作品と同じ。しかし、DS版4とDS版5では「標準値+25%幅」というシステムであったのだが、本作には採用されなかった。 //--一応、上昇値の下限が標準値となっている((PS2版『5』のように悪い方向へ傾くことが無い。))ためにランダム幅は狭くなり、[[PS版『IV』>ドラゴンクエストIV 導かれし者たち (PS)]]や[[PS2版『V』>ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (PS2)]]よりは吟味はやや楽である。 //↑DS版でのランダム上昇範囲と、SFC版のレベル別成長値を掲載している攻略サイトを見比べて判明した点を追記。元の文と反する内容であるためコメントアウト。 -SFC版では呪文と特技のコマンドが別々だったが、今回はシステムがDS版の『IV』・『[[V>ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (DS)]]』と同様になった影響で呪文と特技が1つのコマンドに集約されたため、元々特技の種類がかなり多かった本作においては、特技を選ぶのが非常に面倒になってしまった。 --『VII』はオリジナル・リメイク共に呪文や特技を選ぶと「ダメージ」「回復」「その他」と分類が表示され、さらにそこから選ぶという膨大な数に合わせた処置がされており、これを採用してほしかったという声も多い。 -使いづらい特技が増えた。 --''マダンテが大幅に弱体化''(ダメージがSFC版の「現在MP×3」から「現在MP×2」に変更)。((PS/DS版の『IV』でもマダンテは存在したが、そちらは「現在MP×3」のままだった。)) ---本作はSFC版の難易度が高かったという意見から雑魚のHPがSFC版の8割に減少しているのだが、歯ごたえは残すためにボスのHPだけは据え置きという処置が取られている。にも関わらず終盤のボス戦における切り札の1つのマダンテが弱体化することは難易度アップに繋がる。 ---唯一無二の特徴ですらあったマダンテの弱体化と前述の耐性消去を受け、「パーティーから外せない」という重荷を背負っていたバーバラは更に使いにくくなってしまった。 //---過去作ではマダンテが強すぎるため習得したら「それさえ使っておけば楽勝」という批判もあったので、これは一論あり。 //レベル40のバーバラを賢者に転職させてもMP260ぐらい。これでMP×3のダメージでも800ぐらい。終盤のボスがHP3000とかある事を考えるとマダンテを使えば楽勝はあり得ない。 --- //何がしたいのかよく分からない。←雑魚を弱く、ボスを変えないバランス調整方針は特におかしくはない。←ボスを変えない、ではなくボスの難易度は上がっている。 --「レミラーマ」はアイテムのある場所を光らせる呪文だが、本作では足元に落ちているアイテムは最初から光っているため、存在意義がほとんどなくなってしまった。 ---元からタルやツボ、タンスはしらみつぶしに調べればよかったため、足元のアイテム以外に使う必要がほとんどなかった。 --特技「しのびあし」はSFC版では「エンカウント率が大幅に下がる」と非常に役に立つものだったが、DS版ではエンカウント率減少効果がかなり薄くなり、さらに「不意打ちされる確率が上昇する」というデメリットが追加され、有用だったSFC版とは真逆に''使うと逆に不利になる''ことが多い地雷特技となった。 ---そもそも「不意打ちされる確率が上昇する」というデメリットはSFC版には存在しなかった上に、DS版のゲーム中で一切説明されておらず、公式ガイドブックでのみ解説されているという非常にいやらしい仕様である。 ---さらに嫌らしいことに、「しのびあし」の効果中は敵を呼び寄せる特技「くちぶえ」を使った際にもこの不意打ち上昇は適用される上、リストではこの2つがすぐ近くに並んでいるため、くちぶえを使いたい時に操作ミスでうっかり使ってしまうことにもなりやすい。そのため、くちぶえ要員にするキャラクターは盗賊への転職を避けるという戦略もある。 ---一方で「しのびあし」の大幅弱体化により、SFC版では影に隠れていたエンカウント回避の呪文「トヘロス」や、「レンジャー」の職業特性である「逃走率上昇」の利用価値が相対的に上がっている。 //トヘロスと忍び足はまったく別の効果 -SFC時代と違いカーソル位置の記憶が消失した。これによりレベル上げや種集めのストレスが増した。 --DSリメイクシリーズ共通の仕様だが、この時代のRPGでカーソル記憶が未実装な作品など皆無に等しく、明らかに開発元の実力不足。 -DSリメイクに共通の難点だが、マップを3D化した副作用として世界が狭くなっている。本作では特に「○○の方角へたくさん歩く」とか「遠い」といった表現がよく見られるので、実際の体感距離とヒントが乖離してしまっている。逆に言えばテンポの改善につながっていたりもするのだが。 -エンカウント関係の調整も一部ミスとしか思えない箇所がある。 --現実世界のレイドックの井戸は序盤に訪れた時はエンカウントが発生せず、物語後半に違う手段で別の入り口から乗り込んではじめてエンカウントが発生する仕様になっていたが、本作では''最初からエンカウントが発生するようになってしまった''。 --何が問題なのかと言うと、出現する敵がかなり後半の適正レベルでも苦戦するモンスターばかりであり、初回で訪れる序盤で出逢おうものなら成す術も無く全滅しかねないのである。この井戸が序盤の地雷ポイントと化したのは言うまでもない。そして強力な敵が出現するということはまた後で訪れるだろうと予測がついてしまい、初見での感動が薄れる。 -追加おまけ要素でやらなくていい一度きり要素。 --後述のデスコッドの村のイベントで選択肢が一度選ぶと変更不可なので、せっかくの「他作品とのクロスオーバー」という豪華なおまけが片方しか見れないor両方とも見れない場合がある。 ---SFC版にもエンデの防具で「鎧・兜・盾のうちどれか一つだけ手に入る」というような変更不可選択はあったが、あちらはゲームバランスの都合全部やるわけにはいかないと分かるのに対し、こちらはクリア後のおまけにもかかわらずなので、無理やり周回プレイを強いているのでは? と言わざるを得ない。 -隠しエンディングの演出の劣化 --隠しボスに倒されたラスボスのセリフの第一声が何故か通常EDのものと同じになってしまっている。そのイベント独自のセリフがなくなり演出が薄れた。 --SFC版では隠しボスに倒された際は「何故だ、いったいどういうわけなんだ…」と通常EDとは違うセリフであり、訳の分からないまま滅ぼされる様を表現していた。 -ムドーの城で、ムドー戦で一度全滅しても入り口の扉が開錠されなくなり、二度目の突入以降もムドーを倒すか全滅するまで脱出できなくなった。 --オリジナル版経験者ほど陥りがちな罠であり、一度全滅して入り口の扉を開錠してから城を探索しようとすると、探索後に脱出不可能であることに気付き、泣く泣く二度目の全滅をせざるを得なくなるという状況になりがちである。 -ムドーの城の牢屋の中にいる魔物のセリフが変更された。 --SFC版では「大魔王(ラスボス)より恐ろしい存在を知ってしまったので捕らえられている」という、隠しボスの存在を匂わせる好演出だったのだが、その「大魔王」が「魔王ムドー」に差し替えられている。 ---この話を聞くには牢屋を開ける鍵が必要であり、そこまでストーリーを進めたのであればムドーよりも強大な敵が存在するというのは周知の事実である。なぜこんな今更の情報に差し替えられてしまったのだろうか? ---- **賛否両論点 -カジノのゲームがDS版『V』の様式に変更された(詳しくは後述)。 -グラフィックの一部にDS版DQ『IV』・『V』のものを流用しているため、手抜きと評価する人もいる。 --カジノのスロットなどはよく引き合いに出される。SFC版のスロットはリーチ演出などがあったため、劣化していると見なされやすい。 ---もっとも『5』のスロットは賭金次第で当たりの判定ラインが増加する上、役も細かく設定され配当も多かったが、SFC版『6』は当たりの判定ラインが横一列のみで大当たりも出にくい仕様であり、おまけにリーチアクションも逆に当たりにくくなる場合が多々あったため、仕様の変更を歓迎するプレイヤーも多い。 --「メダル王の城」のマップはDS版『V』のものを使いまわしている(SFC版ではもちろん違うマップ)。 --『IV』と『V』は初のリメイクではなく、『V』に至っては前回のPS2版からわずか4年しか経っておらず、最初から使いまわすために天空3部作のリメイクとして企画した可能性が高い。 //デボラ関連はDS版Vの項目に移行 -雑魚モンスターのHPもSFC版から2割ほど減少。メタル系以外の雑魚モンスターからの入手Expとゴールドも2割増になり、稼ぎの点でも難易度低下と言える。 --原作では得られるゴールドが物価の割に少なかったため、単純に遊びやすくもなっている。 --HPの低下で海底宝物庫のキラーマジンガも倒しやすくなったと言われることもあるが、元々耐久力よりも圧倒的な攻撃力が恐ろしいモンスターなので体感的な強さはほとんど変わっていない。それどころか、マダンテ弱体化で相対的に強化されたとも((マダンテでキラーマジンガを倒すために必要なMPはSFC版で200、DS版では240。))。 ---また、原作ではザコ敵のかなり高いHPを特技の強さで中和していたが、これによってさらに難易度が低下したとも言える。 --一方で、熟練度限界レベルに達しやすくなり、レベルアップでの成長が控え目になっていたり、敵の出現数が増えていたり、一部の敵の行動パターンには大幅な変更が入っていたりと難易度が高くなったと言える要素もある。 ---特にラスボスはゲームの難易度低下に反して明らかに強化されている。元々シリーズでもトップクラスに入る苦戦度のラスボスであっただけに、強化する必要性があったとは考えにくい。 -おぼえる・思い出す系呪文の廃止。 --SFC版では町の人の台詞を心に刻み込んで任意に思い出すことができ、マップの解き方などの攻略情報を覚えて活用することができたり、「にゃーん」など意味のない台詞を覚えて遊ぶこともできた。 --DS版ではこれが廃止されたため、台詞を覚えることはできない。イベントや複雑なマップで活用していた場面では、前述の仲間会話の一部で聞けるヒントとして置き換えられている。 --この系統の特技は『6』から導入されたものであり、そのため大きな特徴でもあった。なので、削除されたことに対する批判もある。 ---ただし、これはまだ会話システムが導入されていない時だったからこそ役立てるものだったので、覚えておくべきことを仲間が教えてくれる会話システムが導入されたからには不要と判断されても仕方のないところではある。 -DS版追加要素の見返りが皆無で、育成観点ではやる意味なし --ミニゲームの「スライムカーリング」とすれちがい通信を活用する「夢告白」が追加された。 --すれちがい機能を既存の施設に加えたDS版『IV』『V』と異なり、一からすれちがい要素が加えられているのでそのためだけの施設が作られている。ただし、夢告白の方はお世辞にも楽しいとは言えないものだった。前述の通り、『IX』のすれちがい通信に押されていたのも痛い。 ---世界各地の本棚から夢告白の舞台を集めるという要素はあるが、全部集めてもメリットは無い。なので一人でも楽しめないデメリットは大きい。これはDS版『IV』『V』や後発の3DS版『VII』とは決定的に異なる点である。 --また、スライムカーリングの方はDS版『V』のミニゲーム「スライムタッチ」とは異なり「クリアしても一切メリット(賞品がもらえるなど)は無し」である。 --この追加要素は「見返り」に関する問題や前述の仲間モンスターの削除にショックを受けたユーザーが多かったのもあり、批判的に見られやすく風当りが強かった。 -シナリオの追加要素がない。 --SFC版では、未回収の伏線らしき描写が他作品以上に散見されていたり、救済してほしいという要望が多くのプレイヤーから寄せられたキャラが存在した。これらに対する追加要素を期待されたものの、そういったものは一切存在しない。 ---仲間会話システムによって多少のフォロー((例えばミレーユとテリーの過去について、とある町でわずかに2人のリアクションが見れるなど。))はあるが、伏線補完の手助けになるほどのものではなかった。 --オリジナルで引っ掛けとなったアモス加入関連のイベントについても、イベントに失敗すると取り返しが付かない点はそのまま変更無し。 ---ただし、オリジナル版で街の人達と会話する前に直接アモスと話してしまって取り返しの付かないことになってしまったプレイヤーもそこそこ居たためか、リメイク版では街の人々だけでなく仲間との会話でも口止めされるようになった。 -主人公がいないと会話システムが使えない。 --適度に強い主人公を二軍送りにするプレイヤーはそれほどいないと思うが、戦闘中少しでも行動を入力する手間を省く為にAIが使える仲間オンリーのパーティにしたり、主人公が弱い職に就いていて馬車に待機してもらう必要がある場合は注意。 ---- **評価点 -仲間会話システムが導入された。 --SFC版ではパーティー編成の仕様の関係上中盤以降イベントに各キャラが絡むことがほとんど無くなり、冒険が味気なくなりがちだったが、今作では各種会話やアイテム入手などに逐一反応してくれるため、そういった点が大幅に解消された。整合性の取れないセリフも一部あるものの、この追加要素はおおむね好評。 --SFCでは地味な扱いだったアモスも「誠実だが冗談ばかり言っていてすぐ調子にのる面白いおっさん」というやたら濃い個性がついた。特にアークボルト城では青い剣士ことテリーに対抗して兵士長のブラストに一騎討ちを挑みたがり、実際に一騎討ち状態にして勝利すると固有のセリフが聞けるなど、(会話システムを利用した擬似的なものであるが)新規イベントが用意された。さらにSFC版ではモブ兵士と同一であったグラフィックも固有のものとなった(というより汎用兵士のグラフィックが変わったため、SFC版の兵士だったグラフィックがアモス固有になった)。 --バーバラは漫画版を意識してか主人公に対し気がある事を窺わせるセリフを連発する様になった事で一部のファンから絶大な支持を獲得している。中にはイベントで一時離脱する時以外ずっと彼女をスタメンに入れている猛者もおり、マダンテのリスク軽減のためにMPを消費しない攻撃特技を習得でき、HPの低さも補えるパラディンやドラゴンを推奨とするなど運用法まで確立されている。 --テリーも基本的にはクールな態度だが、スライム格闘場などのモンスターが絡む場所に連れていくとモンスターの目利きが優れていたり試合を熱心に見るという、『[[テリーのワンダーランド>ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド]]』を意識した会話がある。 --そのドランゴは、強面の見た目に反して可愛らしい言動や、テリーに対してのおしとやかな接し方から''屈指の萌えキャラ化''。発売早々に2chではスレが立ち、「可哀想だから」という理由で会話要員としてテリーをメンバー入りさせる人が続出した。 ---ただし人間キャラ並みにセリフの多いドランゴと比べ、スライム系モンスターの会話は町とフィールド&ダンジョンで各4種類程度ずつの汎用セリフのみとやや少な目になっている。それでもPS2&DS版『V』の仲間モンスターよりはパターンは多いが。 ---一応仲間スライムの中でルーキーだけは個別セリフがあるのだが、その全てが「プリッ」「プルプルッ」などの謎言語となっているためあまり意味はない。 -テリーとドランゴの対決時など、イベント時の演出が強化され迫力が増した。 -戦闘のテンポがよくなった。 --オリジナルで初搭載された「モンスターが動く」は、戦闘のテンポが悪くなったと感じる人もいたようだが、本作ではDS版の4や5と同じ仕様となっていて戦闘テンポがよい。 -隠しダンジョンの解禁条件が変更。 --SFCでは全職業(ドラゴン及びはぐれメタル含む)を☆5以上にする計画性と労力が必要なもので、理論上は不可能になる詰みもあったが、今作では1度でもエンディングを迎えた後であれば無条件で行けるようになった。 --代わりに、全職業を☆5にした場合はエンカウント率が0になる装飾品「ゴスペルリング」が貰えるようになった。 -隠しEDの仕様が改善された。 --隠しED後にセーブできるようになった。SFC版ではセーブできなかったので、規定ターン以内に倒して隠しEDになってしまうと隠しボスのドロップアイテムを手に入れても無意味に終わってしまったが、その心配はなくなった。 ---ただし、長いEDを最後まで見届ける必要があるのでドロップアイテム狙いならば結局ターン数を調整して倒した方が早い。 -モンスターのグラフィック変更。 --隠しボス「ダークドレアム」のグラフィックが専用のものに。SFC版では単なるデュランやサタンジェネラルの色違いだった。 --敵としてのテリーやモシャスで敵が変身した姿はSFC版だとドット絵を拡大したものであったが、今作では味方キャラの敵グラフィックが用意され、アニメーションもするようになっている。 //--ズイカク&ショウカクなども変更された。 //---特にズイカク&ショウカクはSFCではまんま雑魚モンスターと同色だったのが、今作ではちゃんと雑魚とは色が変わっている。 //ズイカクとショウカクはSFC版でも雑魚とは違う固有のカラーです。 --デスタムーアの最終形態の変身方法も変更、漫画版を彷彿させる登場の仕方で漫画版ファンを湧かせた。 -AIが道具を使ってくれるようになった。 --SFC版では作戦「めいれいさせろ」で指示しない限りAIは一切道具を使ってくれなかったが、今作では無くならないアイテムは積極的に使ってくれる。「ゲントのつえ」「ほのおのつめ」などでその恩恵を味わうことが出来るだろう。 -代替システムは微妙とはいえ、SFC版では仲間にできなかったぶちスライムが仲間にできるのは漫画版ファンには嬉しい所。名前を漫画版と同じ「キズブチ」に変えたと言う人も結構いたようだ。 -上下夫々の世界の行き来が楽になった。 --とあるイベントをこなす事で、ルーラの行き先に「べっせかいへ」という項目が追加され、選択すると各々の世界のダーマの神殿に行けるようになった。原作では井戸や階段、大穴等を経ないと別の世界に行けない為、一気に手間が省くことが出来る。 -裏ダンジョンの中継地点「デスコッド」でのイベントが強化された。 --原作ではある会話後はデスコッドの住人達の大半がモンスターに変わる中、同じ天空シリーズの『IV』と『V』のキャラクターそのものと思われる言動をするモブ外見のキャラが登場していた。~ 本作では選択肢が増え、選択次第で村の住人がモンスター・『IV』キャラ・『V』キャラの3通りに変わるようになり、『IV』と『V』の場合はキャラのグラフィックそのものもちゃんと本人達の専用のものを与えられ、登場キャラ数も大幅に増えた。その選択肢の文章から、本作と其々の作品の世界観が繋がっている事も明示された。~ モンスターの場合は原作と異なり村の住人全員がモンスターとなり他作品のゲストは一切登場しなくなるが、こちらは原作で仲間になったモンスター達が登場している。 ---なお、この選択肢は一度決定すると選び直すことができないため、前述のように少々問題点となっている。 -エンディングにアモスやドランゴ、仲間にしたスライムが登場するようになった。 -随所で次に行くべき場所などを示唆する台詞が追加される、グランマーズの家で次の目的地のヒントが聞けるようになったなど、シナリオをスムーズに進めやすくなった。 -いくつかのアイテムや装備品が使いやすくなった。 --戦闘中に使うと、最初のターンに戻せるアイテム「ときのすな」が何度でも使えるようになった為、利用価値が大幅に高くなった。 --「デーモンスピア」「どくばり」の即死判定が無属性になった為、メタル狩りなどにも使えるようになった。 --「ラーのかがみ」に従来どおりモシャスの呪文を解く効果が追加され、序盤から出現するモシャス使いの敵に対処しやすくなった。 --おしゃれな鍛冶屋で鍛えた「オルゴーのよろい」のバグが修正され、トップクラスの守備力と優れた耐性を両立する強力な防具となった。 -デュランとの戦いの際に「弱っているお前たちと戦っても面白くないのでな」との台詞と共に主人公達が全快させる描写・メッセージが追加された。 --SFC版でも全快はしていたが、死者がいた場合に生き返ったメッセージが出るのみだったので死者がいないと全く描写や説明が無い状態だった。 ---- **その他 -テリーとドランゴの戦闘シーンで、ライデイン(もしくは、いなずまぎり)やイオラのようなテリーが覚えていない呪文を使っている演出がある。 --イオラに関しては漫画版におけるテリーの主要呪文なので漫画版を意識したともとれる。 --テリーが華麗に敵の攻撃を避けて戦っており、SFC版における隠し設定だった回避能力を意識し演出されたものと思われる。しかし本リメイクにおけるテリーは肝心の回避力設定が剥奪されているため、余計に説得力がなくなった。%%やっぱり八百長なんじゃないのか。%% --上記の通りテリーとドランゴのゲーム上での立ち位置は原作からほとんど変わっていないため、イベント演出が強化されたことで逆に余計にテリーがネタにされてしまうこともある。 -夢見の洞窟でミレーユが戦闘に参加してくれるようになった。ただし、正式に仲間になるまでは装備の変更不可で経験値も入らない。 -「すてみ」に先制効果が付与された。 --このおかげで中盤までハッサン無双とも言われた。ハッサンはすてみをレベルアップで覚える(大体夢の世界ムドー戦程度で覚える)ため、雑魚をすてみによる先制でバッタバッタとなぎ倒してくれる。ちなみにボス戦や終盤ではダメージ2倍のマイナス効果のためあまり使われない。 -モンスターの一枚絵が待機状態でもアニメで動くようになった。 --SFC版で待機状態のグラフィックが躍動的だったモンスターは、違和感を無くすためにグラフィックが変更されている。 -スライム闘技場でクリア済みのランクに再挑戦する際のHPとMPが半減するハンデが、最大値ごと半減するようになった。 --SFC版では単に残量が半減するだけだったので、すぐに回復呪文でHP全快になれるためほぼ意味が無かった。 --同時に、奇数の場合は切り捨てではなく切り上げに変更された上、さらに無気力状態では参加できなくなったため、ゾンビスライムバグも修正されている。 -「はぐりん」(仲間になったはぐれメタル)が最初からはぐれメタル職についている。 --耐性や覚える特技ははぐりん自身とかなり被っている上に加入直後は職補正のせいで最大HPが1になってしまっているが、はぐれメタル職マスター特典としてHP+100がある。 ---- **総評 //総評にしては文書量が多いため簡略化 あくまでも単体のゲームとしては完成されており、充分楽しめる出来にはなっている。~ 元からの難易度の低下やSFCよりも高いスペックを誇るDSならではの演出の強化等で、新規ユーザーにはそれなりの評価を得ている。~ 一部の仕様の改善や追加要素といったリメイクならではの評価点も確かに存在している。 しかし、問題に対する勘違い施策や仲間モンスターシステム削除をはじめとするSFCからの劣化、呪文と特技のバランス調整は放置、ちぐはぐかつ蛇足な追加や改変が評価点を覆ってしまい、リメイク作品としての完成度は今ひとつと言わざるを得ない。 //結論を言えば、本作の評価を大きく下げた要因は「[[余計な改変を施した上にその改変自体が中途半端だったため結果的に劣化した>テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-]]」という点が大きいだろう。~ //もともと『VI』のシステム自体は斬新かつ意欲的で、特にPT面での自由度はシリーズ中最高であったため、ゲームバランスを上手く調整すれば文句なしの名作に化けると期待されていたのだが、残念ながらそれは叶わず、逆に泥を塗ってしまった印象が強いのが惜しまれるところである。 //褒めすぎ。有能な人間キャラが多すぎるため自由度が最高とは言えず、有能でないバーバラも外せない。クリアのためにかなりの戦闘を強いられたり、特技優遇過ぎたり文句なしの名作というほどではない。 ただ、追加要素のキャラ会話、強化された演出、携帯機で遊べるといった点、何よりもオリジナルの問題点であったプレイのテンポが改善された点は大きく、前作と違い仲間モンスターシステムも使わずとも支障はない程度のものであったためSFC版より手軽に遊べるようになった本作の方を選ぶのも利点はあると言える。 ---- **余談 -とある町と人物の名前が変更された。 --2番目の町「シエーナ」が「マルシェ((フランス語のmarchéからと思われる。「市場」の意味。))」に変更。後述にもあるが、マップ自体も微妙に変わっている。 ---イタリアにある同名の町「シエーナ(Siena)」が世界遺産に指定され((偶然にも、文化遺産指定を受けたのはSFC版発売と同じ1995年12月9日。))権利関係が厳しくなったためという予想もあったが、実際には無関係。主人公の母親「シェーラ」と紛らわしいことからの変更というのが真相である。 --サンマリーノという町の登場人物「サンディ」が「メラニィ」に変更。 ---本作より先に発売された『IX』に登場するメインキャラの妖精サンディと同名であるのが変更の理由であると思われる。当然ながらサンディが登場したのは『VI』のほうが先。過去作でもラゴスやピピンなどシリーズ内の別作品とキャラの名前がかぶっているキャラはいたために理不尽だが、連続して「サンディ」が登場し、2人ともストーリーに大なり小なり絡んでくるのはまぎらわしいために変更されたのだろう。 //((当然ながらサンディという名前のキャラが出たのはこちらが先。にも拘らず変更される事態になったのはあまりにも理不尽である。そもそも、過去作でもラゴスやピピンなどシリーズ内の別作品とキャラの名前が被っている事は少なく無いため変更する必要性があったかは疑問である。因みに『9』のサンディは性格や作中の発言などにかなり問題があり、賛否両論(どちらかというと否より)なキャラクターとされている)) //---後者は『9』に登場するメインキャラの妖精と同名であるのが変更の理由であると思われる。過去作でも同名キャラはいたが、6のこの人物は大変に不快なキャラであり、DQの胸糞悪いイベント・キャラを選ぶとかなり上の方になるだろうと思われる。恋敵に濡れ衣を着せるという悪事を働きつつも自分が犯人とは発覚せず、反省、謝罪が一切ない。嫌がらせを諦めただけである。この人物像が原因と思われる。 //濡れ衣を着せられた方がサンディで着せたのはアマンダ -堀井雄二氏はVジャンプWEBに掲載されたインタビューで以下のようにコメントしている(現在は消滅)。 #blockquote(){ SFC版では『V』で好評だったモンスター仲間システムを当時は次の作品の『VI』でも残したんですけど、今思えば、何か中途半端なものになってしまった印象があったんです。だからDS版でそこをキチンと作り直すか、いっそ取ってしまうかという選択がありました。でも、DS版では仲間がしゃべってくれるし、パーティメンバーとの会話をじっくり楽しんでほしい。あと開発期間や容量の問題もあるので、皆で打ち合わせの結果、カットする方向にさせてもらいました。 } --ちなみに、解析したユーザーによると''実際の製品版のROM容量は余裕で余っている''らしい。~ 本作は128MByteのROMを採用しており余った容量は19MByteと、SFC版で使用されたROMの容量(32MBit=4MByte)よりも大きい。しかもこれは各モンスターの歩行グラフィック(ゲーム中で普通に見ることが出来る)を入れた上での空き容量である。そもそも容量が足りないのなら『[[ドラゴンクエストIX 星空の守り人]]』に使用した256MByteのROMを使うという選択もある訳であり、上記の堀井氏との発言の差異が問題視されている。 ---ただ、機種のBIT数の差(SFCは16Bit、NDSは32Bit)によりグラフィックが美麗化するなど、容量が増える要素もあるため、モンスター用アイテムや追加要素やシステム変更などを入れると苦しくなる可能性はある。大容量ROMを使えば価格が上昇するという事情もあり、決して容量問題がなかったというわけではない。 ---同様のシステムをもつ『V』はリメイク時では削除されなかったどころかPS2・DS共に仲間モンスターのバリエーションが増えている事もあり、何故『VI』でだけ? と余計に批判が寄せられた。 ---スクエニびいきと言われるファミ通のクロスレビューですら「仲間モンスターは残して欲しかった」と批判している。 -上にもあるように、堀井氏の発言には矛盾が生じているもの(容量がキツかった)や、ユーザーサイドの感覚からズレたコメント(''モンスターを使って冒険したいなら今度発売される『[[ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2]]』を遊んでください'')もある。 --既存のシステムを否定している・仲間モンスターシステム削除に対する開き直りとも捉えられかねない発言であり、『ジョーカー2』自体は良作なのだが、この発言が原因で「ジョーカー2のせいでモンスターシステムが微妙になった」と主張する人もいた。 --この年のスクエニは[[伝説級のクソゲー>ファイナルファンタジーXIV]]など複数のクソゲーをリリースし、それに対する企業態度も最悪という魔の一年であった。この作品は同社が2010年度にリリースしたゲームの中ではまだマシな部類に入るのだが、上記のように非常に低い完成度と発売時期の悪い状況が重なったこともあってスタッフに対する風当たりが強くなった感は否めない。 //同情する意見もあった。 ---- **スマートフォン版(参考記述) 2015年6月11日にはスマートフォン(iOS・Android)版が配信され、これは基本的に本項のDS版をベースにした内容になっている。~ ただし、以下のような変更点がある。 -すれちがいの館が無くなり「まぼろしの館」に変更。各地の本棚から夢のカケラを集めていくと施設が拡張されていくという形式になっており、通常プレイでもクリア前に一部のスライムが加入可能になった。 --その代わりゲームクリアによる無条件解放は無く、クリア後でも夢のカケラが条件のスライムはきちんと集める必要がある。 -キャラのステータスや耐性は基本的にDS版そのままだが、''テリーのみ再び強化。'' --初期レベルがDS版の28からLv33になり、''初期能力値も力が僅かに、そして素早さが大幅に上昇''、また最終ステータスもチャモロを若干上回る程度の素早さになった。 --職業も戦士・武闘家だけでなく新たに魔法使いと僧侶が最初から★8まで極めている状態で加入するようになり、それに伴い初期修得の呪文・特技が大量増加している。 --以上の点により、テリーが遂に実運用に耐えうる性能になった%%(剣士としてではなく、サポートキャラとしてだが)%%。もちろん、即戦力としてなら申し分無い。 --一方でテリー以外のキャラはDS版から変更無し(人間の耐性消滅やドランゴの強さ等も据え置き)、ついでにレイドックの井戸のエンカウントなど劣化した部分もそのまんまのため、その点で批判を受けることがある。せめて、そこもきちんとSFC仕様に直してくれていれば… -ロブ尾行イベントの凶悪化。 --イベント自体はDS版と変わっていないのだが、画面がDS版の横長からスマホ版の縦長へと変わったことが悲劇の元で、横向きにロブを追いかけていると''画面外のロブに見つかってしまう''。ロブに見つかる判定を縦横逆に直してくれていれば… ---- //タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。) //ドラゴンクエストシリーズ,ニンテンドーDS,スクウェア・エニックス,リメイク作,NDS

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